純画廊にて。(10/16〜10/22)

先月佐藤美術館で拝見した志田展哉さんの作品が観られるということで、小岩まで。
これまで訪れたことがない街だったのでそれだけでも新鮮な気持ちだったのですが、地図を観ながら進むにつれてどんどん住宅地へ入り込んでいき、なんとなく心細くなってきたあたりでようやく看板を見つけたのですが...まったくの住宅で。。。

意を決して玄関の扉をあけると、そこに志田さんの作品が。。。
佐藤美術館でも拝見した、板に描かれた小品ですが、前回観たときとは雰囲気が違って、住居空間に思いのほか自然に収まっていつつ、アルミ泥のシルバーと岩絵の具の青と黒とが織り成す深い色調の質感も、その独特の深遠な雰囲気を充分に醸し出していて...これだけ観ることができただけでもここまで足を運んだ甲斐があったなぁ、と。。。

画廊はこちらの2階にありました。
靴を脱いでスリッパに履き替え、階段を上がっていくと壁に吉田さとしさんの作品が展示されていました。
吉田さんの作品は正方形の画面にストライプの模様が入っているだけのシンプルな小品で、そういった作品が適度な間隔で飾られていて、本来通るだけの空間にちょっとしたスパイスとして機能しているようでした。

画廊はホントに小さなお部屋といった感じで。
その小さな空間に、志田さんの作品と奥村美佳さんの作品が展示されていました。
まず、志田さんの作品...こちらの作品もすでに観たものでしたが、いくぶんか柔らかな感じの照明のなか、こうやって住居空間であらためて拝見すると作品がぜんぜん違う表情を見せてくれていて。佐藤美術館では気付かなかった細かなところ、例えば箔がちりばめられているような手の込んだところがよく伝わってきて、新しい発見がとにかく嬉しかったです。
奥村さんの作品はオーソドックスな岩絵の具の風景画。素朴な感触が印象的で、また別の機会にいろんな作品を拝見したいです。

こうやって住宅の一室で画廊を営んでいる内藤さんのお話はたいへん興味深くて。。。
心地よく香るコーヒーをいただきながら、長年アートに関わってこられたなかで感じることなど、たいへん貴重なお話をたくさん伺えました。
この展示タイトルの「時代を担う作家」という言葉にもあらためて、内藤さんの熱意とあたたかさとを感じます。
ヴァイスフェルトにて。(10/7〜10/29)
http://www.roentgenwerke.com/works/maxheadroom/maxheadroom.html

小川信治さん、カンノサカンさん、内海聖史さんの作品が揃った、ギャラリー主催のグループ展。

その小さなスペースに足を踏み入れた瞬間、「えっ!?」といつもと違う内装にびっくり。
白い壁であることには変わりないのですが、正面に、天井がアーチ状になった狭く短い通路が設置されていて、その奥に小川さんの作品。
たったこれだけのために・・・というと失礼な表現になってしまいますが、ひとつの作品の展示のために壁を設営してわざと奥まったスペースをつくり出しているその手間にまず感服。

このアーチの奥にある小川さんの作品は例によってもともとある作品からそこに存在するものを引いて再現したもので、今回展示されているものはオリジナルはダヴィンチ。展示スペースもそうなら、小川さんの作品も「よくもここまで・・・」と大いに呆れるほど。とにかく恐ろしく精緻に再現されています。

ちょっと見上げる位置に展示されているカンノサカンさんの赤い作品。
こちらも一度観たら忘れられないほどに印象が強く、自動車の塗装に使用されるウレタン樹脂の眩しいほどに鮮やかな赤は白い壁に映え、あえて表現すると、この真っ赤な闇の中で火花の光が弾けて美しい軌跡を描いたかのような銀の細かい模様が見事にちりばめられていて、この斬新すぎる美しさ、ホントに見入ってしまいます。

この展示のいちばんの収穫は、なんといっても内海聖史さんの作品を拝見できたことで。。。
直径5mmほどの細かいドットが壁いっぱいの画面に無数に打たれ、何層にも重なって、まさに降ってくるような印象。しかもその色が...塗り重ねられた奥のほうには緑や赤などの色彩の痕跡も認められるのですが、いちばん表側、表面を覆っているのがとにかく重たい質感の黒で、ドットのひとつひとつがまるで廃油にまみれた鉛や鉄の弾を連想させ、それぞれの弾がお互いに接触しながら金属音を響かせているようなイメージで...とにかく尋常でない圧迫感。
これまで経験した強い印象というのは案外頭に残っているもので、内海さんの作品は今年の春のVOCA展でも拝見していて、そのときも縦に長い画面に、緑などの色彩が今回拝見したのよりはもっと大きなドットで画面に重ねられて、まさに降るような印象だったことも思い出し、こうやって違う場所・違う時間で違う作品に出会うことで、これから意識して気に留めておくアーティストがまたひとり。。。
過去の作品や展示のファイルを拝見すると、無数のドットで展開された大きな作品が多く、またどこかでぜひ内海さんの展開する世界を体験したいと思ったのですが、そのファイルのそばにちいさな箱のようなものがあって、そのなかに画面があり、そこにまた小さなドットで描かれた作品があって。大作とはまた違って「見つけたっ!」という感触のかわいい作品ですが、こういう手のひらに乗るほどの小さなスペースでもちゃんと内海さんの世界が展開されているのもまた違った趣で嬉しいです。

で、このグループ展のサブタイトルが「頭上注意の絵画」。
バラエティに富んだ「頭上」からのアプローチはそれぞれユニークで。それがこの小さな空間(さらに小さくなっているわけですが)で展開されているのがなんとも面白いです。
MiZU BLUE OF BLUE ミズ・テツオ新作展(10/22)
ごらくギャラリーにて。(10/17〜11/5)
http://www.h6.dion.ne.jp./~goraku.g/MizuTetsuo_2005/MizuTetsuo_2005_2.html

読める絵というのは面白い!

6月に続いてのミズ・テツオさんの個展。
今回は新作展で、例によって船の信号で使用されるアルファベットフラッグの組み合わせがモチーフとなっている、パターンがタイトルのアルファベットと対応していて読むことができるユニークな作品がごらくギャラリーの3つのフロアに広がっています。

ただし、前回の過去の作品を中心とした展示で出展されていたカラフルな旗の作品と大きく違うのが、今回は個展タイトルにもある通り「青」の色彩で作品が統一されています。
文字も限られていて、対応する旗が青と白とで構成されたもののみがモチーフに使用されているとのこと。
スタンダードな形の大小各種のはもちろん、楕円であったり、形という意味ではもっとも目をひくのが1階のフロアに置いてある、台形をふたつ重ねたような形の立体作品もあったりして、統一された色彩の中でさまざまな形で表現されているのも楽しいです。

