ゲント美術館名品展 西洋近代美術のなかのベルギー(9/4)
2005年9月8日 アート
世田谷美術館にて。(6/11〜9/4)
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200507128003-1.htm
行くか行かないか決めかねていたのですが、世田谷美術館ということもあり、最終日に滑り込みで観に行ってきました。
ヨーロッパ近代の油彩の作品は観る機会が多いのでこの企画展に対しては何か新しいものは期待せず、ただ純粋に「ああ、観といて良かったなぁ」と思える作品に出会えれば、という感じで観始めました。
印象に残った作品。。。
・レオン・デ・スメット「室内」(1911)
点描で描かれた作品で、印象派独特のふわりとした画面の質感、画面全体の色彩の印象は淡い青。
壁には2つの絵、壁際の棚に2枚の皿、石像。ダイニングテーブルには茶器、白い花が活けられた花瓶。
そういった脇役たちの控えめな佇まい...そして、奥のソファに腰かけて抱擁しあう男女。。。
この作品としばらく対峙していると、静謐感のなかにささやかな幸福感が広がるような、優しい気分に。
・アンリ・ル・シダネル「ホワイトガーデンのテーブル、ジェルブロワ」(1906)
夕刻のある建物の中庭の風景を描いた作品。
右手前に描かれるグリーンのテーブル。その上には茶器、グラス、ワインボトル、水差し、3つのバラが活けられた花瓶。奥の建物には、室内の明かりが赤いカーテン越しに灯っていて。うっすらと暮れる時間の落ち着いた雰囲気で。これからここでディナーが始まるようなイメージは湧かず、むしろ何もなくそのまま日が暮れていくようなイメージで、なんとなくちょっと寂しいような...それでいてやわらかい印象を受けました。
・エドワード・アトキンソン・ホーネル「春の田園詩」(1905)
画面中央には女の子が二人。ひとりは座っていて、もうひとりは横たわっていて。その奥には仔やぎ。
画面全体には白い花が、地面には黄色い花が広がるように描かれていて、楽しげな春の印象。
正真正銘の20世紀初頭のヨーロッパの油彩の作品ですが、今の感覚で接しても充分新鮮で。
・アルフレッド・ステヴァンス「マグダラのマリア」(1887)
先日のギュスターヴ・モローでも同名の作品があったような気がしたのでちょっと気になりました。
無垢な表情で虚空を見つめているような表情の金髪かつ長髪、髑髏を右腕に抱え、左腕は頬杖をついているマグダラ。
先日のモロー展でも同じタイトルの作品があったような気がして。
・コンスタン・ベルメーケ「眠る農夫」(製作年クレジットなし)
数少ない油彩ではないもののひとつで、キャンバスに貼った茶色の紙の木炭で描かれた作品。
大きな手や、膝を軽く折って右腕を枕にし、ごろりと横たわって眠る農夫がもっさりのんびりと描かれていて、コミカルな感触でほっとします。
観ながらあらためて気付いたのですが、ベルギーの作家の作品が中心の展示で、ヨーロッパ全体の絵画スタイルの流れに沿って、それにベルギーの絵画が呼応していく様子が分かりやすく提示されていました。
こういうところの丁寧さは世田谷美術館ならでは、のような気がします。
また、展示内容とは直接関係ないことなのですが、スペインはちょっと違うかもしれませんが、近代ヨーロッパの各国のアート界は「ヨーロッパ」の絵画の流れに概ね沿っていて...要するに今回だとベルギーが極端に突出していることはなく(たしかに象徴主義においてはリードしていたかも知れませんが)。このことを思うと、「日本画」という独自のスタイルが存在する日本のアートの「個性」ってもっともっと誇りに思っていいのかな、と。
とにかく、観ておいて良かったです!
