東京オペラシティ・アートギャラリーにて。
http://www.operacity.jp/ag/exh55.html

けっこう楽しみにしてたんですけど、どうも・・・。

いろんな写真がいっぱいあって、人物だったり風景だったり、抽象絵画のような作品だったりとテーマも様々。
で、それぞれの作品の展示位置も工夫がされていて、ある作品ははるか上の方にあったりして。
大きさもめちゃめちゃ大きいものからポストカードサイズまで。

なかにはちょっと気になってしまうものもあるにはあった。
「窓/カラヴァッジオ」に写ってた錠前。
「闇の中で」の絵画。
金の延べ板を撮った「ゴールド」の連作のうちの1枚は、面白かった。

でも、たいていの作品は、僕には「ただ瞬間を切り取っただけ」にしか見えず・・・この展示会を楽しむだけの想像力が僕には足りないのかもしれないけど、やっぱりそれ以上の何かを感じることができず。。。
写真を撮る人には面白いのかなぁ。。。

*********

同会場で開催されていた展示。
「野又穫:カンヴァスに立つ建築」。
http://www.operacity.jp/ag/exh56.html

この手の作品は苦手です。。。
ひとつひとつの作品にはユニークな建築物が描かれているけど、観てもそれからイメージが広がらなくて。。。

あと、若手作家紹介のコーナー。
「小西真奈」。http://www.operacity.jp/ag/exh57.html

こちらもどうも。。。
写真を元に描かれた絵とのことなんですが、100年前の印象派ほどのインパクトはなく。。。

吉祥寺絵画祭

2004年10月19日 アート
東急吉祥寺店8階催物場にて。
http://www.tokyu-dept.co.jp/kichijouji/

思いっきり生活圏内である吉祥寺で、金丸悠児さんの絵も展示されているとのことだったので、行ってきました。

もともとあるギャラリーではないようで、設営された壁にたくさんの作家による作品がこれでもかってほど展示されていて、ちょっとびっくり。
なかにはルノアールの素描やミュシャなどの海外の有名作家の作品も。

で、鑑賞よりも販売のほうに重きを置かれているので(当たり前ですが)じっくり観る雰囲気ではなかったのですが、初めて観る日本人作家の作品にもじっくり観てみたいものがいくつかありました。
(仕事の帰りに直接足を運んだたために、メモ帳を持ってなかったので名前を控えてこられなかったのが残念)
(仮に持っていったとして、メモしたら販売員が飛んできそうな予感)

金丸さんの作品は、もうすでに数作品がお客さんの手元に渡ってしまっていて、見られなかったのが残念ではありましたが、良いと思ってくださる方の手に渡っていくことは嬉しくもあり。。。
金丸さんの作品、独特な絵の質感が不思議な心地よさを感じさせてくれます。
《金丸さんのHP: http://www.kanamaru.cc/yuji/ 》

10月27日から一週間、銀座松坂屋別館4階画廊で開催される「やぶのなか」展、金丸さんも在籍されていた東京芸術大学大学院デザイン専攻描画・装飾研究室の展示会なんですが、すごく楽しみです。
なんとしても初日に伺いたいと思ってます。
ブリジストン美術館にて。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/expositions/special.html

ザオ・ウーキーの作品を初めて観たのは彫刻の森美術館の常設展。
その時の印象がけっこうしっかり残ってて、そんな中でこの展覧会を知り、楽しみにしていた。

現代美術作家の展覧会にもすでにいくつか足を運んでいるが、それらはいずれもそれぞれ違う鑑賞法を見つけて楽しんできた。
難波田史男は遠目に観てみて現れてくる景色を。
ベン・ニコルソンは立体に見立ててみた。
ロバート・ライマンは絵を見る人が白い絵のアクセントになった。

で、このザオ・ウーキー。
初期の絵こそ「何か」を描いているのでタイトルがあるが(といっても具体的に描いてるのがわかるのは冒頭の2作品だけ)、ほとんどが日付けや抽象的な言葉をタイトルにしていて、絵を観るヒントとしてはあまり役に立たない。

初期の頃の絵。
背筋がゾクゾクするようなスリリングな抽象画。
具体的な「何か」自体はそれほどデフォルメされているわけではないのでそれぞれ「船」や「魚」や「琵琶」、といったことは分かるけど、とにかく色がすごい。
同じ色でも深く濃いところもあれば、淡いところもあって、それがしびれるようなコントラストを創り出している。

