手塚雄二 −花月草星− 展
2006年4月30日 アート コメント (49)日本橋高島屋8Fホールにて。(4/20〜5/1)
http://www.nikkei-events.jp/art/tezuka.html
先日紫鴻画廊で拝見し、画廊のスタッフの方にもレコメンドしていただいた手塚雄二氏の回顧展に行ってきました。
デパートでの絵画の展示ということでたくさんの方がいらっしゃってましたが、思いのほか騒々しい感じはなく、落ち着いてじっくりと観ることができました。といっても予定などがあって時間をかけて観ることができなかったが口惜しいのですが...。
まず、会場の最初のところに展示されている大作群の世界に引き込まれました。。。
眼前に広がる風景は、どこまでも遠く...
暮れる冬の日の光を受けたさざ波。
彼方に浮かぶ月影。
雪に沈む木立。
心象に映る景色を、見えるままにていねいにあらわしたような、優しさ、慈しみに溢れる光景。
そういったなかにあって、異様な雰囲気を放っていたのが風神雷神を描いた広大な作品。十数メートルはある屏風の両端にそれぞれ巨大な風神と雷神とがでんと物凄い存在感で描かれ、静けさを破るような力強い雷と、風に舞う無数の方形の箔。尋常でない迫力は感動的。
多くの風景画のなかで、女性をモチーフにした作品の不思議さも忘れ難いです。大人のファンタジーというか、ある種コミカルささえも感じさせるほど。
続いて額に収められた風景画や花の絵が中心の展示へ。
こちらには屏風の大きさそのものによって圧倒されないぶん、絵の雰囲気をじっくりと堪能できました。
何かを描いていたとして、その何かが引き立つように、その何か以外の部分もていねいに描かれていることに感動...。例えば画面の奥に小さくぽっと輝く月があったとして、その深遠な美しさを引き立てているのは凪の水面であり、静かに広がる空の色であり。心が土に返るようなやさしい焦茶色が画面全体を覆い、そこに神々しい輝きを放つ花。まわりには花や葉がひっそりと、ていねいな描写で描かれています。
畑の土の色や夕暮れの空を眺めている時の心地よさにも似た、安心感のある色彩感。1点でも充分に素直に心をゆだねられる作品がたくさんの展示。観ることができて本当に良かったです。
http://www.nikkei-events.jp/art/tezuka.html
先日紫鴻画廊で拝見し、画廊のスタッフの方にもレコメンドしていただいた手塚雄二氏の回顧展に行ってきました。
デパートでの絵画の展示ということでたくさんの方がいらっしゃってましたが、思いのほか騒々しい感じはなく、落ち着いてじっくりと観ることができました。といっても予定などがあって時間をかけて観ることができなかったが口惜しいのですが...。
まず、会場の最初のところに展示されている大作群の世界に引き込まれました。。。
眼前に広がる風景は、どこまでも遠く...
暮れる冬の日の光を受けたさざ波。
彼方に浮かぶ月影。
雪に沈む木立。
心象に映る景色を、見えるままにていねいにあらわしたような、優しさ、慈しみに溢れる光景。
そういったなかにあって、異様な雰囲気を放っていたのが風神雷神を描いた広大な作品。十数メートルはある屏風の両端にそれぞれ巨大な風神と雷神とがでんと物凄い存在感で描かれ、静けさを破るような力強い雷と、風に舞う無数の方形の箔。尋常でない迫力は感動的。
多くの風景画のなかで、女性をモチーフにした作品の不思議さも忘れ難いです。大人のファンタジーというか、ある種コミカルささえも感じさせるほど。
続いて額に収められた風景画や花の絵が中心の展示へ。
こちらには屏風の大きさそのものによって圧倒されないぶん、絵の雰囲気をじっくりと堪能できました。
何かを描いていたとして、その何かが引き立つように、その何か以外の部分もていねいに描かれていることに感動...。例えば画面の奥に小さくぽっと輝く月があったとして、その深遠な美しさを引き立てているのは凪の水面であり、静かに広がる空の色であり。心が土に返るようなやさしい焦茶色が画面全体を覆い、そこに神々しい輝きを放つ花。まわりには花や葉がひっそりと、ていねいな描写で描かれています。
畑の土の色や夕暮れの空を眺めている時の心地よさにも似た、安心感のある色彩感。1点でも充分に素直に心をゆだねられる作品がたくさんの展示。観ることができて本当に良かったです。
土曜日が祝日というのは
2006年4月27日 アート コメント (47)土曜日が祝日というのは、土日が休みになって以来、普通に生活するぶんにはさほど変わらないというか、むしろ振り替え休日を1日損した感じなのかもしれないけど、ギャラリー巡りをするには、祝日がお休み、というギャラリーが案外多いのでちょっと不便。
今週の土曜日は祝日なので、おかげで金曜日で終わってしまう展示が多いのはホントに残念...。
今週でいえば、特に六本木。ヴァイスフェルトのカンノサカンさん、magical.ARTROOMでの大庭大介さん、GALLERY MoMoでの田中麻記子さん、それぞれの個展がそのおかげで金曜日で終了。
それぞれ、芸力でレビューしています。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060327.html#rentogen
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060417.html#magical
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060410.html#momo
最終日でも夜7時までやっているので、余裕がある方はぜひ。
今週始まったばかりのTARO NASU GALLERYでの雄川愛さんの個展もオススメです(来週月曜日掲載分でレビューします)。
結局この春も引いてしまった風邪。
ほとんど治っているのですが、あと一歩、咳が抜けきれない...。
今週の土曜日は祝日なので、おかげで金曜日で終わってしまう展示が多いのはホントに残念...。
今週でいえば、特に六本木。ヴァイスフェルトのカンノサカンさん、magical.ARTROOMでの大庭大介さん、GALLERY MoMoでの田中麻記子さん、それぞれの個展がそのおかげで金曜日で終了。
それぞれ、芸力でレビューしています。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060327.html#rentogen
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060417.html#magical
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060410.html#momo
最終日でも夜7時までやっているので、余裕がある方はぜひ。
今週始まったばかりのTARO NASU GALLERYでの雄川愛さんの個展もオススメです(来週月曜日掲載分でレビューします)。
結局この春も引いてしまった風邪。
ほとんど治っているのですが、あと一歩、咳が抜けきれない...。
日本橋・京橋美術骨董まつり
2006年4月19日 アート先週末に開催されていたこのイベントのお知らせを紫鴻画廊から送っていただき、昨年の加來万周さんの個展以来、ひさびさ伺ってきました。
http://www17.ocn.ne.jp/~shikou-g/
こちらの画廊で展示されていたのは、奥村土牛氏と手塚雄二氏の作品。力強い「生き方」をそのまま映したような奥村の作品に続いて手塚氏の作品を拝見しました。
まず、その色合いに惹かれます。
深い茶色のトーン、敢えていえば鉄錆のような渋い色調。
心に深く沈み込むような渋さが印象的です。
さらに、画面の凹凸の奥から滲み出るような輝きもまた、渋い...。
そして、山の遠景を描いた作品、実際の風景をそのまま再現したというより印象の世界を描いたような感じで、なんだか懐かしくなってくるような...実際の記憶の風景を思い浮かべるというよりは潜在的に持っていたのかもしれない光景を眺めているような感覚があって。。。
4/20から日本橋高島屋で始まる手塚氏の回顧展が楽しみです。
http://www17.ocn.ne.jp/~shikou-g/
こちらの画廊で展示されていたのは、奥村土牛氏と手塚雄二氏の作品。力強い「生き方」をそのまま映したような奥村の作品に続いて手塚氏の作品を拝見しました。
まず、その色合いに惹かれます。
深い茶色のトーン、敢えていえば鉄錆のような渋い色調。
心に深く沈み込むような渋さが印象的です。
さらに、画面の凹凸の奥から滲み出るような輝きもまた、渋い...。
そして、山の遠景を描いた作品、実際の風景をそのまま再現したというより印象の世界を描いたような感じで、なんだか懐かしくなってくるような...実際の記憶の風景を思い浮かべるというよりは潜在的に持っていたのかもしれない光景を眺めているような感覚があって。。。
4/20から日本橋高島屋で始まる手塚氏の回顧展が楽しみです。
先週のギャラリー巡り
2006年4月13日 アート コメント (46)先週観た展示で、芸力でレビューしてないものから印象に残っているものを。
・「DREAMING」Fivepersons’ilustration
@オーパ・ギャラリー(3/31-4/5)
http://www.geocities.jp/opa_gs/html/event20060331.htm
オーパギャラリーらしい、楽しい雰囲気のグループ展。
これまでも何度か拝見してる井上コトリさんの作品がひときわ楽しい!バターの箱やケチャップの容器など、食品が登場するアクリル画で、その折り込み方がユニーク。
驚いたのが、野見山響子さんの作品。細かいのですがどこかほっとするような版画、これが消しゴムの凸版とのこと。木版とはまた違った味わいが新鮮でした。
・humanite lab vol.-9 大畑優美展「Entranc e」
@ギャルリー東京ユマニテ(4/3-4/8)
http://www.kgs-tokyo.jp/human/2006/060403b.html
白を背景に、微生物を連想させるような奇妙で有機的な物体が大きな画面にぶわっと描かれている作品。壁いっぱいの大きさで、逆に観ているこちらがちいさな世界に入り込んだような錯覚を感じます。
・牧ゆかり展
@ギャラリー58(4/3-4/8)
http://www.gallery-58.com/06maki.html
昨年ギャラリーGANで拝見した時は、抽象画でしたが、今回は人物を描いた作品。
前回と同様にピンクなどの突き抜けた明るい色彩の線が画面いっぱいに描かれ、その構成で人物が描かれています。こういう展開は面白い!
