SCAI THE BATHHOUSEにて。(2/25〜3/26)
http://www.scaithebathhouse.com/main/03exhibition/data/Kudosetsu/ja.html

とりあえず、まず、ぎょっとします。
いや、ホント。
あんなもの、どうやって搬入したのかと。

銭湯を改装したこのギャラリーの、天井も含めて広い空間を充分活かした展示、というか、活かし過ぎ・・・。
真ん中に巨大な「円筒」が。
遠藤さんのこれまでのインスタレーションから連想するに、この円筒も燃やされたのかな、と思ったのですが、ギャラリーの方のお話によるとこれはそういうふうに加工されたとのこと。
・・・とにかく絶句します。

他に、木を燃やしていく過程を記録した写真群(燃え尽きたきの写真には鏡が貼られています)、合わせ鏡の作品(片方が割れていて、覗くと強烈にアバンギャルドな景色が広がってます)、インスタレーションのアイデアの叩き台になったようなスケッチヲ含んだ作品。。。

過去のファイルも観て、この大胆さは榎倉康二に通ずるものがあるなぁ、と思ってそのことを先のスタッフの方にお話ししたら、生前の榎倉さんと実際に交流もあったそうです。

榎倉康二展をご覧になられた方にはぜひ観てほしい展示です。
この人の作品も東京現代美術館で観てみたい・・・。
上野の森美術館にて。(3/15〜3/30)
http://www.ueno-mori.org/tenji/voca/2005/index.html

現代美術の作家を一挙に紹介するVOCA展に行ってきました。
平面作品のみですが、絵画あり、写真あり、平面という概念に収まらない作品もあり。しかもほぼ全部が大作。見応え充分です。

特に印象に残ったのは・・・

・町田久美さん「深夜帯」
薄茶色の画面に、黒の線で描かれた、頭の上に指を組んで置かれた両手、すべての爪にはなぜか「角」らしきものが生えているという、シュールだけどキャッチーで、一目観たら忘れないような作品。そんな作品のタイトルが「深夜帯」。謎。。。
町田さんは現在銀座のAPS西村画廊で個展開催中とのことなので、なんとか会期中に観に行きたいです。

・居城純子さん「N34.21.29 E135.52.13」
麻色のキャンバスに油彩。
ジャングルのなかから見る朝日の光、という感じの抽象の風景画で、生える草が描かれているかと思えば、林が型抜きされているようなところや天地を逆にして描かれたようなあとがあったり・・・いろいろと見どころが多くて面白いです。

・荒井経さん「塔-1」「塔-2」
もわ〜っとした水色の背景に、黒で描かれたおもちゃやお菓子が積み上がっている絵で、絵なんですけどそのギリギリの積み上がり方にほのぼのとした緊張感を感じてしまいます。

・齋藤芽生さん「名もなき東京人のための花輪」
新宿や池袋などの東京の街の本当の素顔をあしらって無機質な花輪を描いた、軽くブラックなユーモアに溢れた作品。
それぞれの花輪につけられたタイトル(たとえば新宿は「新宿人狼」)と、添えられた七五調の詩も面白かったです。

・北村英哲さん「しろいもの」
鮮やかすぎる青の背景に、雲?泡?とにかくそういうものを連想させる「しろいもの」が描かれているだけなんですが、その「しろいもの」の立体感が強烈!
ホント、平面とは思えないくらい。
だから、青と白だけの絵なのに、中央部の立体感と画面下の絵の端の部分の、これが平面作品であることの現実とのギャップにすごい違和感を感じてしまいます。

・新明史子さん「八月の家」
これまで観た写真のコラージュのなかで、いちばん面白いです。
どこでも見かけるような日本の家の屋内の写真を貼り合わせたものですが、畳の縁や天井の端の線などをうまく繋いで、不思議な空間を創りだしていました。

