・泉田直美 ―足元から頭上のあいだ― @GALLERY GAN(7/19〜7/24)
http://www.presskit.co.jp/presskit/top.html
巨大ケーキのオブジェや枕を重ねたようなオブジェなど、何やら無駄に意味不明でくだらない感じが最高です。

・白川悦子・島村真知子・千田豊実「Open the door」展 @GALLERY ES S zone(7/19〜7/24)
無数のドットで何かを描く千田さん、半透明のアクリル板の感触を活かした島村さん、和紙に木版画の多色刷りの白川さん。
それぞれもっと工夫のし甲斐があるように思えました。ここから始まる何かに期待です。

・小林愛美個展 @HB GALLERY(7/22〜7/27)
(関連ページ:http://cre-8.jp/interview/11.html
実にシンプルなデザインにまとめられた、イスやテーブル、あるいは風景。
マスキングの技法を使って一色一色配置されていて、落ち着いた色彩と共になんだかほっとするような感じでした。
それぞれの作品に加えられたレタリングの文字も印象的...レタリングを入手するのは現在はかなり困難だそうです。

・澤口智一展 @ギャラリー52(7/22〜7/27)
http://homepage3.nifty.com/g52/schedule/now.html
木工によるオブジェ。
床置きの作品、3体の犬と2体の人物、その他小品が数点。
ほぼ実物大の犬や人は、その大きさもあって親しみが持てます、不思議ですが...。
地震はぜんぜん気付きませんでした。。。

・長谷川繁展 @ギャルリー東京ユニマテ(7/19〜7/30)
http://kgs-tokyo.jp/human/2005/050719a.html
マティス的な色彩が印象に残りましたが・・・。

・humanite lab vol.4 浅野桃子展 @ギャルリー東京ユニマテ
http://kgs-tokyo.jp/human/2005/050719b.html
パネルに単色で彩色しただけの作品が床置きで展示、それと長い布のようなもの。
理解するには相当な情報が必要かなぁ、と(ぜんぜん分かりませんでしたスミマセン...)。

・植松知祐展 @GALLERY b.TOKYO(7/11〜7/23)
http://www.dragonz.com/gallery_b/exhibit2005b.html
セピア調、暖色系の色彩があったかい感じがします。
ちょっとコミカルで軽い風貌の人物が登場していて(空飛んでたり、笛吹いてたり、亀に座ってたり、頭のうえにネコ乗っけてたり...)、なかなかよい味を醸し出してました。
言葉がなくてもほっとするようなストーリーが浮かんできます。

・七月展 @Gallery覚(7/19〜7/29)
本日からTARO NASU GALLERYで展示が始まった田口和奈さんの作品があるということで、その予習も兼ねて。
画廊の方にもいろいろと教えていただけて、作品を観る上でこれほどプロセスを知っておくことが大事な方はいないんじゃないかと(これまで拝見した時はまったく分からず・・・)。
展示されていた作品は、小さいながらゾクっとくるようなスリリングな感じでした。

・諸熊仁志展 @ガレリアグラフィカbis(7/11〜7/23)
http://www.h7.dion.ne.jp/~grafica/exhibits/morokuma.html
野球のモチーフを随所に織り込んだブロンズの作品で、笑わせるという感じではないにしても、心がほっこりするようなユーモアが満載。
頭や背中に浮き輪の空気穴みたいなものがついてる小人も印象的でした。

・島崎有紀子展 @ギャラリーなつかb.p(7/18〜7/23)
白い和紙に刷られたデザイン調の木版画。
滲んでやわらかく広がる青や緑と、濃い色彩で主張する線とのコントラストとで、大きな木やテーブルの風景、水たまりのようなものなどが表現されていて、きれいです。

・河内良介展 @福原画廊(7/20〜7/30)
ぱっと拝見した時は同伴がかと思ったのですが、細密な表現で描き込まれた鉛筆画。
軽量級のダリというか、ちょっとシュールな世界感も魅力的です。
鉛筆画を拝見する度に、鉛筆ってやはりいちばん馴染みが深くて、チラシの裏なんかの落書きの延長にこういった素晴らしい表現があるのかな、と、たとえシュールな作品であっても親しみが持てます。
余談ですが、名古屋在住の河内さんとなぜかサッカーの話で盛り上がってしまいました(笑)。

・河村ふうこ&毛利みき「私の部屋〜ソファーに座って」 @オーパ・ギャラリー(7/22〜7/27)
二人の女性それぞれの、CGによるポスター展。
小さなスペースを真ん中で分けて、壁にそれぞれ7点、それぞれ同じ色の作品が向かい合うように展示、さらに正面の壁にはお二人が描く女性が同じ画面に登場する作品を囲むように、数点の小品。
まずその展示方法が面白いです。
加えて、実際にも大変仲の良さそうな河村さんと毛利さんそれぞれが描く女性も、もちろん違うけど同じ画面に登場しても違和感がない感じで、観ていて楽しく和めました。

あと、最終日ということもあって、青山のGallery5610での浅葉父娘展にも。
春さんがご在廊で、あらためて作品の感想をお伝えできてよかったです。
残念だったのは、さすがに最終日とあって、マグカップが完売だったことで。。。

以下はあらためて。
・甦る明治の洋画家 五百城文哉展 @東京ステーションギャラリー(7/16〜8/28)
http://jet.rocket3.net/data/858ioki/858ioki.htm
・鈴木亘彦展 イミテーション・ゴールド −紛い沼 @ギャラリー椿(7/20〜8/13)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/050720.htm
・野口卓矢展 @ギャラリィ朋(7/22〜7/30)
・葵の会 @スルガ台画廊(7/18〜7/23)
津田やよい展(7/16、7/18)
ぎゃらりぃ朋にて。(7/11〜7/18)

