GALLERY MoMoにて。(5/10〜6/11)現在開催中!
http://www.i-c-arts.com/yuka_terrace/exhibition/momo2005_info.html

自分が観た展示の記事を探していて偶然見つけたのがこの大谷さんのblog。
作品の明るいグリーンが印象に残って気にしていたのですが、思いのほか早く大谷さんの個展が開催され、会期中最初の土曜日に行ってきた次第。

大谷さんのHPで過去の作品も一通り拝見して観に行ったのですが、今回展示されている作品は、「グリーンやピンクの色彩でシンプル」というイメージと違っていてちょっとびっくり。。。

無論、グリーンやピンクの色彩は、それだけで元気になれるくらいに明るく鮮やかで、色彩のイメージこそ過去から続いているのが伺えましたが、違ってた、というより変化した、発展していたと思わせるのが、作品の奥行きや方向感。

入口左手にある大きな作品、縁の部分などにつらつらと書かれた文字(作品のタイトルを日本語と英語で、だと思います)も目を引きますが、数カ所にペンで描かれた小さな家が3つくらい集まった部分があり、これが画面に広がる色彩感のイメージをより大きなものに。
入口のとなりや向かいに展示されていた作品は、いろんな方向・角度にはしごがかけられていて混乱してしまうのですが、不思議と混乱することが楽しく思えてきます。

大谷さんもご在廊で、いろんなお話を伺えました。
特に印象に残っているのが、過去の作品で雰囲気が違っていて気になったものがあり、こちらの作品のファイルを観ながらまつわるエピソードやイメージをお話ししていただいたことで。
靴の甲の部分のグリーンもインパクトありました(笑)。

しばらく会期が続くので、もう一度は見に行きたいと思います。

大谷有花さんのHP:http://www.i-c-arts.com/yuka_terrace.html
Oギャラリーにて。(5/2〜5/8)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/buru.html

2階のOギャラリーには日本の作家の作品。3階のUP・Sにブルガリアの作家のものが展示されてました。
ブルガリアの作品はけっこうな数でざっと観ただけなのですが、当たり前なのかも知れないですがやっぱり日本の版画作品とは違う雰囲気だなぁ、と(今回展示されている作品ということではなく、これまで観てきた日本の新旧の版画作品と比べて)。

そのかわり、というわけでもないのですが、2階の展示はしっかり拝見しました。
タイトルに「現代版画」とある通り、かなりコンテンポラリーな作風。

桂川成美さんの水彩木版によるエスカレーターの版画。モノクロでかなりリアルに描かれているのですが、それよりなによりその透明感が印象に残ります。
北野敏美さんのコラグラフは、こちらもモノクロ。メタリックな質感がたまりません。
土曜日にお話を伺えた嶋田善雄さんの、コラグラフ作品。こちらは石膏(確かそうだったかと・・・)による版画で、全体的に土っぽい感じがまた独特の味わいでした。

他の方々の作品も手法から個性的なものが多かったです。
ぎゃらりぃ朋にて。(5/13〜5/21)現在開催中!
(ぎゃらりぃ朋のHP:http://www.remus.dti.ne.jp/~anne/tomo.html

入口をくぐって左手、「椿」が描かれた2点。
ちょっと見かけない風合いの和紙、濃い緑色で細かく皺がよっていて、その皺の折れ目とそうでないところとの色合いが何となく柿の葉を連想してしまうような、そんな質感を背景に、墨による極細の線画に薄塗りの岩絵の具で彩色されています。
全体の色彩からとにかく「渋み」が感じられて、独特の和紙の質感と合わせて新鮮な感触で。

そのとなりが女性の肖像2点で、こちらは髪が椿同様の極細の線によって1本1本丁寧に描き込まれ、その行為に緊張感を感じつつ、椿よりは若干茶色がかった画面にょってまた少し違う渋みも。

他にも蓮や、3面の組み合わせとなっている鴉の作品など。

ご在廊の石田朱日子(「あかひこ」と読みます、男性です)さんにいろいろお話を伺えたのですが、この独特の紙の質感はまず岩絵の具で彩色された和紙を揉んで細かく皺を入れ、それをパネルに水張りして乾いてからも更に彩色、という行程を経て出すそうです。
そして、そうやって完成した画面の色によってそれに何を描くかを決めるとのことでした。