そして、その青と白。
青はいわゆる原色の青ではなく、それが濃い青でも押さえ目な印象で、白も若干ベージュがかったような感じで。
そのために色彩感はかなり優しい落ち着いた感触で、このふわっとした感じが気持ちよく...。
また、そういった色彩感で描かれるアルファベットフラッグのパターンは形がかなりデフォルメされていたりして、文字と文字、色と色とを分けるいかにもフリーハンドらしく歪んだその線からは、その大胆さから逆に迷いのなさを感じ、むしろスケールの大きなイメージが喚起されて、なんとも爽快!
いちばん上の階に展示されている作品はさらに青が淡いトーンとなっていて、ふわっとした感触がさらに大きくなった空間となっていたような気がします。

この日はギャラリー内でミニコンさーとが開催されることになっていてたくさんの人がいらっしゃっていたのですが、そのなかでミズさんともお話しできて...作品のことのほかにも、先日観た映画「さよならcolor」のことも話題になって、作品の他にもミズさんご本人が酔っぱらいの役でほんの少し登場しているということも伺えました。

思えばごらくギャラリーはひとつ前の展示も青の色彩が印象的だったなぁ、と。。。
このギャラリーの、3つのフロアとそれぞれの空間をうまく活かした展示には毎度頭が下がります。
今回のミズさんの展示は会期が長めなので、また何度か観にいこうと思います。

(参考:アルファベットフラッグ http://www.marinevance.com/KATALOG/p216.htm
αMプロジェクト2005/vol.4/鈴木明×山田正好展「東のすみか西のひと ライフ・リ・リサイクル」(10/22)
art space kimura ASK?にて。(10/17〜10/29)
http://www.musabi.ac.jp/ampj/2005/04suzuyama/index.htm

インスタレーションは、第一印象も大事。

ギャラリーのドアを開けて、まずびっくり!
新聞の束が積み上げられてちいさな家みたいなものが建てられていて、「えぇっ!?」みたいな感じで。
そのドーム状の建物を前に暫しボーゼン(笑)。

もちろん中に入れるようになっていて、ギャラリーの方にも声をかけていただいて、ではではと入ってみたら・・・薄暗いドームの中には積み上がる新聞の束の隙き間から照明が入り込んで案外明るい。
そしてもう一つ嬉しいのが、中にも小さな絵(写真、あるいはプリントかと)がいっぱいあって、それを小さいスペースの中で身体を屈めながら観るのもけっこう楽しくて、また居心地もよく、それでもあまり長居していると次に入ってくる人もいるかも知れないので早々に移動...ふたつのドームが中で繋がっていて、穴を通って隣のドームへ行き、そのまま出口へ。
何か動くものがあるわけではないのですが、こういう空間はけっこう楽しいです。

外には(ってギャラリーの中なのですが)、隅の方にこれまた新聞の束でできたソファ(イス、といってしまうのは惜しい)があってそれに腰かけ、焼き菓子をお茶をいただいたのですが、このソファがまた居心地よくて、なんかもう自分でも「どうなのこれ?(笑)」と自問自答してしまうほどに落ち着いてしまいました。
モニターには、さまざまな場所で同じように新聞のドームが作られている映像が流れさていて、子供達が嬉々として作っているのが実に楽しそうなのが印象に残ってます。

ギャラリーの至る所に、奇妙な形をしたオブジェ。
針金に皮を巻き付けた、手足の長い人の形をしたものが壁を伝ってたり例の新聞のドームを登ってたり。
その姿はなかなか表情があって、眺めていてもけっこう飽きないもので。。。

前者の新聞のドームが鈴木明さんの作品、後者の人形が山田正好さんの作品。
それぞれ新聞と皮、無機的な質感と色彩とでお互い違和感がぜんぜんなくて、かなりユニークな雰囲気でした。

決して第一印象だけじゃない面白さ・・・!
APS・西村画廊にて。(10/4〜10/29)
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2005/isshki.html

絵が揺れる。。。

油彩の写実の花の絵。
ダリア、紫陽花、朝顔、チューリップ、ベゴニアなど、さまざまな花が画面いっぱいに大きく、リアルに描かれています。

・・・とにかく圧倒されます。その写実具合に脱帽。
もう、写真よりも本物に近いんじゃないかというくらいに。。。
花びらが陽射しを受けて繊維を透かしつつ光を反射している様子が丁寧に、そして大胆に再現されていて、確かに近付くと油絵具がキャンバスに乗っているのが分かるのですが、ちょっと距離を置くと実物よりも大きく描かれている花々がさまざまな色彩を思いっきり発散させながら咲き乱れる、ある意味エロティックささえ感じてしまうその姿に目を奪われっぱなし。
まさに、薄くやわらかな花びらがそこにあるようなリアルさで、そんなはずはないのに花びらが微風を感じて揺れているような錯覚さえ覚えます。
また、チューリップやベゴニアなど、花によっては花びらが開くその真上から描かれていて、あまり見かけない構図によって花々が目一杯に広がっていこうとするような勢いさえも感じます。

そして...もっとも印象的だったのが、桜。
桜の絵は特に日本画でよく見かけるわけですが、同じ種類の花を描いたとは思えないほどに、もうぜんぜん別物で。
日本的な味わいというか、咲いてすぐに散る「もののあわれ」みたいな感触の多くの日本画の桜のイメージがすべて一気に吹き飛ぶような、ものすごい勢いで花を開き、直線的な日の光を受けて輝くようにその姿を晒す満開の桜の花の絵。強烈なインパクトです。
《〜10/21》
・「波濤の會」東京芸術大学大学院 デザイン専攻描画・装飾研究室 @銀座高島屋別館4F画廊(10/20)(10/19〜10/25)
http://www.matsuzakaya.co.jp/ginza/garou/ginza_ga.shtml

僕にとってはおなじみの作家がたくさん参加している、昨年まで「やぶのなか展」として行われていたグループ展。
金丸悠児さん、瀧下和之さん、野地美樹子さん、名古屋剛志さん、泉東臣さんほかの皆さんの安定した作品のレベルには頭が下がる一方で。
そういったなかで、既知の作家のなかで特に印象的だったのが、昨年2人展を開催されたお二人、岡部忍さんと永井夏夕さん。
岡部さんの作品にはどんどん暖かみが増しているような感じで、今回は濃紺の空に浮かぶ、鳥の白いシルエットの作品がとても印象に残り、これまで廃虚などの絵の印象が強かった永井さんは、「夢の中の出来事」と題して、静謐と緊張とが同居する美しい白の風景が描かれていて、嬉しい驚きでした。
また、これまであまり作品を拝見する機会が少なかった方では、芹田紀恵さんと三枝淳さんが特に印象に残りました。

・湯沢悦木展 @Oギャラリー(10/20)(10/17〜10/23)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/yuzawa.html
赤と白で構成されたコンポジション。
ギャラリーのスペースを活かして大作がずらりと展示されていて、なんだか鯉のぼりの中にいるような楽しい気分に(笑)。

・有元容子 新作日本画展 @77ギャラリー(10/21)(10/17〜10/27)
http://www.gaden.jp/77gallery/2005/051017.html
日本画で、主に山を描いたものとポートレートと。
僕は、山を描いた作品がよかったです。眺める山の優しさが伝わってくるようで...。