・下薗城二さん「無題」
ビルの壁の写真。
写真に写り込んでいる景色は、ただただ無機質。
そのあまりにも無表情な絵に感じてしまう焦燥感。

・城田圭介さん「Days which are not known.」
昨年のシェル美術賞展でも拝見した城田さんの作品。
その時と同様の、中央に風景のカラー写真、そのまわりはその写真のから広がるように、モノクロで「何も無い」風景が描かれています。
今回は松林、夜の電気街、踏切、高速道路の4点の展示で、作品の持つ独特の世界がより強く印象に残ります。

・内海聖史さん「色彩の下」
縦に長い絵画。
作品の上の方に、さまざまな緑の玉がいっぱい描かれていて、展示のされ方からしてその緑が降ってくるような、なんともファンタジックな作品でした。

あと、澤田知子さんのコスプレも相変わらず強烈でした(笑)。

こういう展示によって際立つものもあれば埋もれるものもある、というのも正直な感想で、ぜひともそれぞれの作家の作品を個展で拝見してみたいです。
今日こそは「森山新宿荒木」を、と思い、「どうせなら午前中に観てみようかワハハハハハハハハ」という感じで11時10分自分でも惚れ惚れするような美しい時間にオペラシティに到着、いざギャラリーの自動ドアの前に立ったら開かねぇでやんの。

横目で立て札を眺めると開館時間は12時。
あぁもうこれは縁がないんだなぁと諦めてしまいましたアハハハハハハハ。

                  orz

・栄本恭子 個展 @スルガ台画廊
・武田史子 銅版画展 @福原画廊
・堀川佳奈 the 2nd solo exhibition @SOL
・平林いずみ展 @Gallery 銀座フォレスト
・池田充展 @ギャラリー山口
http://www.gaden.jp/yamaguchi.html
・福代君子展『聞こえてくる』 @T-BOX
http://www.tbox.co.jp/
・岡本京子展 @OギャラリーUP・S
・和田幸三展 @Oギャラリー
http://www4.big.or.jp/~ogallery/
・内山懋展 @ごらくギャラリー
http://www.h6.dion.ne.jp./~goraku.g/
・中込靖成展 @マキイマサルファインアーツ
・ハービー・山口写真展 静かなシャッター @247photography Roonee
http://www.roonee.com/
・海鳴り @galeria Q
http://www.d2.dion.ne.jp/~galeria/

今日は月曜日の祝日ということで、祝日休業のギャラリーもそこそこあっていつもだったら行くところに行けなかったりというのもあったものの、土曜日にいつも行ってるくらいの数のギャラリーを観ることができました。
それも、ひとつひとつ余裕を持って。
本日初日の展示も多く、ということで最終日というのがぜんぜんないおかげでゆっくりと観られたという。。。
今日はバレーボールVリーグ決勝を観戦する予定だったのですが、とどろきアリーナの当日券売り場に並ぶも自由席完売、さすがに高い指定席で観る気はなく、結局今年はバレーボール観戦できず。
・・・去年は当日でも余裕だったのだが...orz

・わたせせいぞう 〜ぴあ表紙イラスト展〜 @アップルファームギャラリー
http://www.apple-farm.co.jp/gallery/
・現代写真の母型2005「サイト・グラフィックス−風景写真の変貌−」展 @川崎市市民ミュージアム
http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/
・Suzuki Asako exhibition 2005 おしゃべり鳥と楽しい時間 @ひなぎく
・100%ORANGE個展ミラクル・キャベジ @トムズボックス
http://www.tomsbox.co.jp/
・Emi Komagata Photo Exhibition Vol.3 Camera★Life in FRANCE @にじ画廊
http://www12.ocn.ne.jp/~niji/
・VOCA展 2005 @上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/
・遠藤利克展「空洞説」/VOIDNESS @SCAI THE BATHHOUSE
http://www.scaithebathhouse.com/
・四宮義俊展 @アートスペース羅針盤
http://www.01.246.ne.jp/~rashin/
・安冨洋貴 個展 @スルガ台画廊
・大塩紗永 新作展 @シロタ画廊
http://gaden.jp/shirota.html
・山ノ上文庫「本好き5人による装幀展」 @美篶堂ギャラリー
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/