もうひとつ印象的なのが額で、こちらも画面と合った渋い色の寄せ木細工で、この額も石田さんが製作されるそうで。

総じて渋く地味な印象ですが、こういう表現で申し訳ないのですが、出されたお茶がこれ以上ないほどおいしかった時に感じる嬉しさにも通ずるような(こんな例えでホントすみません)、じわりとくる落ち着いた雰囲気がなんとも心地よかったです。

余談ですが、先日お目にかかった川瀬伊人さんとお知り合いとのこと。
いろいろと観ていくなかでこういう繋がりに出会えるのも大変嬉しいです。
LAPNET CLUBにて。(5/3〜5/8)
http://www.lapnet.jp/event_info/club/swf/050503_sueyoshi/sueyoshi.html

ちょっと拗ねたような独特の表情をした女の子のアクリル画。
板、紙などさまざまなものに描かれていてその味わいもさることながら、例えば着ている服が紙の貼り合わせになっていたり。
いくつかほのぼのとした雰囲気のもの。

こちらのスペースは左手に小さな棚がたくさん並んでいて、こちらの棚ひとつひとつにも作品が。
コピーやドローイングなど、結構な手間がかかった黄色い絵。
それぞれの棚にタイトルが付けられていて、お母さんに包容されているところやヘッドホンで音楽を聴いているところなど、日常の場面が表現されていました。いくつかの棚には人形。

どちらも優しい感じで印象に残りました。
NADiffにて。(4/27〜5/29)
http://www.nadiff.com/gallery/mainpage.html

ミヅマアートギャラリーと同時開催の鴻池朋子さんの、こちらは鉛筆画の展示。
先日のMOT ANNUALでも放映されていたアニメーションも。

お店の真ん中のスペースの、奥のほうの壁には一面に鴻池ワールドが広がってます。
後ろ足だけが人間の蜂がそこかしこに飛び交っていて、例のナイフを抱えていたり、太い茎のようなものに刺さっているのを抜きにかかっていたり。

鉛筆画は絵本「みみお」の原画と先のアニメーションの原画。
お店のショーケースに展示されていた絵本の原画のほうに惹かれました。
あの妙に愛嬌のあるキャラクター「みみお」が体全体で表情を出しているのがなんとも。。。
ギャラリー銀座フォレストにて。(5/2〜5/7)

ガラス製のグラスやオブジェ。
いかにも女性らしい優しいフォルムが印象的で。

そのガラスのグラスやオブジェの表面や乳白色の部分に絵が描かれてました。
たしか花やカブトムシのようなものだったかと・・・。
これがなんとも涼しげで、この日はちょっと暑かったこともあって、なんとも心地よかったです。
・松本春崇展 Hudson River -a grid of Mirror- @ギャラリーGAN
http://www.presskit.co.jp/
・大谷有花展 -Mindscape-「無意識」との対話から @GALLERY MoMo
http://www.i-c-arts.com/yuka_terrace/exhibition/momo2005_info.html
・阪本トクロウ展 @ギャラリー山口
http://www.galleryyamaguchi.net/
・大西敦子展 @galleria grafica bis
http://www2.big.or.jp/~adel/grafica.html
・磯崎えり奈個展「向こう側」 @Pepper’s Gallery
http://www.peppers-project.com/gallery/jp/index.htm
・藤原ゆみこ展 @画廊宮坂
http://www5a.biglobe.ne.jp/~miyasaka/top.html
・安木洋平展 @k’s Gallery
http://www.ks-gallery.com/
・石田朱日子 個展 @ぎゃらりぃ朋
http://www.remus.dti.ne.jp/~anne/tomo.html
・恒松正敏作品集「METAMORPHOSIS」出版記念展 @ギャラリー椿
http://gallery-tsubaki.com/
・佐竹邦子展 - Field of the Air Elements - @ギャルリー東京ユニマテ
http://kgs-tokyo.jp/humanite.html
Gallery Monkeyfarmにて。(4/28〜5/12)
http://monkeyfarm.cocolog-nifty.com/nandemo/2005/04/post_cfe8.html

これを眼福と言わずして何と言う!!!