以降、完全な抽象画。
もう、何を描いてるか分からない。

遠目で観たり、近付いて観たりしながらまず一通り巡ってみてひと休みの後、再び挑戦。

それぞれはけっこうな大きさの絵、ということもあって、絵に近付いて、その前でしゃがんでみた。
そしてゆっくり見上げてみた。

視点をゆっくりと動かす先の景色は、それと同じスピードで、時に微妙に、時に劇的に変化する。
そうやって視点を動かしていってると、ひとつの作品の中にすごく好きな部分が見つかってくる。
絵全体をいっぺんに観ようとしてたら気付くことがなかったであろう微妙な色の違いや、すごく細かい点や線。それらが創り出すコントラストを知る。

瞬間、絵の風景の中に心が浸かっていく。楽しくてしょうがない。

午後からサッカー観戦だったので途中から時間との戦いだったが、もし何もなかったら何時間でも絵と対峙していられると思うし、していたいと思う。

めちゃくちゃ面白かった。

1枚だけ、「なるほど」と思わせるタイトルの作品を。
「アンリ・マティスに捧ぐ」。
タイトルを知ってこの絵を観ると、すごく共感できる。
TARO NASU GALLARYにて。
http://www.taronasugallery.com/exh/index.html

ぴあで見てちょっと面白そうだったし、このギャラリーは気にしているところなので、たまたま時間が合ったので行ってきました。

白い壁に落書きみたいなのがいっぱい描かれている中に、イラストの写真がたくさん張られていました。
そのイラストには面白いものもいくつかありましたが・・・

・・・なんだかなー。
原美術館にて。
http://www.happyhour.jp/haramuseum/

もう少しで見逃すところでした。今日まで開催。
・・・って、実はどーしよーか迷ってたんですが。
お客さんの数もかなり多かったです。さまざまなファッションに身を包んだ女の子多数。まあ予想通りですが。

奈良美智はこれまで何回か見てるけど、この個展はこれまでの印象とは違ってて。
なんか、雰囲気というか、あの例のキャラクターの独特なイメージはもちろんだけど、それ以外のもすごくて。

まず、壁に展示されてた「Mother」と、続く4つのちいさな作品。
なかには矢が刺さってるシュールなものもありつつ、すでに奈良ワールド全開。

ひとつの部屋に大きな作品が十数点。
キャンバスの上にたくさんのちいさめな布をさらに重ねて張ったキャンバスに描かれた「Abandoned Puppy」「Night Walking」。重ねられた布のわずかな段差と、張られた布の端のほつれ具合に「味」があって、観ていて飽きない。

今日観た絵でいちばんインパクトが強かったのが、「Dream Flight」。
部分的に印刷された紙が張られたキャンバスは微妙にグラデュエーションがついたあざやかな赤に染められ、その中をひとつ、ふたりを乗せたロケットみたいなものが浮かんでいる絵。
バックの赤はこれ以上ないほどにあたたかく、浮かぶロケットはほのぼのとしてて、でも絵全体の印象は力強くて。
結構長い時間、この絵の前に立って、ずーっと観てました。
この絵に出会えただけで、行った甲斐がありました。

他にもひと部屋まるまる使って展示されていた巨大なカップの上に頭がいくつか重なるように入っていて、それはみんな涙を流しているオブジェも微笑ましくもありもの悲しくもあり。

日本のポップアートはこの人が第一人者であることを再確認した次第です。

佐藤哲三展

2004年10月10日 アート
東京ステーションギャラリーにて。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.html

ここで行われる展覧会は行くと決めているので、昨日の鬱憤を晴らすかのように激しく自転車移動。

佐藤哲三という画家は、会場にあった紹介文によると新潟で一生を過ごしたそうで、この展覧会では氏が描いた絵を年代順に紹介されてました。

この人の絵は、もしかしたら「再考・近代日本の絵画」展で一度観てるような気がする。
その時観た絵はたぶん人の絵だったと思う、絵の印象は残っているけどチェックはしてなかった。

・・・とにかく、風景画に感動。
ほぼ年代順に紹介されている絵は、その時期のこの人の心象が尋常でなくあらわれているような。

初期の「牛のいる風景」。
春夏秋冬それぞれの素晴らしさが自然に詰め込まれたような、まるで桃源郷のような絵。
それに比べて晩年期の諸作、「原野」「帰路」「みぞれ」の渾沌とした激しい暗さからは、一筆一筆に渾身のエネルギーを込めているさまが、時を経てその絵に対峙するこちらに充分に伝わってくるほどの迫力。
モネの晩年の絵と近いイメージがある。

