ミヅマアートギャラリーにて。(6/1〜7/2)現在開催中!
http://www.mizuma-art.co.jp/_archive/200506_aoyama_j.htm

これはヤバいね。これは。

暮れ行く空、そこに浮かぶ雲の筋、そしてなにより広がる夕陽のオレンジのグラデュエーション、その下に広がる街並。これらが丁寧に再現された街の夕景。
毛並みの一本一本が描かれ、やけにリアリティのある、何かを待つ、もしくは遠くを眺めているような、実物大の犬の後ろ姿。
真っ暗闇に浮かび上がる髑髏。
すごくエロティックながら、この中にあってはそれほどのインパクトを感じない、ピンクの女性下着。
榎倉康二を連想させるような、大きな紙に飛び散った泥のしみ。大小の染みそれぞれが、乾いた外側の部分は濃く、内側は薄く、といった案配にリアルに描かれていて、すごい説得力!
暗闇に浮かび上がる木のシルエット。天上に向かうにつれてだんだんと濃さを増す闇夜の表現がカッコ良すぎてもうたまらない。

奥のスペースには小品が。
スナップ写真を同じ大きさで再現した作品が数点。
標識に書かれている文字までもが忠実に再現、しかも、遠い景色と近くのものとを、凹凸感を付けてしっかり表現されているのにも脱帽。
昆虫や小動物の作品もリアリティにあふれていて、これまた感服。

これがすべてミシンでの刺繍で描かれているんです!
これが驚かずにいられるかってんだこの野郎!
ちなみにポリエステル、もしくは紙に刺繍されています。
作品によっては(たぶん)黒系のパステルで下書きされているものもありますが、それぞれおそらく普通の画材で描くのもけっこう難儀と思われるような細かい描写が、細い刺繍糸で再現されています。
少し前に同ギャラリーで青山さんの作品は1点だけ拝見していて「スゴイもの創る人がいるんだなぁ」と感心したことは覚えていたのですが、今回の個展を拝見して、いやもうその「仕事っぷり」には頭が下がります。

幸い会期はまだしばらく続きます。
これは観ないと損かと。

《追伸》
泥の染みだと思っていた作品は、コーヒーの染みとのこと。
良く考えると展示タイトルに「コーヒー」ってあるわけで。

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