PHOTOGRAPHIC GALLERY Jyにて。
http://www2.odn.ne.jp/japan_galleryjy/k/backnumber_ueno_1.htm

猫はかわいいです。

こちらの建物の前を通りかかって、ギャラリーの窓に張られていた写真に惹かれてお邪魔してみました。

小さなギャラリーには、たくさんのモノクロームの、街のなかにいる猫の写真が。
ドアの前やら階段やら、いろんなところで寝そべってたり、椅子の下や壁の向こうからこちらを牽制するような眼差しを送っていたり。
いろんな猫の、自然な表情が溢れていました。

ここで撮られた猫のほとんどはたぶん野良だと思うのですが、だからこそ、街の風景に馴染んでいるのだろうなあ、なんて思ったりもしました。
猫が好き、写真が好き、という方々にはたまらない展示です。
今月30日まで開催してます。
ギャラリーときの忘れものにて。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankai.html

ここも、せっかく近くを通るのだからと立ち寄ってみました。
タイトル通り、国内外の建築家による版画作品の展示で、ギャラリーの方のお話によると、コレクション展にタイトルを付けたような展示とのことでした。

建築といえばお正月に観に行ってハマリにハマった森美術館での「アーキラボ」の感動が続いていて、そういうこともあって大変興味深い、おもしろい展示でした。

ル・コルビジェのリトグラフ作品「モジュロール」。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankag/izen/tk0501g/019.jpg
マティスの「ジャズ」シリーズを建築家が手掛けたらこんなにモダンになった、そんな感じでめちゃくちゃかっこいい。

磯崎新の「闇1」。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankag/izen/tk0501g/014.jpg
こういう作品になってくると、先のアーキラボでの興奮の余韻も手伝って、すごく見入ってしまいました。

マイケル・グレイヴスのカラーの2作品は木版で、優しくてはっきりとした発色に「これが木版!?」と驚きつつも見とれてしまったり・・・。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankag/izen/tk0501g/004.jpg

ほかにもユニークな作品がたくさんで、それぞれが「建築」のデザインだと思うとまたいろんな想像が沸き起こって楽しくなってきます。
Pepper’s Loft Galleryにて。
http://www.peppers-project.com/loft/jp/exhibit_program/2005_01/01g/index.htm

入るとまず、墨による大きな抽象画が目に入って・・・圧倒されました。遠藤夏香さんの作品。
墨が和紙に滲んでできる独特のグラデーションが、およそ1メートルの幅、数メートル上の天井から吊るされていて、いちばん上から足元までゆっくりと視線を動かしていくといろんな「模様」が見て取れて、なかなか壮観でした。

その向かいに小さなキューブが数えきれないほど、取り付けられた棚いっぱいに置かれてました。こちらは山口千乃さん。
そのひとつひとつは白に塗られていて、それを引っ掻いて、下地の青の線で窓や木の幹のようなものが描かれてます。
それぞれもう少し丁寧に制作されていたらもっとよかったかな、とも思うのですが、子どもの気持ちに戻ったような感覚になれて楽しかったです。

正面の壁には山本真代さんの水彩による抽象画。
申し訳ないんですがこちらは僕には中途半端な出来に思えて...その旨を山本さんにもお話ししたらやはりご本人も納得の出来ではないようで。
また具象作品を描くかもしれないとのことで、そちらを楽しみにしようと思います。
月光荘画室1にて。
http://www.vesta.dti.ne.jp/%7Egekkoso/

銀座の片隅にあるちいさな画材屋さんの奥にある、ちいさなギャラリー。
今回は、なんだかあったかい、おもしろい展示でした。

入り口がある壁とその向かいの壁には手書きのポエムが書かれた紙がいっぱい。
手前の壁には、紙に印刷された写真。
奥の壁には棚が設置されていて、そこには手作りの写真アルバムが数点。

ポエムの中身は、まあ正直、今の僕の感覚からはちと遠い、でもそのうちのいくつかは「なるほど・・・」と思えるものも。
こういうふうに、まるい文字で丁寧に書かれたものも、荒野って展示すると充分にアートになるんだなぁ、こんな表現の仕方もあるんだなぁ、と。