その間に描かれている風景画は、またそれらとは違う説得力。
横に細長い小さな「晩秋」とタイトルされた2作品や、雲の後ろからひとすじの赤い夕焼けがのぞく「血の空(夕雪)」もすごいけど、何と言っても「日没」。赤く染まる空、一足先に闇に包まれたような田舎の田園。絶句ものの力強いあざやかさ。

他に、コミカルな表情の「赤帽平山氏」、あったかい女性が印象的な「ひるめし時」。
「田園の柿」の、写真より忠実な柿の絵とバックに広がる収穫期の稲。
ハガキの挿し絵に使われたという季節の果物の小さな絵もかわいらしくてよかったです。

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東京ステーションギャラリーについてひとこと。
チケットは入り口の券売機で買うようになってますが、駅のびゅうプラザかみどりの窓口で買えば100円安いです。

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その後、銀座のギャラリーをいくつか観て回りました。月光荘画室5で観たにしかわいづみさんの木炭(?)画がおもしろかったです。
損保ジャパン東郷青児美術館にて。
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html

今日はお客さま感謝デーとかで、入場無料でした。
今年2度ここに来てるし、感謝されてもいいかな、と。

先週の木場での展覧会に続いて、間髪入れずにピカソを観たワケですが。

特に印象に残った作品。

【サーカス】
・「漆黒に灯る火」を連想させるようなバック、つやのある黒
・中央に、白と水色の何かが
・その映え具合は尋常でなく
・入って最初の部屋で、まず目に焼き付いた作品

【椅子に座るジャクリーヌ】
どーん!
・(要するに、でかい)
・神々しささえ感じる、視線を遠くに飛ばすジャクリーヌの表情
・ピカソは(本気になれば)ホントに女性の顔を綺麗に描く

【緑と黄色の帽子をかぶった座る女性】
・明るい黄色、緑色
・その中にあざやかな赤が
・この3色といえば・・・
・なーなーなーなな(以下略)
・いちはらーいちはらーいちはらー(違)

他にも、ドラ・マールを描いた絵では、顔の中などにいろんな色が詰め込まれていて強烈だったり、相変わらず「アーメンドクセー!」という感じの絵がいっぱいあったりと、それはもうものすごい勢いでピカソ三昧。
その「アー(ry」的な作品は、視界に絵しか入らないってくらいに間近に接近すると、その迫力に圧倒される感じがする。

・・・たくさんのデフォルメされた人物像は、僕にとっては正直なところ、めちゃくちゃツボにハマってくるものと「いいかげんにせー」と突っ込みたくなるものとが両極端で。
こういうピカソだけの展覧会は、女性遍歴やら志向やら、とにかくピカソの「人」そのものをわかろうとしないと楽しめないところがある。

僕はピカソの絵が好きだし、何よりそのお互いを引き立てあうような見事な色彩には毎度感服しきりなんですが、ピカソの絵そのものを楽しむには、いろんな画家の作品がたくさん展示されている中に数点あるピカソ、というのの方が良いのかも。
月光荘画室5にて。
http://home.catv-yokohama.ne.jp/ww/kuriword/
(栗原さんのHP)

ちょっと銀座に用事があり、偶然覗いてみたのですが・・・。

栗原さんによる水彩で描かれた風景は、これまで見てきた風景画とは何となく趣が違ってました。
描かれている場所は僕とはまったく縁のないところばかりなんですが、なぜか不思議と懐かしい気持ちが押し寄せてきて・・・なんだか「思い出」のような絵でした。
近付いて観ると鉛筆によるスケッチの跡が見て取れるんですが、ちょっと遠目に立つとその跡が消えて、ふわっとした風景が広がって心地よいのです。

良い絵と出会えると、ホント嬉しいです。

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ふと思うこと。

これまでいろいろと回ってきて、たいていの美術館はモネの作品を所蔵してるような気がするのですが。

もしも。

もしも、この世にモネの絵が10点しか残っていなかったら・・・。
ピカソでもマティスでもなく、モネの絵が10点しか存在しなかったら・・・。

そう思うと、モネがたくさんの作品を残してくれたことに感謝してやまない気分になるのです。
東京都庭園美術館にて。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/nolde/index.html

