川崎市市民ミュージアムにて。(1/20〜4/10)
http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/exh/site_graphics.htm

バレーボール観戦と合わせて観るつもりが、バレーボールのチケットが取れずに結局これを観るためだけに等々力まで来たことに。
・・・それでも充分モトが取れるくらいに楽しめました。

実は、今年の初めにHIROMI YOSHIIで観た津田直さんの写真が印象に残っていて、その時にギャラリーのスタッフの方に川崎市市民ミュージアムでも津田さんの作品が展示されるとの話を伺っていたので、この企画展はずっと気に留めていました。

この企画展、上は1954年生まれから下は1980年生まれまで、比較的幅広い世代の10人の写真家の作品が出展されています。

まず、原田晋さんの作品から。3枚の壁に分けて展示されていて、それぞれ地上の風景、宇宙の風景、人物となっています。厚いアクリル板に覆われた、焦点がぼやけて蜃気楼、あるいは残像のような質感で、デジタルの息吹きも感じつつ絵画っぽくもある仕上がりになっていて、なかなか面白いです。

向後兼一さん。奥の一角にまとめて展示。
どれも小さな作品で、風景の一部が高速で移動しているように加工されている「blur」、画面全体が乳白色の「pale」、風景とある色彩との左右に分かれた画面で、風景の一部に色彩の線が水平に走り、その細い幅のなかに圧縮された風景がそのとなりの色彩の中に走っているというシュールにも思える「line」の3シリーズ。どれも新しい感覚がユニーク。

気になっていた津田直さんの作品は、2面、あるいは3面組の煙る蒸気の写真。
それぞれの作品のタイトルになっている日付けから、2/13/2003と7/28/2002の2つの日に撮影されたらしいことが分かります。
ある写真は地上の岩がさらけだされていて、またある写真では全体が蒸気の煙に覆われていてほとんど何も見えなかったり。。。
相当の地熱が感じられる風景なのに作品からは逆にクールな印象を受けるという、なんとも不思議な肌触り。

津田さんの作品の向かいの壁にあったのが鈴木良さんの作品。
ある風景の「人」だけが写り、他の風景はすべて白く加工されているシュールな写真。
歩いている地面や腰掛けている階段がなくなると、人ってなんとも不思議な格好をしているものだなぁと可笑しさを含んだ感心をしつつ、白色に浮かび上がっている、人々が纏う様々な色彩の鮮やかさにも目を奪われます。

他にも無人の街の風景を写した北島敬三さん、夜の街の表情をとらえた笹岡啓子さんなど。。。

また、「風景写真の展望」というタイトルで川崎市市民ミュージアムのコレクションも同時に展示されていて、こちらも大変興味深く、生々しい動物の生きざまをこれ以上なく美しくとらえた杉本博司の写真が観られたのが嬉しかったです。

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