カルピス株式会社新本社ビル1階にて。(5/21〜5/29)
http://www.calpis.co.jp/event/fujishiro/

恵比須界隈を自転車で移動中、歩道にある掲示板に貼ってあったポスターで偶然知ったこの展示。
しかも最終日。
藤城清治の作品は一度銀座で観たことがあるものの、昨年の写真美術館での企画展は観なかったので、これ幸いに行ってきた次第。

カルピス本社ビルの1階のロビーの一部が展示スペースになっていました。
例によって、作品の裏側から照明を灯して映し出される影絵。
作品の数はけっこう多くて、充分に堪能いたしました。
特に印象に残ったのは、過去のカルピスのラベルに使用された作品の原画。
それらは実際店頭に並んでいるのを見たわけではないのですが、製品と原画とが並べられていて、四季に合わせた色彩や背景、そこにカルピスを飲んでいる女の子の影絵に何となく懐かしさのようなものを感じました。

展示スペースを出ると、先の写真美術館での展示で目玉作品だったらしい「愛の泉」が。
これはカルピス本社に常時展示されているようで。
以前テレビのワイドショー番組で放映されたドキュメントも流れていて、こちらでこの「愛の泉」の製作過程を知ることができ、あの淡い質感などはそうやって製作されるのかなど、たくさんの発見が。
ちなみにこの「愛の泉」の下絵も展示されていて、これ自体が立派な作品で。

帰りがけにおみやげでカルピスとエビアンをくれました(喜)。
東京ステーションギャラリーにて。(5/28〜7/3)現在開催中!
http://www.mainichi.co.jp/life/culture/jigyo/event/art/2005/004.html
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

鑑賞時間は1時間程度を予定していたのですが、大幅にオーバー、2時間半かけて観ましたが、まだまだいける感じ。。。

前日に文京アートで小山田の世界にすこしだけ接し、画廊の方からいろいろと教えていただいたのが、この展示のイントロダクションとして相当に効いていたのかもしれません。
とにかく予想以上の展示でした。

水彩、油彩、スケッチ作品がそれぞれ展示されています。
水彩は第1、第4、油彩が第2、第3のそれぞれの展示室を占めていて、スケッチは水彩のある展示室のガラスケースに。
昨年に同じ場所で観た難波田史男のとも通ずるような透明感で、それとは方向性がまったく違う世界を描いた水彩。
ピカソ的な人物描写ながら、よりネガティブな激しさが充満しているような油彩。

まず一通り観てひと休みして、2回目。

水彩から。
暗い色調に、緑色の肌をしていたり動物の顔を持った人など、グロテスクな人物が描かれている作品が多数。
ひとつひとつの作品が異様な力を持っていて、一旦、作品と対峙するとなかなか離れられない。
丁寧にそれぞれの作品を時間をかけて観ていったのですが、その連続の中でこの世界観に対して疑問が生まれ、また絵を通じて小山田が問いかけてくるような気がしました。
・・・何故にこんなに暗い世界?
・・・このグロテスクな人々の姿は、内面から覗いたらこんなものだ、ということの暗喩?
「お前はどうなんだ?」
・・・自分もまわりもそうなのか?
・・・いや、この世界はこんなに望みがないようなくらい世界じゃない!
「それでいいんだよ」
何となくこういうことを対話したような気がして、心が浄化されたような気分でした。
ただ、こういう暗い作品に紛れて、普通の(結局この言葉がいちばんしっくりしています・・・)景色を描いたような作品があって(すこしだけ色調も明るい印象で)、その度に、その唐突さに逆に言葉を失います。。。

続いて油彩。
こちらは油彩の特性を活かした凄まじく力強い作品の連続でした。
特に激しく削った痕跡が生々しく残る作品からは焦燥感を感じずにはいられず。
手を描いた作品なんて、板に直接描かれていてその板までも削ってしまっているほど。
一連の「鳥女」シリーズも強烈です。
そんな中、最晩年期の2つの作品、こちらはそれまでの焦燥感から解放されたような、怖いくらいにやわらかい色彩の作品で、この2つの作品が並んで展示されている一角だけ「違う」という印象。

スケッチは、モノクロで不思議な世界観が描かれていて、色彩がないぶんその奇妙さがよりはっきりと表出していて、水彩や油彩の作品とはまた違った意味で強く印象に残りました。

さらに、今度は小山田の年表を見て波乱万丈の人生の節目を確認。
展示されているいくつかの作品のキャプションに説明されていますが、美術関連ではなく私生活や病歴でいくつかターニングポイントとなる事象が多く見受けられ、それぞれの出来事が起きた年を手帳にメモし、あらためて観ることに。
そうすると、「こうありたい」という切実な願望と、何かに追い詰められているかのような現状とが、特に油彩の諸作品から滲み出ているような気がしました。やはり特に1971年の失踪は相当に大きな出来事のように見受けられ、その当時の作品からはひっ迫した状況を感じずにはいられないような気がして...。

水彩と油彩とまったく違う質感ながら、同じ作家が描いたものとしての統一感はしっかりと存在していて、だからこそ、展示全体の説得力は強烈で、ホントに久々にじっくりと鑑賞しました。
・・・これだけ書いても過ごした時間の充実の度合いを伝え切れている気がしないです...。

《感想リンク》
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=265
http://blog.so-net.ne.jp/tak4/2005-06-03
http://blog.livedoor.jp/benimashiko/archives/24067679.html
http://blog.goo.ne.jp/4-kama/e/2e7c74a8295394fd0b408987c408f3ef
http://oki304.blog.ocn.ne.jp/lily/2005/06/post_8bde.html
天気もよかったので、夕方、青山方面へ。