この画家の作品を初めて観たのは森美術館でのMoMA展。
色違いの石版画で、あまり見ない色使いが印象的だったので覚えてて、先週から始まったこの展覧会も楽しみにしてました。
場所も庭園美術館だし。

展示されている作品は、水彩と版画。
版画はエッチングと石版、木版(って版画の手法を理解してないんですが・・・)。
そしてそれぞれが風景画、人物画、ダンサーなどのカテゴリーに分かれています。

まず印象的だったのが、いくつかある夕刻の風景。
オレンジ色だったり、薄紫色に染まる雲があざやかで、見とれてしまう。
風車をモチーフにした絵が多いのも印象深い。

舟の木版画の凛々しさ。
舟にかぎらず、木版画は不器用なんだけどどれも独特の力強さがあって(志功しかり)。

MoMA展で観たのと同じ版の絵、「若いカップル」もありました。
その向かいにポスターにも使われていた「黄色と緑による女の肖像」。色にくわえて、水彩独特のふわっとした「にじみ」がなんとなく春を連想させてくれる。
「赤い服のダンサー」。まさにその瞬間、という感じ。

続く「花」のコーナー。
僕が思う、この展示会のハイライトのひとつ。
まず、一部屋に一枚だけ展示されている「赤いケシ」。
これぞ水彩。
あざやかな赤いケシの花びら、その儚さ。
続く部屋には、たくさんの花の絵が。。。
どれもホントにきれいで見とれてしまうのだけれども、なかでも「白い花」、これが秀逸。

もうひとつのハイライト、いちばん最後の「描かれざる絵」のコーナー。
なんでもナチス政権下で邪険に扱われたノルデが、ドイツの端の街で隠れるようにして描いた絵で、どれも小さく、画材の不足のために絵の裏に絵を描いたりしていたらしい。
このコーナーに飾ってある絵、どれもしっかりと何かを伝えてくれる。
どうしようもなく優しい女性の横顔だったり、幸せそうな凸凹カップルだったり、甘える子どもと家族だったり。
風景画も、眩しいオレンジの雲や、真っ青な山や。
不謹慎かもしれないけれど、追い込まれた状況で創られたものだから力強いのかもしれない。

作品の保護のためにかなり照明暗めで見づらい部屋もあるけど、たくさんの素敵な水彩画に出会えて満足です。
東京都現代美術館にて。
http://www.p-forme.jp/

ピカソ祭り突入。
木場と新宿、とりあえず遠いほうからチェック。

会場には11時半頃に到着。
先日のマティス展ほどの混み具合ではなく。

・・・これまで観てきたピカソの展示は、ピカソのコーナーがあったとしても比較的各年代から万遍なくセレクトされていたのですが、この展示はかなりコンセプチュアルな感じです。
今までこういうふうに観てこなかったので、ちょっと面喰らいました。なんとなく難しい感じ。。。

ただ、そこはピカソ、やっぱりぱっと観て、何かがすっと伝わってくる。
ピカソの色の使い方が好きで、今回も使われ方以前に使われている色そのものに驚くことはしばしば。

「青いアクロバット」のちょっと暗めの水色。
「女の頭部」の茶色。しかも絵の具に砂が混ざってる。
「彫刻家」の、さまざまなパステルカラー。
「一人が双笛を吹く、二人の裸婦」の、揺らめくような濃い緑色。
「庭の中の裸婦」のピンクの肌の色。

毎度ながら、どうしてこんな色が出せるのだろう、と感嘆しきり。

例の、元の形から激しく変型した人の顔や体。
展示の前半はこれが主題っぽく、たくさんの「変な」人間の絵がたくさん。
なかでも印象的だったのが以下の2点。

「大きな水浴の女」は、目と口が顔に点で示され、ポーズは直立で肩ごしに腕を組んでいるのだけど、腕と足が角ばってるうえに巨大に描かれていて。
ぱっと観るとロボットみたいでかっこいい印象なんだけど、ポーズが分かってくるととたんに女性的に思えるから不思議。

「赤い肘掛け椅子の女」は、椅子の上に積み上げられた球状やもっと抽象的なもので、腕、顔、乳房、首などをあらわしている。
それでちゃんと女性のからだと判らせてしまうのってすごい。
くわえて、描かれているそれぞれの物体の陰影が強烈で、その色自体にも見とれてしまうほど。。。

