Living Design Gallaryにて。
http://www.ozone.co.jp/WebX?13@@.31b1d2ad

美篶堂のダイアリーを読んで知った展示、場所は新宿。
日本画を観ると紙の存在の大事さを感じることが多くて、そういうタイミングでこの紙の展示会。
サイトによると最終日が迫っているので、さっそく行ってきました。

新宿パークタワーの6階にあるこのギャラリー。
静かで落ち着いた雰囲気。

入ってまず目に飛び込んできたのが、壁掛け時計。
これがかなりユニークで、犬と猫それぞれの時計があって、秒針がない代わりに1秒間隔でしっぽがゆらゆら揺れてメチャクチャかわいい...。

そして、紙。
たくさんの手透きの和紙が壁沿いに掛けられていて、ゆっくりと1枚1枚眺める。
大きな繊維がそのまま透かれているもの、漢字の透かしが入っているもの、純な白のもの、厚かったり薄かったり・・・手作りの紙の味わいはやっぱり格別で、同じような色でも職人が違うと紙の表情も違うように思えてくるから不思議。
そんななか、思わず目を見張ってしまった1枚の紙・・・。
・・・薄い。とにかく薄い。
在廊の職人さん、澤木健司さんに「実際さわってみてください」と言っていただいて、手のひらで触れてみる。
・・・何かに触れている感覚が、ない。まったく、ない。
この紙は澤木さんがいらっしゃる工房で実際に透かれた紙だそうで、この紙を買っていかれる方のほとんどが「何に使うか分からないけど」と、紙の魅力に惹かれて購入されるそう。
紙というより「素材」として、とにかくいろんなイメージが湧いてきそうな紙でした。

他にも小さな障子やカレンダー、和紙を使った小箱なども展示されていて、かなり楽しめました。

1月には六本木のほうでも展示があるそうです。

12/18、あと2つ

2004年12月22日 アート
・・・実は時間配分をしくじって充分観ることができなかった、でも印象に残った2つの展示。

・若月公平展 −「双」−
銀座東和ギャラリーにて。
http://www.ginzatowagallery.com/wakatsuki.htm

モノクロームの作品が壁中にたくさん展示されていて、まずそれに圧倒されてしまいました。
そして、一見「黒」一色の作品、これらは表面に凹凸がすけられていて、その部分が鉛筆の芯の粉末で強調されています。
その渋銀が黒一面の画面に浮かび上がるように鈍く輝いていて、独特の世界観がありました。

・低音採集 小原愛 個展
アートスペース羅針盤にて。
http://rashin.drawing.jp/ex/2004/12-13/index.html

こちらはもうホントに時間がなかった・・・。orz
入ったらまさにこれから撤去準備、という状況で。
ただ、ちょっと観ただけでも引き付けられるような岩絵の具による色彩、バリエーション、もう思い出すだけで時間が取れなかったのが残念・・・。
Bギャラリーにて。
http://www.beams.co.jp/beams/b_gallery/b_gallery_sheet/hata.html

新宿のBEAMSの最上階にあるギャラリー。
帰りに新宿を通るので、せっかくだし、という気分だったのですが。。。

力強い海、車、個展のタイトルの「ノックはどこから」のモチーフになったと思われる、ホテルかどこかのドア、街の夜景、朝焼けの水平線・・・その瞬間を写真に封じ込められたそれぞれの風景からは、強烈な「男らしさ」が充満していて(「男くささ」ではなく、「男らしさ」」)、そのひとつひとつに見入ってしまう。
この日は女性の作家の作品に触れることが多かったから余計に。

撮られる風景への思い。
写真を撮ることへの愛着。
自信。

そういうものが作品から、間違いなく溢れている。
とにかくかっこいい。
いや、やられました。

果たさんとお話しして、印象に残ったことば。
「女の前で男らしくいることは簡単。男の前で男らしくいたい」

写真集もぜひ入手したいと思います。
秦義之さんのHPはこちら→ http://www.c-channel.com/c00567/
ひなぎくにて。
http://homepage2.nifty.com/magicpocket/hinagikujikan.html

荻窪の駅の近くにひっそりとあるカフェ、ひなぎく。
ここのあずき茶が好きでたまにふらっと行くのですが、こちらのカフェのなかにちいさなギャラリーがあって、ここを訪れる楽しみのひとつでもあります。