・権田章江展「Ho no bo no」 @GALLERY HOUSE MAYA(6/6〜6/11)
http://www.gallery-h-maya.com/sche2.html
青の線画にアクリル絵の具で彩色。
ひとつひとつがそれぞれちょうど見開き2ページくらいの短編の物語の一場面を描いたような作品で。
アクリル絵の具は水をあまり足さずに使用されるそうで、物質的な絵の具の質感がやさしい色彩と相まって心地よく感じられました。

・元木みゆき展「わ・る・つ」 @表参道画廊(6/6〜6/11)
http://www.omotesando-garo.com/link.05/miyuki
今年の「ひとつぼ展」の写真部門のグランプリ作家の展示。
前回のひとつぼ展のときの印象は突き抜けた明るさみたいなものを感じたのですが、今回は、正面の壁に展示された、さまざまなシチュエーションの人々が青空をバックに撮られた写真が何段かに並べられたのが、強烈な爽快感があって印象的でした。
他の作品は僕の好みではなく(エロ系の作品)。

・RIESUZUKI EXHIBITION 2005 BIRDIE TRIP @LAPNET SHIP(6/1〜6/8)
http://www.lapnet.jp/event_info/lapnetship/swf/050601_suzuki/suzuki.html
パネルに直接描かれたアクリル画。
・・・なのですが、数色のクレヨンでパネルを塗ってそれを下地にしていて、さらにアクリルで描いた後に削ったりもされるそうで、描かれるファンタジックな世界観とは裏腹に、下地のクレヨンを塗った時にできる凹凸感や、アクリル絵の具の隙き間や削って表面に出てきたククレヨンの色彩などが織り成す力強い質感に惹かれました。
結局一日中晴れだった東京。

・第36回 齣展 @東京都美術館(5/31〜6/10)
先日、淡路町画廊での個展を拝見した高谷優佳さんも出展されているとのことで、観てきました。
とにかく唯我独尊、遠慮会釈のない自分の世界観を展開しているシュールでグロテスクな作品が多かったです。
東千賀さんのシルバーの支持体にプリントされた作品、永岡博さんの廃虚の風景や記憶の断片を描いたおそらくリトグラフ、黒澤三喜男さんの木組みと石造りの立体を描いた迫力ある油彩の作品が特に印象的。
都美術館の公募展の会場は壁も照明も安っぽいので作品の雰囲気をしっかり出せてないのがもったいない気がしました。黒の壁で展示したら相当な世界だったかと。

・佐藤ふみ 針と糸と布に燃えた年「モラ」 @f分の1ギャラリー(5/31〜6/11)
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/schedule.htm
イラストレーターさとうひろゆきさんのお母様の、パッチワーク(「モラ」と呼ばれるそうです)の作品展。
なんでも70歳を過ぎてから製作を始められ、亡くなられる88歳までまでの作品とのこと。こういう話を伺うとグランマ・モーゼスを連想しますが、実際展示されている作品からは「作る楽しみ」が充分伝わってきました。

・工藤強勝「展覧会型録(カタログ)の仕事」展 @美篶堂ギャラリー(5/17〜6/12)
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html
工藤さんがデザインに携わった展覧会の図録の展示。
もう、美篶堂ならではの企画です。
構図や使用する書体などに留まらず、表紙に穴を開けたり帯を和服の襟を連想させるように取り付けたり、と他ではあまり見かけない工夫が凝らされ、しかもそれらが展示の内容に沿っているのがユニークでした。
ギャラリートークが開催される日だったのですが、伺った時間が早すぎて工藤さんとお目にかかれず、残念。

・SASAKI TAKUMEI 洗濯機の上のほう @フタバ画廊(5/31〜6/5)
前回は上野での展示でしたが、今回は銀座。
会場内には地面に泥が敷き詰められ、その上に洗濯機が「ががー」とか音立てながら動いているだけ。
あと、排水管が異様に長い流しがぼーっと突っ立てました。
もうくだらなさすぎて最高(爆)。
できれば銀座の歩行者天国とか、デパートの隅っこでやってほしかったなぁ(笑)。

・小沢郁恵展 @Gallery銀座フォレスト(6/5〜6/11)
多摩美のデザイン科の現役の学生さんの個展。
風景や人物が丁寧に描かれた水彩画と、ファンタジックなアクリルの人物画。どちらもよかったです。
大学での課題もファイルで拝見して、こちらも興味深い内容でした。こういうのをやるんだなぁあ、と。

・豊田美讃子展 @OギャラリーUP・S
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/misako.html
事前にネットで拝見した時は画面一面が一色に塗られた作品という淡白な印象でしたが、実際に観ると細かいグラデュエーションが見つかって、なんとも奥深い印象。
「水辺・水面」をテーマにされたとのことで、そう思って拝見すると確かに水のゆらぎのような風合いが見て取れました。

・オーバーラップ−16台のモニターのためのプロジェクト @メゾンエルメス8階フォーラム(6/2〜8/21)
もうそろそろここへ行くのもぜんぜん緊張しなくなりました(笑)。
会場には、床に敷き詰められたグレーのマットに黒の台に置かれた16台の黒のテレビモニターが、画面の方向は同じ向きでバラバラに並べられていて、まずこれ自体が美しいです。
映像作品は2点あり、水上を走る船の上から撮ったと思われる、16のモニターがそれぞれ別々の画像と音声を流す作品の、映像よりも重なる音が面白かったです。

・浅倉田美子 個展 ひつじを数える人 @ピガ画廊(6/1〜6/6)
http://www.piga.jp/image/piga05_2_6_1.jpg
「眠り」をテーマにしたファンタジーな水彩のイラスト作品。
人物やひつじがかわいらしい表情で描かれていて、なんともあったかい風合いで。
また、テーマと薄塗りの水彩のやわらかい透明感が合っていたのも印象的でした。

・アンドレア・ストリアネーゼ、マリオ・サントーロ 未知の飛行
@DAZZLE
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/misako.html
「内面の旅」をテーマに(ざっくり要約するとこんな感じ)製作された写真の展示。
それぞれ色彩が独特といえば独特、ただそれほど魅力的ではなく。
それより、ギャラリーにあったマリオ・サントーロの画集(写真集というよりも、版画集の趣き)がめちゃくちゃカッコ良かった!