・小山厚樹展 @瞬生画廊(10/20〜10/29)
独特の画面表面の質感を持った油彩の作品。
街の風景や建物が描かれていて、ちょっとデフォルメされているところにユーモアを感じたりしてて、なんだか童話のなかの風景に紛れ込んだような、楽しい作品でした。
この作風からよい影響を受けそうな若い作家はたくさんいるような気がします。

《10/22》
・藤沢彦二郎 展 −静寂(しじま)− @ギャラリー椿GT2(10/17〜10/22)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/051017gt.htm
自身の姿が映り込むくらいの透明感。
夜を連想させる街の風景、遠景が描かれていて、そのどれもから尋常でない静謐感が漂っていて、かなり見入ってしまいます。
そこに見えるものが画面全体を包む色彩に溶け込んでいて、例えば街灯だけの明かりで照らされたところだけがそのツ名鑑のある色彩から浮かび上がるように見えているのが、とにかくきれいで。

・北川健次 新作オブジェ展 鏡面の詩学 ―レオン・フーコの視えない振子のために @ギャラリー椿(10/17〜10/29)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/051017.htm
オブジェ中心の展示。
このオブジェが実に不思議で。。。
古い洋書に何らかの図面のようなものや古い油彩のポートレートなどがオーバーダブされていて、大きい作品でないのにも関わらず、実に重厚な雰囲気で。
「知」と「時間」とがそのオブジェの表面に閉じ込められているような感触。時間をかけて眺めても作品からの情報をキャッチできないもどかしさが逆に作品に深みを与えているようにも思えて。
少なくとも、北川さんの作品と対峙しているときの僕自身の気持ちは充実していました。そういうことなんだろうと...。

・清水智和展 @アートスペース羅針盤(10/17〜10/22)
http://rashin.drawing.jp/ex/2005/1017/index.html
ほっとするような色彩が全体を覆う風景画。
特にいちばん大きな作品で、その黄色くそまた広い空を眺めているのがなんとも気持ちよく...。

・小川陽 展 @ギャラリー21+葉(10/17〜10/22)
http://www.gallery21yo.com/info-Frame.html
細かいパターンが優しい質感で刻まれている平面作品で、なんだか不思議な感じだな、と観ていたら...これが、描いたものではなくて線香の火で紙を「焦がして」制作されたものとのこと。
模様のひとつひとつ違う表情にも納得。
ほっとするようなこの質感を見つけたことと、作品製作の手間に感服。

・中島芳奈子展 @ぎゃらりぃ朋(10/21〜10/29)
絹、板に描かれた日本画。
絹の作品は表に箔が貼られ、そこかしこでその箔の輝きが効いていたり、板絵は板の木目がきれいに表出して活かされていて。また丁寧に表現された写実部分と動きのある抽象的な部分とのバランスが絶妙で。
小品も、小気味よさがなんともいえずよい感じでした。

・松倉茂比古展 - LA VITA - @森田画廊(10/12〜10/22)
http://kgs-tokyo.jp/morita/2005/051012.htm
無彩色が印象的な日本画。
どこかイメージの中で見るような風景。。。
ところどころで引っ掻いて描かれている部分や、パネル自体を彫っているところなどにも面白さを感じました。

・大和田いずみ展 @銀座四丁目ギャラリー(10/20〜10/26)
油彩、水彩など、さまざまな手法で描かれた作品、とにかく明るい!
ケレン味のない鮮やかな赤や黄色の色彩で、乾いた風を掴んだような気持ちのいい風景や抽象画。
曇り空の一日でしたが、この空間だけ晴れてました(笑)。

・平田達哉 展 -予感- @ギャラリー・しらみず美術(10/17〜10/29)
油彩、ポップでアーバンなコンポジション。
作品の未来的な雰囲気もよかったですが、それ以上にこのギャラリーの懐の深さというか、こういう作品もちゃんと作品自体が引き立つように雰囲気を変えられることに驚きました。
てっきり内装を変えたのかと思ってしまったくらい...。

・瀧田亜子展 @ギャラリーなつか(10/17〜10/22)
大きな画面に抽象的な模様が描かれていて、その勢いが気持ちよく。。。

・ブブ・ド・ラ・マドレーヌ「人魚の領土- 8月の水」 @OTA FINE ARTS(9/28〜10/22)
http://homepage2.nifty.com/otafinearts/home.htm
映像作品で、後半あたり、人が走る姿のシルエットが延々と流れ、下のほうで日本語と英語とが織り込まれたテキストが流れてくる場面が面白かったです。

以下はあらためて。
・αMプロジェクト2005/vol.4/鈴木明×山田正好展「東のすみか西のひと ライフ・リ・リサイクル」 @art space kimura ASK?(10/17〜10/29)
http://www.musabi.ac.jp/ampj/2005/04suzuyama/index.htm
・MiZU BLUE OF BLUE ミズ・テツオ新作展 @ごらくギャラリー(10/17〜11/5)
http://www.h6.dion.ne.jp./~goraku.g/MizuTetsuo_2005/MizuTetsuo_2005_2.html
・次代を担う作家展 奥村美佳 志田展哉 吉田さとし @純画廊(10/16〜10/22)
・マックス・ヘッドルーム 頭上注意の絵画-小川信治/カンノサカン/内海聖史 @ヴァイスフェルト
http://www.roentgenwerke.com/works/maxheadroom/maxheadroom.html
・杉本博司 時間の終わり @森美術館(9/17〜1/9)
http://www.mori.art.museum/contents/sugimoto/index.html
東京都現代美術館にて。(9/16〜11/27)
http://www.ntv.co.jp/isamu/

僕らはとても緩やかな曲面の上に立っている。

おおきな明かりの空間を抜けると、たくさんの優しい曲線・曲面に溢れていた。

初期の小さなオブジェの味わいのある表情。
真鍮が丁寧に磨かれて、そこに映り込む自分の姿がコミカルにデフォルメされたような感じで、腕や足を動かしてみたり距離を変えたりして変化する姿を楽しんだり。
緩やかな曲線を描く、浅黒いブロンズの板を組み合わせてできたオブジェ。作品によって大きさ、形もさまざまで、小動物や鳥をイメージさせるものはその姿を愛でるように接し、人がすっぽり隠れるくらいの大きさのものは、実際に身を潜めてみて作品のほうから見える人の流れを眺めたり。
作品によってはすごく繊細に感じる部分、かなりギリギリで安定させているような緊張したところもあったりしたが、アートを観るというよりはむしろ「遊具」と接するような楽しさで。。。

石の彫刻。
こちらは照明もぐっと落とされ、一気に落ち着いた空間。
おそらくもともとある形を活かしたうえで、部分的に表面を磨いたり削ったりして豊かな表情をつくり出しているような感じで。
「石」という素材が持つとてつもなく長い時間を感じる質感と、何故か未来的なイメージとが違和感なく共存していて、静かな心持ちに。

・・・「エナジーヴォイド」の優しさは、圧巻だった。
圧巻、と言う言葉だとちょっと強い表現のような気ももするが、横から、そして上から(東京府美術館展の会場から眺めることができます)とさまざまな角度で眺めて...重力に深々と腰を据えているように感じたり、ふわりと浮かぶようなイメージも沸き上がってきたり、という具合にさまざまな表情で接してくれて、とにかく心地よかった。
そのかたちから鎖のひとつにも見えて、もしこの大きさの鎖がぶら下がっていたら...なんて想像も。

