福原画廊にて。(10/24〜11/2)

精度。。。

主に、水彩画と銀鉛筆画の展示。

まず、銀鉛筆画。
布を頭からかぶった女性を描いた作品。
1本1本の細い線で描き上げられた布の表情がとにかく丁寧。女性の表情はもちろん、かぶった布の皺や曲線が、それこそ布の繊維まで再現しているのでは、と思ってしまうような細やかさ。
この銀鉛筆、一般の鉛筆と比べてやはり若干白っぽく明るい色なものの、より硬質な、描くというよりももっと金属的な感じ...銅版をニードルで彫ったような、そういう印象。
そして、背景の黒、こちらはおそらく木炭が使用されていると思うのですが、この黒の深みがまた独特の濃さ。
ちょっと用語は忘れてしまったのですが、この銀鉛筆の芯の色が画面に残るようにするために、支持体となる紙に圧力がかけられ、表面に薬品が塗られると行った具合にかなり手が加えられているようで、銀鉛筆による細い線の間から覗く紙の質感もなかなかに味のある感じです。

水彩画。
グラスにはいった果実などの静物画で、こちらも驚くほどに写実。
水彩画であるのにぱっと見ただけだと「にじみ」がまるで見受けられず、かといって水彩でしかありえない色の出方で。
ちょっと観たことがないくらいの透明感で、グラスが光を反射して白くなっているところにはあえて絵の具を使わずに紙の色がそのまま活かされていたり。
背景も、絵の中心である果実などをしっかり引き立てつつ、その色彩自体がぐっと引き込まれそうな落ち着いた濃いブラウン。

このまったく違う画材・画質の作品が並んでも、それが同じ作家の作品であるということにはまったく疑いを持たないほどに作風に統一感があったのも印象的で。
その「精度」には心から感服です。伺った日が作家の三浦さんが不在の日でお話を伺えなかったのが残念でした。。。

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