加來万周 風雅―fuga―(10/8)
紫鴻画廊にて。(10/5〜10/15)
http://www17.ocn.ne.jp/~shikou-g/new.html

日本画の可能性はいったいどこまで。。。
・・・メインストリームの日本画としては、間違いなくもっとも先にいる作家のひとりだと思いました。
ちょっと、すごかった...。

麻の紙に描かれた、風景などの写実の作品。
使用されている画材は、まず目に付くのが金泥、あるいは銀泥。そして、岩絵の具。
金泥、銀泥が使用されている作品がそれぞれあって、おおまかに金の画面の作品と銀の画面のとに分けられます。
麻の紙は表面が軽く毛羽立たせてあって、そこに金・銀泥が乗って表面の紙の繊維が金・銀に染まることで、画面全体に実に繊細な陰影が現れて、それが金・銀の色彩に尋常でない深みを与えています。
また、膠で画面に凹凸が付けられていて、作品の精巧さと共に、まるでその質感はむしろ彫刻作品のようにも感じられます。それほどに重厚で。
そこに岩絵の具でさらなる深みや広がりが加えられているような。。。

描かれる風景は、少なくとも僕の目からは特別な風景ではなく。。。
ただ、そういう風景であっても、それこそ卓越した技術でその風景が持つ深みや静謐さが引き出されていて、ひとつひとつの作品にかなりの説得力があり、それぞれの作品と対峙する「覚悟」を迫られるような感じがします。

この大きさの作品にこれほど圧倒されたことはないかもしれない、というくらいに深く印象に残ります。
加來さんは芸大の日本画を修了されているとのことなのですが、修了製作はどんな作品だったのだろう、と。。。
機会があれば拝見してみたいです。

・・・作品にもたいへん驚かされたのですが、それ以上に驚いたのが、僕と同郷ということはお目にかかる前から分かっていたのですが、いろいろお話を伺ってみると僕と高校が同じで、しかも加來さんは僕より学年が2つ下、すなわち1年間は同じ高校に通っていたというものすごい偶然がありまして。。。
これまで拝見した芸大日本画の方だけでなく、高校時代の知り合いも多数いることが判明し、思いがけず懐かしい話で盛り上がってしまいました(笑)。

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