これまで何度かTBさせていただいた新井ワタルさんのblog(http://blogs.dion.ne.jp/araiwatal/ )でこの企画を会期終了直前に知り、なんとか時間を作って観てきました(あらためて新井ワタルさんに感謝!)。
いやもうあのスコープドッグが実物大で再現されているとあっては、装甲騎兵ボトムズをテレビで観ていた記憶はないけどプラモデルはかなり作った自分としては、なんとしてもチェックせねば、と。

平日の昼間に関わらず、倉庫をそのまま利用したような会場はお客さんでいっぱい。
まず、今回実物大スコープドッグを製作された倉田光吾郎さんの過去の作品の展示から。
いろいろとあった中でやはり楽器に目が行きました。
フレットレスのギターがあって、一見、楽器として使用するには正直どうかな?という感じですが、ちゃんとピックアップもジャックも付いていて、実際にアンプに繋げば音が出るようになっていそうで、ちょっとどんな音か聴いてみたい気も。。。

そしてメインイベント、実物大スコープドッグ。
順路があって後ろ姿から拝むようになっていました。

・・・でかい。プラモデルで作ったイメージではもっと馴染みのある大きさかと思っていたのですが、実物大になるとこんなに大きいとは...。
前に回る。
ああもう、かっこいい。
顔の部分にあるスコープ、胸のハッチ、左腕の機関砲、手前に置かれた銃...。
「あぁ、ホントに実物大なんだァ。。。」と、目に溜まったウロコが全部こそげ落ちるくらいの勢いでその勇姿を見上げて数分...。

感動しました。
すごい仕事です。感服です。
これほど「作る」(完成したものからするとむしろ「造る」なのですが)行為自体に感動したことはないです。

本当に、観ることができて良かった...。

《感想リンク》
http://mine4ta.blog.ocn.ne.jp/weblog/2005/05/2005_exhibition.html
http://sawan.seesaa.net/article/3265659.html
http://asray.exblog.jp/1913726/
http://krz.blogzine.jp/log1/2005/05/11__4785.html
http://someya.tv/blog/log/eid323.html
三鷹市美術ギャラリーにて。(4/16〜6/5)現在開催中!
http://mitaka.jpn.org/calender/gallery/062.shtml

この前日の4日、東郷青児美術館でのフランス絵画展で観たクールベ。
ていねいに描かれた風景・人物の絵、特に目玉の作品「出会い、こんにちはクールベさん」のユーモアがが印象に残ってまだその感動が覚めやらぬうちに観に行ってきた三鷹市美術ギャラリーでの、そのタイトルも「クールベ美術館展」。

クールベの作品を中心に、その弟子・仲間、関連作家の作品が展示されていました。
(メモ帳を持っていくのを忘れてしまって印象に残った作品のタイトルを書き留めてこられなかったのが残念・・・)

まず、初期のクールベの作品。
全体的に暗いトーンの風景画や人物画が並んでいるなか、雪が積もる風景を描いたものとその頃の製紙工場の絵が特に印象的。
風景画には海や川など「水」が描き込まれているのが多いのも特徴的に思えました。
そんな中に異物感たっぷりに展示されているのが「聖職者議会(正確なタイトル失念・・・)」関連の連作3点。
木の板に白の油絵具による線画というもので、アウトサイダーとしてのクールベのユーモアを感じるという意味で興味深い、そうでなくても単純に笑える作品。

続いて、クールベの周辺の作家の作品が。
生年を見ると、2人を除いてクールベと同世代、あるいは少し下という作家達で、こちらにも見応えのある風景画が並んでいました。
で、その除かれた2人。そのうちのひとりはクールベ美術館のの現館長のお父さんが描いた、「こんにちはクールベさん」に描かれたクールベの自画像を引用した「ありがとうクールベさん」といったほのぼのとした雰囲気の作品。こちらはいちばん最後に展示されています。
もうひとりはビュッフェ。
この作品はクールベへのリスペクトのようなのですが、とにかくこの企画展において他の作品と一線を画しています。
とにかく、作家が普段観ていた景色が圧倒的に違う(時代的に考えれば当然なのですが)ということが伝わってくる、強烈にインパクトのある作品です。