今夜、本読みがてらちょっとお邪魔したら、ギャラリーでは蛙月庵という名前の方(何の名前なのか分からないのですが)の展示でした。
作品や小物がいろいろあって、たとえば来年の干支である「とり」をモチーフにしたカレンダーだったり、蛙のイラストが入った袋やカードなど。
冊子が3つ。蛙があしらわれた家紋のイラスト集がけっこう笑えました。

鶏の宝船の絵のカードを買ってきました。
宝船のイラストも秀逸ですが、金色であしらわれた蛙月庵のロゴマークがかっこいいんです。
美篶堂ギャラリーにて。
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html

前回のなかむらはるこさんの展示のときに、スタッフの方に次回の展示のことを教えていただいて、さっそく行ってみたのです。

今回の美篶堂は、モノクロームの写真です。
そして、写真といっしょにいろんなことばや文章が並ぶように展示されています。
とても静かな展示です。

ちいさなCDプレイヤーから流れるポストロックのシンプルなサウンドも心地よく、すっかりその雰囲気に落ち着いてしまって、椅子に腰掛けてゆったりと今年や来年のカレンダーを手に取って、ひと月ごとの風景や静物の写真を拝見させていただきました。

あと、おもしろかったのが、手作りで製本された本。
12ヶ月どれそれに文章が添えられていて、それは詩だったり、ちょっとコミカルなことばだったり、エッセイのようなものだったり・・・。
晴れた冬の土曜日の夕刻の、この空間で味わうにはこの上ないほどに、心にすっと入ってくるような、優しい本でした。

誤植が見つかったカレンダーを再利用して、ちょうど折り返すところの内側に写真がくるようになったエンベロープなど、あったかいユーモアもどこそこに隠れてます。

こういう12月もありだなぁ、と思うのです。
T-BOXにて。
http://www.tbox.co.jp/tbox/2004/041213.html

T-BOXという銀座のちいさなギャラリーの壁にかけられたたくさんのちいさな絵。
まずその数にちょっとびっくりして、そのあとだんだん、そのシンプルな色のおかげでさっぱりとした気分になります。
2色、いくつかの作品はもうひとつの色がちょっとだけ、画面には謎の軌跡を描く線と背景の色だけ。
ただ、線の部分が谷になって背景の色が盛り上がっています。
なんでも、2つの色しか見えないこれらの絵は実はいろんな色が塗重ねられているそうで。
ちょっとした絵の具の盛り上がりだけでも説得力というか、印象が変わってきて不思議です。

ほかに、これまた不思議な顔のようなイラストの絵と、ポットや動物の影が抜かれたデザインで、同じデザインでそれぞれ色が反転している同士が対になった作品。

気分転換したいときに眺めたくなるような絵でした。
Gallary ART SPACEにて。
http://www2.odn.ne.jp/artspace/

ここも初めてでした。
ワタリウム美術館のすぐそばのビルの4階、ドアをあけると何やら不思議な空間ができあがってまして。。。

なにやらちっちゃい建物が、ひとつの糸に連なっていっぱい吊るされていて、その建物をじっくり観てみると窓やらドアやら看板やらが細かく描かれていまして。。。
そして床には白地に青で道のようなものが描かれたタイルが3ケ所くらいにまとめて並べられていて、そこにも小さな建物が置かれてまして。。。

・・・なんかもう、無条件に童心に返るわけですよ。
立ったままで見下ろすのをやめて、しゃがんで天井から降るような小さな建物を見上げたら、なおいっそう。

実はその間も城戸さんはここのギャラリーのオーナーの息子さん相手にせっせと車などを作ってる最中だったり。
そして、この細かい紙の建物はすべてご自分で描かれているそうで、童心効果でなぜか嬉しくなってしまいまして。。。

もしこの建物の展開図が書かれたポストカードなんかがあったら、ちょっと欲しかったなぁ、と。

城戸みゆきさんのHPはこちら→ http://www5f.biglobe.ne.jp/%7Ekido/
新生堂にて。
http://www.gaden.jp/shinseido/2004/041208.html

ここも初めてのギャラリーでした。
骨董通りから1本道に入ったところにある、いかにも青山らしい雰囲気の場所。
1階に常設作品がいくつか展示されていて、こちらもなかなか。

