東京ステーションギャラリーにて。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

今回の東京ステーションギャラリーはいつもと志向が違って丸の内界隈の企業や官庁の所蔵作品を集めた展覧会で、行く前は「どうかな?」と軽く心配だったのですが、やっぱりよかったです。

およそ20世紀初頭から最近までの日本の油彩の絵画(ペン画が数点あり)で、描かれているのもは幅広く・・・既知の作家も初めての作家もいて。

岡田三郎助の「水辺の柳」。遠目で見ると日本画のようなにじんだ風合い。

梅原龍三郎の作品は意外と見る機会が多いような気がするけど、ここで観た青で描かれた「桜島」は、なんとなくその時の気分にぴったりで、「笑っているセザンヌ」という雰囲気が心地良かった。

花瓶に挿した花の絵で印象的なものが多く、かすみがかったような林武「花」、絵の具をたっぷり乗せた大胆でド迫力の朝井閑右衛門「バラ」、他に小山敬三「ばら」田崎廣助「秋のダリア」など。

紫でない須田国太郎の作品に初めて出会った。「風景(樹間)」。林の入り口のような場所の絵でおおよそ緑、でもその力強さには納得。

迫力という点では、鳥海青児「スフィンクス」が生々しいくらいに強烈。

林鶴雄「水車」。日本の田舎の原風景、知らない時代のゆっくりとした時間に思いを馳せる。

内堀勉「晴日」は、反物が軒に干してある絵。それには模様が入っていて、マティスが観たらどう思ったかなぁ、と。

小さな風景画なんだけど、見る角度によって突然リアルに見えてくる中川紀元「伊那谷味爽」。

小磯良平もよく見かける。でも今まででいちばん印象的だった、背景の透明感が清々しい「横向裸婦」。

4点あった脇田和作品のうち、「おやじの顔」は描かれている顔がまるで吉田戦車の漫画でインパクト大。

大友洋司「Untitled」の、紫の濃淡でものすごい奥行きが描かれていて。

石川順恵「春分5」。キャンバス全体に黒で描かれた波打つ空気のようなもの、その上にテープを貼ったような白の線の模様。心に引っ掛かってくるアンバランス。

やっぱりよい難波田龍起。「海の詩」。


なんだかんだでここは外せないです。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索