ローリー・アンダーソン「時間の記録」(8/9)
ICC(インターコミュニケーションセンター)にて。(7/22〜10/2)現在開催中!
http://www.ntticc.or.jp/Schedule/2005/THERECORDOFTHETIME/index_j.html

今回がICC初体験。
足を踏み入れた第一印象は、コンテンポラリーアートの聖地。
・・・というと大袈裟かもしれないけど、すごく新しいものに触れられるんじゃないかと期待させるような、ピンと張りつめた雰囲気を感じました。

ローリー・アンダーソンのことはまったく知らなかったのですが、エントランスからすぐのスペースで流されていた映像群を一見して、そのとんがった感性に思いっきり興味のアンテナが反応。

自身がミュージシャンであるとコメントしているように、全体的に、音をフィーチャーしたインスタレーション作品が多いです。

出展作品は映像で彼女自身が再現しているもの、観る者が実際に体験するもの、コンセプトを描いたドローイングなど、さまざま。

映像ではまず「ドラム・ダンス」というパフォーマンスがかなり面白かったです。
ある箇所に衝撃を加えれば音が鳴る「ドラム・スーツ」を身に纏ったローリーがステージ上で「演奏」している映像。

アイデアやコンセプトを描いたものはけっこう多く展示されていて、日本語による説明を読みながらその作品の「意図」を考え、頭のなかにイメージする作業はなかなか面白いものです。
引き戸やドアの接触部分にテープとヘッドが設置されているものなど、生活スペースに仕込まれるアイデアや、センサーを使ったものなど。
「あーなるほど、こういうふうになっているのか、面白い!」
「・・・でもこうやって想像するのが面白いのかも」
「実際これが形になると案外醒めるのかもなぁ」
などと思いましたが・・・しかし予想に反してそのうちいくつかは広いスペースに展示されていました。
なかでも印象的だったのが、テーブルの上の2つのポイントに肘をふれて頭を抱えた格好になると腕の骨を伝ってちゃんと音が聴こえてくるもの。図面では骨の振動で、頭蓋骨から音が伝わって聴こえるというふうに説明されてましたが、むしろ両耳を塞ぐほうがちゃんと聴こえて、その音楽はなんだか包みこうようなロングトーンが延々と展開されていて、心地よかったです。

後半に登場する映像作品では、「ホログラム・ボウ」がかなり面白いコンセプトで。
音の情報を映像に変換するというものだったと思いますが、ざらついた映像はなんだかものすごくアーバンで、強烈にクール。

視覚と聴覚それぞれのコンテンポラリーアートの「掛け橋」のような感じで、すごく面白かったです。
作品そのものよりもそれぞれのコンセプト、過程を知ることがなにより楽しく面白い。
各所でこのICCがクローズするという話が出ていますが、今回初めていってみて、こういう空間は存続させなきゃ、と強く思った次第です。

《感想リンク》
http://www.blog.s-woman.net/art/2005/08/post_6114.html
http://fakeplastic.cocolog-nifty.com/fakeplastic/2005/08/post_6bfe.html
http://izuminz.exblog.jp/3177538

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