後半には、闘牛の絵など。
この展覧会の広告に使われている絵、「コリーナ:闘牛士の死」。
この絵を観るだけでも、この展覧会に足を運ぶ意義がある、と思ってしまうほどにものすごい説得力を持った絵でした。
絵のサイズは予想外で、それも驚きのひとつ。

あと、デッサンや版画など、油彩でないモノクロの作品も多数展示されてます。
ブロンズなどの立体作品は思ったより少ないけど、どれも見応え充分です。

マティス展

2004年9月20日 アート
国立西洋美術館にて。
http://event.yomiuri.co.jp/matisse/

見る機会は結構あれど(むしろ積極的に観てる)、なかなか自分の心に迫ってこないマティス。
今回はマティスのみの展示会である。一本勝負。

11時半に到着、予想通り(というか予想よりちょっと少ないか?)の混み具合。
入場してすぐにブロンズ作品が目に入り、その先に油彩、スケッチなど。

各所の解説に目を通さずにさくさくと観て回り、まず足を止めた作品が「カルメリーナ」。
アトリエ内、膝に布を置いて座る裸婦、奥に裸婦の背中とそれを描くマティス自身を写す鏡。
たくさんの色を使って描かれた裸婦の陰影。それだけじゃなく、裸婦の隣においてある花瓶や膝の上の布なども。
すごい。。。

・・・と、とりあえず一通り回った時点では(所要時間20分)、
「僕にはやっぱり・・・orz」
という感じで。。。

次は解説をじっくり読みながら。
「マーグ画廊」での個展を再現した部屋。
この個展では、マティスの作品だけでなく、それぞれの作品が出来上がっていく過程を写真(白黒)におさめて、それを絵と並べて展示したそうで。
・・・来た。
キタ---(゜∀゜)---!
ここに並べて展示されている2作品、「ルーマニアのブラウス」と「夢」。
この絵が出来上がる過程というのが面白過ぎ!はっきりいって笑える!
それぞれ最初の段階では正確なデッサンなんだけど、それに色が入り、描き直しを繰り返して完成するのだけれど、その描き直される前と後とがかなり違ってるんですよ。
どんどんデフォルメされていってる。
壁も、最初は模様が入っていたのに、結局は赤一色に。

なんかこれ観て、「このオッサン最高(笑)」みたいな気持ちに急変。
展示されている作品も、もしかしたらもっと変化していくかもしれない、と思ったらもう楽しくて。
で、マティスに「これで完成?」って聞いたら多分、
「個展の締めきりギリギリだったんだよねorz」
とか答えるんじゃないかと(笑)。

マティスを楽しむためには、「マティスを知る」ことが鍵だった。
ひとつひとつの絵から、その絵が出来上がっていく「過程」を想像し、どう「発展」していくかを想像する、これを楽しむ。

以降、とにかく楽しかった。
明らかに未完成と思われるものはいかがなものかと思うけど、ある程度書き込まれた作品からはいろんなイメージが湧いてくる。
この先マティスの作品を見るのが楽しみになってきたし、例えばピカソなんかもさらに楽しめそう。

おなじみ切り絵の「ジャズ」シリーズもたくさん。
これはさんざん観てるのでさっと観て回る。
というよりこのシリーズは、じっくり鑑賞するよりも、流れるようにどんどん観る絵を変えていくほうが楽しいと思う。

マティス展観賞後、ここの常設展示も観る。
噂には聞いてたけど、すごいよここの常設は。
印象派以前の作品もたくさんあるし(僕はちょっと苦手、でもひとつ女性の肖像画に見とれた)、ルノアール、ピサロ、シスレー、マネ、そしてやっぱりモネ(もう脱帽するしかない)、ピカソ、エルンスト、ルオー、ミロ、その他いろんな作家の作品がたっぷり。
常設だけをちゃんとあらためて観なきゃいけないくらいの充実度でした。

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その後、銀座のギャラリーをいくつか。
そのなかで、月光荘画室3で拝見した深澤ユリコさんの作品が印象的でした。
http://www.adcard.co.jp/creator/cr_2003/cr_files414.html

RIMPA展

2004年9月19日 アート
東京国立近代美術館にて。
http://www.momat.go.jp/Honkan/RIMPA/index.html

2時半くらいに到着したんですが、ものすごい人の多さにびっくり。

「ところで琳派ってなに?」という疑問を持ちつつ入場。
・・・しかし、尋常でない人の数で最初のほうはほとんど観られそうになく、とりあえず後ろの方から観ていくことに。
で、ぱっと観て引き付けられた作品はじっくり観つつ、さくさくと一通り観て回って行ったり来たりを繰り返しながらなんとか全作品をチェック。

