加守田章二展(10/3)
東京ステーションギャラリーにて。(9/10〜10/23)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

今回の東京ステーションギャラリーは、いつもと違って陶の展示。
でも、いつもと違うのは平面でないということだけで、会場の空気、展示の雰囲気は相変わらず。

いつものように、第一展示室から。
味わい深い色彩、質感の陶器がひとつひとつ、それぞれ独特の世界を提示するように並んでいます。
無論素晴らしいです、しかし、皿なり壺なり、使われてナンボでしょう、という思いがどこかにあって、そういう実際に使われてどうなんだろう、というイメージが湧かない陶器にいまいちピンと来ないところがあって。。。

しかし。
続く第二展示室、その最初に展示されている作品。
濃いグレーをした陶筒は、その全体が幾何的なフォルムになっていて、さらに表面に、曲線を描く細い紋が幾重にも重ねられていて、この尋常でない味わい深さに目が覚める思いが。
とにかくその存在感、実用できることはもちろん魅力ではあるけれども、それよりもその陶筒そのものの魅力の凄みに心から感嘆。写真では絶対に伝わらないです。

以降、さまざまな紋や模様が入った陶の作品が続き、その見事さ、素晴らしさにいちいち感動。
いくつかの色がリズム感のある形で重なって、あたかも「織られた」ような模様になっているものであったり、透明感のある青で抽象的な絵がが描かれていたり。
形も、不可思議で無機的なものもあって、それが有機的な陶の質感と合わさってなんともいえない落ち着きがあったり。。。

大きなキャプションにあった加守田自身の言葉に「自分が造るのは陶器であって陶器でなく芸術である」という内容のものがあって至極納得。
もしここに展示されている鉢に何か花が生けられたり、皿に料理が並べられたとしても、本来脇役になるべきである鉢や皿の強烈な存在感で花や料理の魅力は伝わらないだろうな、と。

鉢や壺といった本来実用的な形こそとっていますが、ここに展示されていた加守田の陶は、そういったものの形を借りた立派なアートだと感じ入った次第。

・・・この日の帰り道、日本橋辺りの歩道の模様が加守田に見えました(笑)。

《感想リンク》
http://pocketwarmer.blogzine.jp/movie/2005/09/__a08a.html
http://ameblo.jp/taikoudo/entry-10004303933.html
http://artslog.seesaa.net/article/7319013.html

(@京都国立近代美術館)
http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/2005/06/post_680b.html
http://saito-art.com/blog/blosxom.cgi/art/exhibition/kamoda.htm

(@陶芸メッセ益子)
http://www.ryukyu.ne.jp/~sheemer/archives/000014.html

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