最後にモエレ沼公園のビデオと模型。
ひとりのアーティストの壮大な計画がこうやって実現することがまず素晴らしい。
それほど多くの人の心を動かしたと言う事実こそが...。
そして、その空間に実際にいると、あらためて実感することがきっとあると思う。

ノグチの人生も簡単にビデオで紹介されていて、もっとノグチについて知りたくなってきた。
なんでこうも優しさや慈しみ溢れているのだろう...と思う。
この展示でほぼ初めてノグチを知った僕の浅い知識と作品の印象からの想像だと、陳腐な表現だが、世界全体、地球全体の平和・安寧を作品に託しているように思えてならない。。。

僕らは、とても緩やかな曲面の上に、立っている。
高松和樹 展(10/15)
GALLERY b.TOKYOにて。
http://www.dragonz.com/gallery_b/exhibit2005c.html

遊び心と実験と!
面白い!

3つの種類の作品が展示されていたなかで、まずインパクトを受けたのが、無彩色の作品。
奥の壁に2点、同じ大きさで同じものを描いた絵が並んでいました(2点でひと組の作品だった模様)。
どちらも無彩色で描かれていましたが、一方は陰影を元に段階的にトーンを変えていったもの、もう片方は、距離を元にトーンを変えたもの。
この2つの視点から同じものを描かれたものの違いが面白い!
陰影のほうはこれまでにも見かけるパターンではあるので自然な印象なのですが、陰影を無視して距離で描いたものは、なんていうか不器用な違和感があって不思議な感じ。
高松さんによるとこれは「実験」で、今回は色調の段階が大きかったのですが、これからそれをもっと細かくしていきたいそうで、かなり楽しみです。

この展示の中心は、ひとつの画面にさまざまなものが詰め込まれた油彩の作品。
くっきりとした黒の稜線とちょっと押さえ目の色調が、混沌とした雰囲気をかなり分かりやすくて取っ付きやすいものにしているようにも思えます。
また、稜線はちょっとイラストっぽい感触もあって、油彩なのにかなり軽い感じ。そのために描き手の楽しさがダイレクトに伝わってくるように感じます。
そしてその楽しさが、大きな画面のなかで展開されているのがまたいいんです。
それぞれ見応えがあってかなり面白かったのですが、いちばん印象に残ったのが、縦に長い画面の作品で、巨大な木製の檻のなかに大掛かりな機械が詰め込まれ、それが羊の餌を製造しているのですが、肝心の羊はその餌に見向きもしない、というかなりシュールなユーモアが展開されている作品。
皮肉っぽいところもあるのですが、特にそれをネガティブに提示しているわけではないそうで、それで作品がカラッとした感じに仕上がっているのかも知れないです。

もうひとつ、小さな抽象的な画面の作品が並んでいました。
これらは、自身の作品で気に入った部分をプリントし、それを転写したものとのこと。
それぞれなかなかに面白い色彩で。

こういう出会いがあるからギャラリー巡りがやめられない!
木村吉邦 展 -計算する民具-(10/15)
トキ・アートスペースにて。(10/10〜10/16)
http://homepage2.nifty.com/tokiart/051010.html

こちらのギャラリーではインスタレーション的な展示が多いのですが、今回は江戸時代の民具を再現した作品と、その図面の展示でした。

再現されていた作品には、その用法や理屈がコンピュータの理論などにも通ずることから現代的なタイトルが冠されていて、それぞれ「二進算盤」「3入力8出力デコーダ」「苔玉による切替機」「玉落とし遊具」という名前と共に、その理論がキャプションに解説されていました。

「二進算盤」は、文字通り玉がひとつの軸にひとつしかない算盤で、上のほうにはそのまま桁上がりができるようにスライドする部分があります。
「3入力8出力デコーダ」は名前が分かりにくそうですが、薄い枠のような細長い箱の片側に8つの仕切りが設定されていて、さらにその仕切りの部分に3箇所のスライドが設定され、仕切りがないほうからあるほうへと小さな玉を転がすと反対側に辿り着くのは仕切られた枠のうちのひとつにしか行かないようになっているもので、再現されていたもののなかではいちばん分かりやすかったです。
「苔玉による切替機」はちょっと分かりにくくて、上から水が落ちると下にある苔玉が水を吸収して大きくなったり、あるいは水が与えられずに枯れて小さくなったりすることで、お互いが紐で連鎖して作用するようになっているもの。
「玉落とし遊具」は文字通りゲーム板。当時はこれで博打をしたらしい、とキャプションに書いてありました。
他にも展示はなかったのですが設計図のようなものも2、3点ほど展示されていて、それぞれその理屈を見ながら頑張って想像。

・・・と、まじめにそれぞれの作品を理解しようと頑張ったのですが、やっぱりフィクションでした(笑)。
木村さんに説明していただくなかで、フィクションじゃない部分を織り込みながらそれっぽい説明を加えてあるそうで。怪しいと思ってるところでフィクションと教えられると、なんかもう「下らなくて最高!」みたいな気分。
無論、理屈はすべて筋が通っていて、それが余計に笑えます。

あと、それぞれの作品は木の素材の色調が実に美しく味わい深い感じで。
そういうところも、このフィクションにリアリティを持ち込んでるような印象も受けました。

こういうので騙されるのは案外気持ちがいいものです。
元田久治 展(10/15)
ギャラリー池田美術にて。(10/3〜10/15)
http://kgs-tokyo.jp/ikeda/2005/051003.htm

今年の2月にOギャラリーで観た元田さんの、新作を中心とした個展。
前回もかなり印象に残る作品だったのと、今回は池田美術という毎度渋い版画作品が展示されるギャラリーでの展示ということで、たいへん期待してました。

作品は、前回と同様にモノクロで精緻に描かれた、東京のさまざまな街が廃虚になった風景のリトグラフ。
それぞれの街の壊され具合、荒らされ具合は今回も健在で、銀座や渋谷など実際に知っているおなじみの景色が荒廃しているので作品がよりリアルに感じられ...これは観る方によって感じ方は千差万別だと思いますが、僕の場合、怖いというよりも「おいおい!」とツッコミたくなるようなユーモアを感じます。

ただ、今回の作品の一部で前回と違う印象の作品があって...空の部分が、今回の作品では版が抜かれたようになっていて、紙の色がそのまま活かされたかたちになっています。
僕がこれまで拝見してきて感じるリトグラフの特徴で、版を抜かれて紙の色がそのままの部分は、逆に(まさにこのニュアンス)前に飛び出てくるような質感があるのですが、今回拝見した元田さんの作品では、空や建物が光を反射している部分で抜かれているためにその部分がぐっと前に迫るように出てきている感じがします。