会場は地下。
エレベーターで降りると、けっこうな天井の高さにちょっとびっくり。

和紙が張られたパネル、それは作品によっては1枚だったり大きさがまちまちのものがいくつか組合わせられたりしていて、そこに鉛筆か黒炭か何かで輪郭が描かれ(キャプションに書いてなかったので正確には分かりませんが)、岩絵の具で彩色された、いろんな犬の絵。
そして犬には服が着せられていて、それぞれの模様、岩絵の具のざらつき、そして鮮やかさに、時間をかけて観れば観るほどに引き込まれていく。
ホントに不思議だったんですが、ほんの数秒間隔を空けただけで服の模様に直前とは違う味わいを感じたりして・・・。

けっこう多くの方がお見えで東儀さんとお話しすることができなかったのが、ちょっと残念でした(帰り際は中島千波さんとお話しされてました)。
Gallary LE DECO 1Fにて。
http://home.att.ne.jp/gamma/ledeco/g1.html

けっこういろいろと回ったつもりでもまだまだ出てくる未知のギャラリー。
この辺にギャラリーがあるということは何となく知っていたけど、入るのは今回が初めてで。。。

6階あるうちの5つがギャラリーになっていて、今回訪れたときに1階で個展を開かれていたのがのやみさおさん。

作品は個展のタイトルにもあるように、猫や小鳥、それに草木をモチーフにしたCGによるイラスト。それぞれの影がひとつの色、それも「みずいろ」や「うすむらさき」「きみどりいろ」などの軽い色彩で描かれていて、シンプルで気持ちいいです。
その色彩をあらためて思い浮かべてみて、「冬の晴れた日、なるほどなぁ」と。

オリジナルグッズもいろいろあって、いちばん気に入ったポストカードを3枚購入したのですが、カード用のペーパーバッグにもイラストが印刷されていて、背中に青い鳥を乗せた猫の絵が紙の薄茶色とマッチしていて、これがまた良いのです。

ここをあとにして、「そういえば他にどんな作品を描かれるのか、聞けばよかったなぁ」とちょっと後悔したのですが、のやさんのHPを拝見したらいろいろと載っていて、ぜひともCG以外の作品も観てみたいです。

のやみさをさんのHPはこちら→ http://www.misaonoya.com/
東京都写真美術館にて。
http://www.syabi.com/schedule/details/new_cosmos2004.html

この週末が最終日ということを知り、写真美術館はまだ入ったことがなかったので、この日の最初に行ってみることに。

まず、昨年のグランプリ受賞者である内原恭彦さんの展示「うて、うて、考えるな」から。
捨てられたたくさんのトマト、いろんなものが雑然と積み上げられた荷車、たくさんのものが詰め込まれていて狭苦しい室内のベッドの上でパソコンを見る男、とにかく雑然としたものに圧倒されてしまう。
そして、奥の方に尋常でない数の写真がひっきりなしに現れては消え、現れては消える映像コラージュ作品が上映されていて、おもわずじっくり見入ってしまう。すべてがサブリミナルのような風合い。

続いて今年の作品を。
まず、年代が60年代生まれから80年代生まれまでと幅広いことに驚きと納得と。
ホントにいろんな作品、人物は風景はもちろん、コラージュやら制作物をあえて撮ったものという具合に、ひとことに写真といってもそのスタイルは様々。

面白かったのは、まずSLOWMEDIAというユニットの「URBANISM」。
いろんなテクニックを駆使して写し出された未来都市の風景は、もう単純にかっこいい。
SLOWMEDIAのHPはこちら→ http://www.slowmedia.net/

本城直季さんの「箱庭」。小さな模型を使って作られた校庭のジオラマを撮った写真を紙に張り、そうやってできた何枚かを箱に入れて展示されていて、そのジオラマの写真が人気の少ない校庭の淋しさとのんびりした感じが同居していて、なんとなく心に残った。

小野口健太さんの「夜の庭」、道路のが多かったと思うけどそういう建築物を含んだ風景の写真で、作品が型にハマっているといえなくもないけどきれいだったので、もっと他の写真も拝見してみたい。

入選作品では、大庭英亨さんの「チョコレート・ドリームス」が圧巻。
飛行機、戦車、ヘリコプター、戦艦の模型にたっぷりと満遍なくチョコレートがかけられたものが被写体。
シュールで気味悪くもあるけど、何層もかけられたチョコレートの色が、層ごとに微妙に色が変化していてきれいで力強くもあり・・・。
で、その被写体もいっしょに展示されていて、よく見ると一部カビが生えてたりして、「あ、本当にチョコレートなんだ...」と感心しきり。