版画やスケッチを挟んで、最後にクールベの晩年の作品と、弟子・仲間との共作。
たとえばモネなんかは、晩年はあからさまに目が悪くなっているのが分かりますが、クールベは晩年の作品も隅まで丁寧に描かれています。濃い緑の風景と輝く夕焼けの風景とが並んでいて、見とれてしまいます。
共同作業による作品(最後の仕上げだけクールベ、というものが多いらしいです)も同じく。

印象派ではない、印象派の作家とほぼ同世代の作家の作品を堪能できて満足です。機会があれば印象派の作品と並べて見比べてみたい気もします。

《感想リンク》
http://totemokimagure.cocolog-nifty.com/zakkan/2005/05/post_e515.html
http://okehazama.cocolog-nifty.com/hiru_tsuki/2005/04/post_fe6c.html
GALLERY MIN MINにて。(4/22〜5/21)

奇跡的に(爆)「あの」ドアが開いていて、すんなり観ることができました(もうここのスペースは入れるだけで嬉しかったりします)。

今回のFaris McReynoldsの作品は油彩と水彩それぞれによる、映画の1シーンを描いたもの。油彩と水彩、それぞれの味わいが画面から感じられます。
また、画面中の動的な部分もしっかりとそういうふうに表現されています。もしかしたら、ビデオで一時停止したところをプリントして、それを見ながら描いたのかも知れません。。。

どの映画からのシーンかは分からなかったのですが(絵のタイトルはその場面の描写になっています)、いかにも映画的なスリリングなシーンもあって、特に分からなくても絵そのものを楽しむことができました。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/5c515349a7ade3fb9d9e71d6eb437a7d
森美術館にて。(3/29〜6/19)

GW期間中、最後に観た展覧会で、2つの企画が同時開催。

この手の企画ではいつもそうですが(森美術館では特に)、ダイレクトに「良い!」と感じるもの、楽しむために説明が必要と感じるもの、「ちょっとどうかな」と思うもの、さまざまな作品が混在してました。
もっとも、人それぞれに感想が違うのが現代アートの醍醐味でもあるので、それはそれでOKです。

※もしこれからの方がいらっしゃれば、入口で配付されているパンフレットにまず目を通してからご覧になることをお勧めしておきます。

・秘すれば花 東アジアの現代美術
http://www.mori.art.museum/contents/eleganceofsilence/index.html

「第一章 山水」は外の風景がテーマ。
森美術館ならではの豪勢なインスタレーションが、まず大きなインパクトで目に飛び込んできました。
ソン・ジョンウンの川を模したようにずらりと床に並べられたプラスチックコップ、その上を飛ぶ漢字の「鳥」の大群。これはシュ・ビンの作品で、壁に掲載されていた製作過程のメモで分かったのですが、床から天井に向かうにつれて漢字の「鳥」が少しずつ象形へと形を変えていっていました。
そしてそのそばには、スゥ・ドーホーの門が。

平面作品では、細かい文字の集合で水墨画風の風景画を描いたユ・スンホの作品が印象的。その質感から一目で分かる丸山直文の作品があったのも嬉しかったです。

「第二章 風水」は、室内。
こちらのトップには山口晃。例によって細かく描き込まれた作品もありましたが、それより移動式茶屋だかがあって、この床下にさりげなく置かれたみかん箱に内心爆笑。
奥まったスペースにぽつりと静かに咲いている須田悦弘の作品。ここだけは会場全体の騒々しさからかけ離れた雰囲気を感じました。
伊庭靖子の布団やクッションの絵が観られたのも嬉しかったのですが、できればもっと大きな作品を展示してほしかったです。

こちらには、無駄に内省的に思えるインスタレーションも。
食卓とか寝室とかをそのまま提示されても(僕にはそう見えました)困るなぁ、と。
また、バスルームを模したスペースの中の各所に細かいオブジェを配してそれを虫眼鏡で観るのもどうかと。