今日は夜にオペラシティの「森山新宿荒木」展も行こうか、と思っていたのですが、最後に行った美篶堂で過ごした時間が心地よくて(いつものことですが)、「食後に出てきた和菓子」みたいな感じだったのでここまででおしまいにしました。
食後のデザートの後に焼肉を食べるようなのはさすがにきついかと...。
言水制作室にて。(2/25〜3/17)
http://www.kotomizpress.jp/exhibitionnow.html

なんだか不思議な触感の作品でした。
シンプルな色彩で描かれた作品は、なんだか遠い記憶のなかの景色のようでもあり、強烈な風刺が巧妙にかくされているような雰囲気もあり・・・。

ガラス製品に彩色した作品もユニークで。
瓶やグラスの内側から描かれていて、一部彩色されていない部分が窓のようになっていて、そこから内側を覗いてみると、ガラスの曲面がレンズのように作用するために歪んで見えて面白かったです。

押川さんは、以前に「シナプス画廊」という伝説の画廊を経営されていたこともあるそうで(実はこの日まで知らなかったのですが、画廊の記録のファイルを拝見したら、その存在を知った瞬間から「伝説」に)、アパートをそのまま画廊にしてしまうというアイデアとエネルギッシュな行動にびっくり。

また、ギャラリー巡りの大事なお供雑誌「etc.」の言水ヘリオさんともお目にかかることができ、いろいろとお話しすることができました。ギャラリー巡りをするようになってからずっと気になっていた方で、いつかお会いしたいと思っていたので、実際にいろいろと刺激的な(といっても語り口は大変やわらかで)お話を伺えて、大変有意義な時間を過ごすことができました。
国立西洋美術館にて。(3/8〜5/29)
http://event.yomiuri.co.jp/latour/

こういう展覧会を観るとまず、この時代の風景に、それから数世紀を経た今の時代に絵画を通じて触れることができる、ということに感動してしまう。
奇跡、と表現してもし過ぎではないと思う。

蝋燭や松明の明かりが煌々と、しかし静かに、絵の中でそれぞれの風景・場面の唯一の光源として存在し、そのゆらめく光源に照らされた人物の表情や女性の服の装飾が丁寧に記録されていることが印象的だった。
また、数点で描かれていた「ヴィエル」という楽器。
弦が数本張られたバイオリンのボディのような箱(もしかしたら箱ではなく板かもしれない)に片手回しのハンドルと、弦を押さえるためと思われるボタンが10個前後付いていて、ボディを左脇に抱えて左手でボタンを押し、右手でハンドルを回す、という楽器。
しかも、描かれている奏者はすべて、歌っている(ような表情をしている)。
この楽器はどんな音がするのか、興味は尽きない。。。

・・・ところで、会場で観ている最中は真作か贋作かなんてまったく気にならなかったが、それから数日たった今思うのは・・・

この時代には当然写真なんてなかったわけで、ということは記録された絵は作者の相当の観察力・記憶力・想像力すべてが総動員されて描かれたものだ、ということに気付き、改めてそのことに感服してしまう。
そして、その力量はそれを模写した描き手のそれとは圧倒的に差がある・・・。
無論、贋作は観る価値がないかというとまったくそういうことはなく、純粋に絵画として素晴らしいし、加えてその時代の記録としては相当に貴重。

もうひとつ思うこと。
現代にこういう作品を製作する作家はやはりいないのだろうか。
この時代の画家は、現代では「画家」よりも「写真家」の感覚に近いような気がする。
NADiffにて。(3/11〜4/17)
http://www.nadiff.com/gallery/mainpage.html

裏原宿(で合ってるのかどうか自信ないですが・・・)にあるショップ、NADiffの真ん中にあるギャラリースペース。このスペースには入ったらいきなりたくさんの淡いグレーの景色の写真に囲まれてちょっとたじろぐ。