今日は何といってもこれでした。
・異形の幻視力 小山田二郎展 @東京ステーションギャラリー(5/28〜7/3)
http://www.mainichi.co.jp/life/culture/jigyo/event/art/2005/004.html
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp
感想は後日あらためて。
今日は午後から味スタでサッカー観戦、夜も用事があり、たくさんは観られなかったのですが...。

・宮崎進展 @ギャルリー東京ユニマテ(6/2〜6/18)
http://kgs-tokyo.jp/human/2005/050602.html
具象。
パネルに麻袋が貼られたものに彩色されていたり、和紙にさまざまなものを貼ったり塗ったりしていたり、という、相当にアバンギャルドな作品。
特に麻布の作品は、素材そのものとしてではなく何かの風景を意識して観てみると、けっこう入り込めました。
こういう作品を「面白い」と思う自分と「面白いと思っちゃいけない」と思う自分がいるような感じです。

・小山田二郎展 @文京アート(5/24〜6/11)
http://kgs-tokyo.jp/bunkyoart/2005/050524.html
東京ステーションギャラリーで開催中の小山田展に合わせて(?)開催されている展示。
妖気ただよう水彩画、引っ掻いた行為に潔ささえ感じてしまう油彩の作品。
こちらでは小山田二郎は毎年取り上げているそうで、実際に画廊の方も小山田についてかなり詳しく、東京駅の予習として大変有益なお話も伺えました。

・板橋健一 日本画展 @Gallery銀座フォレスト(5。30〜6/4)
芸大日本画科の4年生、板橋さんの初個展。
茶系で統一された女性画がハイライトで、肌の部分に砂のようなものを使用して(絵の具に混ぜるのではなく、紙にまず乗せてから彩色とのこと)、影のようなニュアンスなどを表現していてユニークでした。

・鷲森秀樹展 @ギャラリーしらみず美術(5/30〜6/11)
まっとうな油彩。
夕焼けの風景画は大変印象的、オレンジに染まる空が美しいです。

以下は後日、ぼちぼちと。
・αMプロジェクト2005/vol.1 近藤正勝展「ネオランドスケープ 見えられぬ風景との対話」 @art space kimura ASK?(5/23〜6/4)
http://www.musabi.ac.jp/ampj/2005/01kondou/index.htm
・服部睦美展 @巷房(5/30〜6/4)
http://www.kgs-tokyo.jp/interview/2005/050530c/0530c.htm
新生堂にて。(5/18〜5/28)
http://www.gaden.jp/shinseido/2005/050518.html

まず、仏像のレプリカに目がいきました(おそらくこれだけ表情が違う感じだったからだと思いますが・・・)。
さっそく高宮さんにお話を伺うと、やはり仏像の姿に魅せられてご自分でも作ってみたい、と思って製作されたそうで、実物とまったく同じ製作過程を経ているとのこと。
中は空洞で、布を固めて製作されていると伺って感心しきり。

その両側には、ツルッとした顔が印象的なオブジェで、ひとつは花の上に座っている子供、もうひとつは亀の上に乗っている女の子の作品。
木彫りに彩色された作品で、濃い茶色の土っぽい質感は漆とのこと。漆というと重箱のようなつやつやしたイメージがあったので、こういう質感も出せるのか、と、僕にとって新たな発見でした。また、他の色は岩絵の具が使用されていました。

向かいの壁には兎の顔のオブジェ。
こちらも同様に木彫り(耳などは布)に彩色。
小さいと親しみが湧きますが、かわいいというより、どこか宗教的な感じが印象的でした。
GALLERY HOUSE MAYAにて。(5/23〜5/28)
http://www.gallery-h-maya.com/50523.html

あったかい雰囲気に溢れたイラストの展示。

一見、和紙に描かれたのかな、とも思ったのですが、水彩紙にオイルパステルで彩色。
しかし、そのまま塗るのではなく、オイルパステルの色彩を布にとって画面に広げるという手法で描かれるそうです。
そのためか、ひとつの色が広がるところでも色むらがなんとも味わいがあります。
そして、描かれるのもの輪郭は白い線となっているのですが、これは紙の色がそのまま活かされています。つまりこの部分は彩色されてないわけですが、マスキングはせず、この部分に色がつかないように丁寧に、やはり布で彩色されるそうです。この白い線の幅は細く一定なので、これを聞いてちょっとびっくり。。。
また、けっこう細かく描き込まれている箇所もたくさんあり、これは先の尖ったペン状の、というより布製のペンを使って、その先に色をつけて彩色されるとのこと。

描かれているものは、風景、屋内の景色、花などの静物、人物とさまざまですが、画法が独特なことと、色彩も原色よりふたつかみっつくらいギアを落としたような落ち着いた雰囲気で、散漫な感じはまったくなく。
加えて作品はすべて同じ大きさ、さらに作風に合ったベージュ色の額とマット紙とで統一されていて、それもまた好印象。
特に、縁側、台所、原爆ドーム(小林さんは現在広島在住とのことです)の絵が印象に残ってます。

こういう作品に出会えるのはホントに嬉しいです。
原画はもちろん、ポストカード(今回、来廊者へのプレゼントとして2枚いただきました)や画集、挿し絵、絵本などでも拝見してみたい作品でした。
TOMIO KOYAMA GALLERY Project Roomにて。(4/22〜5/28)
http://www.tomiokoyamagallery.com/projectroom/project15.html

