アジアのキュビズム −境界なき対話(8/22)
2005年8月25日 アート
東京国立近代美術館にて。(8/9〜10/2)現在開催中!
http://www.momat.go.jp/Honkan/Cubism/
キュビズムは好きです。
ピカソはキュビズムの時代が一番いいなと思うし、ブラックの一連の作品もけっこう見入ってしまいます。
で、この「アジアの」キュビズムっていうスポットの当て方に興味津々、かなり楽しみにしてました。
キュビズムは、今となっては分かりやすい絵画的な表現手段だと思います。
写実的なリアリティを求める方向に進まず(と書くとちょっと違う感もありますが)、デフォルメして部分(パーツ)を図形的に強調することで生まれるリズム。
ある作品は整理され、またある作品は混沌としていて...。色彩も同系統でシンプルにまとめられていたり、濃い色彩を組み合わせてたり。
印象に残った作品。
・東郷青児「コントラバスを弾く」
この作品が出展されていることの説得力の大きさたるや・・・「キュビズム」の作品が居並ぶ中にあることで、より際立つこの作品の凄み。何度観てもカッコイイ作品です。
・石垣栄太郎「鞭打つ」(1925)
弧で構成された、いななく馬とその馬上で身体を反らせる人、鋭い曲線を描きながら空を舞う鞭。
背景には、長方形で描かれるビルが重なるように。全体的に茶系で統一された色彩と共に、曲線の「動」と直線の「静」とのコントラストが印象に残ります。
・アフマッド・サダリ(インドネシア)「セントラル・パーク、ニューヨーク」(1962)
オレンジ、紫、緑、黄などの透明感のある明るい色彩がまず爽やかで、斜めに交差するたくさんの線によるシャープな構成で、通りを歩く人や座る人、ビルの街並などが表現されていて、こちらもまたかなりかっこいい!
・金洙(韓国)「三つの顔」(1956)
暗めの色彩、そのなかの赤がまわりの色彩に溶け込んでいるようでもあり、ひとり主張しているようでもあり。全体的にかなり艶やかで、油彩というよりもステンドグラスのような深い透明感があるように思えました。
・ジャハンギール・サワバラ(インド)「調和する壺」(1959)
いくつかの図形が重なって、それが少しずつずらされるような感じで、色彩と共に落ち着いた構成で。
この絵の前ではなんとも静かな気分になれました。
・ソンポート・ウッパイン(タイ)「政治家」(1958)
これまで観てきたキュビズムのイメージにいちばん近い印象。
人の身体のパーツをばらばらに組み合わせたような感じでタイトルも意味深ですが、そういった作品の背景とは一切関係なく単純にやわらかい色彩と構成が味わい深いです。
展示作品は20世紀中頃のものが中心でした。
もし現在の作家で同じ企画をやったらどんなふうになるだろう、という興味も尽きないです。
また、普段なかなか観ることができない東南アジア・南アジアの作家の作品も多く観ることができたもたいへん貴重でした。
いちおう4つの大きなテーマに分けて展示されていましたが(そしてそれぞれのテーマの中で細かいカテゴリーに分けられています)、それぞれのカテゴリーで見比べるもよし、もっとランダムに観て回るもよし、といった感じです。
《感想リンク》
http://artslog.seesaa.net/article/5883800.html
http://yyamamoto.cocolog-nifty.com/yumikoyamamoto_diary/2005/08/post_e2ba.html
http://mbakeyword.livedoor.biz/archives/50090241.html
http://www.momat.go.jp/Honkan/Cubism/
キュビズムは好きです。
ピカソはキュビズムの時代が一番いいなと思うし、ブラックの一連の作品もけっこう見入ってしまいます。
で、この「アジアの」キュビズムっていうスポットの当て方に興味津々、かなり楽しみにしてました。
キュビズムは、今となっては分かりやすい絵画的な表現手段だと思います。
写実的なリアリティを求める方向に進まず(と書くとちょっと違う感もありますが)、デフォルメして部分(パーツ)を図形的に強調することで生まれるリズム。
ある作品は整理され、またある作品は混沌としていて...。色彩も同系統でシンプルにまとめられていたり、濃い色彩を組み合わせてたり。
印象に残った作品。
・東郷青児「コントラバスを弾く」
この作品が出展されていることの説得力の大きさたるや・・・「キュビズム」の作品が居並ぶ中にあることで、より際立つこの作品の凄み。何度観てもカッコイイ作品です。
・石垣栄太郎「鞭打つ」(1925)
弧で構成された、いななく馬とその馬上で身体を反らせる人、鋭い曲線を描きながら空を舞う鞭。
背景には、長方形で描かれるビルが重なるように。全体的に茶系で統一された色彩と共に、曲線の「動」と直線の「静」とのコントラストが印象に残ります。
・アフマッド・サダリ(インドネシア)「セントラル・パーク、ニューヨーク」(1962)
オレンジ、紫、緑、黄などの透明感のある明るい色彩がまず爽やかで、斜めに交差するたくさんの線によるシャープな構成で、通りを歩く人や座る人、ビルの街並などが表現されていて、こちらもまたかなりかっこいい!
・金洙(韓国)「三つの顔」(1956)
暗めの色彩、そのなかの赤がまわりの色彩に溶け込んでいるようでもあり、ひとり主張しているようでもあり。全体的にかなり艶やかで、油彩というよりもステンドグラスのような深い透明感があるように思えました。
・ジャハンギール・サワバラ(インド)「調和する壺」(1959)
いくつかの図形が重なって、それが少しずつずらされるような感じで、色彩と共に落ち着いた構成で。
この絵の前ではなんとも静かな気分になれました。
・ソンポート・ウッパイン(タイ)「政治家」(1958)
これまで観てきたキュビズムのイメージにいちばん近い印象。
人の身体のパーツをばらばらに組み合わせたような感じでタイトルも意味深ですが、そういった作品の背景とは一切関係なく単純にやわらかい色彩と構成が味わい深いです。
展示作品は20世紀中頃のものが中心でした。
もし現在の作家で同じ企画をやったらどんなふうになるだろう、という興味も尽きないです。
また、普段なかなか観ることができない東南アジア・南アジアの作家の作品も多く観ることができたもたいへん貴重でした。
いちおう4つの大きなテーマに分けて展示されていましたが(そしてそれぞれのテーマの中で細かいカテゴリーに分けられています)、それぞれのカテゴリーで見比べるもよし、もっとランダムに観て回るもよし、といった感じです。
《感想リンク》
http://artslog.seesaa.net/article/5883800.html
http://yyamamoto.cocolog-nifty.com/yumikoyamamoto_diary/2005/08/post_e2ba.html
http://mbakeyword.livedoor.biz/archives/50090241.html
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