・絵本「幸せな王子」清川あさみ×今井智己 作品展
@リトルモア地下(3/17-4/9)
http://www.littlemore.co.jp/chika/past/shiawasena.html
清川あさみさんのテキスタイル。細かくも大胆に組み合わされた布、ミシンで縫い付けられたような糸の線。不思議と透明感を感じます。なかでも夜の街並みのが秀逸で。
・「DREAMING」Fivepersons’ilustration
@オーパ・ギャラリー(3/31-4/5)
http://www.geocities.jp/opa_gs/html/event20060331.htm
オーパギャラリーらしい、楽しい雰囲気のグループ展。
これまでも何度か拝見してる井上コトリさんの作品がひときわ楽しい!バターの箱やケチャップの容器など、食品が登場するアクリル画で、その折り込み方がユニーク。
驚いたのが、野見山響子さんの作品。細かいのですがどこかほっとするような版画、これが消しゴムの凸版とのこと。木版とはまた違った味わいが新鮮でした。
・humanite lab vol.-9 大畑優美展「Entranc e」
@ギャルリー東京ユマニテ(4/3-4/8)
http://www.kgs-tokyo.jp/human/2006/060403b.html
白を背景に、微生物を連想させるような奇妙で有機的な物体が大きな画面にぶわっと描かれている作品。壁いっぱいの大きさで、逆に観ているこちらがちいさな世界に入り込んだような錯覚を感じます。
・牧ゆかり展
@ギャラリー58(4/3-4/8)
http://www.gallery-58.com/06maki.html
昨年ギャラリーGANで拝見した時は、抽象画でしたが、今回は人物を描いた作品。
前回と同様にピンクなどの突き抜けた明るい色彩の線が画面いっぱいに描かれ、その構成で人物が描かれています。こういう展開は面白い!
・絵本「幸せな王子」清川あさみ×今井智己 作品展
@リトルモア地下(3/17-4/9)
http://www.littlemore.co.jp/chika/past/shiawasena.html
清川あさみさんのテキスタイル。細かくも大胆に組み合わされた布、ミシンで縫い付けられたような糸の線。不思議と透明感を感じます。なかでも夜の街並みのが秀逸で。
現象からの新しいかたち 展 −再構築芸術へのいざない− part 1 鈴木太朗
2006年4月12日 アート和田画廊にて。(4/11-4/16)
http://www.h7.dion.ne.jp/~omoya/
最高。出られないかと思った(笑)
この作品をたくさんの方々が楽しんでもらえますように。
でもたくさんすぎて、作品が壊れちゃったりしませんように。
今回の鈴木太朗さん、続く小松宏誠さん、安藤孝浩さんを全部観てスタンプを集める、なんてこともやってます。後日素敵なプレゼントが届くらしい。
http://www.h7.dion.ne.jp/~omoya/
最高。出られないかと思った(笑)
この作品をたくさんの方々が楽しんでもらえますように。
でもたくさんすぎて、作品が壊れちゃったりしませんように。
今回の鈴木太朗さん、続く小松宏誠さん、安藤孝浩さんを全部観てスタンプを集める、なんてこともやってます。後日素敵なプレゼントが届くらしい。
都会犬(。v・)/ タカノ綾 ソロエキシビション《4/9》
2006年4月10日 アート
パルコミュージアムにて。(4/7-4/24)
http://www.parco-art.com/web/museum/takano/
なんだ、アートに興味がある人っていっぱいいるじゃないか。
アーティストトークがあるということでこの日に行ってきた。
言うまでもなく盛況。
ただ、僕が聞きたいと思ってた内容とちょっと違ってた感じだったのと、立ち見で窮屈だったこともあって途中で退出、作品を見るのに専念。
・・・面白い!
いちばん良かったのが、「お告げ」シリーズ。
車両の運転席から身を乗り出して、据わった目で指を差す女の子と、目を大きく開けて差された手を見上げる女の子。
「パチンコ」。パチンコ屋の前で弾けた表情の女の子。いっしょに上映されているビデオ作品も面白い。
大きなキャンバスに描かれた作品もたくさん。
身近な風景を織り込んだものも。
パッと観て分かりやすくて、それでいて作品からいろんなシュールなストーリーが連想されるのもまた楽しい。
人が登場しない作品でさえ、面白い。
会場でもらった「タカノ綾×村上隆。」の対談が面白い。
村上氏はタカノさんに「キミは絶対キャンバスに描くべきだ」とアドバイスしたそうだが、こういう助言ができる人がどれだけいるか。
僕の中で、村上隆氏の印象が大幅に変わってきた。
最初はどうしても氏の作品が好きになれなかった(それは今もそうかもしれない)ので、ちょっと敬遠気味だったけど。
アートを面白くするのはやっぱりアーティストだ。
http://www.parco-art.com/web/museum/takano/
なんだ、アートに興味がある人っていっぱいいるじゃないか。
アーティストトークがあるということでこの日に行ってきた。
言うまでもなく盛況。
ただ、僕が聞きたいと思ってた内容とちょっと違ってた感じだったのと、立ち見で窮屈だったこともあって途中で退出、作品を見るのに専念。
・・・面白い!
いちばん良かったのが、「お告げ」シリーズ。
車両の運転席から身を乗り出して、据わった目で指を差す女の子と、目を大きく開けて差された手を見上げる女の子。
「パチンコ」。パチンコ屋の前で弾けた表情の女の子。いっしょに上映されているビデオ作品も面白い。
大きなキャンバスに描かれた作品もたくさん。
身近な風景を織り込んだものも。
パッと観て分かりやすくて、それでいて作品からいろんなシュールなストーリーが連想されるのもまた楽しい。
人が登場しない作品でさえ、面白い。
会場でもらった「タカノ綾×村上隆。」の対談が面白い。
村上氏はタカノさんに「キミは絶対キャンバスに描くべきだ」とアドバイスしたそうだが、こういう助言ができる人がどれだけいるか。
僕の中で、村上隆氏の印象が大幅に変わってきた。
最初はどうしても氏の作品が好きになれなかった(それは今もそうかもしれない)ので、ちょっと敬遠気味だったけど。
アートを面白くするのはやっぱりアーティストだ。
片柳直美展《4/1》
2006年4月6日 アートなびす画廊にて。(3/27-4/1)
http://www.nabis-g.com/exhibition/2006/katayanagi-n.html
なびす画廊の空間にはこういう作品が良く合う。
入口正面の壁に、複数枚のパネルを組み合わせた横長の巨大な作品、大型ショッピングセンターを建設中の足場を描いたもの。和紙とベニヤのパネル、バーナーの炎で大胆に焼かれて画面に穴が開く大胆さ。工事現場のどこか殺伐とした雰囲気が生々しく表現されていて、かっこいい。
その他にも鉄塔を下方から見上げた大胆な構図の作品など。
http://www.nabis-g.com/exhibition/2006/katayanagi-n.html
なびす画廊の空間にはこういう作品が良く合う。
入口正面の壁に、複数枚のパネルを組み合わせた横長の巨大な作品、大型ショッピングセンターを建設中の足場を描いたもの。和紙とベニヤのパネル、バーナーの炎で大胆に焼かれて画面に穴が開く大胆さ。工事現場のどこか殺伐とした雰囲気が生々しく表現されていて、かっこいい。
その他にも鉄塔を下方から見上げた大胆な構図の作品など。
第61回 春の院展《4/1》
2006年4月4日 アート日本橋三越本館7階ギャラリーにて。(3/28-4/9)
http://www.mitsukoshi.co.jp/nihombashi/haru/index.html
初めて院展を観てきた。
とにかく圧倒的な数の、現役作家の日本画が展示されていて、全部観たか自信がないかもしれない、といった案配なんですが...。
そんななかで自然に目に止まる作品もあって。
その多くが作品を観て、その作家の個展を思い出すといった感じで。
荒木恵信さん、川瀬伊人さん、加來万周さん、この辺りの方々の作品は、一見してそれぞれの個性が伝わってきて嬉しい。
http://www.mitsukoshi.co.jp/nihombashi/haru/index.html
初めて院展を観てきた。
とにかく圧倒的な数の、現役作家の日本画が展示されていて、全部観たか自信がないかもしれない、といった案配なんですが...。
そんななかで自然に目に止まる作品もあって。
その多くが作品を観て、その作家の個展を思い出すといった感じで。
荒木恵信さん、川瀬伊人さん、加來万周さん、この辺りの方々の作品は、一見してそれぞれの個性が伝わってきて嬉しい。
LINE 光と音のインタラクション 鹿川耕治郎+小堀大輔 個展《4/1》
2006年4月2日 アート
和田画廊にて。(3/30〜4/3)