《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/6bc0ee83b5c206119d6a6ecb9ce3eb10
http://jiyu-runner.cocolog-nifty.com/tannsihin/2005/07/post_58e5.html
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=286
http://blog.livedoor.jp/scarlettvivi368497/archives/29168996.html
http://blog.goo.ne.jp/code_null/e/3e4d9d9181e18b13b0c79ce5b30b2657
http://oki304.blog.ocn.ne.jp/lily/2005/06/post_2f98.html
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200507128003-1.htm
行くか行かないか決めかねていたのですが、世田谷美術館ということもあり、最終日に滑り込みで観に行ってきました。
ヨーロッパ近代の油彩の作品は観る機会が多いのでこの企画展に対しては何か新しいものは期待せず、ただ純粋に「ああ、観といて良かったなぁ」と思える作品に出会えれば、という感じで観始めました。
印象に残った作品。。。
・レオン・デ・スメット「室内」(1911)
点描で描かれた作品で、印象派独特のふわりとした画面の質感、画面全体の色彩の印象は淡い青。
壁には2つの絵、壁際の棚に2枚の皿、石像。ダイニングテーブルには茶器、白い花が活けられた花瓶。
そういった脇役たちの控えめな佇まい...そして、奥のソファに腰かけて抱擁しあう男女。。。
この作品としばらく対峙していると、静謐感のなかにささやかな幸福感が広がるような、優しい気分に。
・アンリ・ル・シダネル「ホワイトガーデンのテーブル、ジェルブロワ」(1906)
夕刻のある建物の中庭の風景を描いた作品。
右手前に描かれるグリーンのテーブル。その上には茶器、グラス、ワインボトル、水差し、3つのバラが活けられた花瓶。奥の建物には、室内の明かりが赤いカーテン越しに灯っていて。うっすらと暮れる時間の落ち着いた雰囲気で。これからここでディナーが始まるようなイメージは湧かず、むしろ何もなくそのまま日が暮れていくようなイメージで、なんとなくちょっと寂しいような...それでいてやわらかい印象を受けました。
・エドワード・アトキンソン・ホーネル「春の田園詩」(1905)
画面中央には女の子が二人。ひとりは座っていて、もうひとりは横たわっていて。その奥には仔やぎ。
画面全体には白い花が、地面には黄色い花が広がるように描かれていて、楽しげな春の印象。
正真正銘の20世紀初頭のヨーロッパの油彩の作品ですが、今の感覚で接しても充分新鮮で。
・アルフレッド・ステヴァンス「マグダラのマリア」(1887)
先日のギュスターヴ・モローでも同名の作品があったような気がしたのでちょっと気になりました。
無垢な表情で虚空を見つめているような表情の金髪かつ長髪、髑髏を右腕に抱え、左腕は頬杖をついているマグダラ。
先日のモロー展でも同じタイトルの作品があったような気がして。
・コンスタン・ベルメーケ「眠る農夫」(製作年クレジットなし)
数少ない油彩ではないもののひとつで、キャンバスに貼った茶色の紙の木炭で描かれた作品。
大きな手や、膝を軽く折って右腕を枕にし、ごろりと横たわって眠る農夫がもっさりのんびりと描かれていて、コミカルな感触でほっとします。
観ながらあらためて気付いたのですが、ベルギーの作家の作品が中心の展示で、ヨーロッパ全体の絵画スタイルの流れに沿って、それにベルギーの絵画が呼応していく様子が分かりやすく提示されていました。
こういうところの丁寧さは世田谷美術館ならでは、のような気がします。
また、展示内容とは直接関係ないことなのですが、スペインはちょっと違うかもしれませんが、近代ヨーロッパの各国のアート界は「ヨーロッパ」の絵画の流れに概ね沿っていて...要するに今回だとベルギーが極端に突出していることはなく(たしかに象徴主義においてはリードしていたかも知れませんが)。このことを思うと、「日本画」という独自のスタイルが存在する日本のアートの「個性」ってもっともっと誇りに思っていいのかな、と。
とにかく、観ておいて良かったです!
《感想リンク》
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/6bc0ee83b5c206119d6a6ecb9ce3eb10
http://jiyu-runner.cocolog-nifty.com/tannsihin/2005/07/post_58e5.html
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=286
http://blog.livedoor.jp/scarlettvivi368497/archives/29168996.html
http://blog.goo.ne.jp/code_null/e/3e4d9d9181e18b13b0c79ce5b30b2657
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