渋谷ユーロスペースにて。
http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/

今年の早い時期に竹中直人が自身のラジオ番組でゲストに原田知世を迎えてこの映画の話をしてたのを聴いて、その番組の時点ではまだ公開が決まってなかったみたいでしたが、「観れたらいいなー」と何となく思っていて。
で、ちょうど昨日公開になったので、せっかくだし観に行こうと。

話題の単館上映作品ということもあって、かなりの人の入りでした。
通路も人でぎっしり。

で、映画のほうはというと...

心に迫るエンドロール。
あらためて「よい曲だなぁ・・・」としみじみ。

ストーリーとは関係ない場面で、あるいは重要でないちょい役で、いろんな人が登場するのも、よく取り上げられてるようにこの映画の見どころのひとつで、「あっ」ていう瞬間がけっこう楽しい。
白眉は片桐はいりと安斎肇。

エンドロールでミズテツオさんの絵が使われていたのを知り、どの場面だったかなぁ、と。
思い出せないのがちょっと悔しい。。。

なんだかすごくやさしい後味の映画で、その余韻をもっと味わいたくて、映画を観終わったその足でCD屋さんへ向かい、サントラを買ってきて今、聴いてます。
日比谷シャンテシネにて。
http://bowjapan.com/eleni/

テオ・アンゲロプロスの映画を観たのは「ユリシーズの瞳」以来。
というか観たことあること自体、自分でもびっくり。

ぴあで「セットで村をひとつ造って、それを沈めた」とあって、それはすごそうだ、と久々に観たい映画だと思い、今月の映画の日に行ってきたのですが...。

いやぁ、重い映画でした。
大戦中のギリシャへ難民としてやってきたエレニの人生を描いた作品。
最初は時代背景などが把握できず、また、それぞれのシーンのつながりがちょっと分かりにくかったりもして、さらに3時間近いので観ていて疲れる作品でした(途中で退出する人も多数)。

期待したセットに関しては、まさに「これぞ映画!」と思わずに入られないほどの凄さ。
いったいどれだけ大きなセットを造ったのか、とちょっと気が遠くなります。
他にも忘れられないシーン多数。

音楽がけっこう出てきます。
この映画の時代背景とあわせると、その響きはもの悲しくも聴こえます。

また、テオの作品の特徴に、専門用語は分かりませんが、3分4分なんてレベルじゃない異様に長尺のシーンを一回のカメラワークで撮り切ってしまう場面が多く、ところどころで「えぇっ!?」と思ってしまうようなシーンも少なくないんです。
特に最後の2つのカメラワーク、現実の場面と過去のシーンとを一度の切り替えもナシに撮り切ったシーンと、その直後、そこから道を横切ってその向こうの湖に浮かぶ建物までボートで漕ぎだすシーンは、一体どうやって撮ったのか、と強烈な印象を抱きました。
シネマライズにて。
http://www.supersizeme.jp/

今年最初に観た映画がこれ。

とにかく面白かった!
監督自身による凄まじく自虐的な記録映画で、シュールな笑いどころ満載。しかもその笑いどころが実際に起きたことでかつ、同じことをやったら自分もそうなるであろうという極めて直線的な想像力も手伝って、笑うときはいつも眉間にしわが寄っているという...。

編集のテンポも軽快。
無論、この映画から学べたことは多数。
ちょっとキツいシーンもありますが、「食」に興味がある人はぜひ。

**********

ところで、シネマライズは日曜日の最終回は一律1000円で、話題の映画ということもあって映画館は満員。
そんななか、あらかじめ食べるものを持ち込んでいる人も少なくなかったのですが、一言だけ言わせてください。

2階席のいちばん前で観てた女子二人連れ!
この映画をみる前に、よりによってマクドナルドで食べ物調達してくるのはどうかと思うぞ。

テアトルタイムズスクエアにて。
http://www.klockworx.com/belleville/

今年最後に何を観ようかちょっとだけ考えて、以前予告編を見て面白そうだったのでこのフランス産のアニメーションに。

冒頭のジプシースウィング調の曲がゴキゲンで、それを聴いた瞬間、思わず椅子に深く腰掛けながらも靴の裏でペタペタとリズムを取ってしまうほどで、、「雪の中観に来た甲斐があった!」と。

