TARO NASU GALLERYにて。(7/23〜8/27)現在開催中!
http://www.taronasugallery.com/exh/index.html

はじめて田口さんの星空の作品を観た時は、ぜんぜん分からなかった。
2度目は、壺の上から人の顔がぬっと出てる作品。こちらはその構図にぎょっとしつつも、まだピンとこなかった。
3度目。ギャラリー覚の方に田口さんの製作過程を教えていただいて、その「過程」、複数の写真をコラージュさせたものを油彩で描き、それを撮ってプリントする、ということを知ることでようやく「面白いかも!」と思いつつも、「なぜ撮る?」という疑問をもった。

そういう経緯を経て、タロウナスギャラリーでの展示へ。

ギャラリースペースには5点。いずれも、ぱっと見る限りはほぼ同じ女性の肖像。
まず、入口横の作品。暗くて、描かれる女性の顔は分かる程度。
それから左に視線を移して、女性の口元の不自然な歪みにぎょっとする。
その隣、まっとうで安心。
次の作品はまた違う歪み方。さらにその隣はもっと強烈・・・。
連想したのは福笑い。でも、笑えない。むしろ「怖さ」を強く感じる。。。
それぞれの作品の微妙な違いを突き詰めて感じてみたいという衝動的な感覚...おれからしばらくは憑かれたように、ひとつひとつの作品と、距離や角度を変えながら、暫し拝見。

作品の静謐さ、深さ、力をマトモに受け止めつつも、やはり「撮る」ということがピンとこない...。

「アートフェア東京」の準備をなさっているスタッフの方に教えていただいて、小部屋のほうへ。
こちらには、白の背景に壺、という作品が、いちおう、4点。
というのも、油彩の原画1点と、その原画の変遷を捕らえたともいっていい写真のプリントが3点。そのうち2点は途中経過で、完成したものが1点、これは原画と隣り合わせに展示。

・・・この原画と完成作品が並んでいるのを観て、「撮る」という作業の意味が感覚的に理解できた。
「撮られる前」の油彩の作品は、描かれているものが「壺」とううことも多分に影響しているだろうが、まるで「焼かれる前」といった「生」の質感が強烈で、隣の完成作品はまさに「焼き上がり」という感じ(!)。
油彩のままでは出せない画面の艶といい、撮ることで生まれる「影」といい...食い入るように観てしまった。。。

前出の女性の肖像の作品も5つの「原画」があるとのこと。びっくり。。。最初は、あまりにも「同じ」ように顔のパーツそれぞれが描かれているのでてっきりコンピュータで補正したのかと思い込んでいたけど...。

こういうオリジナリティに触れるのは、いろんな感覚を総動員して接するのが楽しいのです。

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