けっこうなボリュームだったので、次回行く時はもっと時間を取らなきゃ、と。
今日は恵比須から青山、銀座、京橋、神田、お茶の水、新宿。
時間配分に失敗し、よいうより早い話が家を出る時間が遅くなったため、もといモタモタしてたため、銀座界隈から京橋あたりで充分時間を取って拝見することができず・・・orz

それでも相当な数のギャラリーを観て回って、今回もたくさんの素敵な作品に出会えて、なおのこと今朝のモタモタぶりを後悔してしまうわけでして・・・orz

とりあえず、本日印象に残った展示は以下の通り。

・写真新世紀展2004 @東京都写真美術館
http://www.syabi.com/schedule/details/new_cosmos2004.html
・ことりとネコと冬の晴れた日展 misao noya graphic art exhibition @Gallay LE DECO 1F
http://home.att.ne.jp/gamma/ledeco/g1.html
・東儀恭子展 @新生堂
http://www.gaden.jp/shinseido/2004/041208.html
・城戸みゆき 空中楼閣 @Gallary ART SPACE
http://www2.odn.ne.jp/artspace/preview3.html
・妹尾めぐみ展 @T-BOX
http://www.tbox.co.jp/tbox/2004/041213.html
・若月公平展 −「双」− @銀座東和ギャラリー
http://www.ginzatowagallery.com/wakatsuki.htm
・低音採集 小原愛 個展 @アートスペース羅針盤
http://rashin.drawing.jp/ex/2004/12-13/index.html
・二月空 112月の百葉箱−150 centimeters high @美篶堂
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html
・ノックはどこから 秦義之写真展 @Bギャラリー
http://www.beams.co.jp/beams/b_gallery/b_gallery_sheet/hata.html

どれも感想を書く予定ですが、何せ今日は10時間ほど自転車で移動してはギャラリーで観て、という感じでさすがに疲れてしまいまして、あと明日は明日で県境越えの日なので、後日ぼちぼち書いていきます。

余談ですが、今日はそれはたくさんのアーティストの方々とお会いしたわけですが、それ以外にもインパクトのあるニアミスも多かったです。
新生堂で中島千波さん。初めてお目にかかったので、「あんたスゲェよ」と鍛え上げられた丁寧語でお伝えしたかったのですがきっかけがつかめず断念。
とあるギャラリーで、凄まじく便利な小冊子「etc」の編集をなさってる言水ヘリオ氏と入れ違いだったもよう。
城戸さんの個展では、右側のリンクにもある、いまいゆきこさんとニアミス。

世の中狭い。
にじ画廊にて。
http://www12.ocn.ne.jp/~niji/exhibition.htm

今日は降っていた雨が午後にようやく止んで、さすがに遠くまで行くのは遠慮して近所の吉祥寺へ買い物がてら、たまに覗いたりするにじ画廊に行ってきました。
ここは1階がかわいい小物のお店で2階がギャラリー。
階段を上がって2階に行くと、CDショップの雑誌のコーナーで馴染みのキャラクター「レコスケくん」が。

4コマ漫画や、雑誌やCDジャケットのものと思われる絵の原画が展示されていて、それぞれほのぼのとしたなかにもシュールな雰囲気もあって、近所でこういう絵を観られてちょっと得した気分です。
・華とあそぶ なかむらはるこイラスト展
美篶堂にて。
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html
お茶の水にあるこの小さなギャラリーはホント好きな空間なのですが・・・
・・・今回は参りました。
詳しくは伺わなかったのですが、和紙に水彩で花の絵が描かれていて、その上からなんともかわいい女の子の絵。
花は可憐で、女の子は単純なのにすごく表情が豊かで。
それに和紙の質感も加わって、とにかく和めました。
カレンダーも購入。
もっとたくさんの人に知ってほしいです。
なかむらはるこさんのHPはこちら→ http://www.tctv.ne.jp/h-graph/

・安木洋平展
ギャラリーf分の1にて。
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/
気になっていたギャラリー。
今日初めて入ってみて、きれいで素敵なスペースで、まずそれが嬉しくて。
今回の展示の安木さんの作品はコラージュだったり油彩だったり。
抽象画なんですけど分かりにくくはなく、むしろ何となく絵に囲まれていてほっとするような。
ギャラリーを後にして、何となくこういう絵、前にも観たなぁ、と思っていたら、東京ステーションギャラリーで観たベン・ニコルソンでした。
ただ、ベン・ニコルソンの(個人的な印象として)「挑む」ような雰囲気はなく。