こちらのギャラリーは僕にとって興味深い作家の作品が紹介されていることが多くて、展示替えの度にかならずお邪魔するようにしているのですが、今回の津田やよいさんもかなり強く印象に残りました。

油彩の作品が中心で、一部水彩の作品も(確かそうだったかと・・・)。
描かれているのは、男性の肖像、奈良の神社仏閣での部分描写(扉の金具など)、風景など。
題材が「和」ものが多いこともあってか、油彩(テンペラも使用されていたと思います)でありながら、大変「日本画」的な印象を受けます。

そういったなかで特に印象に残ったのは、ほおずきの絵と、ご自身の肖像画。
ほおずきの絵は、パネルに張られていない紙に描かれていて、全体的にセピア色がかったなかに、表面の繊維まで丁寧に描かれているほおずきが実に落ち着いた印象です。
自画像はかなりひねってあって...全体的にグレーのトーンで統一されたどこかの部屋の一角。そこに丸イス、無造作に置かれたガーター、床には先の尖った靴。台の上に鏡が置かれていて、そこにご自身の顔が映っている、というもの。
他に例を見ない独特の静謐...この作品の質感、世界観に、相当に持っていかれました。。。

岩絵具でもなく、洋画的な油彩でもなく・・・独特な質感。
こういう「手法」に個性を感じる作品に出会えるのはすごく嬉しく、その度にぐっときます。
また、これまでお目にかかった方の中で、文化財の修復や模写を学ばれる方々にもいろいろとお話を伺ってきて、そういった方々の多くが、日本画の技術を突き詰めていくなかで必要を感じてそういう方向に進まれる、と話されることが多くて印象に残っているのですが、津田さんの場合、使用する画材は西洋のものなので、専攻と実際に描くこととの関連性に大変興味を持ちました。
残念ながら会期中は四国の方にいらっしゃってたそうでお目にかかれなかったのですが...。
アスク映像祭2004コンペティション大賞受賞者展PART1 和田淳「鼻の日」(7/16)
art space kimura ASK?にて。(7/11〜7/16)
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/eizou1.htm

 
 
 
                         笑。

 
 
  
 
 
なんかもー、すっごいくだらなくて最高。
じわじわくるようなシュールな笑いがこんなにダイレクトにくるってのは、どういうことかと。

鉛筆画にパソコンで彩色したという、手法だけ聞くとなんだかハンパに近代的ですがどっちかっていうと凄まじくアナログっつーかアナクロなアニメーション。
奥のスペースで上映されていた「鼻の日」は、ストーリーはこれまた激しくシュールで、いちばん分かりやすく例えると、寝てる時に見る夢ってまったく現実的じゃないことがあるじゃないですか、そんな感覚。ひとつひとつの場面がいちいちワケが分からないのですが、そのシュールな世界に「まあいいか」って許す感じでどっぷり浸かってるとそれはそれで気持ちがいいと。

他に、3台のモニターに各2作品ずつ、計6作品も観ることができるようになてました。
そのうちの4作品はチェックしましたが、これらがまた最高で。
小川の中で妙な動きを繰り返す謎の生物を覗き込むやつとか、ゾウを検品するやつとか、「だからなんでそうなるんだよ!」と内心いちいちツッコミを入れつつ鑑賞。
それらの作品に登場する人物の独特の謎めいたポーズが忘れられない(笑)。

和田さんにもものすごい中途半端な勢いで(汗)リクエストしておいたのですが、ぜひともWEB上で観られるようにしてほしいです、ホントに。
あと、一点だけ大きな絵が展示されていてこれがいい味醸し出してたのですが、原画展も観てみたい気がしてます。
無論、これからできる作品も。
近代日本画の名匠−小林古径展(6/26、7/16)
東京国立近代美術館にて。(6/7〜7/18)
http://www.momat.go.jp/Honkan/Kokei/

前期と後期に一回ずつ観てきました。

まず、会期を通じて展示されていたふたつの作品、「加賀鳶」と「極楽井」。
「加賀鳶」からは、優れた俳句のような作品に思えました。
大作ではありますが、ひとつの画面の中にさまざまな表情が織り込まれていて...そして、例えば、画面の一番目につくところに、まさに「火事と喧嘩は江戸の華」の言葉通りに天を焦がす勢いで燃え盛る炎が描かれていると思えば、画面右手前にはその火柱に主役の座を奪われるどころか、それどころではない人々からも忘れ去られているように暗く描かれた桜の木が。はたまた、火事だってんで纏い抱えて参上した火消し連中と、家財道具を抱えて逃げる庶民、さらには近所の火事など気にも留めずにいつも通りの店先の様子。こういう対照的なものがひとつの作品に描かれていたのが面白く、それが僕にとって面白い俳句、リズム的にも制約がある17文字のなかに複数の情景を織り込む上等の俳句に似た感覚を覚えました。
「極楽井」は、当時の風俗、娘たちが纏った着物の柄がまず興味深かったです。ひとり、相当にモダンな柄の着物を着ていたり。また、裏に金の箔を貼られた画面から、その輝きが和紙の繊維の隙き間から滲み出ていて、その高貴な感じにも恐れ入りました。

前期は、「加賀鳶」と「極楽井」がいちばん印象に残ったこともあって、古径の「場面を描く力」を堪能しました。
前期のみの展示作品のなかでは、「闘草」が特に印象的で。
描かれる女の子の視線の先は画面に収まらない何かに注がれていて、それにたいして想像が広がったり・・・。