多くの作品の構図が、ちょうど中央付近がもっとも奥行があるようになっていて、道路が画面中央に向かってまっすぐ伸びている作品では、その道路のいちばん先がすごく面白いことになっています。
画面の中でもっとも奥行を感じる部分と空とが接しているわけで、そのもっとも遠い部分と版が抜かれてぐっと前に出てきている部分とがその箇所で強烈な違和感を醸し出していて、それが元田さんが描く世界をより強烈に非現実的な印象にしているように思えました。
また、その「抜き」がよりユニークな効果を生み出していたのが、浅草の雷門。
あの巨大な提灯が画面のど真ん中にあって、そのまわりが抜かれているために、提灯がものすごい勢いで迫ってくるような迫力があって、ある意味かなりファンキーで。

元田さんのお話では、今回はあえて版の数を減らしてみたとのことで。
これだけ細かく描き込まれた作品なのでそれだけで尋常ではない仕事だと思うのですが、こうやってひと手間なくすことでユニークな風合いが出るというのも興味深いです。

すべての作品が風景を正面から眺めたふうに描かれているのですが(だからこそ今回のような面白い効果が生まれたのですが)、松江泰治氏の地平線を画面から排除した写真のような構図なども面白そうです。
不忍画廊にて。(10/5〜10/15)
http://www.shinobazu.com/schedule.htm

木版画というのは、それだけでもう、なんだかあたたかい質感があって、しかも多色多版刷りとなると、手間がかかっていて色彩が増えるぶん

多色多版刷りの木版画。
加えて、詩画集「午後の光」の刊行に合わせた、原画展。
ひとつひとつの作品に、垣内磯子さんの詩があわせて展示されていて、作品を観つつ、詩を読むことでそのあったかい世界をゆったりと感じるような展示で。

・・・あったかい絵と、あったかい言葉と。
垣内さんの詩は音読みの言葉が限りなく少なくて、そのために文章を目で追うだけでもやわらかな感触を受けます。
そこに合わせて描かれる鈴木さんの木版画。
木版画の独特のあったかい質感で、木版画特有の素朴であたたかい感触と、細やかに色が使い分けられた多色多版刷りの丁寧さとが印象的に残ります。ぱっと観ただけでもふわっと心の中に広がる優しさみたいなものが心地よくて、なんとも抗い難いやわらかな雰囲気に包まれるようでもあって...。
作品はすべて複数の色が使われていますが、強い派手な色は一切なく、加えてどれもそれぞれひとつのトーンにまとめられているというか、「青っぽい絵」「茶色っぽい絵」みたいな感じで呼べそうな色彩感を帯びているのも、優しい感触が醸し出されるのに貢献しているようのも思えます。

僕がおじゃましたのは午後の日が高い時間で、ギャラリーの大きな窓から自然光が入ってそれはそれでよい感じでしたが、もっと遅い時間に照明で拝見することができたら、またそれはそれでステキな雰囲気だろうなぁ、などとも想像しつつ...

・・・ホントに味わい深い作品ばかりで、ちいさなギャラリーの中には人でいっぱいだったにもかかわらずずいぶんと長い間見入ってしまい・・・この雰囲気を手元に置いておきたいという気持ちと名残惜しさとで結局、詩画集を買ってしまいました。
展示されていたなかでいちばん印象に残った「メッセージ」という題の詩と絵は、いちばん最後に載ってました。
《10/13》
・港千尋「Augustine」 @Photographer’s Gallery+IKAZUCHI(10/8〜10/27)
http://www.pg-web.net/pg/now/2005/minato/augustine.htm
仕事帰りにさっと観るにはちょっと難解すぎました(汗)。

《10/15》
途中に味スタを挟んでの銀座・青山。

・絵画に成るもの 鮎川廉 展 @なびす画廊(10/3〜10/15)
http://www.nabis-g.com/exhibition/2005/ayukawa-l.html
ネットで観たときは「なびすで写真は珍しいなぁ」と思っていたのですが、これが油彩の作品でびっくり。
実際に作品を拝見して、油彩独特の重さがまったくなく、たいへん清々しい雰囲気が広がっていて気持ちいいです。
特に青空を描いたものの爽快感は堪らない感じで。自然光が入る室内を描いた作品でさえ、影よりも明るさが印象に残ります。
描いた作品に、最後に何かでコーティングしているようで(画廊の方のお話では、蜜蝋ではないけれどもそれに近いものとのことで)、これで画面の艶が少々抑えられていて、若干が面が黄味がかっているのも興味深かったです。
過去の作品を拝見したら、相当なインパクトの展示も行っているようで...。

・根崎三枝子展 ―異次元の帳(とばり)― @アートスペース羅針盤(10/10〜10/15)
http://rashin.drawing.jp/ex/2005/1010/index.html
コラージュものとしては相当に楽しめました!
けっこう大きな作品が多く、それらはすべてに十字架がフィーチャーされ、さらに画面にはさまざまな素材、目の荒い布やロープ、小石、麻袋などが重ねて貼られています。
また画面は白で塗られていますが、これは雪のイメージとのこと。下地は相当カラフルな色彩となっているそうです。
いちおう十字架には宗教的な意味合いもあるそうなのですが、少なくとも僕には押し付けがましい印象はなく。
それよりも、何か音と一緒に楽しみたい感じで、ライブハウスのステージの奥に飾ってあったりしたら映えるだろうなぁ、と。

・小川純生 展 @Gallery 銀座フォレスト・ミニ(10/9〜10/15)
岩絵の具の作品。
色使いがユニークで(しかし奇を衒った感じはなく)、もっといろいろ拝見してみたいな、と。

・伏島佐織 展 @Gallery 銀座フォレスト(10/10〜10/15)
月並みな印象だと、会田誠系の女の子などが描かれた油彩の作品。
作品によっては板に白亜地をコーティングしてあって画面がフラットで、アクリルのような軽みもあって、けっこう面白いsカウ品が並んでいました。

・「風の便り」岸田ますみ展 @十一月画廊(10/10〜10/22)
http://www.jpartmuseum.com/jam_live/11gatsu_g33/
あっさりした印象の風景画。
版画作品がよりやわらかい感触で、よい感じでした。

・菅原幸子 展 @Oギャラリー(10/10〜10/16)
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/sugawa.html
特に入り口正面の大きな作品に圧倒されます。
大きくて、強い色彩の抽象画はそれだけで迫力があるなぁ、と。

・伊藤美奈子版画展 Collection of View @DAZZLE(10/11〜10/16)
http://gallery-dazzle.com/exhbt/yr_05/051011.htm
水彩イラスト風味のリトグラフの作品。
さりげない日々の風景がやさしい質感で切り取られているようで。なんだかのんびりとした気持ちに。
伺った時間が遅く、もうすでに日が落ちて暗くなっていたのですが、自然光が入るなかで観ることができたらもっと気持ちよかっただろうなぁ、と。
特に、入口からすぐのところに展示されていた夕焼けの家並みの風景がよかったです。

