浅葉克己。浅葉春。新し器父娘展(7/1)
Gallery 5610にて。(6/27〜7/23)現在開催中!
http://www.deska.jp/frame0.html

少し前に新宿のb galleryで拝見した浅葉春さんと、そのお父様の浅葉克己さんとの2人展。
この日は浅葉父娘を交えてのトークショーが開催されていて、これには確実に参加できるか分からなかったので予約はせず、観ることに専念。

外のスペースでトークショーが行われているなかで、作品をじっくりと拝見。

春さんの陶芸。
前回よりも気分的にゆったり観ることができました。

一部に蓮がモチーフとされた、ちょっとコミカルにうごめくような「蠢蠢シリーズ」、ところどころに線状などの穴が開いた直方体のオブジェ(中から明かりを照らすとその隙き間から光が覗くようになっているランプ)、タマゴ型のかわいい花器、さまざまな食器やマグカップ...。
その不器用に歪んだ(なんとなくこの言葉が一番しっくりきます)姿や素材そのものの質感など、ひとつひいとつの要素が合わさってなんともやさしい印象で、そういった陶器たちに囲まれているのが気持ち良く感じられます。
赤や茶色といった土の色のものが多いのですが、一部「炭火」とクレジットされているものがあり、これらは鈍い光をたたえた黒。これがまた実に味のある色なんです。
これらは2度、窯で焼くそうで、2度目は窯の煙突を塞いで、封じ込められた煤を陶器に焼きつけるようにしてこの色彩感、質感を出すそうです。

そんな中、一連の「鳥」の作品。
それぞれ、鳥たちの顔の高さまで身体を屈めたりしゃがんだりして、その表情をじっくりと観てみたのですが、目を開いたものは明るく元気な感じで大声を発しているかのようです。
一方、目を閉じている鳥。2本足ではなく、細長い筒状の台でその台にも目を閉じた女性が描かれているものがあって、その表情といったら...ちょっと忘れられないくらいの優しさ、やわらかい表情で、ロマンチックなイメージが湧いてくるから不思議です。

克己さんの、平面作品。
克己さんの展示も以前、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで観ていたのですが(そのときは結構なボリュームだったので、面白かったんですけど疲れてしまいました。今思えばすごく残念・・・)、今回の展示で陶芸の春さんのお父様と知ってびっくり(笑)。
さまざまな象形文字(トンパ文字)をふんだんに織り込んだ作品はそれだけで面白いです。
文章のようになっていたトンパタロットはさすがに解読とまではいかず...でも「何となく」伝わってくるものでも充分に楽しめます。
逆に、シンプルなもの、大きなトンパ文字が2つか3つ配置されていて、タイトルがその訳になっている掛け軸がいくつかあり、これらは分かりやすく、さらに文字とは別に絵も入っているものもあったりして、頭を使わないぶん(笑)ダイレクトに面白さが伝わってきます。

ぜんぜん違う作風の父娘展ですが、それぞれの作品が醸し出すユーモアだったりやわらかな感触だったり、期待以上に楽しむことができました。
観てる時に聴こえてきた南京玉簾の「あさて、あさて、あさてさてさて・・・」という節と、おそらくそれを披露した克己パパの着てるものが写真通りのカッ飛び具合だったのも印象に残ってます(笑)。

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