後期は、古径の「線」についていろいろと思いを馳せてみました。
基本的に、古径の作品は「ぬり絵」かなぁ、と思います(以前お目にかかった山口晃さんがご自分のスタイルを「ぬり絵」とおっしゃっていたことが頭に浮かびました)。
もちろん、描かれる「線」そのもの、太い細いといったところから濃淡まで、それらを駆使して描き分けられる表情はやはり素晴らしく、その線のほんの少しの流れ方で、描かれる人物の表情がやわらかく思えたり...その線自体の味わいも相当なものだと思うのです。
しかし、いちばん印象に残った作品「燕子花」、これはいわゆる「ぬり絵」スタイルではなく、透明感のある花びらの一枚一枚、茎、葉、画面下方を飛ぶ虫の羽に至るまで「線」が存在せず、その色彩の滲みがそのまま写実的な表現に活かされていて...その、儚ささえ感じられるやわらかな印象が心に静かに広がりました。
逆に、セピア色で描かれた「栗」。こちらは太めの線画に単色で彩色という作品でしたが、その線の太さが妙にコミカルで。。。

今、思い返すと、そのスタイルから考えて、古径の静物画って、どんどん描いていく中で、「ハマった」時に素晴らしい作品が生まれたのかな、と。
正直、辟易するくらいに多くの柿やら茄子やらの絵を観たわけですが、そういったなかに「燕子花」や「栗」、加えて前期の「木菟」など、心に残るものに出会えたのは貴重なことだったなぁ、と。
風景画や物語絵巻になると気合の入り方が違うなと感じますが...。

大幅な展示替えがあるということで前期と後期それぞれ観に行きましたが、ひとりの作家のたくさんの作品が観られたことよりも、同じ作家の回顧展に2度訪れることで見方に変化があったのが面白かったです。
面倒ではありますが、こういうのもありだなぁ、と。

日本画の大家の回顧展はもっとやってほしいです。
前田青邨、川端龍子あたりをやってくれたら嬉しいなぁ。。。

《感想リンク》
http://museumagogo.cocolog-nifty.com/museum_a_go_go/2005/06/post_75a3.html
http://museumagogo.cocolog-nifty.com/museum_a_go_go/2005/07/post_aecc.html
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/efca38fd5f7a71bdd77adec21d8744d3
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/4ed7da5e44e135757ae621b18df35707
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=306
http://sousleau.blog5.fc2.com/blog-entry-48.html
http://stagedoor.tea-nifty.com/open_a_door/2005/06/post_4085.html
http://okehazama.cocolog-nifty.com/hiru_tsuki/2005/06/post_3795.html
http://okehazama.cocolog-nifty.com/hiru_tsuki/2005/07/post_a166.html
http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/629443748a29fe4e9c887b7b33b36e35
http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/d8468ce26d43d25334a71b2b66641659
レントゲンヴェルケにて。(7/9〜8/9)現在開催中!
http://www.roentgenwerke.com/entrance.html

風景写真です。
しかし、ただの風景写真とは違う感触。

先日拝見した本城直季さんの作品と同じく、まるでミニチュアのジオラマを撮影したような。
本城さんは学校の校舎や校庭を撮ってましたが、今回展示されている長塚さんの作品には人が登場しない、まったくの風景写真。

わりとさまざまな場所で撮られてますが、なかでもインパクトがあったのが、「海」と「川」を撮ったもの。
「海」は、どこかの海岸から眺めた、うねる海面。その海面上に広がる波の隆起ひとつひとつがミニチュアっぽく見えるっていうのはどういうことだ、と自問自答してしまうのですが、まるで何かで固められたような感じになっていて、その質感にかなりの驚きを感じます。
「川」は、こちらもどこかの山の中。一部紅葉が始まった木々が両岸に密集する谷に流れる川で、今度は木々の一本一本が見事にミニチュア然としています。
他にも、荒れた草原が広がる大地の写真も印象的。

何か特別な機器を使用しているとわけではないそうですが、ちょっとした撮り方でこれほどまでに変わった感じになるというのは面白いです。絵画で表現するのはまず無理な、まさに「写真」ならではの作品でした。
本城直季さんの写真に興味がある方は必見です。

長塚さんの写真集がリリースされるのを切に希望する次第。
伴田良輔「PECHIKA人形展」(7/10)
美篶堂にて。(7/5〜7/24)現在開催中!
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html

いつもの木の扉を開くと、まず目に入ってくるのが木製の人形による人形劇の映像。
手作り感満点の人形、そして手作り感満点越えの映像で。ひとつひとつのシーンをコマ割りで撮っていったもので、ほんの小品でありながら製作期間は尋常ではない様子。
内容はベタですが(笑)、BGMのトイミュージックも場面場面にぴったりと合っていて、和めました。

・・・って、BGMはCDて...!!!!
まったく知らないフランスのトイポップミュージシャンのインディーズ作品で、こんなのいったいどこで見つけてきたの、とそっち側の疑問も浮かんできたりもしますが、それよりいちいち場面と音楽とがリンクしていたのが、正直笑えます。いやもう笑うしかない!

