「暑中に涼あり」〜五人の心の窓からふく風は…〜(7/10)
オーパ・ギャラリーにて。(7/1〜7/13)
http://www.geocities.jp/opa_gs/html/event20050701.htm

最近ちょくちょくお邪魔する、青山のちいさなギャラリーでのグループ展。
こちらに、前日の田中怜さんと同様に「やぶのなか展」で拝見した岡本雄司さんの作品も出展されていると知り、行ってきました。

やぶのなか展では唯一の木版画、しかも1版刷りの黒の版画だったのでかなり深い印象を持ったのですが、今回あらためて拝見してみると、思いのほか、軽みというかユーモアみたいなものも感じられ、ちょっと意外に思ったのですがそれはそれで嬉しくて。

シルエットだけで構成された駅や電車のある場面。
きりっとした稜線で描かれた田舎の駅の風景。
・・・それらは木版画でなければ表現できない、その手法独特の不器用さが醸し出すあたたかい感触。
紙の色とインクの黒しか存在しないシンプルな色彩に加えて、描かれる風景・場面も実に素朴でシンプルで・・・実際は違うはずなのに、僕の田舎の駅の風景が頭の中に蘇ってきて、なんだかものすごく懐かしい気分に。

置いてあった2冊の版画集も大変面白かったです。ひとつは、とある駅(失念してしまいました・・・)のホームを描いたもので、すべてのページが繋がっていてページをめくるたびに端から端へと移動していくというもの。もうひとつは、たくさんの地下鉄の入口から見える地上の風景をまとめたもの。

岡本さんとお話しして、また作品も拝見して感じたのは、旅が好きな岡本さんが出会った素敵な風景を純粋に「伝えたい」という思いが伝わってくるなぁ、ということで。
木版画を本格的に始めることになったきっかけなど、興味深いお話もいろいろ伺えました。

岡本さん以外の方では、この展示で唯一版画でなかった井上コトリさんの作品が印象に残りました。
太めの黒の稜線とくっきりした色彩とで描かれた、「オツムちゃん」というキャラクターが登場するなんだか不思議な世界。
井上コトリさんのHP:http://www17.ocn.ne.jp/~torikago/

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