にじ画廊にて。(11/10〜11/15)
http://www12.ocn.ne.jp/%7Eniji/exhibition.htm

京都造形芸術大学を卒業されて、現在はそれぞれ東京と京都で活動される女の子のふたり展。
おふたりとも日本画で、展示の仕方がちょっとユニーク。
というのも、ある区切りからそれぞれの作品を分けて展示するのではなく、いろんな大きさや作風の作品を交互に展示されていました。

また、作品によって作家のクレジットが入ったキャプションがなかったのでどの作品がどちらの作家のものか最初は分からなかったのですが、作品の中のサインをヒントに確かめていくのもそれはそれで案外楽しいことだったりします。

おふたりとも人物をモチーフにした作品が多く、それぞれ角野さんは現代風の美人画、齊藤さんはちょっともってりとした独特の表情が印象的、といった感じです。
展示されていた作品のなかで、それぞれの大きな作品が特に印象に残りました。

まず、角野さん。
3枚のパネルを組んだ作品で、女性の長い髪が風になびき、そこから鳥たちが飛び立っている、という静謐感漂うファンタスティックな内容です。
この作品のユニークなところは紙の使い方で。パネルに直張りされた紙にまず描かれ、そこにかなり薄い美濃和紙が上張りされていて、下地に描かれた夜を連想させる色彩の上にやわらかな美濃和紙の質感と、その繊維のきらめきが作品の雰囲気をよりいっそう高貴なものに仕立てています。
女性の表情や鳥の優雅さと合わせて、深く印象に残ります...。

そして、齊藤さん。
こちらは体全体に咲き乱れる花の入れ墨が入ったおそらく女性の後ろ姿。
真っ黒の背景に凛と浮かび上がる肌の色と、その肌の上でさらに映える花。齊藤さんの作品に登場する人物はゆったりとした緩い感じが印象的なのですが、この作品だけぐっと力強い存在感を感じました。
そして、眼を奪うのが背景の黒。荒めの粒子の岩絵の具を使用しているそうで、ざらついた表面から感じる大胆さがたいへん新鮮で。

これからもふたりでの活動を続けていかれるそうで。
今のお互いのスタイルの距離感はちょうどいいというか、一緒に展示して調和する違い、といった感じでした。
次に拝見するときはどういう世界が広がっているかたいへん興味深く、楽しみです。

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