ひとしきり映像を観たあとでギャラリーを見渡すと、その映像に登場しいていたキャラクターがところ狭しと展示されていて...。
映像を観たあとだったので軽い思い入れみたいなものが内心で出来上がっていて、何だか嬉しい気分でした。

たまには童心に返るのも悪くない!
秘密実験005 志村信裕展「染まりゆくウツロヒ」(7/10)
siteにて。(6/18〜7/10)
http://shimuranobuhiro.sub.jp/

まったく知らなかったスペース。
地下へ降りて入口で受け付けを済ませ、いざ会場内へ。

細い通路にも聴こえる「ゴ・・・・」というノイズ。
通路の途中にある小窓から覗くと、上から下へと流れる青の映像。

会場内。
目が慣れるまでのにちょっと時間がかかるような、濃い青の映像。
大きな2面のプロジェクター(実際は4面のようでした)で、壁いっぱいに映し出されていました。
ただ単純に、上から下へと流れる青。。。
会場に入った時は濃い青の中に白が混じるような感じだったのが、だんだんと白の部分が増していき、気付くと眩しいくらいに明るい白の中に青が紛れるような風景へと展開。

およそ10〜20分くらいの映像で、その間延々と流れる青と白の色彩から「滝」を連想したのですが、タイトルを見たらやはりその想像は遠くなかった模様(正確なタイトルは失念...)。

・・・面白かった、というよりも、すごく気持ちよかったです。
提示されるのは、何度も繰り返しになりますが青と白とが上から下へと流れる単調な映像、しかしその情報量は細かなグラデュエーションによって相当なもの。さらに押し付けがましさのようなものがなくて、すっと自然に内面に入り込んで響くような感覚。。。

何の変哲もないのに、むしろ積極的に観たいと思わせる不思議な映像作品でした。
・千葉由笑展 @Gallery 銀座フォレスト(7/18〜7/23)
画面表面の凹凸感が見事な岩絵具の作品で、描かれるのはカンディンスキーの抽象画に登場するなぞの物体をフィーチャーしたようなもの。
一見グロテスクな風貌ですが、変な言い方ですが、慣れてくるとけっこう可愛い感じです。
一点だけ、3点ひと組の作品があってこのコンセプトがなかなか面白く、これのもっとスケールの大きいバージョン(十数点ひと組、みたいな)を観てみたい気がしました。

・3人展 境真友美・安間千桂・山下永 @Gallery 銀座フォレストミニ(7/18〜7/23)
これまでいろんな展示を拝見してきて思っているのですが、こういうのを作らせると「ムサビ」の人は本当に上手い!
境真友美さんの陶製の白い酒器、日本酒がこれで出てきたら嬉しいだろうな、とイメージが湧きます。
安間千桂さんのガラス工芸、何層にも重ねられて分厚いガラスのオブジェ、その中に模様が閉じ込められていて面白いです。
山下永さんの皮紐を使った金工のペンダントなど。こちらもなかなか渋い感じがお洒落に思えました。

・構造考2005 青木正夫 @村松画廊(7/11〜7/23)
ガラス張りのギャラリーで、外から覗くと手描きのCGといった印象でしたが、実際に作品をじっくり観てみると立体感があり、この作品が「動かない」のがすごくもったいなく思えました。

・兵頭浩章展「クジランド」 @シロタ画廊(7/18〜7/23)
http://gaden.jp/shirota/2005/050718.html
巨大なクジラがいるスケールの大きなファンタジックな作品。
空中に浮かぶようなクジラの眼下にはスタジアムや街並みが広がっていたりしてましす。
明るく輝く夜を連想しました。

・山崎宏展 @OギャラリーUP・S(7/18〜7/24)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/yamahiro.html
李禹煥を連想させるような、金と銀の画面に、分割された紺の大きなドットが散らばる作品。
クオリティとコンセプトのどちらを優先するか、ということを考えさせられました。

・岩城大介展 T-BOX(7/18〜7/24)
http://www.tbox.co.jp/tbox/2005/050718.html
岩絵具による、スケールが大きいのにのんびりした感触が印象的な作品。
ざっくり描かれ大木の幹や鳥の姿に、子供のころよく観てた「まんが日本むかしばなし」の風景を連想、何だか懐かしい気分です。

・黒崎典子展 @Oギャラリー(7/18〜7/24)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/kurosa.html
油彩による作品で、透明感のある小さな画面の中で何かが揺らめくような感じです。
色彩もこの季節にぴったりの涼しげな印象でよかったです。

・佐藤和栄 展/界面 @exhibit LIVE & Moris(7/18〜7/23)
手すりのようなものが作品に奥行きを持たせている、夢想的な作品。
落ち着いた色彩と共に、緩やかな感触が心地よかったです。

・出射茂展 @ごらくギャラリー(7/4〜7/23)
http://www.h6.dion.ne.jp./~goraku.g/Idei_2005/Idei_2005.html
油彩ですが、パステル調のぼやけた風景に、金箔による線画が上から描き足されていて、さらに作品によっては蝋も使用されていて、ひとつの作品にさまざまな距離感の視点が存在するユニークな作品でした。
正直な感想としてちょっと「?」な作品もありましたが(取っ手が付けられている作品など)、心地よく感じられる「違和感」というのは面白いです。

・北見隆「LA FOLIA 2」 @SPACE YUI(7/18〜7/27)
http://www.spaceyui.com/gallery/schedule/image/kitami.htm
先日、銀座の巷房で拝見した北見さんの、今度は青山の裏通りにある自然光が入ってくるギャラリーでの展示。
今回はリトグラフ作品に加えて石膏などによるオブジェも多く展示されていて、平面作品とオブジェそれぞれの色彩が近寄っていて、スペース全体に統一感がありました。
「植物学者」に再びお目にかかれたのも嬉しかったです。

