イサム・ノグチ展(10/06)
2005年10月21日 アート東京都現代美術館にて。(9/16〜11/27)
http://www.ntv.co.jp/isamu/
僕らはとても緩やかな曲面の上に立っている。
おおきな明かりの空間を抜けると、たくさんの優しい曲線・曲面に溢れていた。
初期の小さなオブジェの味わいのある表情。
真鍮が丁寧に磨かれて、そこに映り込む自分の姿がコミカルにデフォルメされたような感じで、腕や足を動かしてみたり距離を変えたりして変化する姿を楽しんだり。
緩やかな曲線を描く、浅黒いブロンズの板を組み合わせてできたオブジェ。作品によって大きさ、形もさまざまで、小動物や鳥をイメージさせるものはその姿を愛でるように接し、人がすっぽり隠れるくらいの大きさのものは、実際に身を潜めてみて作品のほうから見える人の流れを眺めたり。
作品によってはすごく繊細に感じる部分、かなりギリギリで安定させているような緊張したところもあったりしたが、アートを観るというよりはむしろ「遊具」と接するような楽しさで。。。
石の彫刻。
こちらは照明もぐっと落とされ、一気に落ち着いた空間。
おそらくもともとある形を活かしたうえで、部分的に表面を磨いたり削ったりして豊かな表情をつくり出しているような感じで。
「石」という素材が持つとてつもなく長い時間を感じる質感と、何故か未来的なイメージとが違和感なく共存していて、静かな心持ちに。
・・・「エナジーヴォイド」の優しさは、圧巻だった。
圧巻、と言う言葉だとちょっと強い表現のような気ももするが、横から、そして上から(東京府美術館展の会場から眺めることができます)とさまざまな角度で眺めて...重力に深々と腰を据えているように感じたり、ふわりと浮かぶようなイメージも沸き上がってきたり、という具合にさまざまな表情で接してくれて、とにかく心地よかった。
そのかたちから鎖のひとつにも見えて、もしこの大きさの鎖がぶら下がっていたら...なんて想像も。
最後にモエレ沼公園のビデオと模型。
ひとりのアーティストの壮大な計画がこうやって実現することがまず素晴らしい。
それほど多くの人の心を動かしたと言う事実こそが...。
そして、その空間に実際にいると、あらためて実感することがきっとあると思う。
ノグチの人生も簡単にビデオで紹介されていて、もっとノグチについて知りたくなってきた。
なんでこうも優しさや慈しみ溢れているのだろう...と思う。
この展示でほぼ初めてノグチを知った僕の浅い知識と作品の印象からの想像だと、陳腐な表現だが、世界全体、地球全体の平和・安寧を作品に託しているように思えてならない。。。
僕らは、とても緩やかな曲面の上に、立っている。
http://www.ntv.co.jp/isamu/
僕らはとても緩やかな曲面の上に立っている。
おおきな明かりの空間を抜けると、たくさんの優しい曲線・曲面に溢れていた。
初期の小さなオブジェの味わいのある表情。
真鍮が丁寧に磨かれて、そこに映り込む自分の姿がコミカルにデフォルメされたような感じで、腕や足を動かしてみたり距離を変えたりして変化する姿を楽しんだり。
緩やかな曲線を描く、浅黒いブロンズの板を組み合わせてできたオブジェ。作品によって大きさ、形もさまざまで、小動物や鳥をイメージさせるものはその姿を愛でるように接し、人がすっぽり隠れるくらいの大きさのものは、実際に身を潜めてみて作品のほうから見える人の流れを眺めたり。
作品によってはすごく繊細に感じる部分、かなりギリギリで安定させているような緊張したところもあったりしたが、アートを観るというよりはむしろ「遊具」と接するような楽しさで。。。
石の彫刻。
こちらは照明もぐっと落とされ、一気に落ち着いた空間。
おそらくもともとある形を活かしたうえで、部分的に表面を磨いたり削ったりして豊かな表情をつくり出しているような感じで。
「石」という素材が持つとてつもなく長い時間を感じる質感と、何故か未来的なイメージとが違和感なく共存していて、静かな心持ちに。
・・・「エナジーヴォイド」の優しさは、圧巻だった。
圧巻、と言う言葉だとちょっと強い表現のような気ももするが、横から、そして上から(東京府美術館展の会場から眺めることができます)とさまざまな角度で眺めて...重力に深々と腰を据えているように感じたり、ふわりと浮かぶようなイメージも沸き上がってきたり、という具合にさまざまな表情で接してくれて、とにかく心地よかった。
そのかたちから鎖のひとつにも見えて、もしこの大きさの鎖がぶら下がっていたら...なんて想像も。
最後にモエレ沼公園のビデオと模型。
ひとりのアーティストの壮大な計画がこうやって実現することがまず素晴らしい。
それほど多くの人の心を動かしたと言う事実こそが...。
そして、その空間に実際にいると、あらためて実感することがきっとあると思う。
ノグチの人生も簡単にビデオで紹介されていて、もっとノグチについて知りたくなってきた。
なんでこうも優しさや慈しみ溢れているのだろう...と思う。
この展示でほぼ初めてノグチを知った僕の浅い知識と作品の印象からの想像だと、陳腐な表現だが、世界全体、地球全体の平和・安寧を作品に託しているように思えてならない。。。
僕らは、とても緩やかな曲面の上に、立っている。
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