撮られている風景は世界各地のいろんな場所、都市だったり荒野だったりなんですが、それらの風景がすべて地平線が排除されていて・・・言い換えると画面に「空」がない。
さらに、正午、太陽がいちばん高いところにある時間におそらく空中から撮影されていて、「影」の部分も極めて少ない。
人はおろか、あらゆる生物も、それと分かる大きさでは写っていない・・・。

無機質。
そう、無機質・・・。
凄まじく律儀に立方体としてシャープにその姿を晒す高層ビルにしても。
そして、干からびて水分を失い、亀裂がいっぱいに広がった土の地面にしても。。。

・・・すごく「乾いた」風景写真の展示。
なんだか極精密な鉛筆画のような質感も。
大きく引き伸ばされた写真は展示されていないのですが、逆にその小ささが、鉛筆画のような印象を受ける理由なのかもしれない。
木の色がそのまま活かされたナチュラルの額も、空間の「乾き」の度合いを加速させているような気がする・・・。

展示されている写真の細かい部分に目をやって過ごすとそれこそ時間を忘れてしまいそうなほどに、無意識に集中力が引き出されてしまうような展示でした。

もっと広い場所で、大きく引き伸ばされた作品が壁いっぱいに展示されていたらどんな空間が演出されるのだろう・・・。
DAZZLEにて。(3/8〜3/20)
http://www.netpro.ne.jp/~dazzle/exhbt/yr_05/050308.htm

水彩の作品を数点含んだ、コンピュータ出力によるイラスト作品の展示。

青山の路地の奥にあるこのギャラリーに入った途端、スタイリッシュなイラストに囲まれます。
とにかくオシャレです。
細身の女性が描かれていてその姿も言うまでもなくカッコイイのですが、背景もまた絶妙。
陰になった裏通りに差し込む光、両目を閉じてその光を浴びながら歩く女性。水たまりの上に寝そべって、目を閉じて片手を上に向ける女性。
ああ、もう、カッコイイ!
人の手による線の曲がり方と、それがコンピュータの信号に変換された絵。アナログとデジタルのせめぎ合いもよい感じです。

そんな中に水彩の作品も紛れているわけですが、水彩の「にじみ」といった感触は出力の作品の中にあるとまた独特の味わいがあって。

上杉さんは女性誌のイラストも描かれるそうで、実際に今店頭に並んでいる雑誌でも拝見できるとのこと(雑誌名も伺ったのですが失念・・・)。
コンピュータを使われるようになったのも、仕事上作品製作の時間の短縮・能率アップを考えて行き着いた手法とのことでした。
東京画廊にて。(2/28〜3/19)
http://www.tokyo-gallery.com/tokyo/index.html

いや、なんかもう、こういうくだらないの大好き(笑)。

それぞれの作品にはバーコード頭のサラリーマンや、同じくバーコード頭のステテコ親父、オバサンが大量に描かれていて、作品の中でケンカしてたり酒を酌み交わしてたり、ブランコに乗って黄昏れていたり、なぜか半透明のゴミ袋に詰められていたり・・・。
すっごく細かく描かれているてそれだけで「すっごい手間だなオイ」なんて感心したりもしますが、なにせどれも凄まじくシュールでコミカル。観ててシャキッと脱力。

さらに、タイトルに「ガーデン」とあるように、何がしかの風景なんですが、例えば床が省略されたマンションだったり地面が省略された街だったり壁が省略されたビルだったり。こういうところもまたシュール。

で、とりあえずそういうのを抜きにして作品を拝見していると、色ごとにわずかな段差があってなんだか「貼った」ような感じになっているのが分かります。西澤さんによれば、マスキングを徹底しているそうで。だからこそのハッキリクッキリした鮮やかな色彩感。

絵の質感はまったく違いますが、山口晃さんの作品に通ずるユーモアがあるような気がしました。山口さんの作品がお好きな方は観ないと損!
スルガ台画廊にて。(3/7〜3/12)

先週の川本淑子さん同様、「やぶのなか」展、芸大修了展と続けて拝見してきた日根野さんの個展。
その芸大修了展のときに拝見した作品をもう一度じっくりと拝見したくて、楽しみにしてました。