・児嶋サコ SAKOO -彼女のなかの森の中- @ナディッフ(10/14〜11/27)
http://www.nadiff.com/gallery/mainpage.html
前回の代官山での展示に続いて観てきました。
ナディッフのギャラリーは小さなスペースなので、こちらはインスタレーション的な展示となっていて、前回よりもずっと児嶋さんワールドに入り込みやすい感じで。
ギャラリーの外のスペースにもいろいろ展示があって、今回はショーケースに展示されていたアクリルによるドローイングの作品がステキで。ふわっと繊細にやわらかく広がる色彩が印象的。
・・・ただ、今回も「痛い」系の展示もあって、こちらはどうにも苦手で...。
児嶋さんの表現のなかではこの要素はすごく大事なんだろうとは思うのですが、そういうのがなくても充分いいのになぁ、なんて勝手に思ったりしてます、ファンの方すみません...。

以下はあらためて(先週観たものの感想もまだ書けてない状況ですが・・・)。
・高松和樹 展 @GALLERY b.TOKYO(10/10〜10/15)
http://www.dragonz.com/gallery_b/exhibit2005c.html#takamatsu
・元田久治 展 -Indication- @ギャラリー池田美術(10/3〜10/15)
http://kgs-tokyo.jp/ikeda/2005/051003.htm
・木村吉邦 展 -計算する民具- @トキ・アートスペース(10/10〜10/16)
http://homepage2.nifty.com/tokiart/051010.html
アダム ブース 個展「 7th heaven cloud 9 」(10/8)
ars galleryにて。(9/27〜10/9)
http://www.a-s-o.jp/gallery/scadul_s.html

象と靴と桃と・・・。
アダムさんが日本で見て印象に残ったものがモチーフになった日本画。

象は、俵屋宗達が描いた白象からインスパイアされたそう。
俵屋宗達が実際に象を見たのか、という疑問から興味が湧いたとのことで、時間が経つうちにアダムさんのなかで象のイメージが育ち、変化していって、作品に描かれるような個性的な姿になったみたいです。
象の前足の爪が特徴的です。象の指の数は実際はどうなのか知らないんですが、アダムさんの描く象には指が5本あり、それぞれに鋭い爪が生えています。
全体的な印象として、とにかく東洋的。
なにやら魔法でも使えそうな風貌が面白いです。

桃は桃源郷の象徴、靴は(ちょっと詳細は忘れてしまいましたが・・・)何かの作品でお坊さんの横にすごく邸に得に描き込まれた靴があったそうで。

作品を見た印象は、まず、月並みかもしれないけれど、西洋圏の人のイメージはこういう感じなのかな、と。その視点がすごく新鮮で。
でも、連綿と続く日本画の構図を参考にしながらも、オリジナリティ溢れるキャラクターと、背景にパソコンのキーボードなどの違和感あるものをうまい具合に織りまぜて描かれた作品は、やはり独特の感性を感じてしまいます。
背景に使われる色彩も、青味がかっているというかグレーっぽい感じのものや、やわらかい黄色だったりで、それぞれ登場するものがしっかりと浮かび上がるような感じに仕上がってます。

「日本画」というカテゴリーの中ではある意味突出した個性だと思います。
またアダムさんが何か興味深いものに出会う度に、作品に面白いキャラクターが増えていくのかな...。

アダム・ブースさんのHP:http://www.adambooth.com/
加來万周 風雅―fuga―(10/8)
紫鴻画廊にて。(10/5〜10/15)
http://www17.ocn.ne.jp/~shikou-g/new.html

日本画の可能性はいったいどこまで。。。
・・・メインストリームの日本画としては、間違いなくもっとも先にいる作家のひとりだと思いました。
ちょっと、すごかった...。

麻の紙に描かれた、風景などの写実の作品。
使用されている画材は、まず目に付くのが金泥、あるいは銀泥。そして、岩絵の具。
金泥、銀泥が使用されている作品がそれぞれあって、おおまかに金の画面の作品と銀の画面のとに分けられます。
麻の紙は表面が軽く毛羽立たせてあって、そこに金・銀泥が乗って表面の紙の繊維が金・銀に染まることで、画面全体に実に繊細な陰影が現れて、それが金・銀の色彩に尋常でない深みを与えています。
また、膠で画面に凹凸が付けられていて、作品の精巧さと共に、まるでその質感はむしろ彫刻作品のようにも感じられます。それほどに重厚で。
そこに岩絵の具でさらなる深みや広がりが加えられているような。。。

描かれる風景は、少なくとも僕の目からは特別な風景ではなく。。。
ただ、そういう風景であっても、それこそ卓越した技術でその風景が持つ深みや静謐さが引き出されていて、ひとつひとつの作品にかなりの説得力があり、それぞれの作品と対峙する「覚悟」を迫られるような感じがします。

この大きさの作品にこれほど圧倒されたことはないかもしれない、というくらいに深く印象に残ります。
加來さんは芸大の日本画を修了されているとのことなのですが、修了製作はどんな作品だったのだろう、と。。。
機会があれば拝見してみたいです。

・・・作品にもたいへん驚かされたのですが、それ以上に驚いたのが、僕と同郷ということはお目にかかる前から分かっていたのですが、いろいろお話を伺ってみると僕と高校が同じで、しかも加來さんは僕より学年が2つ下、すなわち1年間は同じ高校に通っていたというものすごい偶然がありまして。。。
これまで拝見した芸大日本画の方だけでなく、高校時代の知り合いも多数いることが判明し、思いがけず懐かしい話で盛り上がってしまいました(笑)。
長谷川純(10/8)
TARO NASU GALLERYにて。(9/16〜10/15)
http://www.taronasugallery.com/exh/index.html

すごく分かりやすい、取っ付きやすい作品。
くっきりした黒の稜線と、むらのない色彩とで描かれていて、もしかしたらCGの出力かも、と思ってしまうほどに明解。
ただ、色彩はほぼひとつのトーンでまとめられ、それも比較的落ち着いた感じの色構成になっていて、ポップさと静謐感とがいっしょに感じられるのがユニークで、陰影の付け方など、ポップな第一印象からすると思いのほか、けっこう印象に残ります。

描かれているのは、林の前に数人の女性が座っていたり佇んでいるもの、ほぼ実物大で描かれた床に座る女性(こちらはその女性のシルエットに合わせてパネルもかたどられていました)、あと、いちばん気になったのが並ぶ木と花の作品。

この並ぶ木と花の作品は2点あって、それぞれ花が並ぶ作品と木が並ぶ作品です。
とりあえず花の作品で説明すると、ぱっと見るとちょうど真ん中に通る道沿いにただ並んでいるだけに思えるそれぞれの花。しかしよく観察すると奥のほうまで並んでいる花はすべて茎から葉、花に至るまで道の両側に並んでいるのがそれぞれ同じパターンになっています。縮尺を変えて描いていって、それで遠近感が出ています。
そこに気付いて改めてしっかり見ると「あれ?」と違ってるところが見つかったりして。。。
木の作品もほぼ同様で、ただ花のほうは今回展示されていた中では唯一色彩感があって、といっても明るくはなく、さまざまな色が暗めのトーンでまとめられている感じで。

