ギャラリーf分の1にて。(3/8〜3/13)

東北芸術工科大学大学院版画コース1年のお二人の展示。

佐藤さんの作品は、塊になった生物群の銅版画。かなりのインパクト。
たくさんの蛙や蜂が球体のようなひとつの塊になっていて、一瞬ぎょっとなります。
・・・しかしまだ蛙や蜂は小さいからなんとなく現実的(決して実際に遭遇することはないと思いますが)(いやむしろ遭遇したくない)な気がしますが、大きな作品で、その塊の元が「牛」というのがあって、その現実離れした内容に絶句。。。
・・・と、作品の印象は概ねこんな感じですが、描かれている生物をひとつひとつ観てみると大変丁寧で、相当な観察力なんだなぁ、と感心してしまいました。
また「塊」とは別に、蝶の作品もあって、こちらは同じ版で微妙に刷り方を変えたものがひとつの額に標本のように収まっているもので、こちらも丁寧に描かれていてよかったです。

中野さんの作品はこれまでの銅版画の印象から少し離れているところがあって、植物をフィーチャ−した抽象作品ですが、まさに銅版画らしい精緻な表現と、墨絵のようなぼやけたところとが同居していてなかなか味わい深い作品でした。
そして、銅版を大胆に腐食させて得られた偶然の効果も活かされていて、溶けて微妙な曲線が生まれた端の部分や腐食の際に出た気泡がそのまま版に残ったところなども一役買っている感じでした。
あと、セピアっぽい色を使った一版多色刷りなのもよかったです。

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