APS・西村画廊にて。(10/4〜10/29)
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2005/isshki.html

絵が揺れる。。。

油彩の写実の花の絵。
ダリア、紫陽花、朝顔、チューリップ、ベゴニアなど、さまざまな花が画面いっぱいに大きく、リアルに描かれています。

・・・とにかく圧倒されます。その写実具合に脱帽。
もう、写真よりも本物に近いんじゃないかというくらいに。。。
花びらが陽射しを受けて繊維を透かしつつ光を反射している様子が丁寧に、そして大胆に再現されていて、確かに近付くと油絵具がキャンバスに乗っているのが分かるのですが、ちょっと距離を置くと実物よりも大きく描かれている花々がさまざまな色彩を思いっきり発散させながら咲き乱れる、ある意味エロティックささえ感じてしまうその姿に目を奪われっぱなし。
まさに、薄くやわらかな花びらがそこにあるようなリアルさで、そんなはずはないのに花びらが微風を感じて揺れているような錯覚さえ覚えます。
また、チューリップやベゴニアなど、花によっては花びらが開くその真上から描かれていて、あまり見かけない構図によって花々が目一杯に広がっていこうとするような勢いさえも感じます。

そして...もっとも印象的だったのが、桜。
桜の絵は特に日本画でよく見かけるわけですが、同じ種類の花を描いたとは思えないほどに、もうぜんぜん別物で。
日本的な味わいというか、咲いてすぐに散る「もののあわれ」みたいな感触の多くの日本画の桜のイメージがすべて一気に吹き飛ぶような、ものすごい勢いで花を開き、直線的な日の光を受けて輝くようにその姿を晒す満開の桜の花の絵。強烈なインパクトです。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索