今回展示されている作品は結構な大きさのものばかりで。
こういう質感の作品が広い画面で拝見できるのもある意味貴重にも思え、この大きさじゃないと伝わってこない雰囲気もあるような気がします。
SCAI THE BATHHOUSEにて。(9/29〜10/29)
http://www.scaithebathhouse.com/main/03exhibition/data/LeeBul/ja.html

立体が2点と、さまざまな大きさ・形の平面作品との展示。

平面の作品、かなり面白いです。
まず、自然な距離感で眺めると、茶色、薄いピンクやグリーン、ベージュ、緑、赤など、ひとつのポップな色彩に塗り上げられた明るい画面に、その色彩とはちょっと違う感じに光を反射させる曲線。
この曲線は奇妙な軌跡を描き、まるで新しい生物を連想させるようなうごめきがあるように思えます。
特に正面奥の壁にある、長方形の4枚の画面が組み合わされた大きな作品は、その大きいが面にぐわっと広がる曲線が圧巻。
また、楕円や円といった丸い形の画面では、曲線群はより艶かしく感じられます。

接近して観てみると、独特の光の反射を見せていた白い線は、なんとパールのインレイ。
これにはかなり驚きました。
独特の透明感のある乳白色のパールが、細い線に嵌め込まれていて、部分によっては画面全体を覆う色彩がにじむようにインレイの下に入り込んでいて、それが生々しく思えたり。

製作過程や色彩部分に使用される塗料が何かが分からないままでちょっと心残りですが、以前レントゲンヴェルケで拝見したカンノサカン氏の作品にも通ずる世界でした。

立体は立体で、かなり強烈。
平面で描かれていた新しい生物が、2次元の世界から3次元の世界へと姿を現したようなかなりグロテスクな風貌で。
李禹煥 余白の芸術(10/10)
横浜美術館にて。(9/17〜12/23)
http://www.yma.city.yokohama.jp/exhibition/2005/special/03_leeufan/index.html

「観る」展示ではなく「いる」展示。
それぞれの作品と空間を共有して、自分がそこに「いる」ことを実感する。。。

李禹煥というと、リズム感のある構成がまず思い浮かびます。
ひとつの画面にひとつのパターンが繰り返し登場し、そのミニマム感が堪らなく面白い。
しかし、今回の横浜美術館での展示は回顧展ではなく近作・新作の発表。
またこれまでとは違う李禹煥の世界にたっぷりと浸れる興味深い空間でした。

平面作品。
これまでよく拝見したようなミニマムなリピートが展開されている作品は一切なく、あるのは大きな白の画面にふたつ、あるいはいくつかの大きなドットが描かれるのみの作品。
一点一点を観るよりも、それぞれの展示室の全体を俯瞰するように眺めているのが気持ちいい。
そこから作品に近付き、正面からだけでなく真横から観たり、ひとつのドットに接近してそこから別のドットの方向へ目をやったり、という具合にひたすら位置を確認。。。それに意味があるかどうかなんて考えず、ただ気の向くままにそうやって観ていくのが不思議と楽しい。

グレーのドットをじっくりと観ると、白の中に細かな粒子が混ざりあっていて、その質感もたいへん味わい深く思えました。それだけ眺めていても充分、時間を費やす価値があるほどに。

それぞれの空間を感じるように観て、作品がキャンバスに描かれているのがもどかしく思えて、いっそのこと壁に描いてくれれば・・・と思っていたら、後半にまさに壁に直にドットが入った展示室があって。
そこの空間はやはり格別だったような気がする、できることならひとりでしばらくそこに居たかった。

ロバート・ライマン、草間彌生。このあたりの「白」と見比べてみたい。

立体。
厚い鉄板。岩。細長い鉄の棒。木。
それぞれの作品は、こういった「重力の存在」を静かに発散させる物質どうしがまさに絶妙に配置され、それぞれが共鳴しているかのよう感じられます。
そしてそれらは、その配置を外側から眺めるよりも、作品の間、物質と物質との間に入り込む方が、よりその作品から伝わるメッセージをキャッチできるように思えました(多くの作品は残念ながらもちろん触ることは許されず、作品によっては近付いただけでスタッフが慌てるものもありましたが、そもそも100mの助走をつけてぶつかったとしてもむしろこっちが大怪我するような作品に対してなんでそこまで神経質になるのかな、とそのあたりの対応は非常に疑問でしたが)。

物質と物質の間に入ってみて、より強く、空間における自分の存在を感じた。
身体・物質的なことよりもむしろ、精神、心の存在、うまく表現できる気がしないけど、重力に支配されない部分の存在をいつもよりはっきり意識したような気がした。
そして、この風景、鉄板や岩の位置関係を、例えば重なる鉄板の間から、あるいは岩の内部の中心から眺めたらどんなふうに見えるだろうか...ということへと何故かそういうことへの好奇心が生まれて。

今年の初めの榎倉康二とは逆の方向。
榎倉の作品に触れたときはものすごく広大なイメージの広がりがあったけど、この李禹煥の立体からはどんどん収縮し、自らが小さくなる、精神がどんどん内側に入り込むことで見えてくる風景を感じることができたような気がする。

《感想リンク》
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2005/09/24194947.php
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/88d5bc78e45581db229f898eb38357d4
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/c0620a477684cabaec42b235050302a2
http://artslog.seesaa.net/article/7455936.html
http://richard-wong.cocolog-nifty.com/tron/2005/09/post_d4fe.html
http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/2005/09/post_deb7.html
http://athings.exblog.jp/2852781/
http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/71a66e0cb424f08c71f8927ac6bc69cf
第2回 求美の会 絵画展(10/7、10/9)
池袋東武6F美術画廊にて。(10/6〜10/12)
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/event.php?kaijyo_kbn=2&;sj_no=1358

デパート主催の若手作家を紹介する企画で、今年は阿部千鶴さん、高橋浩規さん、瀧下和之さんの3人の作品が展示されてます。

今回、ようやくまとめて作品を拝見する機会を得ることができた高橋浩規さん。
これまでの印象通りの画面表面がかなりフラットな日本画で、女性の肖像画が1点ある以外は花の絵と風景画。
岩絵の具の色彩の質感が特徴的で、いわゆる「渋さ」が少なく、すっと広がるような明るさがあり、観ていると静かな爽快感が伝わってくるように思えます。
その色彩の中でも、僕の中では同じ池袋東武で先日行われた昆虫絵画展で拝見した蛍の作品の透明感のある「青」が心に残っていたのですが、今回拝見して、「青」の美しさは言うまでもないのですが、それ以上に高橋さんの「赤」に強く惹かれました。
その「赤」が素晴らしかった作品は、「富士山」と「ほおずき」。ほおずきの方はそのものの色彩を丁寧に表現した作品。そして富士山、こちらは夕焼けで真っ赤に染まっている様子がとにかく美しくて、透明感があって...こんなに透明感のある「赤」はちょっと記憶にないなぁ、と。。。