さらに、「絵」は、それはもう期待以上!
大げさにデフォルメされた人物やら犬やら汽船やら建物やら、大きなスクリーンで観るとそれはもう相当な迫力。大満足。

ストーリーは思いがけずミステリーでした。
クライマックスはもちろん、アニメーションであるのをいいことにかなりムチャクチャなことだらけでしたが、笑えればそれでOK!
セリフもほとんどなく、よって字幕を目で追うこともないので、ストーリー、絵の迫力、粋な音楽に浸れました。

**********

今年は例年と比べて映画をよく観に行きました(それでも9本しか観てないのですが)。
ベスト3は「キッチンストーリー」「珈琲時候」「僕は怖くない」です。

珈琲時光

2004年10月10日 映画
新宿テアトルタイムズスクエアにて。
http://www.coffeejikou.com/

小津安二郎生誕100年記念作だそうですが、小津をまったく未経験な僕。
一青窈ってなぜか気になってて(正直、この人の詞は言葉の選び方が好みじゃないんですが。たぶん名前の不思議な読み方が理由かと)それでこの映画を見ることにした次第。

 
 
 
はじめから終わりまで淡々と。

観ていて、お腹が空いてきた。

観ていて、無性に田舎に帰りたくなった。

もしかしたら自分も映ってるんじゃないか、と思わせてくれるくらいに今の東京の映像がたっぷり、だけど、実際目にするのとこうして映画のスクリーンの中で見るのとでは微妙に、でも確実に印象が違ってて。

一青窈、よかった。
場面によってすごく幼く見えたり、大人っぽく見えたり。

登場人物、みんな、よかった。

観に行って、よかった。

華氏911

2004年9月1日 映画
新宿ジョイシネマにて。
http://www.kashi911.com/

この映画が日本で公開されるずいぶん前からこの映画の内容についてラジオや雑誌やネット上でいろいろと見聞きしてたおかげか、ストーリー、というか、実際観てみてあらためて驚くことはなかった。

また、実際観て、ネット上で僕が見かけたこの映画の感想が案外フラットな感じがしたのも納得できた。

皮肉をたっぷり込めたコミカルな編集がなされているところもあるけれども、この作品はドキュメンタリーなのである。
事実だからだと思うけど、ドキュメンタリー作品は与えられた情報からいろいろと想像するのが難しいような気がした。
もちろん、この映画を観て、怒り、悲しみ、憤り、諦め、といった感情は湧くのだけれど。

無論、見終わったあとはこの映画のことについていろんなことを考えることになると思う。
米大統領選の行方についてとか。
イラクに駐在している自衛隊は本当に無事なのか、とか。

これからご覧になる方へのアドバイスは、冒頭からしばらく続くブッシュ一族とサウジアラビアとの関連性について触れるところで、とにかくどんどん映像が切り替わっていろんな人のインタビューが怒涛のように続くので、英語が堪能な人はともかく、そうでない方はある程度覚悟して字幕を追うつもりでいたほうがよろしいかと。

観るか観ないか迷ってる人は、観たほうがいいと思う。
恵比寿ガーデンシネマにて。
http://www.bcommebejart.com/

この映画を観て、まず何より、モーリス・ベジャールがうらやましいと思った。
時間を使って、溢れるイメージを具現化していく作業に没頭できるっていうのが。

ただ、昨晩遅くまで本(「リミット」)読んでたおかげで睡眠不足というのもあり、、、かなり眠かった。_l ̄l○

いや、それを差し引いても、バレエのシーンが素晴らしいのに字幕に目をやらなきゃいけなかったり、バレエのシーンが続くと思ったら画面がリハーサルやベジャールのインタビューに切り替わったり。
基本的にドキュメンタリーなのでこういう風になってもしょうがないとは思うけど、これだけ「過程」を見せられて「本番」をチェックできないのは・・・。
http://www.deep-blue.jp/

冒頭のイルカの群れが優雅に泳ぐシーンから、どんどんひっきりなしに様々な海の映像が。

意外と残酷なシーン多めでした。
クジラの子どもがシャチの群れに狩られてしまうシーンはかなり切なかったですが、でも、そういうことはすでに知っている事実。

僕にとって、この映画でもっとも衝撃的だったのは、深海のシーン。

光が届かないことをいいことに、無遠慮にグロテスクに進化した生物たちの姿。
人工的に光を当てると(たぶんそうなんだと思う)、信じられないくらいに高級に、その光を反射してみせる不思議な生物。
深海で、エサを誘き寄せるために、あるいは自らの身を守るために鋭い光を放つ生物。