尾崎光琳や、本阿弥光悦・俵屋宗達の作品の中には重要文化財や国宝もあり、そのまわりはさすがにたくさんの人が。

最初に引き付けられた作品、中村芳中「白梅図」。
掛け軸に描かれた梅の木。
太い幹はうねり、枝はまっすぐ天を向く。
「たらしこみ」という技法(墨に緑青、群青、金泥をくわえて描くらしい)によって、幹の表面は渋く彩られている。
そして花は丸くて、なんだかコミカルでかわいらしい。

巨大な屏風2枚が立ち並ぶ角のスペース。
川端龍子「草炎」と横山大観「秋色」。
前者は凛とした黒をバックに、金泥でたくさんの草葉が描かれていて、その不思議な透明感に・・・.
後者、こちらのバックは金、端から赤、黄、緑で染まったたくさんの葉、濃い青の木の実、食む鹿と座る鹿。
この2つの絵を前にすると、その美しさに身震いが。。。

ホテルオークラ以来の前田青邨「水辺春暖」。
これが強烈で。
背景は、金。
全面に梅の木。
幹は力強く渦を巻き、そこから四方に伸びる枝々。
そして、満開の梅の花。
その真ん中に、ひと組のつがいの野鳥が。
手前は紺色の水辺、数匹の鴨。
なんかもう立派というか、豪華というか。。。

最後のカテゴリーが「RIMPAの世界」。
現代の作品や、海外の作品がずらり。
ボナールとルドンの屏風が並ぶ。
前者は暗い銀、後者は銅色。
渋いメタリック、そしてそれぞれの画風が出ていて面白い。

チケットにも名前が挙がっているマティスとウォーホルは、正直「は?」でした。

もう少し余裕を持って観たかったところだけど、よかったです。

・・・ところで、琳派ってなに?(汗)
ブリジストン美術館にて。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/expositions/special.html

上野から日本橋へ移動して、初めてのブリジストン美術館へ。

最初に言っとく。
今やってる展覧会のなかで、迷ったらこれにしといて間違いない。

予想をはるかに超えた充実度でした。

17世紀の絵画。
タイトルにある3巨匠にシスレー、ピサロなども加えられた印象派のコーナー。
さらにゴーガン、セザンヌ、ゴッホの各作品。
ヴラマンク、ルドン、ボナール、シニャック、ドンゲン。
マティスの部屋。
ピカソとルオーの部屋。
ルソー、デュフィ、ミロ、ジャコメッティ、デビュッフェ。
近代の日本の洋画。

これを観て、マティスに行くか、ピカソにするか、グッゲンハイムか決めるっていう見方もアリかと。

印象に残った作品。

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(長ぇ!)の「若い女の頭部」の愛らしい表情。
コローの風景画。百数十年前の風景に出会える喜び。

なかなか観る機会がないマネの作品が2点も。
「オペラ座の仮装舞踏会」。どう言えばいいんだろう・・・。
ルノワールの「宮沢りえ」(違)。
ピサロとシスレ−。どちらも精巧な風景画だけど、それぞれ個性が発揮されていて面白い。

ほわっとしたゴーガン。
しゃきっとしたゴッホ。
もわもわとしたセザンヌ(こういうと怒られるか・・でも僕にはそんな印象)。

またモネ(以下略)・・・じゃなくって、モネはそれぞれの展示会でかならず発見があるからすごい。
今回は「黄昏、ヴェネツィア」。海、青い空が一気に赤く染まっていくその瞬間。絶句ものの大胆さ。

ボナール、「灯下」がよかった。僕はボナールは暗めの作品の方が好きみたい。
ヴラマンク「運河船」。今までのヴラマンクの「黒」のイメージを覆させられる、強烈に明るい作品。でもその力強さはヴラマンクそのもの。
ドンゲン「シャンゼリゼ通り」もびっくり。こんなかわいい絵も描いてたのかこの人は。

僕にはやっぱりマティスはイマイチっぽいらしい。。。

記憶では初見のルオー。「郊外のキリスト」が、暗いけど説得力があってよかったです。
ピカソ祭り。今回も「あーメンドクセー!」な作品がありつつ、初期のキュービズムから「何でこんなに綺麗に描けるの?」な女性の絵。