そして、写真のアルバムをいくつか拝見したなかで、いちばん目に焼き付いた風景は、星ヶ丘洋裁学校の校舎の脇の、影になって土や草に水気が残って、それが爽やかに瑞々しくて、てっきり長野あたりの風景かなとかってに想像したのですが、大阪の枚方に実在する場所とのこと。
yuukiさんも関西でいちばん好きな場所のひとつとおっしゃっていて、機会があれば行ってみたいな、と。。。
(この星ヶ丘洋裁学校、今はカルチャースクールの他にカフェやギャラリーのスペースがあるそうです。HPはこちら→http://homepage3.nifty.com/h-gakuen/

yuukiさんのHPはこちら→ http://www2.odn.ne.jp/acupoftea/
GALEREA SOLにて。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/SOL/

法事が済んだのが午後4時半過ぎ。
大抵の画廊がクローズしてしまう7時までの間にどれだけ観られるかな、という感じで雨のなかを歩いて通りかかった高島屋の裏の通り。
SOLの入っているビルの前を通りかかって、せっかくだしちょっと覗いていこう、と地下へと降りていきました。

会場は真っ暗。
ちょっとどぎまぎしながらドアを開けてなかに入ると、その闇のなかで行われていたのは、見覚えのある光のインスタレーション。

闇のなかの壁に浮かぶ赤い光。
それは奇妙な波形を描き、常にそれを変化させながら猛スピードで壁を這うかと思えば突然スピードを落とし、正面に留まってそこで一本の縦の線になったり、ぐにゃぐにゃと変型したり・・・。

見覚えがあるというのは、昨年、森美術館で行われた気鋭のアーティストの作品を集めた「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望 2004」で、円筒形の暗いブースのなかで行われていたもので、今回の展示はそれを複雑にしたものでした。

ご在廊だった志水さんにお話を伺ったところ、この会場でうっすらと流れていた音が波形をつくり出す情報とのことで、実際会場内に2台のCDプレイヤーが起動していたのですが、2つの音を出すことによって波形の「ねじれ」が演出できるのだそうです(違ってたらスミマセン)。

この展示は1/22まで。
最終日の4時半からは、志水さんが実際にこの光をコントロールするのだそうで、そのときもぜひ伺ってみようと思います。
Pinpoint Galleryにて。
http://www.pinpointgallery.com/05NAKAYAMACHINATSU.html

「古事記」の挿し絵として描かれた作品の展示。
ひとつひとつの絵に古事記のどのシーンかが書いてあるキャプションが添えられていて、それを読みつつ絵を観て、という具合に。
こういうところで学の無さを恨むというか、「ああ、あの頃は古典って大っ嫌いだったなぁ・・・」などと感慨にも耽りつつ・・・。

それらの絵は鮮やかな色彩で。
「古事記」のイメージとのギャップを感じましたが、カラッと明るく、描かれる人物の表情は優しくて、絵を観ている間は外の雨を忘れてました。

この「古事記」シリーズとは別に、実際に本の挿し絵として使用された作品の原画も数点。
この線画がよかったんです。
確か「草のあそび」と題された、10ほどの説明入りの挿し絵の組み絵や、中山千夏さんが実際になさるらしいスクーバ・ダイビングの挿し絵。
わかってもらうために描かれたのだから当然わかりやすいのですが、わかりやすい絵というのはそれだけで充分に良い感じがするものです。

同郷なので御本人とお会いしたかったですが、残念ながらご不在でした(おいそれとお目にかかれるような方なのか、分かりませんが・・・)。
損保ジャパン東郷青児美術館にて。
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/

卓球観戦のあとに行ってきました。
BUNKAMURAのグランマ・モーゼスとどちらにしようか、というところだったのですが、東京体育館の場所が千駄ヶ谷で新宿に近いのと、2日続けての雨で自転車じゃなかったことがあって、損歩ジャパンビルへ。
それと、今日がこの展示の最終日で、ここへ行くと常設展示で東郷青児の作品をいつも観てましたが、こういう機会にきちんと観ておくのも悪くない、という考えもありました。

この展示は東郷青児が1960〜70年代に地中海周辺国へ赴いた際に得たイメージをもとに制作された油彩の作品や、その先々で描いたスケッチが合わせて50点ほどありました。
それぞれのコーナーのほとんどで、正面に油彩の大作、その両脇の壁にスケッチ作品が数点、という具合になっていて、大変スマートで見やすかったです。