・・・想像をこえる事実に出会った時に受ける強烈な衝撃。
その衝撃は、続く。

カメラはさらに深く沈んでいく。

これまで想像もしなかった深海の底。
何もない、ただただ広がる平原。
その割れ目から吹き出る黒煙。地球の中心に一番近いところから湧いてくる高温の海水。
そして熱が存在するところには、こんなに深い海の底にも、くどいけど信じられないくらいの数・種類の生物がいきていることの衝撃。

もちろん、映画全編に渡って映し出される、これ以上ないほどに美しい「青」を観るだけでも価値のある映画だと思います。
加えて、音楽もよかったです。雄大なオーケストラ。

余談。このヴァージンシネマ六本木ヒルズは初めての場所だったのですが、上映前のアナウンスが秀逸。
恵比須ガーデンシネマにて。
http://www.movies.co.jp/veronica/

例によって毎月1日の映画サービスデー。
今回は、今観なきゃいけない感じがしていたので、この作品を。

実在のアイルランドのジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンの半生を描いた作品。
最初の、麻薬が蔓延している子供達のコロニーの場面に目を背けたくなるが、それ以降はそういうシーンが出て来ず、視覚的に怖いのが苦手な僕にはありがたかった。

麻薬の組織の実体を暴くべく奮闘するヴェロニカ。
ヴェロニカの、そして彼女のまわりの人々の心の揺れ。
ヴェロニカを演じるケイト・ブランシェットの表情はどの場面を取っても凛としていて。

映画自体は淡々としていたと思います。
記録映画といっていいほど生々しくはないけれども、フィクションほどにはわざとらしくない、というか。
だから余計に、事実の壮絶さを想像してしまう。
真実を追うことに殉じた彼女が残したものの大きさ。
そして、彼女と多くの時間をお共有した人々には、理解し得ない後悔の念と誇りが入り交じっているのだろう、と。

「観なきゃいけない」と思ったのは、例のイラクの事件があったからです。
真実を正しく伝えること、というのは、きっとこの映画を見て感じることとは比べ物にならないくらいに大変なことなはず。

華氏911

2004年6月26日 映画
TBSラジオ「ストリーム」でもおなじみの町山智浩さんのblogより。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040625

僕は(いわゆる)こわい映画はできるだけ遠慮したいけど、これだけは観なきゃいけないな、と。

たしか、今度の火曜日、6/29のストリームの「コラムの花道」(午後2時から)で、この映画の話をしてくれるはず。
映画を観終わってまる一日経ってからもなおいろいろと思うことがあるのは僕にはよくあることですが・・・。

この「キッチン・ストーリー」、映画の場面にないシーンがけっこう大事な気がしてきてます。
やっぱ最後のシーンなんだよなぁ。そしてその直前のシーン。。。
たぶんこういうシーンがきっとあったんだろうな、と考えたら筋が通るというか、、、まあそんなことを思うワケです。
渋谷BUNKAMURAル・シネマにて。
http://www.kitchenstory.jp/

毎月1日は映画サービスデー、ということでいちばん気になってるこの作品を観てきました。
北欧の映画ってなかなか観られないと思ったので。

で、すごく面白かったです!
シチュエーションからしてすごく笑えるし、「情」の変化にちょっと泣ける。
いちばん最後のシーン、人によって捉え方が違うだろうなぁ、と。

そして、音楽がすばらしいですよ!
静かなジャズだったり、ハッピーなスウィングナンバーだったり。

単館上映でサービスデーに満席になる作品にハズレはないかもしれない。
先月の「グッバイ、レーニン!」もそうだったし。
今日は映画サービスデーだったので、恵比須ガーデンシネマで「グッバイ、レーニン!」を観てきました。
http://www.gaga.ne.jp/lenin/

ドイツ映画を観るのは初めてで、ドイツ語の響きが新鮮。
映画のほうは、コメディと思っていたら、むしろいろんな形の愛を題材にした人間ドラマでした(笑える場面はもちろんありました)。
ララ役のChulpan Khamatovaがすごくかわいかったです。

こういう根っから悪い人が出てこない作品、好きです。
「ぼくは怖くない」もそういう作品だったと思ってます。

**********

久し振りにCD購入。
Bugge Wesseltoft「NEW CONSEPTION OF JAZZ FiLM iNG」。
これくらいは買って聴かないと。

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