なんとも大陸的な・・・。

油彩で描かれた人物の絵。
その人物の顔は、縦長で額が広く描かれているのが印象に残ります。

なかでも、大きな作品で描かれていた雪の積もる風景に佇む老人(片手にひびが入った器をもっている)の作品と、同様に雪の中で後ろ向きに立つ老人と前を向いて立つ女の子とが手を繋いでいる作品が、それぞれ何か物語の中のひとつ場面のようでもあり、その作品自体がひとつの物語のようでもあり。。。
前者の老人はものを乞うような表情で、そういう状況に対して達観しているようにも思えます。
後者の女の子は無垢な表情で。
背景の雪の白からもいろいろと想像力をかき立てられるようでもあって...。
アニメーションのような感触もあって、それぞれのキャラクターは今にもしゃべり出しそうな感じも。
なんだかいろんなイメージが頭の中を去来していく感覚。

作家の劉野(リュウエイ)さんは北京生まれで現在も北京を拠点に活動されているそうですが、そういう情報もあってか、作品を拝見して、短絡的かも知れませんが「日本人には描けない人物の絵だなぁ・・・」と。
今こうやって会場での印象を思い浮かべながらいろいろと考えているのですが、もし中国語のキャプションがついていたら、どのみち読めないんですけど、もっとぐっときたかもしれないです。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/73625d56d0c0202b9b92250e972d8c1b
http://peee.boo.jp/blog/archives/2005/05/post_562.html
Taka Ishii Galleryにて。(4/28〜5/28)
http://www.takaishiigallery.com/exhibition/2005/05_nu/japanese.html

一度会期中に茅場町に寄った時、開いていたにもかかわらず、入口から覗いててっきり写真かと思ってその時はパスしてしまったのですが、後にそれらが絵であることを知るに至り、なんとか会期終了ギリギリで観ることができました(こういうのが多いです・・・)。

おそらく油彩による女性のヌード、静物画。
それぞれ生々しいほどのリアリティ。
特にヌードの絵、バスルームに肢体を沈めている場面やへそピアスをつけた姿の作品は、やけに艶かしいというか、アーティスティックというよりもエロティックな印象が強いです。

ギャラリースペースの入口から左側の壁にはたくさんのポラロイド写真。
これらは、過去の絵画の構図を実際に再現したものがひとつの作品に対して数枚撮られていて、それが並べられていました。
これで分かったのですが、ここに展示されている作品は、昔の絵画を現代に再現してポラロイド写真に撮り、それを元に絵を書いている、というプロセスで製作されていました。
作品をあらためて観ると、確かに構図は昔の作品と同じで、しかし「今の時代の光」というのを強烈に意識させられるようでした。
ただ模写するのではなく、こういうプロセスを踏むことでまったく新しいリアリティが追求されている感じがしました。

残念だったのが、元の作品で分かるのがラ・トゥールの静物画のみだったことで...自分の無知を少々恨みつつ、それでも大変興味深い展示を拝見できて満足です。
また、写真以上のリアリティ追求というのは現代におけるひとつの油彩の形なのかも、とも思いました(伊庭靖子さんしかり)。

《感想リンク》
http://sahashi.exblog.jp/2652607/
ときの忘れものにて。(5/20〜6/4)現在開催中!
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankai.html

第一印象は「現代版アンリ・ルソー」でした。

植物の油彩画が主で、入口すぐの左手の壁にドローイングが数点の展示。
乾いた油絵具の質感で画面全体に描かれる植物・・・花や葉は、シンプルな背景から浮き上がって見えるように描かれ、軽い色彩でていねいに陰影が付けられています。
作品から伝わってくるイメージは熱帯なのですが、何となく人工物っぽい印象も(決してよくない意味ではないです)。
その陰影の付け方が、僕には何となくルソーのそれに通ずるものがあるように感じられました(ルソーの作品をそれほどたくさん観たわけではないのですが)。
ただし、ルソーは濃く重厚な感じですが、永井さんの作品では爽やかな色彩のせいか、むしろ清涼感のようなものを感じました。

油彩と比べると、鉛筆と水彩によるドローイングの小品は親しみやすい印象です。
キャンバス全体に色が付けられている油彩の作品と違い、植物が画面の真ん中に描かれ、また紙の色も多く残っている、というのが軽い印象を持たせるのかなと。

もし、ほかのスペースで永井さんの作品を拝見していたらもっと別の印象を持っていたに違いなく・・・例えば壁も床も白いギャラリーで展示されたら、もっと強烈に人工的な感じがしたような気がします。
ときの忘れもので拝見できたことで、よりあったかいイメージで(特に今回いちばん大きい、木の枝に生い茂る新緑の葉を描いた作品)触れることができたように思えます。

過去の作品を拝見すると、植物の他にもいろいろなもの(動物など)が登場していました。
そちらの作品も改めて拝見してみたいですし、これからどのように変化・発展していくかにも興味があります。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/feltmountain/e/946e283c43adc818a3fd71545df12aa2
ピガ画廊1にて。(6/1〜6/6)
http://www.piga.jp/image/piga05_1_6_1.jpg
http://diary.jp.aol.com/ybnkmzr/590.html

石居麻耶さんの、画集「ある日々の光景」の出版記念展で、この画集に掲載されている作品がすべて展示されています。
さっそく初日に観に行ってきました。

先月のごらくギャラリーでの個展で展示されたアクリル画ではなく、今回はペンと色鉛筆による風景画。
何気ない日常で見つかるようなありふれた風景。
決して背伸びしたりせず、いつのも目の高さで日々触れているような風景。
それぞれの風景を構成するものひとつひとつが石居さんの手によって丁寧に描かれています。
この画集「ある日々の光景」に載っている作品は昨年石居さんのblogで公開され、また画集も折をみて眺めているのですが、そういった作品の原画を実際に拝見して、やはり思い入れみたいなものもあって、感激しました。