以下はあらためて。
・まえかわみずえ展 さよならにっぽん。 @フタバ画廊(7/18〜7/24)
・水野温子展「原風景」@GALLERY HOUSE MAYA(7/18〜7/23)
http://www.gallery-h-maya.com/frame02.html
・丹羽亜里咲「エノテカ・バジリコ」 @gallery J2(7/12〜7/17)
http://www.g-j2.com/2005/artist/niwa/01.html
パネルに直接アクリルで彩色し、表面の一部の線の部分を彫った作品。
描かれる絵はポップアートな感じで面白そうでしたが、個人的にはパネルではなく、例えばシルクスクリーンのように色の輪郭がしっかりした手法のほうが良いような気がしました。

・児嶋サコ 個展 empty days @GALLERY SPEAK FOR(7/9〜7/24)
オブジェ、写真、油彩(アクリルかも?)、ドローイング、映像。
特にドローイングで、「痛い」というイメージが伝わってきて、ちょっとこういうのは苦手だったりします。。。
作家本人がハムスターの着ぐるみを着て草むらに現れる映像は、思わず観てしまう、そんな印象でした。

以下はあらためて。
・ドレスデン国立美術館展 @国立西洋美術館(6/28〜9/19)
http://www.nikkei-events.jp/dresden/
・野谷美佐緒 砂の記憶、夏いろえんぴつ展 @HhBM(7/11〜8/7)
http://www.misaonoya.com/exhibition/index.html

このあと味スタだったわけで、今日は今日で回った数こそ少なかったけど移動距離は相変わらず。。。
もし自転車用の距離表示器が出たら、ゲットするために二子玉川の東急ハンズに開店前に並んだっていい。

っておい。
・装本家 西尾彩、挿絵作家 吉田稔美 二人展 @NIKI GALLERY 册(7/14〜8/7)
http://www.satsu.jp/event04.html
以前美篶堂で拝見した西尾彩さんの装本と、蛇腹の正面の穴から覗くとその物語に登場するいろんなものが重なって見えて面白い吉田稔美さんの二人展。
西尾さんのは、綴じ本や箱など、前回拝見した時よりもさまざまなバリエーションの作品が展示されていて、それぞれがきりっとした佇まい。
吉田さんのはまずそのコンセプト自体が楽しげです。逸脱した笑いというのはなくても、ひとつひとつ覗いて和めるような作品でした。

・関口潤子展 @GALLERY 52(7/15〜7/20)
http://homepage3.nifty.com/g52/schedule/now.html
女性の身体をモチーフにした立体作品の展示。
作風自体に新しさ・斬新さは感じなかったのですが、ひとつのコンセプトでブロンズや石膏など、さまざまな素材による大小のオブジェが並んでいて、統一感がさすが、という感じでした。

・GalleryReview作家展「Sの心象評論−vol.5」 @アートスペース羅針盤(7/11〜7/16)
http://rashin.drawing.jp/ex/2005/0711/index.html
寺島プラティオさんの全体的に白っぽく描かれた風景画、特にその白が映える雪の風景と、戸沢佳代子さんの、ある部分が写実的に細かく描かれていて、そこを際立たせるようにその他の部分が大まかな色彩で描かれているユニークな作品が印象的でした。

・渡辺一洋展 @ギャラリー椿GT2(7/11〜7/16)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/050711gt.htm
フロム新潟。
銀座・京橋のほぼすべてのギャラリーを観て回って、いちばんご自分の作品に合った場所としてチョイスしたのがこのスペースだったそうで、デュフィを彷佛させる、明るい(発色という意味で)背景に踊るような線が気持ちいい油彩の作品が居心地よさそうに展示されていました。
パリで得た感覚のようなものが溢れているような。

・黒須信雄展 @なびす画廊(7/11〜7/23)
http://www.nabis-g.com/kikaku/k2005/kurosu-n.html
草間の遺伝子。そんな感じです。
ちょっと大きめのドットや細かい線が群がって渦巻いている絵。
重なる谷を俯瞰しているような奥行き感がありました。

・大岩久乃展 @GALERIE SOL(7/11〜7/16)
http://www.kgs-tokyo.jp/interview/2005/050711d/050711d.htm
石を削り出したオブジェです。
ちょうどカウンターテーブルのような高さに設置された、上を向いた部分が水平に平らでその表面には渦模様。
ホントにテーブルとして使用されたらすごく良さそう(実際そういう感層を持たれる方がが多かったそうです)。

・相田ひろみ展 @シロタ画廊(7/11〜7/16)
http://gaden.jp/shirota/2005/050711.html
鏡や銀の絵具って、すごく分かりやすくダイレクトに近未来を連想させるなぁ、と。。。

・加藤純平展 @フタバ画廊(7/11〜7/17)
樹海を撮影した写真の展示。
洞窟から撮った作品がいちばん印象的でした。
太陽が出ている時間帯に撮影されたものでしたが、夜のほうがより面白い作品になったかも、と(夜に樹海に入れるか分からないのですが・・・)。

・曽根裕「sonw」 @GALLERY SIDE 2(7/15〜8/13)
http://www.galleryside2.net/
大理石製の雪の結晶のオブジェ。実に分かりやすいです。
そして、同じく雪の結晶をモチーフにした大きなドローイングが数点。
ギャラリーのスペースに展示されているものに関しては「大きいなぁ...」という印象でしたが、事務所にも1点展示されていて、狭いスペースで拝見すると「迫ってくる」感覚で。何ていうか、大きな雪の結晶が倒れ込んでくるような。

・Hirsch Pearlman @GALLERY MINMIN(7/2〜7/23)
露光時間をコントロールして、発光している部分を強調したモノクロ写真。
これ自体は新しくないですが(おそらく)、それでも何か「来る」ものがあります。