最後に行ったのは飯田橋のアルテリア( http://www.arteria-artbook.com/ )、こちらの展示の写真、作品は素敵だったんですが、願わくば額に入れて展示してほしかったです・・・。先週観た井村一巴展の印象があって・・・。
今日は天気にも恵まれて、銀座・京橋からお茶の水、飯田橋というふうに。

・坪田純哉展 - white routes -
http://rashin.drawing.jp/ex/2004/12-06/index.html
京橋に行くとかならず寄るギャラリー。
今回は、かなりツボにはまりました。
水彩2点以外は日本画で、どちらかといえば抽象。
ただ、たいていは抽象絵画は暗いけど、坪田さんの作品はとにかく明るい。
白地に赤で描かれた水面と鯉の絵なんかは、もう絶句ものの美しさで。
過去の作品のファイルも拝見させていただいて、以前は暗い雰囲気の絵も描かれていましたが(これはこれで素晴らしかったです)、とにかく綺麗。
坪田さんのHPはこちらです→ http://www.junyarts.net/

・藤崎淳子展
Oギャラリーにて。
http://www4.big.or.jp/~ogallery/Pages/ryakureki/fujisa.html
まず、作品の雰囲気に合わせて照明を調整してたギャラリーに敬服。
写真(今回は水泡が主題だそう)を2、3枚重ねて引き伸ばし、紙に印刷して、その上から彩色、というかなり手の込んだ制作。
元が写真ということもあってリアルで、絵の質感もちゃんとあって、一種独特の雰囲気。
東京国立近代美術館にて。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Yayoi_Kusama/index.html

やっぱり気になる草間。
行くか行かないかけっこう迷ったんですが、結局行ってきました。
結果、行ってよかったです。

今年の初めに森美術館のクサマトリックスを観に行ったり、東京都現代美術館や原美術館などで草間のオブジェや平面作品を観る企画は少なくなかったので知っているつもりだったのですが、「分かる」とか、「楽しむ」までは至ってなかったのが今回の展示を観て分かった感じです。

・・・まあ、オブジェに関しては正直なところ概ね下品だな、という印象は変わらなかったんですけど(汗)。

今回の展示は年代順ではなく作品のキャラクターごとにまとめられていて、そのカテゴリーの間に例えば鏡で壁を覆っていたり、ビニールの巨大なオブジェがある黄色地に黒のドットが打ってあったり、鏡でできた回転する巨大な球体があったり、という空間が用意されていました。

まず、巨大なカボチャの絵(黄色地に黒のドットで描かれたもの)の絵などがあってすぐに鏡張りの空間、そこを抜けると「自画像」。
・・・どう観てもぜんぜん人じゃないコラージュで、「ああ、草間だなあ」と実感。
最初はコラージュものの作品が中心。
いろんな作品があったけど、なかでも戦争を題材にした3つの作品、コラージュされているものをよく見るとそれらがけっこう強烈。。。

黄色の空間を抜けて、怒涛の「網」の絵の作品群。
白いものと赤いものとあって、白いものはロバート・ライマンを彷佛・・・と思いきや、川村記念と比べて展示スペースが窮屈で、ちょっと物足りないなぁ、と。
それでもいろいろ試してみて、正面から見るとうんざりするほどの網の目なんですが、絵のほぼ真横からだと油絵の具の盛り上がりが生々しく目に飛び込んできて・・・「網の絵」ではなくて、キャンバスに「絵の具の網」をかけたような。
そうすると部分ごとに違う味わいが感じられて、ようやく「面白い!」と思いながら観られました。
赤いほうは、その「赤」の生々しさというか鮮やかさというか、とにかくそれだけでかなりのインパクト。

銀のオブジェ、鏡の球体と過ぎて、草間の「普通の」絵。
これがあなどれない。
なかでも「不知火」というタイトルの絵、青に浮かび上がる赤がなんともいえず美しく・・・。