アクリルによる作品は心の中にすっと沈みこむような静謐な印象ですが(特に先月拝見した作品はそういう印象が強かったように思います)、今回のペン画は「軽み」があって、親しみやすい感じです。
それでもあの独特の技法によるアクリル画と同様に細かく描きこまれていて、加えてペン画というやり直しのきかない緊張感もあって(実際、失敗して描き直すこともあるそうです)、そういったものが積み重なって得難い説得力を持たせているようにも思えます。

そしてまた、これらの作品が、青山の裏通りに面した小さなスペースに合っているんです。
作品も、白い額に浮かせるようにして収められています。
水曜日に始まって翌月曜日に終了、日曜日も開いているというのもありがたいです。

石居麻耶さんのHP:http://www.geocities.jp/mayaishii/
ギャラリー山口B1Fにて。(5/23〜5/28)
http://gaden.jp/yamaguchi/2005/050523b.htm

彫金の作品。
たったの6点でしたが、充分に楽しい、印象に残る展示でした。

台に乗せられた作品が4点、壁にかかっているのが2点。
それぞれユーモアが溢れていて、キャプションにはユニークなタイトルと共に作品に込められたメッセージも書いてありました。
そしてなにより丁寧に製作されていて、それでこその説得力。
金属の質感はそのまま活かされているのも良い感じです。

「防犯対策」や「覚醒」のヤドカリは甲殻類の関節のひとつひとつから顔のパーツ、触角に至るまでが精密に再現されていてリアルで、「防犯対策」では貝の蓋にセキュリティシステムが搭載されていてその近未来的な感じが格好良かったです。
お腹が空いているとかわいいブタもハムに見えてくるという「幻覚『hungry?』」は2匹のブタがそれぞれ腸詰めのソーセージとネットに包まれたボンレスハムになっていて、その佇まいはなんともコミカル。
怒って膨らんだフグにサイコロの目があしらわれた「怒ルト決マラズ」、表情は魚というよりも人に近かったりして、こちらも面白い!

壁にかけられた作品は的がモチーフになっていました。
的自身がいつも狙われていることの不満が表情に現れた「狙われる運命」。
虫を追っているカメレオンが的を這っていて、自身も狙われているという「ふたつの標的」。爬虫類の皮膚のざらついた質感が再現されているのもすごいです。

小さなスペースにけっこうな数の方がいらっしゃってて残念ながら祝迫さんとはお話しできなかったのですが(これだけの作品を拝見してしまうといろいろと聞いてみたくなります)、製作の手間などを想像するとどんどんできるものではないと思われますが、次にどんな作品が登場するか大変楽しみです。
リーテム東京工場にて。(5/13〜5/29)
http://variations.jp/index.html

銀座から一路、平和島・大田市場方面へ。
会期ギリギリでこの企画のことを知り、なんとか見に行くことが出来ました。

5時過ぎに銀座を出て会場に到着したのが6時過ぎ、事前に地図で確認していったのですが、予想通りの到着時間。
さすがにこの界隈へ自転車で来たことはなく、窓が確認できるくらいの距離で飛行機が頭上を飛んでいったりとか、まさに工業地帯といった感じの光景とか、いろいろと新鮮。

これまで現代アートにカテゴライズされる展示もけっこうな数を体験してきましたが、この企画はかなり振り切った感じがしました。
会場はリサイクル工場。そもそも場所から普通じゃないわけで。
加えて場所を意識した作品が多いのもまた、エッジの効いた感じに拍車をかけているような。
「よい・よくない」というのではなく、「面白い・面白くない」というのもちょっと違ってて、もっとダイレクトに内側の感覚に訴えてくるような、「分かる・分からない」という基準でそれぞれの作品に触れたような感じです。
ここまでくると「アート=表現すること」ということを強く感じるのですが、それでも「=何でもあり」になってないところにも凄みを感じます。
きちんと秩序が存在しているというか。

それぞれの作品の説明は、とりあえずのタイトルとその作品で使用されている器材・素材のみ。
710.beppoの《0.7 tons for music》は僕が行った時は故障中で体験できなかったのと、ポル・マロの発泡スチロールのインスタレーションがいまいちピンとこなかったのを除くと、それぞれの作品を楽しめました。

近藤一弥の映像インスタレーション《飛ぶ男》。
安部公房の同名の小説を元に製作されたこのインスタレーションは、黒のカーテンで仕切られた暗いスペースのなかで行われ、およそ14分にわたるインスタレーションは静かな始まりからどんどん加速していき、最後の方では心臓の鼓動を模した重低音が鳴り響く中で壁には安部公房が撮った白黒写真が目まぐるしく映し出され、台の上のスクリーンにはものすごい速さでテキストが流れていき、スパッと終わるという。この手のインスタレーションでは、これまで体験した中でももっとも圧倒的な説得力。

刀根康尚の音響インスタレーション《遠心的パラメディア》。
設置されているヘッドホンを装着すると、そこから聴こえてくるのは変化するノイズ音。
スタッフの説明のよると、会場の外に設置されている集音マイク、ラジオ、4枚のCD(そのうちのひとつはリサイクル工場で集音したものとのこと、他はいろいろと手を加えてあるらしい)、それぞれの音が卓の横にある温度感知センサーに反応しながらコンピュータを通してランダムに、設置されている4つのヘッドホンの8つのスピーカーから繰り出されるという仕組み。
まったくのノイズが「聴ける」ものになっていることが大変興味深いです。

クリスチャン・マークレーの映像作品は、携帯電話やラップトップパソコンが、それ自身がリサイクルされる映像を映し出しているという、考えるとシュールな作品。ノイズも強烈。

平倉圭の映像作品《テキスト、山、準−部分》。
水戸にあるリサイクル工場で重機が粗大ゴミの山を築き上げていく様子がモノクロの映像で延々と流れていて、無機的に壊し、積み上げる重機をなぜか見入ってしまっている自分。
もうひとつのスクリーンで流れていたテキストも面白かったです。