・ストーリーテラーズ −アートが紡ぐ物語−
http://www.mori.art.museum/contents/storytellers/index.html

映像作品が多くて、さすがに全部は観られず。
スタッフの方に全てみたらどれくらいかかるか尋ねてみたのですが、1時間くらいは、とのこと。
もっとも、最初から通して観るとなるとそれぞれに始まる時間が合わせてあるわけでもなさそうなので、本気で全部観ようと思ったら相当時間(と体力、あと腹具合も)に余裕をもってないと無理かと。
ちなみの僕がチェックした映像作品は、テリーザ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー、エイヤ=リーサ・アハティラ、鴻池朋子。
写真もけっこうありましたが、あまり面白いとは思えず...。

 
とにかく相当なボリュームでした。
いろいろギャラリーを回った後に観たこともあって、疲れました。。。
できればもう一度、余裕をもって見に行きたいですが...。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/9783f4f84521a7b7c6b670ff6f2faa7e
http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/bdf11091d5a534c9040496be588d9b97
http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/ad253961eac3d252ecb7c8f57db60790
http://blog.livedoor.jp/artbeans/archives/18516745.html
http://cinra.sweetbox.ws/archives/208495.html
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=238
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=239
http://stray-cat.way-nifty.com/words/2005/04/elegance_of_sil_91db.html
http://tatelog.blog4.fc2.com/blog-entry-19.html
http://a-third.cocolog-nifty.com/th/2005/03/post_4.html
http://ayya.exblog.jp/1852827/
http://hi9v9.ameblo.jp/entry-d4d356c42b376e0b7f4067d1ba324fe9.html
http://strnm.exblog.jp/2515182
TARO NASU GALLERYにて。(5/7〜6/4)現在開催中!
http://www.taronasugallery.com/exh/index.html

昨年世田谷美術館で拝見して以来、ずっと気になっている写真家、宮本隆司さん。
この人の個展がTARO NASUで開催と知って、初日に行ってきました。

当たり前なんですが、単純に「写真を撮る」のが上手いなぁ、と。
そんな人が「どこで」「何を」「どう」撮るか、というところで抜群にセンスと個性を発揮すれば、出来上がる作品が素晴らしくなるのは必然。

特に事前知識を仕入れないまま観始めたのですが、どこかの劇場か、固定椅子などの場内の設備や柱などで金属部分が剥き出しになっている暗いスペース、その向こう側から差し込んでくる光は真っ白く、そこに希望を連想せずにはいられない・・・。
また、割れたり落書きされたりしている鏡窓、そこに映り込むぼやけた景色、そのやわらかさに歪みを与える落書き、光が当たって影になっている窓枠部分、これらがひとつの画面に収まっていて...どこだろうという疑問よりもただ、かっこいいなぁ、と。

無機的なものが支配している画面の中に見つかる有機的なものに惹かれて、それぞれの作品をじっくり拝見。
オープニングパーティーということで宮本さんもいらっしゃったようなのですが、畏れ多くてお話を伺えず・・・。

これからどんなシーンを届けてくれるのか、楽しみです。
巷房+階段下にて。(5/1〜5/7)

リトグラフ中心の展示。
憂いを帯びたような表情の女性が描かれている作品が多かったのですが、その女性の雰囲気はなんとなく有元利夫のそれに近いような気がしました(北見さんにお話しすると、実際にそういうふうに言われることも多いそうです)。

多くの作品が3、4回刷られていて、最初が紙全体の色を刷られたものも。
(銅版や木版と違って、という意味で)リトグラフ独特のデザイン的に乾いた味わい(自分で書いていて良く分からないのですが、この言葉が一番手季節に思えるので・・・)も良い感じです。
また、作品によっては額の中に鉛筆と消しゴムも配置されているような、ちょっと嬉しくなる遊び心が加えられたものも。