まず目を引いたのが「グラン・コルニッシュ」という油彩の作品。
およそ東郷青児らしくない激しいタッチで、油絵具の塊が作品全面の至る所にあって、ものすごい迫力。展示作品中唯一と言ってもいいほどに異質さが群を抜いていて、ちょっと面喰らいました。

今回あらためて東郷青児の作品に触れて思ったこと。
東郷青児は、例えばピカソと比較するといちばん分かりやすいと思うけど、「きれいなものをきれいに描く。女性はきれいだからきれいに描く」ということを自然にやっていた作家なんだなあ、と。

今回展示されていた大作のほとんどが、その作品の主人公が女性、あるいは男に抱かれる女性だったんですが、描かれる女性はおしなべて美しい...身体の曲線は言うに及ばず、手足の先はある作品においてはすらりとしなやかに伸ばされその先まで凛としていて、またある作品では優しく、まあるく描かれていたり、纏う布の弛みについても、丁寧に陰影がつけられていて艶かしく揺らいでいるようで...。
そして、目。開かれた目には意志の強さを感じたし、伏せられている目はその奥ゆかしさが愛おしく...。
展示の後半になると人の形から遠くなっていった女性の絵もありましたが、それにしても女性の美しさが損なわれることはなく...。

そして、人が描かれている作品はどうしてもその人に目が行ってしまいますが、背景も素晴らしく、絵の主人公である「人」をしっかりと引き立てつつも、それ自体がひとつの作品として成り立ってしまうほどに丁寧に、細やかに描かれていました。

さらに色彩。
赤や青、紫というような強い原色はまったく使用されず全体的に落ち着いたトーンで、ピカソやマティスとは違った、静かな説得色を感じます(もっとも、その強い色彩こそがピカソやマティスのすばらしさで、それはそれで良いのです)。

特に、背景の白鳥の透明感も美しい「レダ」、纏う布の青と背景の黒のコントラストが絶妙な「蒼ごめた夜」、あと「タッシリ」「王家の谷」が心に残りました。

水彩によるスケッチは、出会った人を描いたものから、風景やその土地の人々の生活の一場面まで。油彩の作品ほどに描き込まれてはいないものの、それでも充分にそれぞれの対象の美しさが引き出されていたように思えました。

*********

今回の展示では、この美術館の最初のコーナーがグランマ・モーゼスの作品で統一されていました。全部で20点強。
近日、BUNKAMURAのほうの展示も観に行く予定ですが、ここで予習のような感じで観たグランマ・モーゼス、何となくアンリ・ルソーやセザンヌの絵が微笑んだらこんな作品になるんじゃないかな、という印象を受けました。
なんとか雪にはならず。
といっても自転車ではなかったのですが。

・中山千夏個展「和の歴史・私の歴史」 @Pinpoint Gallery
http://www.pinpointgallery.com/
・安西水丸+和田誠 ON THE TABLE 2 @SPACE YUI
http://www.spaceyui.com/
・建築家の版画展 @ギャラリーときの忘れもの
http://www.tokinowasuremono.com/
・CAT THEATER 上野昌子写真展 @PHOTOGRAPHIC GALLERY Jy
http://www2.odn.ne.jp/japan_galleryjy/k/
・江口寿史イラスト集 素顔-美少女のいる風景- 原画展 @DAZZLE
http://www.netpro.ne.jp/~dazzle/
・Group Exhibition 遠藤夏香 山本真代 山口千乃 @Pepper’s Loft Gallery
http://www.peppers-project.com/loft/jp/index.htm
・志水児王展 −世界を構成する運動モデル− @SOL
http://www005.upp.so-net.ne.jp/SOL/
・yuuki* exhibition Sanctuary @月光荘画室1
http://www.vesta.dti.ne.jp/%7Egekkoso/

今日は雨に加えて法事もあったために一日中ギャラリーを観て回るというわけにはいかなかったのですが、それでもけっこう良い展示を沢山もることができたと思います。

いつも自転車で動いているところでこういう日に歩くスピードで目に入ってくる景色も、それはそれで新鮮であったりもします。
いつもは人を追い越してしまうところでも、しばらくその後ろ姿が目に入っていたり。。。
ギャラリー La Merにて。
http://www.g-lamer.com/