http://www.wadagarou.com/
詳しいレビューは3日にUPされる芸力に譲るとして、とにかく観てほしいんです。
この展示の会期は明日まで。今日、日曜日も開いています。
彼らのイマジネーションが生み出したものを、少しでも多くの人に体験してほしい。
http://www.wadagarou.com/
詳しいレビューは3日にUPされる芸力に譲るとして、とにかく観てほしいんです。
この展示の会期は明日まで。今日、日曜日も開いています。
彼らのイマジネーションが生み出したものを、少しでも多くの人に体験してほしい。
H2O 水の表象 鈴木知子写真展《3/25》
2006年3月30日 アート コメント (2)阿曾美術にて。(3/21-3/27)
http://www.asobi-jyutsu.jp/
ここは以前一度だけ所用で伺ったことがある画廊で、この日たまたま前を通ったら企画展が開催されていたので、しかも写真ということで、ふらりとお邪魔してみました。
銀座の3丁目のビルの5階にある、茶室もあるこの画廊。やわらかく暗めの照明、落ち着いた『和』の雰囲気。それだけでも充分心地よい空間なのですが、今回ここで拝見した写真がまた素晴らしい...。
さまざまな水面を捉えた写真。水草がびっしりと水面を覆って美しいグリーンが広がっているもの、ゆらゆらと揺れる水面に陽の光があたって美しい模様を織り成しているものなど、自然の中にある水の表情を捉えた写真。
この『和』の空間と、新しい風合いの写真との組み合わせの妙も見事で。
この週は21日が祝日でこの日に開いていたギャラリーをあらかた回れたおかげで時間に余裕があって、せっかくのよい機会なのでお抹茶もごちそうになってきました。
静かな非日常。
http://www.asobi-jyutsu.jp/
ここは以前一度だけ所用で伺ったことがある画廊で、この日たまたま前を通ったら企画展が開催されていたので、しかも写真ということで、ふらりとお邪魔してみました。
銀座の3丁目のビルの5階にある、茶室もあるこの画廊。やわらかく暗めの照明、落ち着いた『和』の雰囲気。それだけでも充分心地よい空間なのですが、今回ここで拝見した写真がまた素晴らしい...。
さまざまな水面を捉えた写真。水草がびっしりと水面を覆って美しいグリーンが広がっているもの、ゆらゆらと揺れる水面に陽の光があたって美しい模様を織り成しているものなど、自然の中にある水の表情を捉えた写真。
この『和』の空間と、新しい風合いの写真との組み合わせの妙も見事で。
この週は21日が祝日でこの日に開いていたギャラリーをあらかた回れたおかげで時間に余裕があって、せっかくのよい機会なのでお抹茶もごちそうになってきました。
静かな非日常。
VOCA展 2006《3/19》
2006年3月23日 アート コメント (2)上野の森美術館にて。(3/15〜3/30)
http://www.ueno-mori.org/tenji/voca/2006/index.html
僕がVOCA展を観るのは今年で2度目ですが、すでに春の風物詩的な感じがしてます。
昨年は圧倒的に未知のアーティストの作品が多かったのですが、あれから1年経っていろいろと観て回ったおかげで今年のVOCAでは既知の作家の作品も多く、大好きなあのアーティストの大作が観られるという期待と、それでも未知のアーティストとの出会いがあってその驚きとの両方を堪能できました。
今年のVOCAのハイライトは、なんといっても小西真奈さんの「キンカザン1」「キンカザン2」。
油彩の作品で、「1」はむき出しの岩肌も目立つ波打ち際、「2」は靄が立ち篭めたような感じの鬱蒼とした森。海の青、岩肌の薄茶色、森の緑、どの色彩をとってもこのうえない瑞々しさがほとばしっていて、たっぷりの空間で眺めていて気持ちがどんどん清々しくなっていく感じがします。
小西さんの風景画には人物が登場することが多いのですが(これまで拝見した限りだと)、今回の作品では人物は大画面のなかに小さく描かれていて、これが絵の風景のスケールの大きさをさらに強調しているように思えました。
とにかく必見です!
ロバート・プラットさんの「Rendezvous」。
ミント色の下地に白のスプレッド。画面中央を横切るようにして、疾走する馬のシルエットが連続で描かれ、上方に黒の下地で木目調の模様、低い円柱のなかに鹿などのシルエットがパノラマみたいになって描かれている作品。さまざまなものがさまざまな色彩で重なることで得られるユニークな奥行き、そして使用される色から伝わる爽快感。これだけはっきりとした色彩なのに、ずっと眺めていたくなるような面白い絵です。
既にスターの貫禄がある、蜷川実花さんの「the otherside」。
赤い花が大きくプリントされたパネルに、プレキシパネル(厚めのアクリル板のようなもの?)にマウントされた40枚の写真。
とにかく原色の鮮やかさは強烈!花の表情の艶かしさといい、抜けるような空の青の青さといい、これほど鮮烈な色彩って他ではお目にかかれないような気がします。
橋爪彩さんの「少女都市」。こちらも折りに触れて拝見しているアーティスト。
夜、ガードレールに腰掛ける二人の女の子、彼女達は腰から下の部分しか画面には登場していませんが、それが例によって橋爪さんのエロティックな世界観をより強烈に演出している感じです。ひとりは白のスカートに裸足、脱ぎ散らかされた青のサンダル。もうひとりがチェックのスカートに黒のストッキングと靴。
すごく個性的で特徴のある写実力で、一目見たら忘れられない独特な光景が展開されています。
豊泉綾乃さんの「風景」。15版組の大きな銅版画。
exhibit Liveで初めて拝見した時から、何もないんだけどなぜか印象に残って心に引っ掛かってたのですが、今回大きな画面の作品を広い空間で観て、そのスケールの大きさ、残像の中に入り込むような感覚、焦燥と静謐との印象のコントラスト...とにかくそのモノクロームの世界を堪能できました。
佐伯洋江さんのシャープペンシルによる細密抽象画「Untitled」。
2点出展されていて、どちらも緩みなくピンとていねいに貼られた紙に、蓮、蜘蛛、ダリアをモチーフにしたようなものをとそのまわりに細かい模様などを組み合わせて、金銀の色鉛筆も一部使用しながら硬質で繊細な絵が描かれています。
描かれるもののぐっと引き込まれるような面白さがあるのですが、それとともに「余白の美しさ」も強く印象に残ります。日本のわびさびを未来的な感覚で表現したような。
楊雅淳さんの「遠くて、近いです」というコミカルなタイトルの作品。
内容もコミカル。カーテン状に描かれた白を背景に、緑、赤、黄が混ざりあった中央部。そこに黒の線で踊る人がいろんな縮尺と組み合わせで描かれていて、全体に軽くラメが散らばっているという作品。
描かれる人々の表情や仕草がなんとも言えず面白く、眺めていて思わず笑みが浮かんできます。特に左手前の比較的大きく描かれた女性(?)の表情が秀逸(笑)。
先日のギャラリー小柳や、今は渋谷のトウキョウワンダーサイトでインスタレーションが展示されている鬼頭健吾さんの平面作品「cosmic dust」。
凝縮された透明なビーズ、ピンク、ブルー、ホワイトのアクリル絵の具による糸状の線(たぶんそうだと思うのですが)、その裏に鏡。タイトル通り、まさに「宇宙の塵」が集まったような幻想的で未来的な画面、奥の鏡が効果的なのか、ユニークな奥行きがあります。このれが壁、天井、床に広がった中で、鬼頭さんのインスタレーションが展開されたらすごいだろうなぁ、と。
春木麻衣子さんの写真「Untitled 晴れ」。
例いよって写真の一部、というより画面の9割が黒。この黒はコントロールされたもので、実は青であったりグレーであったり、そういう色の究極の濃いかたちであるのですが、そうやって出現してきた黒の美しさが深く印象に残ります。
先のAランチでもオーダーが多かった(僕はし損ねたのですが、目の前を何度も通過していた)青木克世さんの「鏡よ鏡」。
平面のカテゴリーを強引に広げた、異様に作りこまれたゴージャスな額が強烈なインパクトを発する3点組の磁器の作品。それぞれの画面の中央部はタイルが敷き詰められ、そこに、磁器の白に映える深い青で花と流涎が描かれています。物理的な質感も相まって非常に重厚な作品。額の一部に見受けられるネジ山も生々しい感じ。
豊福春菜さんの写真「untitled #05-03」「#05-04」「#05-05」。
アイデアがかなり面白いです。肌の色の液体に手を浸けて、そこから覗く指などを撮ったものですが、色彩の感触がものすごく有機的なのと、同じ色の面から指が現れている奇妙な光景が印象的です。
パソコンでコントロールされたような作品も。
西原功織さんの油彩「かおをうま 056」。
緑のいななく馬を画面中央にどんと据えて、鮮やかな鞍に跨がる人、背景の紺色のチェックや流れるような赤。キャンバスを覆う絵の具の質感が、太い刷毛の幅が見て取れるほどにぐいぐいと力強く、また迷いのない刷毛捌きも痛快!
