神田さおり個展「こ こ ろ か が み SAORI’An2005晩夏exhibition」(8/20、8/21)
Bギャラリーにて。(8/18〜9/20)現在開催中!
http://www.beams.co.jp/beams/b_gallery/b_gallery_sheet/kanda.html

 
 
これ以上、「妖艶」という言葉が合う作品は、ちょっと思い付かない...。

 
事前にBギャラリーのHPで拝見して楽しみにしていましたが、期待以上の素晴らしさでした。
ギャラリースペースには壁中が布で覆われていて、そこにエキゾチックでかつ未来的な雰囲気の作品が展示されています。

多くの作品は布地に描かれていて、墨絵のようなタッチで太さを変えながらするすると天真爛漫に走る線。
花びらを連想させる東洋的な模様が広がる中に、細い目の女性が誘うような表情で。。。
色彩はシンプルでたくさんの色が使われておらず、布地の質感もそのまま。「描く」というより「染める」といったものも。
しかし、そのシンプルさのおかげで、多くの作品に使用されている金泥による線、点、あるいは薄く広がる金色が効いていて、それが作品の妖婉さをより強調しているように思えます。紺のジーンズ地に乗る金色なんて、もう。。。
また、ある作品、白地の布に描かれた作品には赤い糸で刺繍が施されていて、これがまた絵の具のとは違った色彩の広がりがあって良いのです...そしてその痕跡をあからさまに残すように刺繍針が画面の左隅に留められているのを見つけて、ダメ押しでぐっときます。

さらに、作品のタイトルがキャプションで提示されるかわりに、その布で覆われた壁に直接書かれているのです。しかも、これもまた金泥で。全部ではなく黒系の絵の具で書かれているものありますが、これらがまた「誘う文字」といったタッチで、ギャラリー全体の雰囲気を創り上げることにも貢献しています。

テレビモニターでは、神田サオリさんのパフォーマンスビデオが。
奇妙な心地よさのポストロックが流れる中、白い画面に線が引かれ、色が加えられるうちに絵が出来上がっていく、というものですが、だんだんと描かれるものに魂が宿っていくようで・・・見入ってしまいました。

とにかく深く心に残ります。
額に入った作品と共に、裁断前の大きなジーンズ地に描かれた大きな作品も展示されていて、インスタレーション的な様相も呈しています。

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