銀座の昭和初期風のビルのなかの小さなギャラリー。
いったらやってたので入ってみました。

小さなギャラリーということもあって展示作品も小さなものばかりでしたが、その作品は一見銅版画のようで、実際はそうではないとのこと。

小さいなかにも強い引力のようなものを感じるほどに、印象的な「赤」。
なんだか大きな作品を遠くから観ているような、そんな錯覚・・・。
なんとなくザオ・ウーキーにも通ずるような世界観を感じてしまいました。

浜田さんはいらっしゃらなかったのですが、このギャラリーのオーナーの方と暫し歓談。けっこう盛り上がってしまいました。
銀座東和ギャラリーにて。
http://www.ginzatowagallery.com/

ガラス絵というのを初めてしっかり観ました。
たくさんの色がしっかりと発色しているのに、表面はガラスなのでツルッとしていて不思議な感じ・・・。
ただ、ガラスの透明感が凛としているんです。

ささめやゆきさんのサーカスの場面を描いた作品は、そのガラスの透明感と相まって、描かれる人物がそれぞれ幻想的な感じで、まさにサーカスのあの「現実から遠い感じ」が出ていて、ワクワクするというより、その不思議な世界に引き込まれるといった印象でした。
Oギャラリーにて。
http://www4.big.or.jp/~ogallery/

今年最初のOギャラリーは、毎年恒例らしいギャラリーゆかりの作家による小品展。
とにかくたくさんの作品群に圧倒・・・もとい、いっぱい拝見できて楽しいです。

全体を観て感じたのは、小品自体は手描きよりも版画の作品の方に軍配が上がるなぁ、ということ。
そして、良いなと思う作家に対しては、版画であれば「もっといっぱい」観てみたいと思うし、手描きであれば「もっと大きい作品で」観たいと思うのです。

名前を控えてこなかったのですが、UP・Sのほうに展示されていた、緑の小さなキューブで森のような風景を描いたものと、その隣にあった猫の版画が特に印象的でした。
東京ステーションギャラリーにて。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

この日の昼間にやった自転車のブレーキ交換が思いのほか時間がかかってしまったおかげで駆け足での鑑賞になってしまった今回の東京ステーションギャラリーの展示。

もうひとつ想定外だったのが、お客さんが多かったこと。
これまでも「RIMPA展」や「横山大観『海山十題』展」でお客さんが多くてびっくりしたことがあったけど、こういう純日本的な展覧会は集客力があるんだなあ、と。

なにせ駆け足&混雑でひとつひとつの作品をじっくりというわけにはいかなかったけど、やっぱり本物の浮世絵の魅力っていうのは尋常ではなく、思わず作品の前で立ち止まってしまうことも多々。

いちばん最後のセクションの美人画がいちばん面白かったです。
国芳と暁斎の「差」がいちばん良く分かる感じがしました、もちろんどちらかが好みというわけではなく、国芳は着物の模様が素晴らしかったし(特に手描きの作品で、白地に青い蔦のような草葉が広がっているものと、着物にいくつもの絵が描かれていたもの)、暁斎のは描かれる美人の表情や仕草、横たわっていたり本を読んでいたり、そういうのが印象的でした。

機会があればもう一回、じっくり観に行ってみたいです。
時間をかければそれだけ、精緻な部分をじっくりと味わえて、国芳と暁斎それぞれの個性を伺えると思うのです。

やっぱり東京ステーションギャラリーは最高です!

《感想リンク》
http://museumagogo.cocolog-nifty.com/museum_a_go_go/2005/01/post_4.html
http://4ad.cocolog-nifty.com/slow/2005/01/post_10.html
http://blog.goo.ne.jp/lysander/e/f1a9e091b23c6f09a3aa93db36da5bdf
http://d.hatena.ne.jp/kashoh/20050108#p3
http://d.hatena.ne.jp/ka-ko/20050108#p1
http://garavity66.exblog.jp/1532245/
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=90
府中市美術館にて。
http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/