こうやって印象に残った作品をピックアップしてみると、既知のアーティストの作品が多くなるな、と。
何度か目にすることで、自分の中でそれぞれのアーティストへの印象や期待が育っていることを、こういう展示では特に強く自覚します。
http://www.ueno-mori.org/tenji/voca/2006/index.html
僕がVOCA展を観るのは今年で2度目ですが、すでに春の風物詩的な感じがしてます。
昨年は圧倒的に未知のアーティストの作品が多かったのですが、あれから1年経っていろいろと観て回ったおかげで今年のVOCAでは既知の作家の作品も多く、大好きなあのアーティストの大作が観られるという期待と、それでも未知のアーティストとの出会いがあってその驚きとの両方を堪能できました。
今年のVOCAのハイライトは、なんといっても小西真奈さんの「キンカザン1」「キンカザン2」。
油彩の作品で、「1」はむき出しの岩肌も目立つ波打ち際、「2」は靄が立ち篭めたような感じの鬱蒼とした森。海の青、岩肌の薄茶色、森の緑、どの色彩をとってもこのうえない瑞々しさがほとばしっていて、たっぷりの空間で眺めていて気持ちがどんどん清々しくなっていく感じがします。
小西さんの風景画には人物が登場することが多いのですが(これまで拝見した限りだと)、今回の作品では人物は大画面のなかに小さく描かれていて、これが絵の風景のスケールの大きさをさらに強調しているように思えました。
とにかく必見です!
ロバート・プラットさんの「Rendezvous」。
ミント色の下地に白のスプレッド。画面中央を横切るようにして、疾走する馬のシルエットが連続で描かれ、上方に黒の下地で木目調の模様、低い円柱のなかに鹿などのシルエットがパノラマみたいになって描かれている作品。さまざまなものがさまざまな色彩で重なることで得られるユニークな奥行き、そして使用される色から伝わる爽快感。これだけはっきりとした色彩なのに、ずっと眺めていたくなるような面白い絵です。
既にスターの貫禄がある、蜷川実花さんの「the otherside」。
赤い花が大きくプリントされたパネルに、プレキシパネル(厚めのアクリル板のようなもの?)にマウントされた40枚の写真。
とにかく原色の鮮やかさは強烈!花の表情の艶かしさといい、抜けるような空の青の青さといい、これほど鮮烈な色彩って他ではお目にかかれないような気がします。
橋爪彩さんの「少女都市」。こちらも折りに触れて拝見しているアーティスト。
夜、ガードレールに腰掛ける二人の女の子、彼女達は腰から下の部分しか画面には登場していませんが、それが例によって橋爪さんのエロティックな世界観をより強烈に演出している感じです。ひとりは白のスカートに裸足、脱ぎ散らかされた青のサンダル。もうひとりがチェックのスカートに黒のストッキングと靴。
すごく個性的で特徴のある写実力で、一目見たら忘れられない独特な光景が展開されています。
豊泉綾乃さんの「風景」。15版組の大きな銅版画。
exhibit Liveで初めて拝見した時から、何もないんだけどなぜか印象に残って心に引っ掛かってたのですが、今回大きな画面の作品を広い空間で観て、そのスケールの大きさ、残像の中に入り込むような感覚、焦燥と静謐との印象のコントラスト...とにかくそのモノクロームの世界を堪能できました。
佐伯洋江さんのシャープペンシルによる細密抽象画「Untitled」。
2点出展されていて、どちらも緩みなくピンとていねいに貼られた紙に、蓮、蜘蛛、ダリアをモチーフにしたようなものをとそのまわりに細かい模様などを組み合わせて、金銀の色鉛筆も一部使用しながら硬質で繊細な絵が描かれています。
描かれるもののぐっと引き込まれるような面白さがあるのですが、それとともに「余白の美しさ」も強く印象に残ります。日本のわびさびを未来的な感覚で表現したような。
楊雅淳さんの「遠くて、近いです」というコミカルなタイトルの作品。
内容もコミカル。カーテン状に描かれた白を背景に、緑、赤、黄が混ざりあった中央部。そこに黒の線で踊る人がいろんな縮尺と組み合わせで描かれていて、全体に軽くラメが散らばっているという作品。
描かれる人々の表情や仕草がなんとも言えず面白く、眺めていて思わず笑みが浮かんできます。特に左手前の比較的大きく描かれた女性(?)の表情が秀逸(笑)。
先日のギャラリー小柳や、今は渋谷のトウキョウワンダーサイトでインスタレーションが展示されている鬼頭健吾さんの平面作品「cosmic dust」。
凝縮された透明なビーズ、ピンク、ブルー、ホワイトのアクリル絵の具による糸状の線(たぶんそうだと思うのですが)、その裏に鏡。タイトル通り、まさに「宇宙の塵」が集まったような幻想的で未来的な画面、奥の鏡が効果的なのか、ユニークな奥行きがあります。このれが壁、天井、床に広がった中で、鬼頭さんのインスタレーションが展開されたらすごいだろうなぁ、と。
春木麻衣子さんの写真「Untitled 晴れ」。
例いよって写真の一部、というより画面の9割が黒。この黒はコントロールされたもので、実は青であったりグレーであったり、そういう色の究極の濃いかたちであるのですが、そうやって出現してきた黒の美しさが深く印象に残ります。
先のAランチでもオーダーが多かった(僕はし損ねたのですが、目の前を何度も通過していた)青木克世さんの「鏡よ鏡」。
平面のカテゴリーを強引に広げた、異様に作りこまれたゴージャスな額が強烈なインパクトを発する3点組の磁器の作品。それぞれの画面の中央部はタイルが敷き詰められ、そこに、磁器の白に映える深い青で花と流涎が描かれています。物理的な質感も相まって非常に重厚な作品。額の一部に見受けられるネジ山も生々しい感じ。
豊福春菜さんの写真「untitled #05-03」「#05-04」「#05-05」。
アイデアがかなり面白いです。肌の色の液体に手を浸けて、そこから覗く指などを撮ったものですが、色彩の感触がものすごく有機的なのと、同じ色の面から指が現れている奇妙な光景が印象的です。
パソコンでコントロールされたような作品も。
西原功織さんの油彩「かおをうま 056」。
緑のいななく馬を画面中央にどんと据えて、鮮やかな鞍に跨がる人、背景の紺色のチェックや流れるような赤。キャンバスを覆う絵の具の質感が、太い刷毛の幅が見て取れるほどにぐいぐいと力強く、また迷いのない刷毛捌きも痛快!
