ミヅマアートギャラリーにて。(10/26〜11/26)

アクリル絵の具の鮮やかな発色で描かれた、日本刀を手に持つ上半身裸の男。
描かれる絵のその迷いの無さにまず、ぐっときます。
そして、これだけ現代的、むしろ未来的な色彩であるにもかかわらず、日本刀や髷、入れ墨、作品によっては男のまわりを登る龍によって、伝統的な日本のアートの風合いもしっかり感じられます。

この展示では、比較的大きな作品が展示されています。
そのために描かれる男たちもかなり大きく、明るい発色による背景のなかにその姿をしっかりと晒しています。
アクリル絵の具によってさまざまな時代が混ざったような感触がより強調されているようで、作品から掴むイメージはかなり具体的なのにもかかわらず、奇妙で不思議な雰囲気にかなり引き込まれるような感じがします。

そして、そういったアクリル画が中心の展示の中にあってもっとも衝撃的な印象に残ったのが、1点だけ展示されている掛け軸。
トレーシングペーパーに鉛筆で描かれた作品で、それをそのまま掛け軸に仕立ててあります。
絵の部分にはほかの作品と同様に刀を持って構える上半身裸の武士。
そして、そのまわりを四角く囲む唐草模様の枠の部分なども実にていねいに描かれています。
照明を反射してそれ自体が発光しているようなトレ−シングペ−パ−の風合いに、細かく描かれた鉛筆画。
アクリル画以上にさまざまな時代が織り込まれている印象で、特に未来的な感覚が極度に振り切っているような感覚。
これは本当に一見の価値があります。

原画ではありませんが、奥のスペースにあった、2006年のワールドカップサッカーのポスターもユニーク。

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