フォートリエはたぶん初めて。かっこいい抽象画「旋回する線」。

日本画はたぶんほぼここのコレクションと思われます。
これまでに一度名前を見たことがある作家の作品を観るのは、過去の記憶がフラッシュバックしてくるので楽しい。
佐伯祐三の2点、藤田嗣治、国吉康雄、鳥海青児が特によかったです。
東京芸術大学にて。
http://www.geidai.ac.jp/event/geisai/

横山大観展の時に芸大の学祭があるのを知り、本日行ってきました。

構内に入ると、まあどこの学祭にもある風景、食べ物の露店が目に入ってきて、、、と思ったら目の前にデカいおみこしが!
ダルマに手足が生えているというやつで、すごい迫力。
こういうのをつくっても独創性を感じて、いろいろと楽しみになってくる。

食べ物の露店に混じって、自作と思われるアクセサリーやTシャツなどのお店がいっぱい。
この辺りは普通の大学とはやっぱり違うんだなぁ、と。

美術学部の学生の作品の展示が校舎内のいたるところに。
校舎が新しいか古いかにもよるけど、普段制作を行ってる(と思われる)教室に展示してあり、どうやらそれは全部で30ケ所以上にも及ぶようで、それでも(たぶん)なんとか全部回ってきました。

たくさんの作品を観て、すごく面白い!と思うものもあれば、観念に走り過ぎてるように思えたり、手先だけで描いているような気がするようなものもあったり。

印象に残ってるのは、版画科のところで観たエッチングとリトグラフの作品、日本画4年生の展示コーナー、最近このblogのよく出てくる「五人展」に出展されてた名古屋剛志さんの作品も展示されていたブース、デザイン科のところで放送されていたテレビアニメ(めちゃくちゃ可笑しかった!)。
府中市美術館にて。
http://www009.upp.so-net.ne.jp/b-angels/endoc.html

くどい。以上。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・だけだとあんまりなので。

絵は、だまし絵のような街や空間のなかに、3等身くらいの人がいっぱい。
そして、絵が、とにかくデカい。

サッカーのゴール>遠藤彰子諸作品>卓球台

おおむねこんな感じ。
たぶんゴールよりも大きい作品もあったはず。
そんな大きなキャンバスに、けったいな風景が描かれていて、だまし絵のようなところは楽しくはあるんだけど、、、くどいっす。

もしかしたら、シャガールが好きな人は好きなのかも。
どういうふうに好きかにもよると思いますが・・・。

常設展は良いです。
牛島憲之の部屋は、和めます。
ガレリア・グラフィカbisにて。
http://gallery.to/grafica

この永井夏夕さんも、先日の五人展に出展された作家のひとり。
個展のお知らせのハガキをいただいたので行ってきました。

・・・不思議な絵です。
絵の中に描かれた「箱庭」、その中にいろんな景色やらが詰め込まれていて。
例えば工場だったり、森だったり、廃虚っぽいものだったり。
絵自体の風景も不思議なんですが、工場のような重いイメージのものが描かれているのに、絵の印象は重くなくて、これが不思議・・・。

また、それぞれの絵が細密で。

実は先の五人展で永井さんの絵を拝見した時は、僕にはなんかこう、伝わってこないなぁ、なんて思ってたんですが、今回拝見した絵はすごく面白かったです。

実際に永井さんにお話を伺ったところ、今回は五人展に出展した作品よりも、ご自身にとって、より「描きたい」絵だそうで、そういう描き手のエネルギーのようなものも伝わってくる感じが。

岡部さんの作品は、のんびりとした感じの油絵で、細かくてある意味シュールな永井さんの絵とあわせて、ギャラリー内になんともいえないコントラストを醸し出してて良かったです。

赤木仁展覧会

2004年9月4日 アート
リトルモア・ギャラリーにて。
http://www.littlemore.co.jp/gallery/gallerytop.html

ちょっと面白そうなので覗いてみました。
ここは有料のギャラリーですが、まあ200円だし。

なんだか油絵らしい油絵を観たって感じです。
絵自体は、会場にかかってたポーティスヘッドの音楽とマッチするような少々おっかない感じで、それぞれの絵の中の女性はそれなりに印象的です。

まあでも、あんまり驚きとか感動とかはなかったです・・・。
松濤美術館にて。
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/20040810_eikyu.html#top