府中市美術館の市民ギャラリーで行われていた「接近展」というのも観たくて、この日にこの展示を見に行ってきました。

まず最初にこの「接近展」を観て、予想以上に充実した内容に満足したあとで、この府中ビエンナーレの会場へ。

8名の若手作家の作品が展示されています。
順路通りに観ていって、照屋勇賢の「GEWALRT 2004」の迫力に圧倒されたり池田光宏の映像作品のユーモアも面白かったけど、なによりも強烈・鮮烈だったのが増山麗奈。

各国のお札(肖像画がブッシュになってたりするフェイクのもの)を拡大したのもが外側にたくさん張り付けられて太くて赤い紐でできた網がかぶさったような巨大な箱。
そのなかに入ると、増山の2004年のパフォーマンスの映像が流れていて、これが・・・。
とにかくすごい行動力。
北緯38度線で同民族の隣国と睨み合う韓国、言わずもがなのイラクはバクダッド、壁崩壊で「自由」になったドイツ、米軍基地がある沖縄。
これら各地でそこのアーティストと、キャンバスを分け合って絵を描いていくというドキュメント。
とにかく、そういうふうにして作品ができあがっていくのがスリリング極まりない。
もっとも、絵を描くこと意外にも各地でやってきたパフォーマンスの映像もあって「ちょっと待て」というのもあったけど、なんだかものすごい説得力。

それからその箱の外に展示されていた絵画、その各地で制作されたコラボレーション作品もあって、過程を見せられていることもあって、見入ってしまった。
それ以外の作品も強烈なメッセージが込められているようで。

このアーティスト、ちょっと注目してみようと思う。考え方や行動に共感するかどうかは別にして、描く絵は純粋に、良い。
(増山麗奈のHPはこちら→http://www.gameni.org/renaart/

《感想リンク》
http://a-third.cocolog-nifty.com/th/2004/12/post_3.html
http://nowhereelse.air-nifty.com/kaleidoscope/2004/12/post_3.html
http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/6757f967e2e49b2d66fbc0137b7f2613
http://kosuge116.exblog.jp/70997
埼玉県立近代美術館にて。
http://www.saitama-j.or.jp/~momas/

日本の作家の展示はいつも新鮮な発見があります。
倉田白羊はこれまで観た記憶がなかったので、楽しみでした。

この展示は白羊の作品を時代順に展示してありましたが、白羊の作品の前に、夭折した兄の弟次郎(次男。白羊は10才違いの四男)の作品が。
これが、凄みさえ感じるほど。。。
なかでも白黒の写真を模写した作品がいくつかあって、これがとにかく精緻で、遠目で観るとまったく写真そのもの。これは三田人は絶対にびっくりするはず。
その兄の遺志を継ぐようにして、白羊は絵の道へと進むようになったようです。

それから白羊の作品が続くのですが、白羊が信州上田市に居を構えて以降の作品、信州の眩しい光と、それを反射して輝く樹木や農作物の緑、藁や土の茶色を描いたものが素晴らしかったです。
描かれる風景はそのままタイトルになっていて、「庭の一隅」「雑木林の冬」「山ふところ」「ねぎ畑」などなど・・・ちょっと遠目から眺めると陽射しを受けて光を放つ信州の風景が一種爽快さを伴って心のなかに広がっていくようでした。
同じ風景でもいわゆる印象派の諸作家、モネやシスレーが表現した「光」とはやっぱり根本的に違う感じがしたのもなんだか興味深かったです。

そして、大作「たき火」。
農民の一場面を描いたもので、描かれている人物の全体で表現されるような空気感、たき火から登りたつ煙の行方、すべてが生々しく、印象的でした。

埼玉県立近代美術館の常設展も観てきました。
内外のたくさんの作品があって、やっぱりこういうところで観るピカソはいいなぁと思ったり、この常設展の最後の日本画のコーナーに好きな感じの作品が多く、なかでも壁一面の大きさの巨大な作品に圧倒されました。

あと、屋外の噴水の脇にあるサックスのオブジェも景観に合って良い感じだし、ロッカーには品川と木場でおなじみの作家の作品があってちょっと「ニヤリ」としてしまったり。
HIROMI YOSHIIにて。
http://www.hiromiyoshii.com/