こうやって印象に残った作品をピックアップしてみると、既知のアーティストの作品が多くなるな、と。
何度か目にすることで、自分の中でそれぞれのアーティストへの印象や期待が育っていることを、こういう展示では特に強く自覚します。
今日は、いろんな人とお目にかかれた。
まず、先週に続いて女子美へ。
こちらでは、今年修了の工芸作家、新井ちひろさん、小山暁子さん、橋本麻希さんと再会。2月に同時期に銀座でそれぞれ個展を開催された皆さんが今回は作品といっしょにお揃いで。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060220.html#ecru
どうしても時間の都合がつかず、味スタを断念(良かったんだか悪かったんだか...)。
銀座に直行、森田画廊へ。こちらで開催中のミニアチュール展、後日レビューが芸力にUPされますが、芳名帳に大好きな作家の川瀬伊人さんのお名前を見つけ、ギャラリーに無理をお願いして連絡をとってもらい、不忍画廊で1年ぶりにお目にかかれた。
不忍画廊で開催されていた藤浪理恵子さんの個展。
これが素晴らしかった。
http://www.shinobazu.com/exhib/0603-sub.htm
叫びの表情の銅版画、網に石膏を塗り付けて作った画面に描いた肖像画など、どれも引き付けられるほどに力強い。
雨が降り始めるなか、いろいろと観て回り、今日の銀座の最後にお邪魔したぎゃらりぃ朋で、大変参考にさせていただいているサイト「[日本画]ALL ABOUT」の松原洋一さんと初めてお目にかかる。
http://allabout.co.jp/entertainment/japanesepaint/profile/mbiopage.htm
それから清澄白河のギャラリー倉庫へ。
複数のギャラリーの展示のオープニングが重なった今日、やはりたくさんの方でいっぱい。こちらでは先月INAXギャラリーで個展をなさってた大和由佳さんと。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060206.html#inax
他にも、それぞれのギャラリーで素敵な作品を作る方々と。
まず、先週に続いて女子美へ。
こちらでは、今年修了の工芸作家、新井ちひろさん、小山暁子さん、橋本麻希さんと再会。2月に同時期に銀座でそれぞれ個展を開催された皆さんが今回は作品といっしょにお揃いで。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060220.html#ecru
どうしても時間の都合がつかず、味スタを断念(良かったんだか悪かったんだか...)。
銀座に直行、森田画廊へ。こちらで開催中のミニアチュール展、後日レビューが芸力にUPされますが、芳名帳に大好きな作家の川瀬伊人さんのお名前を見つけ、ギャラリーに無理をお願いして連絡をとってもらい、不忍画廊で1年ぶりにお目にかかれた。
不忍画廊で開催されていた藤浪理恵子さんの個展。
これが素晴らしかった。
http://www.shinobazu.com/exhib/0603-sub.htm
叫びの表情の銅版画、網に石膏を塗り付けて作った画面に描いた肖像画など、どれも引き付けられるほどに力強い。
雨が降り始めるなか、いろいろと観て回り、今日の銀座の最後にお邪魔したぎゃらりぃ朋で、大変参考にさせていただいているサイト「[日本画]ALL ABOUT」の松原洋一さんと初めてお目にかかる。
http://allabout.co.jp/entertainment/japanesepaint/profile/mbiopage.htm
それから清澄白河のギャラリー倉庫へ。
複数のギャラリーの展示のオープニングが重なった今日、やはりたくさんの方でいっぱい。こちらでは先月INAXギャラリーで個展をなさってた大和由佳さんと。
http://homepage2.nifty.com/geiriki/ten/randr/060206.html#inax
他にも、それぞれのギャラリーで素敵な作品を作る方々と。
平成17年度女子美術大学卒業制作作品展・大学院修了制作作品展《3/12》
2006年3月13日 アート女子美術大学にて。
小田急線とバスを乗り継いで、相模大野の女子美術大学へ。
午後は別に行きたいところがあったので、午前中の早い時間に到着したら、あまりの閑散ぶりにおもいっきり「大丈夫か・・・?」と心配しながら校舎内の広場をうろうろしてたら、見兼ねた守衛さんが案内図をくれました( ´∀`)
限られた時間で観てしまおうということで、卒業制作の洋画・日本画は申し訳ないと思いつつパス。
まずはアートミュージアムでの修了制作から。
ロビーに、先月末にEcru+HMでの個展で拝見した新井ちひろさんの磁器の万華鏡。ショーケースの中に飾られていて、外からの自然光で白色が映えていて、清々しい感じです。
残念ながら手にとってその中の万華鏡の景色を観ることができなかったのですが...この作品が万華鏡であることをいらっしゃったスタッフの方もご存じじゃなかったようで、説明したらすごく感謝されました(笑)。ひとつだけ横倒しで置かれていて、ちょっとだけ万華鏡の中が覗けるようになってます。
こちらで他に印象に残ったのは、阿部久仁子さんの銅版画。
紙屑やピン、くぎなどが雑然と置かれているのを、影を用いず線だけで描かれていて、そのコミカルな味わい深さが面白い作品でした。
そのとなりの安藤咲さんのシルクスクリーンもいい感じ、厚手の手透きの紙に、カラフルな色と黒の線とで構成されたポップな作品で、たくさんの文字の踊るような配置もユニーク。
高橋美帆さんのゲーム「わたげの冒険」。
センサーが内蔵されたたんぽぽの綿毛に息を吹き付けて、スクリーンの綿毛をコントロールし、うまい具合に陸に落としてたんぽぽを咲かせるゲームなんですが、2度挑戦して挫折...。でも面白かったです。
濱裕美子さんの陶の作品、個人的にはこちらが拝見できたのがいちばん嬉しかった!
土の色が心地よい陶の壺で、四季がモチーフにされています。壺自体のかたちもやわらかくて、そこに季節の花やうさぎ、犬で飾られているのがまた微笑ましい。
他に印象に残ったもの...。
・さいとうちひろさんの黒のボックスライト
・藤川祥世さんの青の線画
・108のカエルと言葉が面白かった下里太佳子さんの出力作品
・井上織衣さんのタマネギの薄皮を金色の糸で縫い合わせて作ったおばあちゃんの立像
・廣田由香さんのカエルの磁器
続きを観たいと思うアーティストの作品に出会えるのはホントに楽しい。
小田急線とバスを乗り継いで、相模大野の女子美術大学へ。
午後は別に行きたいところがあったので、午前中の早い時間に到着したら、あまりの閑散ぶりにおもいっきり「大丈夫か・・・?」と心配しながら校舎内の広場をうろうろしてたら、見兼ねた守衛さんが案内図をくれました( ´∀`)
限られた時間で観てしまおうということで、卒業制作の洋画・日本画は申し訳ないと思いつつパス。
まずはアートミュージアムでの修了制作から。
ロビーに、先月末にEcru+HMでの個展で拝見した新井ちひろさんの磁器の万華鏡。ショーケースの中に飾られていて、外からの自然光で白色が映えていて、清々しい感じです。
残念ながら手にとってその中の万華鏡の景色を観ることができなかったのですが...この作品が万華鏡であることをいらっしゃったスタッフの方もご存じじゃなかったようで、説明したらすごく感謝されました(笑)。ひとつだけ横倒しで置かれていて、ちょっとだけ万華鏡の中が覗けるようになってます。
こちらで他に印象に残ったのは、阿部久仁子さんの銅版画。
紙屑やピン、くぎなどが雑然と置かれているのを、影を用いず線だけで描かれていて、そのコミカルな味わい深さが面白い作品でした。
そのとなりの安藤咲さんのシルクスクリーンもいい感じ、厚手の手透きの紙に、カラフルな色と黒の線とで構成されたポップな作品で、たくさんの文字の踊るような配置もユニーク。
高橋美帆さんのゲーム「わたげの冒険」。
センサーが内蔵されたたんぽぽの綿毛に息を吹き付けて、スクリーンの綿毛をコントロールし、うまい具合に陸に落としてたんぽぽを咲かせるゲームなんですが、2度挑戦して挫折...。でも面白かったです。
濱裕美子さんの陶の作品、個人的にはこちらが拝見できたのがいちばん嬉しかった!
土の色が心地よい陶の壺で、四季がモチーフにされています。壺自体のかたちもやわらかくて、そこに季節の花やうさぎ、犬で飾られているのがまた微笑ましい。
他に印象に残ったもの...。
・さいとうちひろさんの黒のボックスライト
・藤川祥世さんの青の線画
・108のカエルと言葉が面白かった下里太佳子さんの出力作品
・井上織衣さんのタマネギの薄皮を金色の糸で縫い合わせて作ったおばあちゃんの立像
・廣田由香さんのカエルの磁器
続きを観たいと思うアーティストの作品に出会えるのはホントに楽しい。
HOME AND AWAY
2006年3月11日 アート コメント (4)今日はギンザ界隈の後でお茶の水へ。
お茶の水は勝手知ったる街、ではすでにないけれども、大事なギャラリーやアートスペースがあるのでなんとなくホームタウンなイメージがある。
まず、ギャラリーf分の1から。
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/
昨年は二人展をここで開催して印象に残ってた東北芸工大の修了生、佐藤真衣さんの個展。その二人展でいっしょに出展してた中野幸枝さんも、こちらは人形町にある東北芸工大のサテライトキャンパスで個展を開催されていて、ちょうどお茶の水から移動してきた中野さんと久々にお話しした後、お茶の水へ向かった次第。
展示の感想は後日「芸力」の「展力Review」に譲るとして、お二人とも昨年は意見したスタイルからしっかりと深化してたのが分伝わって嬉しい。
f分の1ではここの常連という獣医さんにお会いする。蟻の話など。
続いて美篶堂へ。
http://www.misuzudo-b.com/
ジャン・ピエール・テンシンさんの個展。
人形とオブジェを使った映画、ちいさなケースに入ったオブジェなど。そのオブジェ、ケースの外に付いてるスイッチを入れるとなかに明かりが付いて、覗き窓からなかが観られるようになっているもので、ちいさなグラス、貝殻、コインなんかが配置してあるだけでこんなにもドリーミーな世界が。
いつものスタッフの方はお忙しそうだったので、挨拶も遠慮して。
さらに、今年初めて言水制作室にお邪魔する。
http://www.kotomizpress.jp/