ここは公立の美術館で、入場料がなんとたったの300円。
瑛九は、例の近代日本以下略で、名前が変わってて覚えた作家。
絵もなんだかユニークだったので、今回は良い機会だなと(300円だし)。

油彩の大半が、たくさんのドットで構成されていて、それはそれで圧巻。
ただ、僕の好みとはちょっと違ったのかな、と(これが好き、という人がいるのはわかります)。

印象に残ったのが、まず、「花火」と題された作品。
今回展示されていた油彩の作品のほとんどが「青い」のですが、これはその中にあって強烈に「赤い」。
赤のドットが連なる曲線が幾重にも描かれていて、妖婉さとエネルギッシュな感じが混在しているような。

「冬」、小さな油彩の作品。
ドットで構成されている作品のほとんどに「奥行き」が感じられなかったのですが、この作品は、ちょっと距離をおき角度を変えて観ると、冬というよりもまるで「春」のような鮮やかさ。

他に、タイトルを忘れてしまいましたが、ちょっと大きめの赤などの暖色のドットで構成された作品と、やわらかなパステルカラーの上に遠慮がちに青が乗る抽象画がよかったです。

2階に移動すると、今度はエッチングやリトグラフ、水彩の作品。
水彩の作品で「秋」を描いたものがあって、使う色は3つ、それも軽く点を紙に乗せただけなんですが、これがいちょうの落ち葉っぽくてなんとも。

フォトデッサンのシリーズもユニークでした。

<オマケ>
青山の画廊「ときの忘れもの」でも瑛九展をやってたので、こちらも行ってみました。
http://www.tokinowasuremono.com/tenrankai.html
枚数こそ少ないものの、展示されていた油彩は抽象は鮮やかな青の上の赤が印象的で良かったし、風景画はもともと持っている実力みたいなのが垣間見れます。
こちらにもフォトデッサンシリーズがあって、それはこちらの方に展示されている作品のほうがよかったです。

伊庭靖子展

2004年9月2日 アート
アートフロントギャラリーにて。
http://www.artfront.co.jp/jp/hsg/afg02idx.html

恵比須方面に用事があるついでに、ぴあで観て気になったこの個展に立ち寄ってみました。

ぴあに載ってる絵、一見写真なんですが、これが油絵だと知れば誰でも驚くと思う。
どうしても絵を実際観てみたくなって、、、実際観ると、さらにびっくり。
クッションや布団の一部を拡大した絵。
白い布のしわがつくる陰影。
そのリアルさは絶句ものでした。

ギャラリーのスタッフの方のお話では、今回の絵の場合だと布の写真を撮ってそれを実際描く絵の大きさまで引き伸ばし、それを写すように絵を描くそうで、この陰影感を出すために50種類くらいの色を作るそうです。

最近、油絵って、モネ、マティス、ダリあたりで出来ることをやり尽くしたんじゃないかな、と漠然と感じてたんですが、ぜんぜんそんなことないですね。

余談ですが、このアートフロントギャラリー、代官山にあって、一階ガラス張りのスペースで、良い雰囲気でした。
東京ステーションギャラリーにて。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.html

まだ時間に余裕があったので、東京駅に移動。
事前にここのHPを観てましたが、今回のはどうなのかな、と思いつつ、好きな会場なので行っとこう、と。

真鍋博、名前が記憶にないだけで、見覚えのある(気がする)絵がいっぱい(特に人の顔)。
いきなり細かな線がいっぱいの挿し絵、その後も細かい作品が続くので、それぞれできるだけ作品に顔を近付けてじっくりと。

期待に反して、めちゃくちゃ面白かったです。

単行本の表紙の原画。
カンディンスキーを思わせるような構成や、ミステリアスな色使いなどが印象に残ります。

モノクロの「2001年の日本」は、要するに未来予想なんですが、当たってると言えなくもない絵があったりして楽しい。

「ミステリマガジン」の表紙原画。
ある物の写真に加筆して全然違う物の絵にしてしまってて、そのアイデアがユニークで面白い。

「星をたべた馬」の一連の作品は、色がめちゃくちゃきれい!
それぞれ数色、中には1色の作品もあって、それぞれがパステルカラー。

「自転車賛歌」は突っ込みどころ満載のヘンテコな自転車の絵。
かなり想像力を刺激されて楽しいです。

細かい線がたくさんなので観ていて疲れたけど、こちらも満足でした。

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