以下はあらためて。
・近代日本画の名匠−小林古径展 @東京国立近代美術館(6/7〜7/18)
http://www.momat.go.jp/Honkan/Kokei/
・アスク映像祭2004コンペティション大賞受賞者展PART1 和田淳「鼻の日」 @art space kimura ASK?(7/11〜7/16)
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/eizou1.htm
・津田やよい展 @ぎゃらりぃ朋(7/11〜7/18)
・長塚秀人新作展 @レントゲンヴェルケ(7/9〜8/9)
http://www.roentgenwerke.com/entrance.html
・中国★美の十字路展/フォロー・ミー!新しい世紀の中国現代美術 @森美術館(7/2〜9/4)
http://www.mori.art.museum/contents/china/index.html
http://www.mori.art.museum/contents/followme/index.html
・MAMプロジェクト003 ROR @森タワー東京シティービュー内 (5/14〜7/18)
http://www.mori.art.museum/contents/mamproject/project003/index.html
・フィリップス・コレクション展 @森アーツセンターギャラリー(6/17〜9/4)
http://www.phillips-collection.jp/
藤井拓馬展 “SLEEP,text.,Translation”(7/9)
GALERAIE SOLにて。(7/4〜7/9)
http://www.kgs-tokyo.jp/interview/2005/050704d/050704d.htm

いやもう、とにかくカッコ良かったです。

黒、あるいは暗いグレー調の抽象画。
よく観るとさまざまな顔料が使用されていて、独特の質感。
そのグレーを背景に、幅のある白の線がある作品では縦に、ある作品では稲妻状に斜めに走っていて。
そして作品の中に、そのタイトルが印字された細長のキャプションが貼られていて、これがそれぞれ目に止まる位置に配置されていて、画面に比べて小さいながらかなりのインパクト。
タイトル自体もかなり抽象的で、その言葉が作品の世界をさらに深遠なものにしているのは間違いなく。

こういった作品に混じって、黒の背景に白の格子模様が入っているだけの小さな油彩の作品も数点。

地下のスペースで真っ白の壁にそういった作品が展示されていて、未来的な感覚と、アンダーグラウンドなイメージとが混在して迫ってくる感じ。
例えば金属的な音色で構成されたデトロイト・テクノ、あるいはマッシブ・アタックあたりの影響下にあるダークなサウンドを流しながら観たら、さらに相当に非現実的な感覚に陥りそうな、そんな雰囲気。

こういったクールな抽象画に出会えることはすごく嬉しいです。
藤井さんともお話しできて、ただ作品の印象をつたない言葉で伝えることしかできなかったのですが...、時間をおいた今、改めて思い浮かべてみて、藤井さんのこの世界観を映像作品でも観てみたいような気がします。
Pepper’s Loft Galleryにて。(7/4〜7/9)
http://www.peppers-project.com/loft/jp/exhibit_program/2005_07/03a/index.htm

先日の損保ジャパン奨励展で拝見した會田さんの個展。
そのときも、上から眺めているような爽快な気分になれたのが印象に残っていて、そんな作品がこのロフトがあるギャラリーで観られるのかと思うと、すごく楽しみでした。

損保ジャパンで拝見した、今回の展示タイトルにもなっている「語り島」も展示されていました。
ただ、場所が変わると見え方が変わって(というより記憶が曖昧になってしまっていて)、最初は同じsカウ品と気付かず...同テーマの作品が違う大きさのパネルに描かれているのかと。。。
明るいところで改めて拝見したこの作品、受ける印象は変わらず、観ていて鬱蒼と樹々が茂る島の上空を飛びながら見下ろしているような。。。
そして、画面表面の質感の独特のなめらかさ...テンペラ画のような艶があって(実際はテンペラは使用されていないのですが)。
この作品が、ロフトから見えるところに展示されてなかったのはちょっと残念でしたが、こうやって再び対面できたのは貴重な機会で、これをあらためて拝見することができただけでも満足です。

・・・無論、他の作品も印象に残るものがいっぱい。
「語り島」の背景は白なのですが、それが黒になった作品。こちらは爽快感というよりも、心の中に沈み込むような深い静謐感がありました。
鉛筆画も、また違った静謐感が印象的。
ロフトに展示されていた、変わった形(不定形の曲線)のパネルノ表面がフレスコのような加工がされてた作品は、明るい色彩のドローイングで気持ち良かったです。

會田さんは現在北海道のお住まいで、この展示の前にここのBBSに書き込みをしていいただいてて、そのお礼に始まって、作品の説明などいろいろとお話を伺えました。
まだ行ったことがないのですが、北海道で「語り島」を拝見したら、もっとこの絵のスケールが大きく感じられるのかなぁ、と。。。
《7/12》
・久保田真代展 ―空と生活― @Gallery GAN(7/12〜7/17)
http://uwamuki.com/j/newsJ.html.data/7.4july/kubota.html
石彫のオブジェ。
大理石や、明るい赤や緑の石が使用されていて、その素材の感触の爽快感がまず印象的です。
それを加工して、なんとも味のある形、動物や食べ物などの形に彫られていて、ちょっとコミカルな感じで。

《7/15》
・スポット 赤尾真代・吉田愛 二人展 @表参道画廊(7/11〜7/16)
http://www.omotesando-garo.com/link.05/aimayo
芸大の日本画科に在学中のお二人の展示。
赤尾さんの作品は水干絵具を使用して、淡い空間にあるコーラのビン、ケーキ用の蝋燭のパックなどが描かれていて、霧がかったような景色がふわりとした印象で。
吉田さんは、力強く大木の根元を描いたり、影があるような人物だったり、今の日本画らしさを感じました。