川崎美智代さんの個展も開催されていて、こちらにいらっしゃった川崎さんと、言水ヘリオさんにこのところのエピソード聞いていただく。
言水さんは独特の立ち位置からアート界に接してる方ということもあってか、お話しさせていただくとホントに楽しい。
ホームを後にして、アウェイゾーン、神楽坂へ。
こちらに新しくできたYuka Sasahara Galleryで、昨年の芸大の修了展示が謎だった加藤千尋さん参加の二人展ということで。
で、さすがに一発でたどり着けるようになった例のビルに、時間ギリギリで駆け込むと、高橋コレクションのスタッフの方がちょうど閉めてるところ、そこをわざわざ再び電気をつけていただく。
http://www.takahashi-collection.com/
秋山さやかさんの作品はどういうものか情報は得ていたけれど、実際に拝見すると予想よりも面白く、キャプションもユニークだった...が、時間がない状況ではその面白さも充分に堪能できず、あらためて拝見することに。
で、肝心のYuka Sasahara Galleryは、もうひとつ奥の建物であることを教えていただいて、あの急な階段を駆け降り、ようやく辿り着くと、こちらはちょうど施錠してるところだった。
http://www.yukasasaharagallery.com/
久々の神楽坂の洗礼。。。
さらにご厚意でふたたび開けていただく。
加藤千尋さんの作品は、特に壁に据え付けの立体作品のカラフルさが新しいギャラリーの真っ白な壁に映えていて、もうひとりの三宅砂織さんの無彩色の平面作品も面白い。
が、こちらもあらためて時間を作って見に行くことに。
あたたかいホームの出迎えと、まけないくらいあたたかいアウェイの洗礼を受けた今日も充実のアート三昧な一日。
そしてそんな楽しい一日に釘を刺す、東京の負け。。。
勝ってればtotoも当たってたのに。orz
P.S.こちらでごあいさつ。
加茂さん、はじめまして、突然のリンクすみません、アートのお話が多かったもので。
今後もよろしくお願いいたします。
お茶の水は勝手知ったる街、ではすでにないけれども、大事なギャラリーやアートスペースがあるのでなんとなくホームタウンなイメージがある。
まず、ギャラリーf分の1から。
http://home.att.ne.jp/air/galleryf-1/
昨年は二人展をここで開催して印象に残ってた東北芸工大の修了生、佐藤真衣さんの個展。その二人展でいっしょに出展してた中野幸枝さんも、こちらは人形町にある東北芸工大のサテライトキャンパスで個展を開催されていて、ちょうどお茶の水から移動してきた中野さんと久々にお話しした後、お茶の水へ向かった次第。
展示の感想は後日「芸力」の「展力Review」に譲るとして、お二人とも昨年は意見したスタイルからしっかりと深化してたのが分伝わって嬉しい。
f分の1ではここの常連という獣医さんにお会いする。蟻の話など。
続いて美篶堂へ。
http://www.misuzudo-b.com/
ジャン・ピエール・テンシンさんの個展。
人形とオブジェを使った映画、ちいさなケースに入ったオブジェなど。そのオブジェ、ケースの外に付いてるスイッチを入れるとなかに明かりが付いて、覗き窓からなかが観られるようになっているもので、ちいさなグラス、貝殻、コインなんかが配置してあるだけでこんなにもドリーミーな世界が。
いつものスタッフの方はお忙しそうだったので、挨拶も遠慮して。
さらに、今年初めて言水制作室にお邪魔する。
http://www.kotomizpress.jp/
川崎美智代さんの個展も開催されていて、こちらにいらっしゃった川崎さんと、言水ヘリオさんにこのところのエピソード聞いていただく。
言水さんは独特の立ち位置からアート界に接してる方ということもあってか、お話しさせていただくとホントに楽しい。
ホームを後にして、アウェイゾーン、神楽坂へ。
こちらに新しくできたYuka Sasahara Galleryで、昨年の芸大の修了展示が謎だった加藤千尋さん参加の二人展ということで。
で、さすがに一発でたどり着けるようになった例のビルに、時間ギリギリで駆け込むと、高橋コレクションのスタッフの方がちょうど閉めてるところ、そこをわざわざ再び電気をつけていただく。
http://www.takahashi-collection.com/
秋山さやかさんの作品はどういうものか情報は得ていたけれど、実際に拝見すると予想よりも面白く、キャプションもユニークだった...が、時間がない状況ではその面白さも充分に堪能できず、あらためて拝見することに。
で、肝心のYuka Sasahara Galleryは、もうひとつ奥の建物であることを教えていただいて、あの急な階段を駆け降り、ようやく辿り着くと、こちらはちょうど施錠してるところだった。
http://www.yukasasaharagallery.com/
久々の神楽坂の洗礼。。。
さらにご厚意でふたたび開けていただく。
加藤千尋さんの作品は、特に壁に据え付けの立体作品のカラフルさが新しいギャラリーの真っ白な壁に映えていて、もうひとりの三宅砂織さんの無彩色の平面作品も面白い。
が、こちらもあらためて時間を作って見に行くことに。
あたたかいホームの出迎えと、まけないくらいあたたかいアウェイの洗礼を受けた今日も充実のアート三昧な一日。
そしてそんな楽しい一日に釘を刺す、東京の負け。。。
勝ってればtotoも当たってたのに。orz
P.S.こちらでごあいさつ。
加茂さん、はじめまして、突然のリンクすみません、アートのお話が多かったもので。
今後もよろしくお願いいたします。
2/28〜3/5のアート巡り
2006年3月7日 アート☆マークは芸力(http://geiriki.jp )でレビューしてます!
《2/28、3/4》
☆Field of Now −U-40−(2/28-3/4)
@洋協アートホール
http://www.yokyo.or.jp/06now/index.html
《3/1、3/5》
☆Aランチ(3/1-3/10)
@アクシスギャラリーアネックス
http://www.a-lunch.com/
《3/2》
・岡島礼子個展 切り絵の絵本展『ドライブしよう!』(2/27-3/4)
@Pinpoint Gallery
http://www.pinpointgallery.com/06OKAJIMA.html
・横田美砂緒個展「大江戸八百八町」(2/27ー3/4)
@GALLERY HOUSE MAYA
http://www.gallery-h-maya.com/index.html
☆ハシモトミカ『ダリア窓』展(2/25-3/9)
@UPLINK GALLERY
http://www.uplink.co.jp/gallery/log/001046.php
《3/4》
朝、出かけようと外に出たら自転車が盗まれてた。
しょうがないから電車でギャラリー巡り、それから戻って駅の近くを探したら出てきた。
...なにをやってんだ警察は。
・土屋敦資 展(2/27-3/4)
@養清堂画廊
http://www.yoseido.com/
・久里洋二 新作展(2/7-3/4)
@APS西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2006/kuri.html
・宮城澄 展(2/27-3/4)
@ガレリアグラフィカbis
http://www2.big.or.jp/%7Eadel/grafica.html
☆三瀬 夏之介展(2/27ー3/4)
@画廊宮坂
http://www5a.biglobe.ne.jp/%7Emiyasaka/garou/sakuhin_fs_2006___mise_natunosuke.html
・柏原裕子展(2/27-3/5)
@Oギャラリー
http://www4.big.or.jp/%7Eogallery/Pages/ryakureki/kasiha.html
☆大塩紗永展(2/28-3/9)
@番町画廊
http://www.bancho-gallery.com/
・濱田 早織 展(2/27-3/4)
@Gallery 58
http://www.gallery-58.com/06hamada.html
☆堀恵子展 〜踊る人〜(3/3-3/11)
@ぎゃらりぃ朋
・村田和恵(2/27-3/4)
@ギャラリー銀座フォレスト・ミニ
・工藤礼二郎 展(2/20-3/4)
@ギャラリー現
http://www.jpartmuseum.com/g_gen/
・甲斐すみ子 展 -プランツ・シューズ- (3/1-3/29)
@INAX GALLERY 2
http://www.inax.co.jp/Culture/2006_03/2_03kai.html
・封印された星展(2/28-3/11)
@ギャラリー椿
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2006/060228.htm
☆堀直子個展「花ごよみ-四季彩-」(2/27-3/11)
@アートギャラリー環
http://www.art-kan.co.jp/
☆吉田 有紀 展 -GROOVE LINE-(3/1-3/14)
@アートフロントギャラリー
http://www.artfront.co.jp/jp/hsg/afg02idx.html
《3/5》
・荒井経展
作家が客に詫びさせる状況を作る画廊主は最低だ。
《2/28、3/4》
☆Field of Now −U-40−(2/28-3/4)
@洋協アートホール
http://www.yokyo.or.jp/06now/index.html
《3/1、3/5》
☆Aランチ(3/1-3/10)
@アクシスギャラリーアネックス
http://www.a-lunch.com/
《3/2》
・岡島礼子個展 切り絵の絵本展『ドライブしよう!』(2/27-3/4)
@Pinpoint Gallery
http://www.pinpointgallery.com/06OKAJIMA.html
・横田美砂緒個展「大江戸八百八町」(2/27ー3/4)
@GALLERY HOUSE MAYA
http://www.gallery-h-maya.com/index.html
☆ハシモトミカ『ダリア窓』展(2/25-3/9)
@UPLINK GALLERY
http://www.uplink.co.jp/gallery/log/001046.php
《3/4》
朝、出かけようと外に出たら自転車が盗まれてた。
しょうがないから電車でギャラリー巡り、それから戻って駅の近くを探したら出てきた。