僕にとってはすでにおなじみの瀧下和之さんの鬼たち。
今回もユーモアたっぷりに、むしろさらにその度合いが増したような鬼たちのやんちゃさは相変わらずの楽しさ。
ツボだったのが、ひとつの桃を真ん中に赤鬼と青鬼とがそれを巡ってお互いを気にするところや、金棒ではなく「大金棒」を鬼たちが数人で運んでいたり、宴のあと、犬も猿も一緒になってその辺にゴロ寝していたり...よくもまあ、と呆れるほどに楽しい気分にさせてくれます。
この「桃太郎図」シリーズも200を超えていて、全部画集か何かで観ることができたら面白いだろうな、とか、桃太郎はいつ出てくるんだろうか、とか、瀧下さんワールドのこれからが楽しみです。

初めて拝見する阿部千鶴さん。こちらはやわらかい色彩の岩絵の具の作品。
紫、緑、赤など、作品はそれぞれ統一感のあるひとつの色彩で描かれていて、柵や木、花があってそのなかに女の子が佇んでいたり横向きに立っていたり。
その女の子の表情が印象に残ります。
さくっと50000アクセス突破。
万客御礼、今後もいろんなことに精進いたします。

・宮下裕二 彫刻展 @ギャラリー52(10/7〜10/12)
http://homepage3.nifty.com/g52/schedule/now.html
天使を模したような、パネルを組んで白く彩色された羽付きの台の上に顔が乗っている立体作品。
あの空間に置かれると、かなりのインパクトで。

・多賀陽介 「風土とリキュール」展 @美篶堂(10/4〜10/9)
http://www.misuzudo-b.com/gallery.html
今回の美篶堂の展示は何かと思ったら、お酒の展示でした!
薄暗い照明でやわらかい雰囲気。そこでリキュールを試飲させていただいて、お酒をほとんど飲まないんですけどすごく美味しくて、1本購入(笑)。

・梅田恭子展 −失音− @ギャラリーf分の1(10/4〜10/15)
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/exhibition.htm
銅版画とガラス絵。
シンプルであればあるほどよい感じの銅版画が印象的で。

・大竹英志展 @ギャラリー椿GT2(10/3〜10/8)
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2005/051003gt.htm
雲、水面、こういったものが実にリアルに描かれ、それらと錆のような色などとが組み合わされたアクリル画。
とにかくそのリアルな部分に圧倒されました。

・宮川かず美展「木彩画マーケタリー」 @ギャラリー舫(10/2〜10/8)
http://www.g-beaux.jp/ex/051002.html
ネットで見つけた時点ではてっきり木版画かと思っていたのですが、これが薄い木の板の組み絵で。
それぞれの木の色はもとより、木目などもしっかりと活かされて「描かれた」風景や場面は、木そのものの色の優しい感じと「絵」としてのクオリティの高さとで、とにかく見応え充分でステキでした。

・斉藤裕紀展 @ぎゃらりぃ朋(10/7〜10/15)
油絵具とテンペラによる作品。
女性をモチーフとした作品が多い中で、薄いピンクのバラの作品がとにかく印象に残ってます。

・和田義彦デッサン・挿絵展 @永井画廊(10/7〜10/21)
http://www.nagai-garou.com/schedule.html
先日の松濤美術館で拝見して深く印象に残った和田さんの、今回は小さなギャラリーでの個展、デッサンが中心。
そのなかに1点だけあった木の板に直接描かれた作品が白眉でした。

・グラフト竹崎和征x玉井健司 @タケフロ(9/9〜10/8)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~tailgate/exhibition/exhibition_home.htm
ぴあで見つけてずっと気になってて、ようやく行けたと思ったら最終日でした(笑)。
玉井さんの展示はレントゲンヴェルケで観ていたのでイメージは何となく掴めていたのですが、予想に違わぬデタラメぶりが最高!
こちらのギャラリーのオーナーでもある竹崎さんと、お仲間の皆さんとのお話も実に楽しくて、よい時間を過ごせました、というか過ごし過ぎたかと(爆)。

以下はあらためて。
・第2回 求美の会 絵画展 @池袋東武6階美術画廊(10/7)(10/6〜10/12)
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/event.php?kaijyo_kbn=2&;amp;amp;sj_no=1358
・イ・ブル展 -S2- @SCAI THE BATHHOUSE(9/29〜10/29)
http://www.scaithebathhouse.com/main/03exhibition/data/LeeBul/ja.html
・鈴木敦子木版画展 詩画集『午後の光』刊行記念 @不忍画廊(10/5〜10/15)
http://www.shinobazu.com/schedule.htm
・加來万周 風雅―fuga― @紫鴻画廊(10/5〜10/15)
http://www17.ocn.ne.jp/~shikou-g/new.html
・一色ちか子展 @APS西村画廊(10/4〜10/29)
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2005/Isshiki.html
・アダム ブース 個展「 7th heaven cloud 9 」 @ars gallery(9/27〜10/9)
http://www.a-s-o.jp/gallery/scadul_s.html
・長谷川純 @TARO NASU GALLERY(9/16〜10/15)
http://www.taronasugallery.com/exh/index.html
一瀬幸信展(10/1)
SOLにて。(9/26〜10/1)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/SOL/EXHIBITION/2005/20059isse.htm

これまでと違う方向へと向かう「和」。
かなりの迫力と、濃く深い世界を感じる作品群。

いちばんインパクトがあったのが、板に描かれたいちばん大きな作品。
板に金の箔が全面に施され、その画面中央に、樹の幹を思わせるうねるような太い黒の部分があり(よく観ると絞った布のような感じで描かれているところも)、まわりに紅葉が、あるものは赤く、あるものはシルエットが抜かれたように舞っていて。さらに、無機的なもの...細長い長方形や版が取り込まれていて、描かれる風景の時代、時間のイメージが実に、これまで体験したことがないという意味で「曖昧」な印象の作品で。
「和」のイメージでありながら、こういうふうに濃厚で深い質感というのはあったかな、と。
一瀬さんの説明では、この幹のようなものは、座る女性が振り返る姿が基になっていて、それがどんどん変化していったとのこと。なるほどそう言われるとそう見えてきて、作品の過程を感じることができたのが面白かったです。

他に、漢字をデフォルメしたものも。
「人」や「心」といったものはある程度原形を留めていて分かるのですが、それ以外のものはすでに基の形がないほどになっていて。そしてそのまわりに、和紙を切ってできた銀杏や紅葉の葉が舞うように施されているのも印象的。この部分だけ版を押したように盛り上がっていたので、最初はどうなっているんだろう、と思ったのですが、和紙と聞いてそういうところにも面白さを感じたり。

入口左手の奥の壁には、抽象的な作品が。
主に金と赤という強い色彩が目を捕らえ、これがまた相当に「濃い」世界で...うねる曲線と正三角形とが同じ画面の中にあって、それぞれの形から受ける印象の違いに戸惑いつつも、時間をかけて観ていると見えてくる不思議な奥行き、踏み込んだら戻って来れないような深い世界に圧倒されて。

一瀬さんのお話の中に「領(りょう)」という言葉が再三出てきたのが印象に残ってます。
小さい子どもに絵を教えているときに、その子どもたちから空気の色を尋ねられて、改めて気付かされた本質的な疑問に対峙したり...。かなり抽象的なイメージと真摯に向き合う姿勢が興味深かったです。

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