現代アートの境界。
いわゆるアートの延長線上ではなくて、まったく違う方向へと広がった、その先端にて。。。

《感想リンク》
http://blog.kks-online.net/archives/2005/05/variations_on_a.html
http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/5c6fb561fe1eeee952b883c54e9d1792
http://riok.exblog.jp/2818883/
http://www.doblog.com/weblog/myblog/23181/1375385
http://aon9.ameblo.jp/entry-a0ad95890f1db5e0e5c426694d16f77a.html
http://hworks.readymade.jp/blog/archives/2005/05/post_43.html
東京都美術館にて。(4/16〜6/26)
http://www.tobikan.jp/museum/art_deco.html

さまざまな方々の感想を拝見して、もう一度観たいと思っていたところでとある筋から招待券をいただいたので、2度目のアール・デコ展。

ちなみに前回の感想はこんな感じ↓
http://diarynote.jp/d/49130/20050420

で、今回は...
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                 (・_・ )<・・・・・。
 
 
展示の主旨に関係なく、ということであれば、ローランサンとかレジェとか、キュビズムの絵画とかは楽しめました。
ただ、ここで展示されているものの多くは実用的なものなワケで。そういったものは実際に使用されてこそ、デザインも含めたその良さがわかる気がします。
だから、ガラスケースに仰々しく収まった茶器やひとつ段の高いところに設置された机を見て、なんていうか「はく製」みたいな感じがして...。
前日に東京都庭園美術館に行って、実際に明かりとして使用されているランプや階段の手すりに施された装飾などを目にしていたので余計にそういう気分に。

こういうのに対する想像力が自分には足りないということで。

《感想リンク》
http://folklore.blog1.fc2.com/blog-entry-205.html
http://blog.drecom.jp/purple_shikiko/archive/184
http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/5b6ed3223679354269adcfeb7c3e66a3
http://reikoyamamoto.blogzine.jp/ynot/2005/05/post_a44e.html
http://a-third.cocolog-nifty.com/th/2005/05/post_490d.html
http://hybridcenter.jugem.cc/?eid=59
http://tonton1234.ameblo.jp/entry-2cf88900f32de32ce6b537cb55664c5e.html
http://satohtaicho.seesaa.net/article/2996129.html
http://s-tamako.cocolog-nifty.com/mamart/2005/05/post_b5d2.html
http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/2005/05/post_d2d9.html
東京都庭園美術館にて。(4/23〜6/12)現在開催中!
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/2005/ensor.html

僕にとっては未知の作家だったジェームス・アンソールの回顧展。
初期から晩年の作品まで、そして、油彩を中心にコンテ画、エッチングなど、さまざまなスタイルの作品が幅広く展示されていました。

先日観たクールベにも通ずるような初期のまっとうな絵画から、東アジアのテイストへの好奇心が強く感じられるシノワズリーの一連の作品、そしてグロテスクな作品群、という具合に「何を」描くかということの変遷にまず興味がいきますが、展示を通して観て、それよりも「色彩」の変化が印象的でした。

もっとも、展示の構成では途中にコンテによるシノワズリー作品や、ただグロテスクなだけではない、その時代の背景は良く分かりませんが景気のの先行きへの不安やペストなどへの恐怖などを風刺を交えて織り込んだようなエッチングの作品なども挟まっているのですが、初期のぼやけた暗い色彩(絵の具の劣化があるにせよ)から、後期の明るい鮮やかな色彩への変化のほうにより強く惹かれました。
例えば「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」や「仮面と死神」といった相当にシュールでグロテスクな作品であっても、その色彩は異様に明るくて、それがむしろ気味悪さを助長しているかのようです。
これらの作品は描かれているもののインパクトが強いのですが、後期はこういったグロテスクな作品ばかりかというと決してそうではなくて、キリストをテーマにした作品やその明るい色彩に希望や理想を託すような作品も。
「嵐を静めるキリスト」は、うねる緑の海に赤と青の空、帆船の先に立ち上がるキリストが光を放つ様子が描かれていて、大変力強さを感じます。「理想」では、中央に花束、その上にミューズ、そのまわりを囲む人々、これらが軽い色彩で描かれています。「華麗なる人々」に登場する人々は一様に笑顔です。「オーステンドのカーニバル」では、人々は赤い線画で描かれています。
極め付けは「我と我が色彩と我が持ち物」。おそらく自画像で、黄色の背景、紫のシャツ、ピンクのコート、頭上に2人のミューズ。この明るさ、鮮やかさを「我が色彩」と呼ぶところに、その色彩へのこだわり、そしてそれに何かを託しているような印象を受けました。

こういった後期の明るすぎる色彩と比べて、それより前の作品においては、絵の具の劣化もそう思わせる理由のひとつと思われますが、全体的に暗い色彩が印象的です。
入口すぐの「嵐の後(虹)」。灰色の海に浮かぶ帆船、夕焼け(虹?)、曖昧な水平線。
1階のロビーから階段を昇ると正面に展示されている大作「オーステンドの大眺望」。くすんだ色彩の空、雲。眼下に広がる街並の赤い屋根。
「海景、日没」。海は濃い緑と赤とで描かれ、空は赤黒く・・・そして、水平線には沈みきる直前の太陽。
人物画や静物画もありましたが、僕は風景画に惹かれました。

シノワズリーの一連の作品。
コンテ画の作品では北斎の漫画の模写や暁斎のそれにも通ずる鴉の絵など、また油彩のシノワズリーにはテーブルの上に置かれた仮面、花瓶に挿された団扇、置き物が描かれていて、アンソールの東アジアへの好奇心を強く感じました。

グロテスクな銅版画が並ぶ部屋では、1点だけ雰囲気が違う作品がありました。
「風車の下の村祭り」、白い和紙に刷られた銅版画で、色鉛筆と水彩でちょっとだけ赤、緑、青が加えられているのが、この中にあって唯一爽やかな質感で。