...なにをやってんだ警察は。
・土屋敦資 展(2/27-3/4)
@養清堂画廊
http://www.yoseido.com/
・久里洋二 新作展(2/7-3/4)
@APS西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2006/kuri.html
・宮城澄 展(2/27-3/4)
@ガレリアグラフィカbis
http://www2.big.or.jp/%7Eadel/grafica.html
☆三瀬 夏之介展(2/27ー3/4)
@画廊宮坂
http://www5a.biglobe.ne.jp/%7Emiyasaka/garou/sakuhin_fs_2006___mise_natunosuke.html
・柏原裕子展(2/27-3/5)
@Oギャラリー
http://www4.big.or.jp/%7Eogallery/Pages/ryakureki/kasiha.html
☆大塩紗永展(2/28-3/9)
@番町画廊
http://www.bancho-gallery.com/
・濱田 早織 展(2/27-3/4)
@Gallery 58
http://www.gallery-58.com/06hamada.html
☆堀恵子展 〜踊る人〜(3/3-3/11)
@ぎゃらりぃ朋
・村田和恵(2/27-3/4)
@ギャラリー銀座フォレスト・ミニ
・工藤礼二郎 展(2/20-3/4)
@ギャラリー現
http://www.jpartmuseum.com/g_gen/
・甲斐すみ子 展 -プランツ・シューズ- (3/1-3/29)
@INAX GALLERY 2
http://www.inax.co.jp/Culture/2006_03/2_03kai.html
・封印された星展(2/28-3/11)
@ギャラリー椿
http://kgs-tokyo.jp/tsubaki/2006/060228.htm
☆堀直子個展「花ごよみ-四季彩-」(2/27-3/11)
@アートギャラリー環
http://www.art-kan.co.jp/
☆吉田 有紀 展 -GROOVE LINE-(3/1-3/14)
@アートフロントギャラリー
http://www.artfront.co.jp/jp/hsg/afg02idx.html
《3/5》
・荒井経展
作家が客に詫びさせる状況を作る画廊主は最低だ。
第54回東京藝術大学修了作品展《2/25、26》
2006年3月3日 アート コメント (2)東京藝術大学にて。(2/22〜2/26)
http://www.geidai.ac.jp/topic/sintyaku_kiji/20051227/index.html
今年度の芸大の修了展示、週末の2日かけてじっくりと観てきました。すでに個展などでお目にかかったことがある方の作品も多いのも時間をかけた理由のひとつで、加えて初めて知る方のも刺激的で新鮮なものも多く、ジャンルも多岐にわたっているのでとにかく楽しめました。
芸大美術館はロビーから展示が始まっています。
ここでは松永龍太郎さんの3対パーテーションに描かれた、表裏合わせて6点の岩彩の作品が。花や蝶が描かれた明るい面とグレーの色調の暗めの面とがそれぞれ対になっていて、ふわりと広がるイメージ。
続いて地下の会場の内、ノンジャンル的なセレクトのほうへ。
石川美沙さんの5枚組のテキスタイル。黒の背景に青、茶色、赤でどこかの街の遠景が織り込まれた感じ。もこもことした厚めの布の質感に加えてちょっとコミカルな絵の感じ、寒い季節には嬉しいあったかい作品。
大野由紀子さんの光の作品。横長のパネルの中に2×10に並んだ回転する青の光。ファンタスティックできれいな光の流れの軌跡。そう難しくない構造らしいのですが、眺めて感じるイメージはかなり未来的。
芹田紀恵さん、岩彩の3点組。縦長の画面にそれぞれ女性の立ち姿。金属系の顔料による背景でそれぞれに月と黒猫、美しい衣装に身を纏った女性の静かな表情が印象的、すうっと遠くへ流れる時間を感じられる作品です。
こちらでは他にも工芸作品で面白いものがたくさん。
となりの絵画展示へ。こちらにも気になっている作家の作品多数。
まず、大沢拓也さん。全面が黒の色調の深さにまず引き付けられ、そこから見えてくるもの、背景にひとつひとつていねいに重ねられるさまざまなシルエット、そこからイメージの中で展開していく奥行き感。気になる作家です。
先日個展でも拝見した高島圭史さんの作品、神々しく煙るような雲、そこに紛れて、頭から胴、脚とだんだん姿を現してくる、空を駆ける馬の姿。壮大なスケール感、疾走感があります。
橋爪彩さんの作品が観られたのもうれしいです。5点、例によってかなりの写実力で展開されるイメージの世界。橋爪さん独特の雰囲気に溢れていて、壁際に咲く白い花だけが描かれた作品でさえも、引き込まれるような感触があります。
寺内誠さんの作品、4枚組で、まずブルーの瑞々しい鮮やかさに圧倒されます。水に映る木のシルエット、雲、シャンデリア、カーテンなど、その透明感がさらに強調されるようなモチーフが織り込まれていて、清々しい後味が心地よいです。
美術館の3階へ。こちらにもさまざまな作品が。
九冨美香さんの作品はどこか深遠です。ガラスのパーテーション、どこかの風景の写真だと思うのですが、それがプリントされたガラスが銀色の縁取りで組まれ、表裏のガラス板の間に鏡面が入っていて、重厚な質感。
岡野望世さんが描く海辺の風景の大胆で鮮やかな色使い。青から暖色系へと自然に流れるグラデュエーションがホントにきれい。
休憩スペースに浦和志津香さんの屏風。金色を背景に描かれる菖蒲。オーソドックスなスタイルの中にくっきりとした稜線による丸みがなんとなくコミカルな感じがあって、和めます。
中央棟のロビーへ、こちらには小松宏誠さんの光のインスタレーション。5×5に並んだ筒、そのなかに脱色された鳥の羽がひとつはいっていて、これが筒の下のファンで吹き上げられ、同様に筒の下からの光が当たって暗闇の中に白い光が浮かぶ、というもの。コンピュータでコントロールされていて、ファンの強さで羽の浮く高さが調節されていたりして、もっといろんな可能性を感じる展示でした。
中央工房棟では大西景太さんの映像作品「floating polyphony」が面白かった!
黒い画面にふわっと画面下から球や立方体が浮かび上がってきて、その動きにあわせてコミカルな効果音が。そしてそれらが画面の中を動いたり、それに合わせてぶつかったり、はたまた変型したり中から別のものが登場したり...ひとつひとつの動きがいちいち面白くて、どんどんものが増えていくたびに効果音も重なって、それがひとつのエレクトロニカな曲になっている、というもの。たった3分ほどの作品で、繰り返し何度も観てしまいました。
他にも印象的な作品多数、今後また別な形で拝見できることがホントに楽しみです。
http://www.geidai.ac.jp/topic/sintyaku_kiji/20051227/index.html
今年度の芸大の修了展示、週末の2日かけてじっくりと観てきました。すでに個展などでお目にかかったことがある方の作品も多いのも時間をかけた理由のひとつで、加えて初めて知る方のも刺激的で新鮮なものも多く、ジャンルも多岐にわたっているのでとにかく楽しめました。
芸大美術館はロビーから展示が始まっています。
ここでは松永龍太郎さんの3対パーテーションに描かれた、表裏合わせて6点の岩彩の作品が。花や蝶が描かれた明るい面とグレーの色調の暗めの面とがそれぞれ対になっていて、ふわりと広がるイメージ。
続いて地下の会場の内、ノンジャンル的なセレクトのほうへ。
石川美沙さんの5枚組のテキスタイル。黒の背景に青、茶色、赤でどこかの街の遠景が織り込まれた感じ。もこもことした厚めの布の質感に加えてちょっとコミカルな絵の感じ、寒い季節には嬉しいあったかい作品。
大野由紀子さんの光の作品。横長のパネルの中に2×10に並んだ回転する青の光。ファンタスティックできれいな光の流れの軌跡。そう難しくない構造らしいのですが、眺めて感じるイメージはかなり未来的。
芹田紀恵さん、岩彩の3点組。縦長の画面にそれぞれ女性の立ち姿。金属系の顔料による背景でそれぞれに月と黒猫、美しい衣装に身を纏った女性の静かな表情が印象的、すうっと遠くへ流れる時間を感じられる作品です。
こちらでは他にも工芸作品で面白いものがたくさん。
となりの絵画展示へ。こちらにも気になっている作家の作品多数。
まず、大沢拓也さん。全面が黒の色調の深さにまず引き付けられ、そこから見えてくるもの、背景にひとつひとつていねいに重ねられるさまざまなシルエット、そこからイメージの中で展開していく奥行き感。気になる作家です。
先日個展でも拝見した高島圭史さんの作品、神々しく煙るような雲、そこに紛れて、頭から胴、脚とだんだん姿を現してくる、空を駆ける馬の姿。壮大なスケール感、疾走感があります。
橋爪彩さんの作品が観られたのもうれしいです。5点、例によってかなりの写実力で展開されるイメージの世界。橋爪さん独特の雰囲気に溢れていて、壁際に咲く白い花だけが描かれた作品でさえも、引き込まれるような感触があります。
寺内誠さんの作品、4枚組で、まずブルーの瑞々しい鮮やかさに圧倒されます。水に映る木のシルエット、雲、シャンデリア、カーテンなど、その透明感がさらに強調されるようなモチーフが織り込まれていて、清々しい後味が心地よいです。
美術館の3階へ。こちらにもさまざまな作品が。
九冨美香さんの作品はどこか深遠です。ガラスのパーテーション、どこかの風景の写真だと思うのですが、それがプリントされたガラスが銀色の縁取りで組まれ、表裏のガラス板の間に鏡面が入っていて、重厚な質感。
岡野望世さんが描く海辺の風景の大胆で鮮やかな色使い。青から暖色系へと自然に流れるグラデュエーションがホントにきれい。
休憩スペースに浦和志津香さんの屏風。金色を背景に描かれる菖蒲。オーソドックスなスタイルの中にくっきりとした稜線による丸みがなんとなくコミカルな感じがあって、和めます。
中央棟のロビーへ、こちらには小松宏誠さんの光のインスタレーション。5×5に並んだ筒、そのなかに脱色された鳥の羽がひとつはいっていて、これが筒の下のファンで吹き上げられ、同様に筒の下からの光が当たって暗闇の中に白い光が浮かぶ、というもの。コンピュータでコントロールされていて、ファンの強さで羽の浮く高さが調節されていたりして、もっといろんな可能性を感じる展示でした。
中央工房棟では大西景太さんの映像作品「floating polyphony」が面白かった!