・井上よしと展 @GALLERY HOUSE MAYA(7/11〜7/16)
http://www.tcct.zaq.ne.jp/mad_suzu/yoshito_info.html
パステルとコンテによる、かなり子供っぽいけどじっくり観ると大人っぽい雰囲気も感じられました。
特に、サイを描いた作品が、妙に達観したような目だったり、黒の背景に浮かび上がるように描かれているところだったり、いちばん印象的でした。
「暑中に涼あり」〜五人の心の窓からふく風は…〜(7/10)
オーパ・ギャラリーにて。(7/1〜7/13)
http://www.geocities.jp/opa_gs/html/event20050701.htm

最近ちょくちょくお邪魔する、青山のちいさなギャラリーでのグループ展。
こちらに、前日の田中怜さんと同様に「やぶのなか展」で拝見した岡本雄司さんの作品も出展されていると知り、行ってきました。

やぶのなか展では唯一の木版画、しかも1版刷りの黒の版画だったのでかなり深い印象を持ったのですが、今回あらためて拝見してみると、思いのほか、軽みというかユーモアみたいなものも感じられ、ちょっと意外に思ったのですがそれはそれで嬉しくて。

シルエットだけで構成された駅や電車のある場面。
きりっとした稜線で描かれた田舎の駅の風景。
・・・それらは木版画でなければ表現できない、その手法独特の不器用さが醸し出すあたたかい感触。
紙の色とインクの黒しか存在しないシンプルな色彩に加えて、描かれる風景・場面も実に素朴でシンプルで・・・実際は違うはずなのに、僕の田舎の駅の風景が頭の中に蘇ってきて、なんだかものすごく懐かしい気分に。

置いてあった2冊の版画集も大変面白かったです。ひとつは、とある駅(失念してしまいました・・・)のホームを描いたもので、すべてのページが繋がっていてページをめくるたびに端から端へと移動していくというもの。もうひとつは、たくさんの地下鉄の入口から見える地上の風景をまとめたもの。

岡本さんとお話しして、また作品も拝見して感じたのは、旅が好きな岡本さんが出会った素敵な風景を純粋に「伝えたい」という思いが伝わってくるなぁ、ということで。
木版画を本格的に始めることになったきっかけなど、興味深いお話もいろいろ伺えました。

岡本さん以外の方では、この展示で唯一版画でなかった井上コトリさんの作品が印象に残りました。
太めの黒の稜線とくっきりした色彩とで描かれた、「オツムちゃん」というキャラクターが登場するなんだか不思議な世界。
井上コトリさんのHP:http://www17.ocn.ne.jp/~torikago/
田中怜展(7/9)
フタバ画廊にて。(7/4〜7/10)

昨年の「やぶのなか展」で気になってた作家のひとり。
順番に観ていっていちばん最後に登場した田中さんの作品は、カラフルな作品が多い中にあってモノクロでしかもどうやって描かれたのか分からない...その作風の異様な雰囲気と合わせて謎めいていて、ずっと脳裏に引っ掛かったままで。
なので、今回の田中さんの個展のお知らせを目にした時はホントに嬉しくて、期待いっぱいで観に行ってきました。

白い壁のギャラリー、そこに田中さんの作品が展示されていて、壁の白のおかげでスペース全体が作品のような雰囲気。
作品ひとつひとつを観ていくと、一見銅版画と思ってしまうほどに細かい点の集合になっていて、ある部分では紙を毛羽立たせたりしながら、何やら謎めいた、闇への入口を連想してしまうようなものが描かれています。
抽象的で、かつ白い画面に黒で描かれているだけなのですが、とにかく非常に細かく描かれているので、時間をかけて観ればその分だけ、作品から何らかのリアクションが返ってくるような感じがします。

・・・面白いです。あらためてそう感じました。

在廊の田中さんにもいろいろとお話ししました。
これらの作品は、すべてペン(ペン先にインクを付けて描く、もっと原始的なタイプ)で描くということも伺えて、ひとつ謎が解けて安心、というよりも激しく感心。
また、この手法へのこだわりには田中さんのアウトサイダーっぷりが伝わってくるようで。
それと余談ですが、蜂の巣のエピソードも印象的でした(笑)。
コイズミアヤ展 “充満と空虚”(7/9)
ギャラリー椿にて。(7/4〜7/16)現在開催中!
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/050704.htm

覗き込むワクワク感!

台の上に設置されたおよそ縦60cm、横60cm、高さ40cm(正確にはわかりませんが、だいだいそんな感じ)の木製の白いキューブがギャラリーに2列に並んで置いてあります。そのキューブには側面四方に縦長の長方形のホールが開いていて、そこからその内部を覗くと・・・外見が同じキューブの中身が異なっていて、それぞれの空間を眺めているだけで童心に返ったような気分になれます。

色は白と茶色で統一されています。
内部の情景は、中央に小山があってそれを見下ろすような形に橋が設置されているようなものや、同じ高さの細い棒が並んでいるもの、螺旋を描きながら上方へと伸びる階段、家のようなものが橋で繋がっていたり・・・かなり無機質でそれがカッコ良く思えます。
かつ、それらがひとつひとつ手で組み立てられた感触も伝わってきて、作る楽しさのようなものも心の中に沸き上がってきます。昔、プラモデルの完成品を見てワクワクしたのと同じような、すごく懐かしい感じです。

また、箱の中、というのも想像力をかき立てるひとつの要素のような気もします。
外界と区切られているために、その中の世界の縮尺が伝わりやすいせいか、その世界に自分が入り込んで階段を昇り降りしたり橋の上を歩いたりするのがかなり具体的にイメージできます。