すごく面白い展示でした。
庭園美術館で絵画の展示、他の美術館とは絶対に見え方が違っていると思います。

《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/paul-ailleurs/e/ad087d0f94ce0eb0866fae77137f91b2
http://blog.goo.ne.jp/yotarou01/e/03c5e9b3ee4020fddb4d8e073cb477b1
http://yuu.livedoor.biz/archives/21443480.html
http://panda.moglog.jp/archives/001799.html
http://blog.livedoor.jp/aoiroonga_tushin/archives/22113171.html
http://blog.livedoor.jp/aoiroonga_tushin/archives/22228399.html
http://chiico.exblog.jp/1961261/
・作家の視展― 上野の森美術館大賞展受賞者展 @上野の森美術館(5/24〜5/29)
だいたい油彩画と日本画とが半々くらいの出展でした。
特に印象に残ったのは、塙峰夫さんの日本画「巡礼の午後」と柳田晃良さんの油彩画「昆虫記」。
前者は全体的に土色で描かれたインドの街並みで、細部までていねいに描かれているのと、空にさりげなく金泥が使われていたり、紙の裏に方眼の箔が貼られていたり、と手の込んだ作品。
後者は土っぽい風合いの油彩で、何かが積み上がるいちばん上にてんとう虫、というコミカルな作品。

・蒸発する山 篠塚聖哉展 @フタバ画廊(5/23〜5/29)
昨日も観たのですが充分に時間が取れず、またこの画廊は日曜日も開いているので改めて観てきました。
主にオイルパステル使用の抽象の風景画で、時間をかければそれだけ応えてくれそうな作品。もっと雄大さ、スケールの大きさがあれば、とも思いました。

・ゴトウヒロシ展 [Generation blanche] @HB Gallery(5/27〜6/1)
http://event.japandesign.ne.jp/news.php/3473050430/
繊維の一本一本が光を反射して輝くほどの和紙に、男性のポートレートがプリントされた作品。
線画に彩色といったシンプルさが和紙の質感と合わさって、独特な感じでした。

・みうらし〜まる個展 ZOO @OPA Gallery(5/20〜6/1)
http://www.geocities.jp/opa_gs/html/event20050520.htm
近くまで来たので先週に続いて立ち寄ってみました。
パステル画による素朴な雰囲気の動物を中心とした絵。薄紫の背景が印象的な、羽をつけた日本足歩行の鳥の絵や、太い黒の輪郭線がなんとなく「軽快なルオー」といった感触の作品も。
みうらし〜まるさんのHP:http://www.geocities.jp/simalmiura/

・自然との交感 小本章展 @アートフロントギャラリー(5/24〜6/12)
http://www.artfront.co.jp/jp/hsg/afg02idx.html
水辺の風景の一部を描き、その絵が風景に同化している様を写真で撮る、という作品。
作品を観ると「意図」は分かるのですが、そうやって出来上がったものが面白いかどうか、というとそれはまた別の話、という感じがしました。

そして以下のものは改めて。

・アール・デコ展 @東京都美術館(4/16〜6/26)
http://www.tobikan.jp/museum/art_deco.html
・『愛の泉』と藤城清治展 @カルピス株式会社新本社ビル1階(5/21〜5/29)
http://www.calpis.co.jp/event/fujishiro/
・永井雅人展 存在 永遠なるもの @GALLERY GAN(5/24〜5/29)
http://plaza.rakuten.co.jp/masatonagai/
銅版画を中心に、油彩の抽象画が2点。
モノクロの銅版画はちょっと離れて観ると幻想的な奥行きが現れてきて、不思議な感覚に。
複数版使用の赤い銅版画の大作は、引き込まれるような赤に浮かぶ黒の線が魅力的でした。

・田村勝彦展 ASKA WAY @Pinpoint Gallery(5/23〜5/28)
http://www.pinpointgallery.com/tamurakatsuhiko05.html
パステルのオレンジや黄色や青や緑に染まった、木炭による風景画。
もともとモノクロの作品を製作されていたそうですが、今回は新たな挑戦で、色をつけてみたそうです。
木炭でひとつひとつの輪郭がぼやけたような質感で描かれた風景、そこにパステルの色彩が加わって、たいへんやわらかく優しい印象でした。

・河邊香 個展『メトロノーム』 @SPACE YUI(5/23〜5/28)
http://www.spaceyui.com/gallery/schedule/image/kawabe.htm
アクリル画とペン画が中心の展示。
青味がかったグレーで描かれていていたアクリル画が印象的でした。
箱のような額に春夏秋冬それぞれ鳥、貝殻、落ち葉、雪の結晶を描いた小物を詰めた作品も素敵でした。

・Tatsuo Majima The Incredible Shrinking Pizza @HIROMI YOSHII(5/21〜6/4)
http://www.hiromiyoshii.com/
奥の壁にはピザを真上から撮ってピントを変えるなどして、ピザが細胞に見えるような映像。
横の壁にはピザを一心不乱に切り刻み、最後に犬に食べさせるという映像。こちらは強烈にくだらない!ちょうどお昼前に観たおかげでお腹が空いて空いて(笑)。
天井からたくさんのノートがぶら下がっていて、こちらには何か物語が書いてあるようなのですが、時間がなくて読めず。残念。

・大浦峰郎 個展 @スルガ台画廊(5/23〜5/28)
油彩。深緑や濃い茶色の中に練り込まれるように描かれる女性のヌード。
幻想的ですごくよかったのですが、もっと広いスペースであらためて観たい気もします。

・小沢良吉展 −篝火− @ごらくギャラリー(5/21〜6/4)
http://www.h6.dion.ne.jp./~goraku.g/OzawaRyokichi_2005/OzawaRyokichi_2005.html
猫の絵が中心の展示。どの猫も鳴き声が聞こえてきそうなくらい。すぐそばにいるような感じで、なんともかわいいです。
2点だけあった虫のオーケストラの絵も印象的でした。

