今回のアートギャラリー環は、1階と2階のフロアでそれぞれ日本画の展示となっています。
http://www.art-kan.co.jp/frame/tenran/ten_f.htm

・大島真由美 個展「景色」 @アートギャラリー環1F(11/14〜11/26)

先月下旬の芸大での展示で拝見した、畳のうえにランダムに並べられた屏風の作品のユニークさが印象に残っていて、そのときに大島さんご本人に御案内いただいたこの展示、楽しみにしてました。

ちいさなスペースの中央に畳が敷かれ、そこに膝くらいの高さの屏風とそれよりもひとまわりちいさなものとが折り重なるように置かれています。
全体があかるい黄色や青といった色彩で、くっきりとしていながらも実にやわらかな質感。
そういった色を背景に、同様に暖かみを感じる黒い稜線とからりとした色とで、もりもりとさまざまなものが描かれています。
それらはぐいっと引力が伝わってくるよう風景を感じさせるものであったり、かと思えば細かい人の影のようなものが並んで描かれていたり...。

そして、そういった絵がちいさな屏風の表裏に描かれていて。
会場にあるちいさな腰かけに座って目の高さを屏風にあわせて眺めて、屏風に描かれるいろんなものを探していくのがけっこう楽しくて、また和めます。
ちょっとした和風のインスタレーションといった感じ。

今回の作品は、芸大での作品のように並べてひとつの作品、というわけではないそうですが、同じ色彩の作品は何となくひとつの流れのようなものが感じられて、そそういったものを連想するのもまた楽しいことです。

・川又聡・松岡歩 日本画展 @アートギャラリー環2F(11/14〜11/26)

それぞれ、力のある作品が4点ずつ。

川又さんの作品は、主に風景画。
それも馴染みのある東京の街の風景がていねいに描かれています。
しっとりとした照明の効果もあると思うのですが、渋めの色彩はどこはかとなく夕暮れの時間を思わせる感じで、作品からは人々の日々の営みさえも伝わってくるようで。。。
そういった作品の中で1点だけ風合いが違う作品が、階段のスペースに展示されています。
「空」というタイトルで、縦長の画面の手前には水面に映った円筒形の鉄塔が並ぶコンビナートが描かれ、その上に座る女性、さらに蔦の葉が。いちばん奥の背景にはにぶい光を放つ箔が用いられ、ちいさな作品ながら独特の静謐姦に引き付けられます。

松岡さんは、「水の町」という作品が特に印象的です。これまで味わったことがない世界観。。。
鉄橋や柵といった、無機的な景色が伝わってくるようなさまざまなものが重なるように画面の中に織り込まれ、その空間を泳ぐ二匹の機械仕掛けの魚。
しかも、画面はほぼ全面が銅色で覆われていて...このファンタジックさは実に不思議です。
また、女性が描かれた作品はエキゾチックな雰囲気が充満しているようで、そのふわっと広がるような静けさが独特です。

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