ギャラリーがいっぱい入っている六本木の白いビルの1階にあるHIROMI YOSII、ガラス張りなので前を通るとどういう感じの展示か分かります。

今年最初の展示は、昨年末同様に複数の作家の作品が展示されてました。

入り口を入って左手に前田圭介さんの鉛筆画。
「スヌーピーのイラストを描いている」絵だったり、色鉛筆独特の優しさがあったかい。
その向かいには(おそらく)津田直さんの写真。
2枚で対になっている作品。といっても雲のなかのような、まるで何も見えない場所。ここはどこなんだろう、すごく遠くのような...。
隣に、パネルの一面が銀一色の絵が2枚。大庭大介さんの作品で、絵に手をかざして影にしたり、斜めから観てみると、熊(たぶん)や女子高生が浮かび上がってきて面白いです。
あとひとつ気になったのが、ボードに無数の穴を開けて、離れて観るとその穴の集合が顔に見えてくるというユニークな作品がありました。これは澤柳英行さんによるもの。

新しい感性に溢れた展示でした。

また、このビルの最上階へ通ずる階段と踊り場で、昨年末に続き、展示替えされた「World Is Mine」が。
ハンディビデオカメラの液晶を操縦席に見立て、そこで操作の真似事をしている人(おそらくこの作品の作者)が映っていて、さらにそのビデオカメラを宇宙船に見立てて、暗くした部屋で子どもが遊ぶように口で「コォーッ、コォォーッ」と言いながら雰囲気を出して遊泳させている映像作品が。
すっごくくだらなくて最高でした(笑)。
うらわ美術館にて。
http://www.uam.urawa.saitama.jp/

フルクサスの活動に対して、「笑えた」と言ったら怒られるだろうか。
あるいは、「笑えなかった」と言ったら怒られるだろうか。

行ったことがない美術館ということもあって行ってみたうらわ美術館、たまたまこの「フルクサス展」だったわけだが、やはり僕はこのあたりのカウンターカルチャーはどうも苦手。
この手の「ユーモア」を楽しめるほど「お人好し」じゃないんだよなぁ、というか...。

もっとも、なかには「面白いかも!」という作品(斎藤陽子、塩見允枝子あたり)もあったけど、例えばヨーコ・オノの作品で、観る人がキャンバスに釘打って、打てなくなったら完成、なんてのは「だから、何!」と言ってやりたいし。。。

ただ、フルクサスのリーダー、ジョージ・マチューナスのエネルギッシュな行動力、そしてそういう活動が存在できた時代背景は、時間を置いて改めて考えてみて、少し羨ましいな、と思わなくもないが。。。

こういう話を聞いたことがある。
ジャズのアルト・サックス奏者ルー・ドナルドソンがフリージャズについての問いに対する答え。
「フリージャズは、そのプレイヤーがちゃんとした先生に付けばすべて解決する」
・・・つまりはそういうことかなぁ、と。。。

で、冒頭の疑問、僕の想像では、フルクサス関連のイベントって当の本人たちはゲラゲラ下品に笑いながらやってたんじゃないかな、と。

《感想リンク》
http://echotip.exblog.jp/104037
http://blog.drecom.jp/kyamash-page/archive/302
GALLERY SPEAK FORにて。
http://www.abahouse.co.jp/

・・・これはちょっとインパクト大でした。

接近して観ると楕円や曲線の集合にしか見えないのが、遠く離れてみると女性の顔に。
大きな作品はビニールクロスにプリントされたもので、元々の絵はそれほど大きくなくても大丈夫なのかもしれない。
しかし、けっこう大きな、同様のスタイルのアクリル画があって、これはいったいどうやって描いたんだろう、と...。
繰り返しになりますが、至近距離だと楕円の集まりにしか見えない、なのに、どういう視点で描けばこういう遠目であるものに見えるようになるのか、すごく不思議です。

他にもたくさんの細かい線で、女性の着ている服の模様が丁寧に描かれている作品は、その薄い色彩が爽やかで。
O美術館にて。
http://www.shinagawa-culture.or.jp/o_art/

銀座のK’s Gallery(http://www.ks-gallery.com/ )は小さなギャラリーで、今回の大崎のO美術館での展示は、こちらにゆかりのある作家の大きな作品を一同に集めたものでした。