画廊に入ると、カラフルでありながら落ち着いた色彩の作品がずらりと。その質感は岩絵の具ならでは。

僕の中で日根野さんといえば「鞠・つりびな」なのですが、それらが描かれた作品から。
芸大修了展、やぶのなか展、それぞれで展示されていた作品もあって、あらためてそれぞれじっくり拝見しました。
・・・これらの作品にはたくさんの鞠やつりびなが描かれているのですが、これがひとつひとつ違う柄で丁寧に描かれていて、その違いを観察しているとあっという間に時間が経ってしまいます。
その柄は幾何学的なものなどかなり凝ったものも多く、それらがちゃんと球面に見えるように描かれているのに改めて驚いたり・・・ものすごい手間だと思うのですが、日根野さんにこのことを伺うと、いろんな鞠の写真を見たり、それを元にシュミレーションしながら描くそうです。感服です。。。

そして、入口正面の壁に展示されている連作。
正確な色は失念してしまったのですが、赤、緑、黄、紫ともうひとつの色彩で女の子と花とが描かれている作品で、これがまたきれいで・・・。
花びらや葉がホントに丁寧に描かれていて、その色彩と合わせて心にしみ入ってくるようでした。

と、ここまで鞠や花のことばかり書いてしまいましたが、多くの作品に女の子・女性が描かれていて、その表情は悲しむでも笑うでもなく大変静かな印象です。

秋にも個展の予定があるそうなので、楽しみです。
ギャラリー椿にて。(3/7〜3/19)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/050307.htm

なんだか久し振りに軽い感触の油彩の作品にお目にかかれた、そんな気分です。

まず印象に残ったのが「light tunnel」という作品。
濃い紺色のような暗いバックに浮かび上がる光のトンネル。
油彩なのにデジタルなフィーリングの作品で、とにかくかっこいい!
これだけ拝見できただけでも充分。

そして他にも、白銀の世界に数人の人が様々な振る舞いをしている「snowball fight」や、遠目から見た空港の絵、ビルの会議室の蛍光灯が並ぶ絵など、描かれているものがかなりユニークで。
八重洲ブックセンター8階ギャラリーにて。(3/4〜4/3)
http://www.yaesu-book.co.jp/anniversary/music-lesson.html

ヤマサコレクションでも拝見した山本容子の新作版画展。
東京駅の前を通っていたら見つけて、無料ということもあって見に行ってみました。

この人の銅版画はシンプルで、銅版で刷られるのはほぼ線画のみ、その上からおそらく水彩絵の具で着色というもので、手の込んだ銅版画から感じられる重量感がなく、とても軽やかです。

けっこうな数の作品が展示されていたのでひとつひとつゆっくり、というわけにはいかなかったのですが、世界の偉人が描かれた作品はちょっとコミカルだったりして、そのシンプルで軽やかな作品に接して、こちらの心も軽くなるような気分でした。
また、ドローイングの作品もあって(水彩だったか、記憶が曖昧なのですが)、こちらもまた軽い色彩で。

そういう中で思わずしっかりと見入ってしまったのが、ジャズソングを描いた版画作品。
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「バードランドの子守唄」「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などのジャズファンにはおなじみの曲が歌詞付きで描かれていて、優しい絵の中にちりばめられている歌詞を目で追っていると頭の中でメロディが響いてきて、鼻歌を歌うような気分で心地よく楽しむことができました。

この日はサイン会もあったようなのですが、時間がなくてお目にかかることはかないませんでした、残念・・・。
淡路町画廊にて。(3/7〜3/19)

僕は、怖いのは苦手です。。。

淡路町画廊は木造の3階建てのギャラリーで、まず1階から観るのですが、そこにはおそらくアクリル絵の具による絵が2作品と、疊と着物を組み合わせただけのものが。
で、絵。正面には日本の家庭の昔のいくつかの場面が描かれたような、回想シーンのような作品、なぜか自分にもそう記憶があったかのような錯覚を覚えてしまうような不思議な印象。
で、もう1枚のが、こちらはひとつの場面を描いたような作品でしたが、画面真ん中に描かれた女の子の顔がのっぺらぼうな上に小さな刃物がいっぱい刺さっているという・・・。