最後のほうは比較的最近の作品。
「天国への梯子」は面白いです。

草間の平面作品の良さを再認識できました。

**********

東京国立近代美術館は、常設展が良いです。
といっても、もう何度か観ているので観たことない作品に目がいってしまうのですが、今回は横山大観の巻き物に圧倒されました。
・コバヤシ麻衣子展 UKNOWN MIND 2
表参道画廊にて。
http://www.omotesando-garo.com/link.04/kobayasi
ここも知っていたけど入ったのは初めて。
たまたま、コバヤシさんの個展でした。
パネルに直接描かれた不思議な動物の絵。
僕は、ファイルで拝見したイラストっぽいドローイングのほうが良かったんですが、作家のコバヤシさんにお話を伺うと、「分かりやすさと難しさのバランスをうまい具合に取りたい」とのこと。
なるほどなぁ、と思って改めてパネルの作品を観て、納得。
ちょっと奈良美智的なアブナいテイストもあって、好きな人にはぜひ観てほしいな、と。

・ウィリアム・ウェッグマンの愛犬好日
PARCO MUSEUMにて。
http://www.parco-art.com/web/museum/wegman/
面白そうなので行ってみた。
面白かった!
ホントよくしつけられた犬たちだなぁ、と感心しつつ、妙に決まってる表情にも笑った!
誤算なのは、ポストカードがすでに売り切れてたことでして...。

・シェル美術賞展2004
ヒルサイドギャラリーにて。
http://www.showa-shell.co.jp/society/philanthropy/art/index.html
個人的に本日のメインイベント。
なんだかんだで会期ギリギリに観ることができました(明日まで)。
とにかくたくさんのフレッシュな才能に触れることができて、満足!
気になった作品も多数。
渡邊志野さん「時が癒す」、塚本智也さん「オモカゲ」、中谷未来さん「ripple」、大野修平さん「心のバランス」、藤田夢香さん「儚き日々〜夏の詩・?」西川茂さん「・−(点、線)」、赤木己恵さん「遠い過去、近い未来」ほか。
そして受賞作品。
小林浩さん「予言」。数種類の青のグラデュエーションで描かれた走るサイ(?)の後ろ姿とそれに跳ねられて(?)宙に舞う子ども。
今村綾さん「radiant」。黒をバックに光を放つ真っ赤なミニトマト。
そしてグランプリ、藤井俊治さん「humanoid」。とにかく、「イイ!」というのと「面白い!」という2つの感情が同時に起きてしまうような説得力。サーモグラフィみたいな絵なんですが、この面白さに気付いたっていうのに脱帽。
ここで出会った才能の今後に期待です。

・佐藤曠一 幾何学造形の不思議な世界 -しくみの中に隠れていた形-
ART FRONT GALLARYにて。
http://www.artfront.co.jp/jp/hsg/afg02idx.html
もし面白そうだったら観ていこう、と思って入ったら、もうハマったハマった(笑)。
正六角形の方眼紙(方眼じゃないじゃないか、というツッコミは甘んじて受け入れます、ええ、受け入れますとも。orz)に書き込まれた模様、模様、模様。。。
とにかく圧倒されてしまいました。
直接説明していただいたところによると、まず存在するシンプルな形があって、それを「ずらす」ことによってちがう図形が見えてきて、それをどんどん発展させていって・・・。
好きな人には堪らないです。

 
こんな感じで観て回って、ホントはもう一ケ所、品川まで行きたかったのですが時間も遅くなってしまい、結局雨にも降られてしまいました。
それでも充実してましたよ、ええ、ええ。
天気予報では午後から下り坂で夜に雨となっていたので、銀座・京橋まで行かず、比較的近いところを回ってみようと。

・村岡三郎 新作展「ドローイング 負(-)の領域」
ケンジタキギャラリーにて。
http://www2.odn.ne.jp/kenjitaki/pages/intro1_j.html
初台にあるギャラリー、初めての場所。
ボンベを使った作品などがあって、この手の展示は苦手だな、と思いつつ、なぜかものすごい説得力を作品から感じてしまう。
作品のタイトルから察するに、「熱」がけっこう重要な気がするが、それよりも「重量感」があると思う。
過去の展示を拝見すると広いスペースで行われたこともあるようで、そんなスペースにたくさんの作品が「ドーン!」と展示されてたら相当すごい空間だろうな、と。