そして、1点だけ、大きなドローイングの作品が。
この作品は古い洋書のページが張り合わせられている画面に、さkの女性にも通ずるようなヨーロッパの中世を連想させる学者の全身像が描かれていました。
この作品はまず洋書のページに描いてから、それらを張り合わせたとのことで、そのお話を伺って改めて拝見すると、例えば学者が着るジャケットの色がページごとに違っていたりして、そういう発見も面白い作品でした。
GALLERY SIDE 2にて。(4/28〜5/28)現在開催中。
http://www.galleryside2.net/

シンプルでわかりやすい色彩の風景画。
ただ、今回展示されていた作品は、なんていうか、すごく寂しい印象を受けてしまいます・・・。
グレーの空に葉も花もつけてない細い枝が数本、ほんの数本伸びているだけだったり・・・。
(ギャラリーのスペースには6,7点が展示されていたと記憶していて、この枝の絵はいただいてきたDMに掲載されている作品なのですが、2点あったこれらの作品がいちばん印象に残っていて、他の作品はかなり記憶が曖昧になってます、スミマセン・・・)。

事務所にも小品がいくつか展示されていてこちらも拝見させていただいて、動物が描かれている作品はどうやらこの展示に合わせて描き上げられた新作ではないらしいのですが、手に乗る大きさでふわっと描かれている感じでした。

・・・何だかすごく気になってしまいます。
どの作品も「描き立て」ということを思わせるほどに油絵具の新鮮な質感が漂っているのですが、何せ描かれている風景が寂しい・・・。ギャラリー内にあった資料を見ると以前の作品は動物や、もっと明るい感じの風景が多いようなので、どうして今回こういう作品を製作されたのかなぁ、と。。。
Oギャラリーにて。(4/25〜5/1)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/yorigobi.html

ゴールデンウィークの最初の連休中に2度拝見したのですが、体調や気分の差のせいか、それぞれの日でまったく違う印象を受けました。
はっきりいうと、最初に観たときよりも2度目のほうがずっと楽しめました。

羽田美奈さんの木版画は凸版というのではなくて、木の版に彫った溝に黒のインクを詰め、それを若干拭き取ってから描かれているもの(妙に人間っぽい犬です)の部分に白いインクを乗せて、プレス機で刷るという、他では見かけたことがない方法。
そこに犬の耳の部分だけ後から凸版で刷るとのこと。
和紙の色の味わいと相まって、独特の雰囲気。

松川はりさんの絵は、初めて拝見したときは描かれる人の表情がちょっと好みでなかったのですが、2度目の時はそのファンタスティックな雰囲気に思いのほか和めました。
紙ではなく絹に描くというところが特徴なのですが、もう一歩踏み込んで絹にしか出せない味わいが引き出せるともっと面白くなると思います。

岡野祥子さんの作品は油彩。
こちらは最初は油彩の質感がどうにも・・・という感じでしたが、日を置いて拝見するとそのちょっと暗い雰囲気の画面の中ににじむように映える赤や黄といった明るい色が印象に残りました。
APS西村画廊にて。(5/10〜6/4)現在開催中!
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2005/animal.html

外の看板には「常設展」となっていたのですが、すでに展示替えが完了していて、会期よりも早くこの展示を拝見できました。
つまり、常設展のつもりでお邪魔したのですが・・・








 
 
 
げっ!(爆)

とりあえず絶句。
普通びっくりしますっていきなりアレ観たら。

木彫りの動物たちは実物大で荒削りな木の表面の感触をそのままに彩色されていて、リアルだけど、手彫りのせいか、それとも木という材質のせいか、まあおそらく両方のおかげでかなり温もりがあるように思えました。
また、ヒョウやサルの長いしっぽが重力に逆らって上向きになっていたり地面と平行に伸びていたりしているのが妙に印象に残ってます。

一見の価値アリ。
Roonee 247 Photographyにて。(4/26〜5/1)

ハービー・山口さんの展示で一度伺ったこのギャラリー、たまたま近くを通ったのが開廊時間だったのでちょっと寄ってみたのですが・・・

ピンホールカメラで撮られた風景や街の場面の写真。

太陽の光を反射する水面のゆらぎ。
行き交う人々が通り過ぎたときの風。

林さんのお話ではたしか露光時間が1秒ほどとのことだったのですが、シャッターと比べると圧倒的に長い時間で切り取られた写真には、水や空気、光の「流れ」までもが収まっているようでした。
そういう写真に囲まれたギャラリーの雰囲気も、なんだか優しく感じられました。