こういった形でひとつのギャラリーの傾向を知ることができたり、たくさんの作家の作品を観られるのも嬉しいです。

高橋俊明さんの「−彼方へ−」。木材に合成樹脂の絵の具で描かれた青い森のような作品、その青と黒それぞれの色の鮮やかさとお互いのコントラストが深く、印象的。
煤や蜘蛛の巣がかかったような感じが強いインパクトのある、横山近子さんの「忘れられた時」。
鳥垣英子さんの「膨張(ふくらむ)」の、虚空に浮かぶ椅子。
何か引き込まれるような引力のようなものを感じた、川口ゆう子さんの「未知なる出来事」の揺らめく緑。
唯一の写真作品で、光を反射して錆が輝いているような、加藤節子さんの「裂」。
神武さんの「時の流れ」。鉄の力強さに圧倒されました。

すでに個展で拝見した、安木洋平さん、渡邊史さんの作品にこういう場所で出会えたのも嬉しく思いました。
損歩ジャパンで観た佐野ぬいさんの作品も。

K’s Gallery、この次は小品展とのこと。
大きな作品を観た後で、どんな小品に出会えるか楽しみです。
今日も2つの美術館をハシゴ...。

・第2回府中ビエンナーレ 来るべき世界に @府中市美術館
http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/
・国芳・暁斎 なんでもこいッ展だィ! @東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

府中からの帰り、東八通り沿いのホームセンターで自転車の前輪ブレーキのゴムを交換することに。
もうずいぶんすり減っていたのでかなり前から替え時だと思っていたのですが、せっかくホームセンターの前を通るんだったら交換していこうと。
しかし交換を自転車コーナーに任せてしまうと1000円前後取られてしまうので、部品だけ買って道具を借りて、歩道で自分で交換。
もう何度もやっているので朝飯前、くらいの軽い気持ちで始めた作業だったのですが、買ったゴムが大きくて嵌らない・・・。
別のスパナも借りてきて、予想外の大掛かりな作業になってしまったわけです。
ブレーキのワイアーを緩めてはゴムとタイヤの間隔が詰まり過ぎては調整し、開き過ぎては調整し・・・ちょうど良い間隔になったと思ったらブレーキの握りが緩かったり・・・。
相当難儀しながら格闘すること30分、ようやくなんとか調整できました。
自分で自転車をいじると、いろんな仕組みに感心してしまいます。いちばん最初に考えた人はホントすごいです。

東京ステーションギャラリー観賞後、お仕事で上京中のnokogirisouさん(右腕をきたえたい:http://garavity66.exblog.jp/ )とお会いしました。
いろいろとお話しできて楽しかった、というか、こちらがほぼ一方的に話してしまってちょっと反省しております。。。
ミヅマアートギャラリーにて。
http://www.mizuma-art.co.jp/news_j.html

面白かった!

駒沢通り沿いにありながらなかなか分かりづらいギャラリー。
・・・探しました。古びたビルの2階にありました。

ぴあでこの展示の紹介を見た時はてっきり昔の作家か、と思ってしまったのですが、実際作品を観てみると例えば江戸時代風の町並みと見せ掛けて実は内蔵の配置図だったり、戦国絵巻みたいな作品には武士と戦車や暴走族が同居してたり、現代ならではのユーモアが溢れていました。

また、奥のコーナーに「売らん哉考」というイラストがあって、これがめちゃくちゃ面白いんです。「売らん哉」というタイトルにした理由、「絵を売る商売」の人生すごろくみたいなもの、とにかく笑えます。
他にも絵の収納法など、ユニークなアイデアがいっぱい!

で、会場でライブで制作されている絵もあって、実際に山口さんが描かれているところも拝見できました。
あとで伺ったところによると、まず線画を描いて、そこへ「ぬり絵」の感覚で色を入れていくそうですが、ちょうどランプ部分に着色というところで、色が入るにつれてだんだん明かりが灯っていくような感じがしてこちらも楽しめました。

帰り際に山口さんともお話しできました。精悍な鬚を貯えられた優男風な方ですが、こちらの質問に毎度フリーズなさってたのが印象的でした(笑)。
制作途上の絵がどうなっているか、最終日もぜひ伺ってみようと思います。

しかし、展示作品が完売しているのを拝見したのは初めてかもしれないです。

《感想リンク》
http://muucyo.exblog.jp/1400956
http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/e87ff4ff0d035f9448ecb2a4f4766461

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