上野の森美術館にて。(3/15〜3/30)
http://www.ueno-mori.org/tenji/voca/2005/index.html

現代美術の作家を一挙に紹介するVOCA展に行ってきました。
平面作品のみですが、絵画あり、写真あり、平面という概念に収まらない作品もあり。しかもほぼ全部が大作。見応え充分です。

特に印象に残ったのは・・・

・町田久美さん「深夜帯」
薄茶色の画面に、黒の線で描かれた、頭の上に指を組んで置かれた両手、すべての爪にはなぜか「角」らしきものが生えているという、シュールだけどキャッチーで、一目観たら忘れないような作品。そんな作品のタイトルが「深夜帯」。謎。。。
町田さんは現在銀座のAPS西村画廊で個展開催中とのことなので、なんとか会期中に観に行きたいです。

・居城純子さん「N34.21.29 E135.52.13」
麻色のキャンバスに油彩。
ジャングルのなかから見る朝日の光、という感じの抽象の風景画で、生える草が描かれているかと思えば、林が型抜きされているようなところや天地を逆にして描かれたようなあとがあったり・・・いろいろと見どころが多くて面白いです。

・荒井経さん「塔-1」「塔-2」
もわ〜っとした水色の背景に、黒で描かれたおもちゃやお菓子が積み上がっている絵で、絵なんですけどそのギリギリの積み上がり方にほのぼのとした緊張感を感じてしまいます。

・齋藤芽生さん「名もなき東京人のための花輪」
新宿や池袋などの東京の街の本当の素顔をあしらって無機質な花輪を描いた、軽くブラックなユーモアに溢れた作品。
それぞれの花輪につけられたタイトル(たとえば新宿は「新宿人狼」)と、添えられた七五調の詩も面白かったです。

・北村英哲さん「しろいもの」
鮮やかすぎる青の背景に、雲?泡?とにかくそういうものを連想させる「しろいもの」が描かれているだけなんですが、その「しろいもの」の立体感が強烈!
ホント、平面とは思えないくらい。
だから、青と白だけの絵なのに、中央部の立体感と画面下の絵の端の部分の、これが平面作品であることの現実とのギャップにすごい違和感を感じてしまいます。

・新明史子さん「八月の家」
これまで観た写真のコラージュのなかで、いちばん面白いです。
どこでも見かけるような日本の家の屋内の写真を貼り合わせたものですが、畳の縁や天井の端の線などをうまく繋いで、不思議な空間を創りだしていました。

・下薗城二さん「無題」
ビルの壁の写真。
写真に写り込んでいる景色は、ただただ無機質。
そのあまりにも無表情な絵に感じてしまう焦燥感。

・城田圭介さん「Days which are not known.」
昨年のシェル美術賞展でも拝見した城田さんの作品。
その時と同様の、中央に風景のカラー写真、そのまわりはその写真のから広がるように、モノクロで「何も無い」風景が描かれています。
今回は松林、夜の電気街、踏切、高速道路の4点の展示で、作品の持つ独特の世界がより強く印象に残ります。

・内海聖史さん「色彩の下」
縦に長い絵画。
作品の上の方に、さまざまな緑の玉がいっぱい描かれていて、展示のされ方からしてその緑が降ってくるような、なんともファンタジックな作品でした。

あと、澤田知子さんのコスプレも相変わらず強烈でした(笑)。

こういう展示によって際立つものもあれば埋もれるものもある、というのも正直な感想で、ぜひともそれぞれの作家の作品を個展で拝見してみたいです。

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