・5人展「for...」
新宿アートギャラリーアンファンにて。
実は先週の日曜日にちょっと寄ってみたがオープニングパーティー真っ最中でゆっくり観る雰囲気じゃなく、日を改めて本日に。
で、先週ちょっとだけ観た時に印象に残ったのが、新井深雪さんの作品。画面に絵の具で凹凸をつけて奥行き感を出しているのが良かったです。
他、真っ当な抽象画とユーモアを忍ばせたコラージュ作品の山口圭介さん、内田孝行さんの音が聴こえてきそうな立体作品の内田孝行さん、あったかい風景や静物画の萩原亜也子さん、ガラス作品の木暮大さん。
山口さんがいろいろとお話ししてくださって、同じ専門学校を卒業されたこのメンバーで年1回定期的に展示を行っているそうで。
違う形態の作品がこういう括りでいっしょに展示されるというのは、いいな、と思いました。

・井村一巴<セルフポートレイト>展
ときの忘れものにて。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankai.html
・・・やられた。
写真の展示でこれほど見入ってしまうとは。
それぞれの作品は、言ってしまえば何の変哲もないただ写真のはずなのに。
なのに、それぞれの写真が絶妙で、道路、花、犬や猫や鳩などの動物、部屋の中、フルートやコーヒーカップ、心から「よくぞその瞬間をとらえてくれた!」と感嘆の声をあげたくなってしまう。
改めて、空がいつだって美しいことも分からせてくれる。
本人が被写体となった作品ももちろん数点、畏敬の念すら感じてしまう。
本当に良かったです。

・・・作品が素晴らしかったことはもちろんですが、この「ときの忘れもの」という画廊の雰囲気もすごく良いんです。
青山のちょっと分かりにくいところにひっそりとあって、教えたいけど教えたくないような、そんなスペースです。
東京ステーションギャラリーを1時間半くらい観たあとで、そこから京橋、銀座へと移動、さらにお茶の水、飯田橋へと。
けっこうな数観て回ったのですが、そのなかで相当好印象だったものを。

・京橋メロン堂
ASK? art space kimuraにて。
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/hanbai/melon2.htm
たくさんの作家のちいさな作品がいっぱい。
そのなかに、「いいな」と思える絵がけっこうあって、発見が多い展示でした。
気になった作家:星晃、母袋俊也、芝章文、渋谷和良、松山由維子、渡部華子。

・トゥインクル・トゥインクル −5つの星の輝き−
月光荘画室5にて。
http://fuki.sakura.ne.jp/~burabura/twinkle-c.html
ここで拝見した北田稔さんの作品に、かなりやられてしまいました。
北田さんのHPでも観ることができるのですが、水彩の作品が、ホントに和めて。。。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/kita/menu.html
ここの「Gallary モノ&ヒト」の「うたたね」、最高です。
さらに、展示にはなかったのですが北田さんが描かれたアルビレックス新潟のポスターのためのイラスト、選手、監督がいろんな動物で描かれているのがあり、新潟は選手は知っていても背番号まで把握してなくて全員が分からなかったんですが、とにかくユーモア満点で、「ぜひとも東京でも・・・」と思ったりもして。

・一井由美 一井由美の素(もと)展
美篶堂にて。
http://www2.ttcn.ne.jp/~misuzudo/gallery.html
一井さんは大阪にお住まいの方だそうですが、個展は今回の東京での展示が初めてとのこと。
美篶堂のHPを事前に拝見していてなんとなく観ておきたいと思ってたんですが、実際に拝見するとフェルトやボタンが使用されていて、その風合いがなんともあったかい感じで。

最後に行った飯田橋のアルテリアでのアーティスト・カレンダー2005展。
http://www.arteria-artbook.com/art/event013/event.html
カレンダーにもいろいろあるのねぇ、といろんな意味で感心しつつ、石居麻耶さんのカレンダーが事前に完売になっていたことは知っていたのですが、実物を見て、あらためて残念に思う次第・・・。

他に印象に残った展示:
・安井寿磨子展@ギャルリー東京ユニマテ
http://kgs-tokyo.jp/human/2004/041116.html
・園山晴巳 Signeシリーズ@南天子画廊
・大貫真寿美展 雲・森・密@ガレリア・グラフィカbis
・深井国展「楽士たちの風景」@ギャラリー舫
http://www.g-beaux.jp/ex/fukai04.html
東京ステーションギャラリーにて。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

今回の東京ステーションギャラリーはいつもと志向が違って丸の内界隈の企業や官庁の所蔵作品を集めた展覧会で、行く前は「どうかな?」と軽く心配だったのですが、やっぱりよかったです。