2階はダークな色彩の肖像画と、板に描かれた着物の女の子の絵。
こちらは普通に作品を堪能できました。

3階。
写真を引き伸ばしたような絵で、写真に印字された日時などもそのまま描かれていてユニークなのですが、中央に描かれた赤い和服の女の子、右手は手をつないでいるようなのですが、手をつないでいる相手は揉み消されたような感じに仕上がっていて・・・。
他にも、おじさんや女の子の表情などは暗く、女の子が切る着物だけが鮮やかに描かれていて奇妙なインパクトを受ける作品も。

怖い日本映画の1場面を切り取ったような作品が多かったです。
怖いんですが、綺麗な作品でした。
もっとこの方の作品をいろいろと拝見してみたいです。

高谷優佳さんのHP→http://guizzak.fc2web.com/
ギャラリーf分の1にて。(3/8〜3/13)

東北芸術工科大学大学院版画コース1年のお二人の展示。

佐藤さんの作品は、塊になった生物群の銅版画。かなりのインパクト。
たくさんの蛙や蜂が球体のようなひとつの塊になっていて、一瞬ぎょっとなります。
・・・しかしまだ蛙や蜂は小さいからなんとなく現実的(決して実際に遭遇することはないと思いますが)(いやむしろ遭遇したくない)な気がしますが、大きな作品で、その塊の元が「牛」というのがあって、その現実離れした内容に絶句。。。
・・・と、作品の印象は概ねこんな感じですが、描かれている生物をひとつひとつ観てみると大変丁寧で、相当な観察力なんだなぁ、と感心してしまいました。
また「塊」とは別に、蝶の作品もあって、こちらは同じ版で微妙に刷り方を変えたものがひとつの額に標本のように収まっているもので、こちらも丁寧に描かれていてよかったです。

中野さんの作品はこれまでの銅版画の印象から少し離れているところがあって、植物をフィーチャ−した抽象作品ですが、まさに銅版画らしい精緻な表現と、墨絵のようなぼやけたところとが同居していてなかなか味わい深い作品でした。
そして、銅版を大胆に腐食させて得られた偶然の効果も活かされていて、溶けて微妙な曲線が生まれた端の部分や腐食の際に出た気泡がそのまま版に残ったところなども一役買っている感じでした。
あと、セピアっぽい色を使った一版多色刷りなのもよかったです。
小川美術館にて。(2/21〜3/12)
http://www.yayoigallery.com/current-exhibit/current-exhibit.html

先月、福原画廊でのコレクション展でチェックした有元利夫。
今回あらためて、主に油彩の作品をまとめて観る機会を得られました。
(この展覧会の情報は「artshore 芸術海岸」の記事で知りました。感謝!http://artshore.exblog.jp/2077475/

・・・いつ、の景色かわからないけど、むかし。
・・・きっと、行ったことがないどこか。

時間とか場所とか、なんだか漠然としていて具体的に特定できないんですが、なんとなく「むかし」の「どこか」の絵、とうイメージ。わからないんだけど、わかるような・・・。
そんな絵の中に、女性が描かれているのですが(多くはひとりだけ、中には数人描かれている作品も)、その表情は、まずはほとんど無表情に見えます・・・でも、その無表情の中に見え隠れするわずかな口元の笑みだったり、何かを思うような眼差しだったり・・・。

雄弁な作品では決してないですが、無口でありながらもたくさんのことを言葉ではない「何か」でゆっくり伝えてくるような、そんな感じで、比較的大きな作品でも、遠目でよりも間近で観る方が、僕にはよりいろんなことが伝わるような気がしました。

・・・午前中だったにもかかわらず現実の時間の感覚から離れてしまうような感じで、思いのほかたくさんの時間をかけて拝見しました。

こちらの美術館は初めて。
今回の企画では一切のキャプションが配置されず、作品のタイトルも分からない展示でしたが、むしろなかったおかげで作品から伝わるものをダイレクトで感じることができて、大変心地よい時間が過ごせました。