・・・ピンホールカメラ、奥が深いなぁ、と。。。
資生堂ギャラリーにて。(4/25〜5/29)
http://www.shiseido.co.jp/gallery/current/html/index.htm

椿会、というのが何の会か分からかったのですが、HPによると資生堂主催によるグループ展とのこと。今さら気付くワケですが(汗)。

床面積だけでなく高さもけっこうなもので、空間的にかなり広い
スペース。
それを充分に活かして、現代美術の大作が展示されていて、かなりのインパクトでした。

児玉靖枝のグレー地にぽつりぽつりと点在するピンク色が静謐感を漂わせる「気配−桜」がお出迎え。
地下のスペースに降りると、まず辰野登恵子のてらてらと油絵具の質感が光を反射する作品が目に入ってきました。これはSHUGOARTSで観た作品のような気がしますが、相変わらず強烈です。
中央の高い壁に、山本直彰の大作。墨、箔、岩絵の具などで描かれた無彩色の抽象の日本画、とにかくこの大きさ(とにかく高さが尋常でない)で表現されるとものすごい迫力です。
奥まったスペースに展示されている三輪美津子の青い絵。世界の都市がタイトルに付けられた作品には、青のグラデュエーションで積まれた本、恵比寿様、エンジンという具体的なものと、図形的なものとが描かれていて、それぞれタイトルとの関係性を考えるのも楽しいです。
角のスペースに展示されていた世良京子の作品群がいちばん興味深くて、図形的な抽象画なんですが、中心に据えられた作品はマスキングテープがそのままになっていて、はたしてこれはこの状態で完成なのか、それとも製作過程を提示しているのか、いろいろと想像が膨らみます。

こういうスペースでコンテンポラリーアートに触れる機会を得られるのはありがたいです。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/19dd559ae360ab9a83a44d42aa9c371b
http://a-third.cocolog-nifty.com/th/2005/04/vs_ee31.html
Space Kobo & Tomoにて。(5/2〜5/14)

昨年のオペラシティ、3月のAランチ、4月の損保ジャパンで、と観る機会があった小西さんの個展。
しかも、Space Kobo & Tomoで。
ここで観る小西さんの作品はどんな感じなんだろう、と興味津々。

大変明るい色使いの油彩の風景画で、これほどまでに暖かみのある色彩なのに、なぜか僕は小西さんの作品に対して無機的な印象を受けるのですが、ここでの展示は、この小さくて真っ白なスペースにマッチして、良い意味で、より無機的に感じられました。

真っ白の壁に明るい色彩の絵。
その壁の白はより立体的に作品を浮かび上がらせ、且つ、引き立てているようで。

ここでの展示も良かったのですが、できることならもっと広くて明るいスペースで観てみたいです。
小西さんの作品は、やはり遠くから眺めた方がイメージが広がるので...。
SCAI THE BATHHOUSEにて。(4/9〜5/7)
http://www.scaithebathhouse.com/main/03exhibition/data/IzumiKato/ja.html

 
 
「なんだお前(笑)」

「あぁあぁあぁあぁ(笑)」

「朝目が覚めてぱっと天井を見たときこいつがいたらかなりイヤ(笑)」

「で、実は台所と玄関と合わせて3人くらいいたらもっとイヤ(笑)」

「でも慣れたら案外楽しい実生活かも(笑)」

 
 
最高。
相当にキッチュな風貌の木工の人型オブジェ。
キッチュなんだけど、なぜかそれを受け入れてしまえるのが不思議。
これが他の素材だったらこれほどまでに暖かみは出ないだろうなぁ、と。

比較的広い展示スペースに程よく配置されていて、何とも心地よい空間でした。最終日でしたが、ギリギリ観られて良かったです。

《感想リンク》
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2005/04/scai_the_bathho_f1ed.html
http://sahashi.exblog.jp/2585913/
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/af2fedd7e9a85f7df09cddc6a9c96481
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/a1511d83b25f8c6cb92cfe4323eadbd5

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