およそ20世紀初頭から最近までの日本の油彩の絵画(ペン画が数点あり)で、描かれているのもは幅広く・・・既知の作家も初めての作家もいて。

岡田三郎助の「水辺の柳」。遠目で見ると日本画のようなにじんだ風合い。

梅原龍三郎の作品は意外と見る機会が多いような気がするけど、ここで観た青で描かれた「桜島」は、なんとなくその時の気分にぴったりで、「笑っているセザンヌ」という雰囲気が心地良かった。

花瓶に挿した花の絵で印象的なものが多く、かすみがかったような林武「花」、絵の具をたっぷり乗せた大胆でド迫力の朝井閑右衛門「バラ」、他に小山敬三「ばら」田崎廣助「秋のダリア」など。

紫でない須田国太郎の作品に初めて出会った。「風景(樹間)」。林の入り口のような場所の絵でおおよそ緑、でもその力強さには納得。

迫力という点では、鳥海青児「スフィンクス」が生々しいくらいに強烈。

林鶴雄「水車」。日本の田舎の原風景、知らない時代のゆっくりとした時間に思いを馳せる。

内堀勉「晴日」は、反物が軒に干してある絵。それには模様が入っていて、マティスが観たらどう思ったかなぁ、と。

小さな風景画なんだけど、見る角度によって突然リアルに見えてくる中川紀元「伊那谷味爽」。

小磯良平もよく見かける。でも今まででいちばん印象的だった、背景の透明感が清々しい「横向裸婦」。

4点あった脇田和作品のうち、「おやじの顔」は描かれている顔がまるで吉田戦車の漫画でインパクト大。

大友洋司「Untitled」の、紫の濃淡でものすごい奥行きが描かれていて。

石川順恵「春分5」。キャンバス全体に黒で描かれた波打つ空気のようなもの、その上にテープを貼ったような白の線の模様。心に引っ掛かってくるアンバランス。

やっぱりよい難波田龍起。「海の詩」。


なんだかんだでここは外せないです。
今日も天気が良かったし、かといって銀座は昨日かなり回ってしまったし、というわけで、たまには青山界隈を。

・・・といっても、日曜休廊のところが多いのでそれほど多くは行けなかったのですが。

・アジアンコレクション
Art-U roomにて。
http://www.mmjp.or.jp/art-u/contents/show/tokyo/2004_12/2004_12.html
246通りの脇道を適当に入って見つけたギャラリー。
タイやらベトナムやらのアジアのアーティストの作品が並んでて、東南アジアの作品は手透きの紙が良い味出してました。
あと、許仲敏という中国の版画家の作品で、銀箔を貼った版木を彫ってビル群が描かれているのがかなりインパクトがありました。

・深澤直人 ありそうでないもの展
ON SUNDAYSにて。
http://www.watarium.co.jp/onsundays/event/0411fukazawa/index9.swf
バナナやキウイの皮の質感のパッケージの紙パックとか。
変な形やデザインの携帯とか。
なんか楽しかった。

・air pool 井波百合子展
トキ・アートスペースにて。
http://paper.cup.com/toki/inami3.html
ギャラリーに入ると、何だかいつもと勝手が違う。
狭いスペースに手順が表示されていて、まず風船を膨らませ、小さな革のベルトに印字し、それを風船に括りつける。
そして、階段を数段上がった先にある別の部屋へ・・・。
そこは発泡スチロールの海!(広さ的には池)
膝くらいまで沈むところを進んで、風船を埋めて終了。
なんか楽しかった!(さっきに続いて)
井波さんにお話を伺うと、もともとは立体の作品を作ってたそうで、その表現の延長にこういう参加型のパフォーマンスがあるそうで。
観る側としては、楽しければよし!です。

・REUNITED展 油画の継承と発展
佐藤会議室美術館にて。
http://homepage3.nifty.com/sato-museum/exhibition/index.html
前回ここに来た時にこの展示のことは知っていたので、そう遠くないので行ってみました。
ここは、会議室にしてはなかなか良い作品に出会えるところです。
今回は多数の作家による油彩の作品ですが、それぞれスタイルが違ってて、面白い作品多数。
杉本玲子さんの抽象画と、仙洞田文彦さんの静物画(ちょっとマティスっぽい)が特に印象的。
あと、会場にいらっしゃった伊東明日香さんにご自分の作品の説明をしていただいて、人物を含む風景画なんですけど、うち1作品は別の作家による立体と対になってるそうで、それも観てみたかったです。

< 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34

 

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索