3/13のアート。

2005年3月13日 アート
・ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 光と闇の世界 @国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/
・押川東一郎展「たちのわるい寝ぐせ」 @言水制作室
http://www.kotomizpress.jp/

春よ、来い。
早く、来い。
寒いのはそろそろ勘弁・・・。
お昼過ぎ、銀座にいる時に小雨が降り出した時はどうしようかと思いましたが。

・有元利夫展 @小川美術館
http://www.architect5.co.jp/PROJECT/project%20works2002/works%20datasheets/agw/agw.html
・中野幸枝 佐藤真衣 展 @ギャラリーf分の1
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/
・高谷優佳展 @淡路町画廊
・山本容子新作版画展 −ミュージックレッスン− @八重洲ブックセンター8階ギャラリー
http://www.yaesu-book.co.jp/
・池田歩展 @ギャラリー椿
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki.html
・日根野裕美 個展 @スルガ台画廊
・西澤千晴 ハッピーガーデン @東京画廊
http://www.tokyo-gallery.com/
・上杉忠弘 イラストレーション展 [自己模倣] @DAZZLE
http://www.netpro.ne.jp/~dazzle/
・松江泰治「CC gazetteer」 @NADiff
http://www.nadiff.com/cover_01.html

今日はなぜか疲れ気味で、いつもより数を回れなかった感じで(それでもここに挙げてないところもいくつかあるのですが)。
ホント上手い具合に時間を作らないと茅場町・神楽坂・六本木に行くのが難しいし、いつでも行けるつもりでいると新宿・初台あたりに行きそこねたり・・・。
体が2つ欲しいとはまったく思わないですが、代わりに土曜日が2回欲しい(爆)。
ガーディアン・ガーデンにて。(2/28〜3/10)
http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2005/gg_0503.html

「ひとつぼ展」の写真部門グランプリの展示。
デジカメで撮影された写真とのことでしたが、とにかくどれも突き抜けて明るい!
なかには生々しいもの(グロテスクではなくて)写真もありましたが、無邪気なアングルでどんどん撮られたような躍動感に溢れた写真でいっぱいでした。

ようやく写真の面白さが分かってきたかなぁ、と思うようになってしばらく経ちますが、写真って「何を撮るか」「どう撮るか」と同じくらい「どう見せるか」が大事だなぁ、と思います。
・・・が、ここで拝見した元木さんの写真展、むしろ「どう撮るか」が突出してユニークな感じがします。
もちろん、「何を」「どう」というのも充実してました。
ギャラリー椿GT2にて。(2/28〜3/5)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/050228gt.htm

妙な立体作品の展示でした。
というのも、作品は立体でありながらすべて壁に掛けられていて、それぞれアクリルの板が組み合わされた立方体になっていて、正面や側面に緑色の細長いものが描かれてます。

よく観ていくと、ニードルのようなもので細かく傷がつけられていたり、アクリルの立方体のなかの紙にも、緑の細長いもの以外に楕円やら方眼やらが。

ここまで観て「う〜ん・・・」と少々困惑。
ともかく、中にある緑の細長いものは何だろう、という疑問に思い当たったままイメージが頓挫してしまったのですが、あらためて作品に使用された画材を見てみると、そのなかに「緑茶」という文字が。

・・・お茶?

あぁなるほど!

ご在廊の前野さんに質問してみました。
「これ、茶柱なんですね?」
そしたらすごく嬉しそうな顔で「そうです!」と答えていただきました。
正直、もうひと工夫ほしい気もするのですが、作家の意図が掴めたことが嬉しかったです。

前野さんは銅版画をなさっていて、その技術もこの立体作品にはふんだんに盛り込まれていて、例えば先に述べた楕円や方眼は銅版で刷られたものとのこと。また、濃い青の銅版画の作品もあって、こちらの味わいもなかなかでした。

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