黒い画面にふわっと画面下から球や立方体が浮かび上がってきて、その動きにあわせてコミカルな効果音が。そしてそれらが画面の中を動いたり、それに合わせてぶつかったり、はたまた変型したり中から別のものが登場したり...ひとつひとつの動きがいちいち面白くて、どんどんものが増えていくたびに効果音も重なって、それがひとつのエレクトロニカな曲になっている、というもの。たった3分ほどの作品で、繰り返し何度も観てしまいました。
他にも印象的な作品多数、今後また別な形で拝見できることがホントに楽しみです。
2/20〜2/26のアート巡り
2006年3月1日 アート☆マークは芸力(http://geiriki.jp )でレビューしてます!
《2/20》
☆服部公太郎 Name・less Objects(2/20-2/26)
@フタバ画廊
・やる気まんまんの彫刻家達展(2/20-2/25)
@ギャラリー坂巻
http://kgs-tokyo.jp/interview/2006/060220a/060220a.htm
☆金丸悠児展 -Cactus II-(2/20-3/1)
@四季彩舎
http://www.shikisaisha.com/kanamaru-shoukai1.htm
《2/23》
・阿波紙展2006『紙匠』(2/22-2/26)
@ギャラリーエス
・camaboco展(2/23-2/27)
@yasu gallery
・第6回 日本画・彫刻 B-WORKS展(2/21-3/6)
@シブヤ西武8F美術画廊
《2/25》
★東京芸術大学卒業・修了作品展(2/22-2/26)
@東京芸術大学、東京都美術館
http://www.geidai.ac.jp/topic/sintyaku_kiji/20051227/index.html
・五美大展(2/22-2/26)
@東京都美術館
http://info.musabi.ac.jp/info/2005/12/post_597f.html
☆三枝淳 個展(2/20-2/25)
@銀座スルガ台画廊
☆集治千晶(2/20-3/4)
@シロタ画廊
http://www.gaden.jp/shirota/2006/060220.html
☆3COLORS 呉亜沙×大谷有花×會田千夏 展(2/24-3/4)
@不忍画廊
http://www.shinobazu.com/schedule.htm#3colors
☆グループ展「ラントシャフト」(2/24-3/25)
@ヴァイスフェルト
http://www.roentgenwerke.com/works/landschaft2006/landschaft.html
・飯田淳展(2/21-3/11)
@GALLERY MINMIN
・村田朋泰展(2/11-3/31)
@GALLERY MoMo
☆ARTRONIK
@Super Delux
http://www10.ocn.ne.jp/%7Etakeya/newpage1.htm
《2/26》
・第三回七味展(2/20-2/26)
@柴田悦子画廊
・多摩美術大学日本画卒業制作展(2/20-2/26)
@東京銀座画廊
《2/20》
☆服部公太郎 Name・less Objects(2/20-2/26)
@フタバ画廊
・やる気まんまんの彫刻家達展(2/20-2/25)
@ギャラリー坂巻
http://kgs-tokyo.jp/interview/2006/060220a/060220a.htm
☆金丸悠児展 -Cactus II-(2/20-3/1)
@四季彩舎
http://www.shikisaisha.com/kanamaru-shoukai1.htm
《2/23》
・阿波紙展2006『紙匠』(2/22-2/26)
@ギャラリーエス
・camaboco展(2/23-2/27)
@yasu gallery
・第6回 日本画・彫刻 B-WORKS展(2/21-3/6)
@シブヤ西武8F美術画廊
《2/25》
★東京芸術大学卒業・修了作品展(2/22-2/26)
@東京芸術大学、東京都美術館
http://www.geidai.ac.jp/topic/sintyaku_kiji/20051227/index.html
・五美大展(2/22-2/26)
@東京都美術館
http://info.musabi.ac.jp/info/2005/12/post_597f.html
☆三枝淳 個展(2/20-2/25)
@銀座スルガ台画廊
☆集治千晶(2/20-3/4)
@シロタ画廊
http://www.gaden.jp/shirota/2006/060220.html
☆3COLORS 呉亜沙×大谷有花×會田千夏 展(2/24-3/4)
@不忍画廊
http://www.shinobazu.com/schedule.htm#3colors
☆グループ展「ラントシャフト」(2/24-3/25)
@ヴァイスフェルト
http://www.roentgenwerke.com/works/landschaft2006/landschaft.html
・飯田淳展(2/21-3/11)
@GALLERY MINMIN
・村田朋泰展(2/11-3/31)
@GALLERY MoMo
☆ARTRONIK
@Super Delux
http://www10.ocn.ne.jp/%7Etakeya/newpage1.htm
《2/26》
・第三回七味展(2/20-2/26)
@柴田悦子画廊
・多摩美術大学日本画卒業制作展(2/20-2/26)
@東京銀座画廊
須田国太郎展《2/19》
2006年2月23日 アート コメント (2)東京国立近代美術館にて。(1/13-3/5)
http://www.momat.go.jp/Honkan/Suda/index.html
「法観寺塔婆」。
僕にとって須田国太郎はこの一点を描いた作家というだけで、大事な作家。
もう一昨年になる、芸大美術館とMOTとで行われた「再考:近代日本の絵画」展。僕が絵を見始めの頃に観た印象に残る企画展で、そのときに観たたくさんの作品のなかでももっとも深く心に残っている作品のひとつがこの「法観寺塔婆」だった。
茜色と紫とで紡ぎ出された深い色彩感。
柱が並ぶ奥に、そびえる塔。画面全体から伝わる力強い縦の動線。
MOTでも相当の時間を近衛との対峙に費やしたのを今でもしっかり覚えているくらい。
今回も、距離を変え、角度を変え、その度に変化する作品の表情をしっかりと感じ、味わい、自身の絵を観るフレッシュな感覚をしっかりと取り戻せたような。。。
回顧展なので他にもたくさんの作品が展示されていて、眺めていていいなと思えるものもあったけど、結局「法観寺塔婆」だけを観てきた。
あらためて思い返して、自分でも驚くくらいにこの一点だけで充分だった。須田の年表やキャプションにある他の情報も一切必要としないくらいに、純粋にひとつの作品だけに満足できた。
「法観寺塔婆」を再び観ることが出来て本当によかった。
こういう、自分にとって大事と思える作品に出会えたことはすごく幸せなことだと思う。
**********
もし、須田が現役の作家であったなら、絶対に違う印象を持ったと思う。次はどんな作品を描くだろう、と期待したと思う。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Suda/index.html
「法観寺塔婆」。
僕にとって須田国太郎はこの一点を描いた作家というだけで、大事な作家。
もう一昨年になる、芸大美術館とMOTとで行われた「再考:近代日本の絵画」展。僕が絵を見始めの頃に観た印象に残る企画展で、そのときに観たたくさんの作品のなかでももっとも深く心に残っている作品のひとつがこの「法観寺塔婆」だった。
茜色と紫とで紡ぎ出された深い色彩感。
柱が並ぶ奥に、そびえる塔。画面全体から伝わる力強い縦の動線。
MOTでも相当の時間を近衛との対峙に費やしたのを今でもしっかり覚えているくらい。
今回も、距離を変え、角度を変え、その度に変化する作品の表情をしっかりと感じ、味わい、自身の絵を観るフレッシュな感覚をしっかりと取り戻せたような。。。
回顧展なので他にもたくさんの作品が展示されていて、眺めていていいなと思えるものもあったけど、結局「法観寺塔婆」だけを観てきた。
あらためて思い返して、自分でも驚くくらいにこの一点だけで充分だった。須田の年表やキャプションにある他の情報も一切必要としないくらいに、純粋にひとつの作品だけに満足できた。
「法観寺塔婆」を再び観ることが出来て本当によかった。
こういう、自分にとって大事と思える作品に出会えたことはすごく幸せなことだと思う。
**********
もし、須田が現役の作家であったなら、絶対に違う印象を持ったと思う。次はどんな作品を描くだろう、と期待したと思う。