少し前に同じギャラリーのサブスペースのGT2でもコイズミさんの展示があって、その時の作品は山を模したものが箱の中に作り込まれていましたが、緑の芝のフェイクや、山の大きさと縮尺を考えると違和感がある木の模型がそのまま据えられていたりしてどうにも馴染めなかったのですが、今回のはすんなりその世界に入り込めて、それに留まらずどんどん気持ちがのめり込んでいくような、強烈な面白さがあったように思います。
もっと他のもたくさん見てみたい、とも...。
根岸創展(7/9、7/10)
Gallery52にて。(7/8〜7/13)
http://homepage3.nifty.com/g52/schedule/now.html

ネットで見つけて気になって、初めて伺ったギャラリー。
最近、立体の展示で面白いものが多のですが、この根岸さんの個展も良かったです。

ユニークだったのが、金属とポリエステルとを違和感なく使用してるところで。
魚をモチーフにした作品があって、ちょうど骨が透けて見えるような感じになっていて。
またそのポリエステルは色調も面白くて、尾びれが広がる形のもののピンク色といい、顔とひれは金属でからだが透けているものは、内側で何層にも色が分かれていたり。
他にも中央の実物大の女性のオブジェの髪の部分や鶏のランプにもポリエステルが使用されてました。

また、金属だけの作品も魅力的でした。
入口からすぐの女性の頭部をモチーフにした作品、風になびくような長い髪が描く曲線のやわらかさ。
奥のほうにあった、歩く細身の馬(犬だったかも・・・)のオブジェは、その頭部と尾の部分から小さなチップのようなものが連なって奇妙な軌跡を描いて広がっているのが、静かな風景を想像させてくれるようです。

ギャラリーに置いてあった雑誌に載っている作品にも面白そうなものがありました(楽器みたいなものなど)。
また、ジブリ美術館にも作品(水飲み台、ベンチ)が置いてあるそうで。

土曜日は午前中に伺って根岸さんとお会いできず、翌日曜日の遅い時間にあらためて伺ってお会いできて、いろいろとお話しできました。
いちばん気になったのが金属とポリエステルの作品についてなのですが、これらは粘土で金属の部分ごと型を取って製作されるとのこと。なるほど、と大いに納得。
SPACE2にて。(6/22〜7/10)
http://www.g-hirawata.com/

湘南台の駅からさらに徒歩で30分ほどのところにあるギャラリー。
ちょっと遠かったですが(汗)、気になる作家の展示ということもあって、がんばって行ってきました。
運動公園の裏にあるGallery HIRAKAWAの、ふたつある展示室のうちのサブスペース。
外観・内装ともに大変新しい感じのするデザインの建物で。
けっこうコンテンポラリーな作家・作品を中心に紹介しているようで、今後も気になるのですが、もう少し近ければなぁ、と(笑)。
ちなみにメインギャラリーには、会期を終えた展示がそのまま残っていて、じゃがいもかチーズをスライスしたものを貼ったような感じ(というと元も子もないですが)の作品で、おそらく支持体の質感と合わせて独特な感覚でした。

今回の永井さんの作品は大小さまざま、空想上の工業施設といった感じで。
作品の質感・雰囲気は昨年銀座で拝見したものと変わらないのですが、建物そのものがドンと全面に出たような。
近未来的でありながら退廃的な感じもあり。相変わらず独特な雰囲気。
また、これらとは別に、長いハシゴのオブジェと、それを描いたような、ファンタスティックな感じの作品も。

アクリルの絵ですが(今回は一部コラージュ)、作品から受けるイメージはより立体・三次元的。
昨年末にオペラシティで観た野又穫さんの展示を思い出し、永井さんの作品も天上から吊るして展示したらまた違った面白さがあるのかも、と。
立体の魅力4 祝迫義郎(7/3)
イセザキ・モールコイチにて。(6/18〜7/3)
http://www.9ten.com/koichi/2005/050618/050618.htm

先日のギャラリー山口での展示も大変印象的だった祝迫さんの、横浜の小さなギャラリーでの個展。
伊勢佐木町の通りに面していて、気を付けないと気付かないような感じなのですが、それでも看板を観てちょっと覗いていく方がけっこういらっしゃいました。

出展作品は、前回のギャラリー山口での作品が中心で、それと修了製作の七宝の魚の作品。
前回観たものは、それをもう一回観られたのはやはり嬉しく、そのコミカルな作品に触れるとやはり楽しい気分になれます。

そして、今回初めて拝見した(おそらく芸大の修了展示でも観たはずなのですが)七宝の魚たち。
一匹一匹が額に収められていて、それらが壁に群れを成しています。
さまざまな大きさの魚に、これまたさまざまな色彩で、竜の表情など魚とはまた別の何かが描かれていたり(「描く」というのはちょっとニュアンスが違うかも知れませんが)。
その細かく丁寧な仕事ぶりが伺える作品を間近でひとつひとつ観ることができ、また七宝という表現を観る機会もそうそうないこともあって、ほとんどの作品が既に観たものであるにもかかわらず、かなり満足度の高い展示でした。

また、前回はお話しできなかった祝迫さんから直接いろんなことを伺えたのも大きな収穫で。
イメージを具現化することの大変さや、想像通りひとつの作品を製作するのに結構な時間・期間がかかってしまうこと、一度製作を始めてからいったん手を止めて、ある程度時間をおいてからふたたび取りかかったり、などなど・・・。

祝迫さんのようなユニークな感性を持った作家が集まってなにかひとつテーマにそって製作、展示を行ったらすごく面白いだろうなぁ、と、ひとり勝手に想像して楽しんでいるのですが...。
面白いもの同士が相乗効果でもっと面白くなるような...そういったかたちで面白いものがさらにたくさんの人に届けばいいなぁ...。

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