・深井隆 個展 −時の風− @福原画廊(5/23〜6/4)
静謐感をたたえつつもインパクトが強烈な木製の椅子のオブジェ。背もたれから羽根が生え、椅子の上には本と林檎が椅子と繋がって削り出されています。
緑地に金色で描かれた走る馬の絵もよかったです。

・小山右人展 @ぎゃらりぃ朋(5/25〜6/4)
http://homepage2.nifty.com/yujin-koyama/
ファンタジックな絵画。
夜を連想させる紺をバックに、妖精や草木、光などが舞うように描かれていました。

・モノトーンの世界 東郷たまみ展 @昭和画廊(5/23〜5/28)
http://kgs-tokyo.jp/showa/2005/050523.htm
初めてお邪魔した画廊。
モノトーンといっても無彩色だけではなく、紫やオレンジ系統の単色による絵画が展示されてました。
凛とした女性の表情と、曖昧な背景とが一緒なところが印象的。

・須見祥子展 @Oギャラリー(5/23〜5/29)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/sumi.html
乾いた明るさがあって、大変エネルギッシュな油彩の抽象画。
観ているだけで元気がもらえるような気がします。
それぞれまったく異なる色彩なのに、ひとつの統一感がありました。
岩絵具とは違った土っぽさを感じる質感は、油彩が持つ個性のひとつかもしれないなぁ、とも。

以下は、改めて感想を。
・ジェームス・アンソール展 −ベルギーが生んだ異端の芸術家 @東京都庭園美術館(4/23〜6/12)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/2005/ensor.html
・−伝統と継承− 高宮洋子展 @新生堂(5/18〜5/28)
http://www.gaden.jp/shinseido/2005/050518.html
・永井桃子展 @ときの忘れもの(5/20〜6/4)
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankai.html
・小林万希子展「微吟」@GALLERY HOUSE MAYA(5/23〜5/28)
http://www.gallery-h-maya.com/sche2.html
・祝迫義郎展 @ギャラリー山口B1F(5/23〜5/28)
http://gaden.jp/yamaguchi/2005/050523b.htm
・川原直人展 NU @Taka Ishii Gallery(4/28〜5/28)
http://www.takaishiigallery.com/exhibition/2005/05_nu/index.html
・劉野展 @TOMIO KOYAMA GALLERY Project Room(4/22〜5/21)
http://www.tomiokoyamagallery.com/projectroom/project15.html
・Variations on a Silence−リサイクル工場の現代芸術 @リーテム東京工場(5/13〜5/29)
http://variations.jp/index.html

今日は、目黒→青山→六本木→銀座・京橋→茅場町→再び銀座→大森という動線。
superstore Inc.にて。(5/13〜5/27)

昨年末の東京都写真美術館でのキャノン写真新世紀展で印象に残った本城直季さんの写真。
たしか「箱庭」というタイトルで、実際に風景写真が箱に入っていましたが、その風景写真はミニチュアの模型を撮ったもの...とその時点では思ってました。

・・・しかし、実際は模型ではなく、実際の風景写真。
このことを最近知り、「これはすごい!」とあらためて思い至り、そんな時に本城さんの個展の情報をblogサーフィン中に入手、これは何としても観なければ、と最終日の本日行ってきました。

靖国通り沿い、市ヶ谷方面からだと日本武道館のちょっと手前、靖国神社の向かいにあるビルにある「superstore Inc.」に着いたらクロージングパーティーの最中で、ちいさなスペースは人でいっぱいで。

展示されていた作品は小学校を撮った写真が中心。
さすがにこれだけの数があるとミニチュアだとは思えないのですが、校庭に集まる児童、校庭に書かれた白線、サッカーやバスケットのゴール、遊具、停めてある車、木、校舎の螺旋階段、いろんなものがミニチュアに見えてしまうから不思議です。

そしてそのことがとにかく面白い!
本来有機的な風景を、あるものすべてがミニチュアに見えてしまうほどに無機的な写真に収めているのですが、その無機的に思える風景を眺めているといろんな発見があり、案外他愛もないことであってもそのひとつひとつが新鮮で。

観られてホントによかったです!
にじ画廊にて。(5/12〜5/17)
http://www12.ocn.ne.jp/~niji/past2005.htm

ちいさなイラスト。
大変小さな画面で、ひとつの額に2つ、3つ、4つ、6つ入っているものも。
同じ絵柄でオレンジと青の2バージョンあります。
オレンジは夕暮れを、青は夜を連想させて、同じ絵柄でも見え方がまったく違うのは新鮮でした。

絵は、タイトルと合わせてみるとユーモアにあふれていて、絵を観てタイトルを確認すると笑ってしまうもの多数。
また、小さい中にすごくスケールの大きい絵もあったりして、かなり楽しめました。
多くの絵に登場する小人もかわいらしくて印象的。
ギャラリーf分の1にて。(5/17〜5/28)現在開催中!
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/exhibition.htm

・・・侮ってました。
子供、それも幼児が撮る写真ということで、あんまり、いや、まったく期待してませんでした。

・・・いやはや、無垢って偉大だなぁ、と。

幼児に使い捨てカメラを持たせて撮らせてみた、という主旨。
この企画を構成された写真家の内藤正敏さんのコメントによると、良い写真が撮れた時は無意識な何かに支配されていると感じることが多々あるそうで、ならば「良い写真を撮る」という意識が働かない幼児に撮らせてみたら面白いのでは、というのがきっかけだそう。

で、展示されている写真を観ると、カメラの前後を間違えて構えてシャッターを切り、カメラを覗いている幼児自身の表情がアップで撮れていたり(この表情はかなり印象的!)、ピンぼけは当たり前のようにあるし・・・おそらく選ばれた写真は内藤さんによって厳選されたものではあるにせよ、ホントに無垢な、ピュアな作品がいっぱいで、そういうものに触れて心地よい気分になれました。

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