東京芸術大学デザイン科描画・装飾研究室展『やぶのなか』
2004年10月30日 アート銀座松坂屋別館4階画廊にて。
http://www.matsuzakaya.co.jp/ginza/garou/ginza_ga.shtml
・・・もっと早く行きたかったんですが、都合がつかず結局本日に。
ここは初めてでしたが、これまで観てきたデパートの画廊のイメージを覆す、落ち着いた雰囲気。
(銀座についてまず本館7階の催し物会場に行ってしまったのはここだけの話)
尊敬する作家さんが多数出展されるこの展示会は楽しみだったのですが、いやもう、期待に違わぬ興味深さで。
全体的な印象は、とにかく「スキのない」作品が多いです(例えばマティスはスキだらけだと個人的には思う)。
そして「何を描くか」だけでなく、「どう描くか」というところへも興味が注がれます。
すでに知っている方々。
石居麻耶さんと永井夏夕さんの、それぞれの風景画。
石居さんの絵は、爽快。ミントのような、「すーっ」とする感じ。
永井さんは、題材は懐かしくても、描かれる絵は不思議と未来的。
このお二方の風景画、風味はぜんぜん違うけど「精緻」という点で共通していて、この「精緻さ」はカメラがこれだけ普及した時代の風景画のスタンダードのような気がする。
金丸悠児さん。僕にはおなじみの動物の絵。
画面に葉っぱや新聞か何かの紙が入り込んでいて、その上に描かれている亀。絵の表面の細かな凹凸の奥はすごくカラフルな色が混ざりあっている。ゆっくり視線を動かしていくと楽しい。
野地美樹子さんの銀杏の木の絵。
なんともやさしい黄色で一枚一枚描かれた銀杏の葉っぱを眺めていると、童心に帰ったような気分になる。
岡部忍さん。どこかの美術館の中の絵。
通路の遠くから展示室を覗いたような絵で、すごシンプルなんだけど、なぜかものすごく印象に残って・・・。
美術館の床の上を歩く「コツコツ・・・」という足音が聴こえてくるような、静かな絵。
名古屋剛志さんの絵はエキゾチシズムとジャポニズムが同居しているような不思議な雰囲気。
ひとつの絵のなかにトピックがいくつかあって、僕には左上に描かれた飛ぶ鳥が特に印象に残りました。
ひとつのトピックを描いた小さなサイズの作品も拝見したいです。
泉東臣さんは、芸大祭で拝見したときに強烈なインパクトを受けた。絵というよりはむしろ彫刻。
学生なのにこの完成度は何?というくらいの説得力ある作品。
今回初めての方々。
小林英且さん。
女性の絵なんですが、背景の濃い赤が、これ以上にないくらいにあざやかで。。。
岡本雄司さんの作品はたぶん木版画。
電車内の風景で、光が差し込む窓以外はすべて影、なのに妙にリアルな印象。
濱岡朝子さん。町並みを描いた縦長のポップな絵。
重ねた絵の具で微妙に凹凸がついていて、白い部分がなんとなくケーキの生クリームのよう。
田中怜さんの絵は、唯一、額窓されていない。
色は白と黒だけ。白地に黒で何か細かく描かれていて、じっくり観たけど何が描かれているか結局分からず、でも、他の作品もぜひ拝見したいと強く思わせる。
浦和志津香さんの菖蒲の絵は、未完成なんじゃないか、と。
もしそうだとしたら、この先どういうふう色が入るのか、観てみたい。
他にも押元一敏さん、高橋浩規さん、阿部穣さん、渡邊史さんなど、とにかくそれぞれの方々の他の作品ももっと観たい、と感じずにはいられない展示会でした。
11/2まで開催。
時間を取って行く価値があると思いますので、ぜひ。
http://www.matsuzakaya.co.jp/ginza/garou/ginza_ga.shtml
・・・もっと早く行きたかったんですが、都合がつかず結局本日に。
ここは初めてでしたが、これまで観てきたデパートの画廊のイメージを覆す、落ち着いた雰囲気。
(銀座についてまず本館7階の催し物会場に行ってしまったのはここだけの話)
尊敬する作家さんが多数出展されるこの展示会は楽しみだったのですが、いやもう、期待に違わぬ興味深さで。
全体的な印象は、とにかく「スキのない」作品が多いです(例えばマティスはスキだらけだと個人的には思う)。
そして「何を描くか」だけでなく、「どう描くか」というところへも興味が注がれます。
すでに知っている方々。
石居麻耶さんと永井夏夕さんの、それぞれの風景画。
石居さんの絵は、爽快。ミントのような、「すーっ」とする感じ。
永井さんは、題材は懐かしくても、描かれる絵は不思議と未来的。
このお二方の風景画、風味はぜんぜん違うけど「精緻」という点で共通していて、この「精緻さ」はカメラがこれだけ普及した時代の風景画のスタンダードのような気がする。
金丸悠児さん。僕にはおなじみの動物の絵。
画面に葉っぱや新聞か何かの紙が入り込んでいて、その上に描かれている亀。絵の表面の細かな凹凸の奥はすごくカラフルな色が混ざりあっている。ゆっくり視線を動かしていくと楽しい。
野地美樹子さんの銀杏の木の絵。
なんともやさしい黄色で一枚一枚描かれた銀杏の葉っぱを眺めていると、童心に帰ったような気分になる。
岡部忍さん。どこかの美術館の中の絵。
通路の遠くから展示室を覗いたような絵で、すごシンプルなんだけど、なぜかものすごく印象に残って・・・。
美術館の床の上を歩く「コツコツ・・・」という足音が聴こえてくるような、静かな絵。
名古屋剛志さんの絵はエキゾチシズムとジャポニズムが同居しているような不思議な雰囲気。
ひとつの絵のなかにトピックがいくつかあって、僕には左上に描かれた飛ぶ鳥が特に印象に残りました。
ひとつのトピックを描いた小さなサイズの作品も拝見したいです。
泉東臣さんは、芸大祭で拝見したときに強烈なインパクトを受けた。絵というよりはむしろ彫刻。
学生なのにこの完成度は何?というくらいの説得力ある作品。
今回初めての方々。
小林英且さん。
女性の絵なんですが、背景の濃い赤が、これ以上にないくらいにあざやかで。。。
岡本雄司さんの作品はたぶん木版画。
電車内の風景で、光が差し込む窓以外はすべて影、なのに妙にリアルな印象。
濱岡朝子さん。町並みを描いた縦長のポップな絵。
重ねた絵の具で微妙に凹凸がついていて、白い部分がなんとなくケーキの生クリームのよう。
田中怜さんの絵は、唯一、額窓されていない。
色は白と黒だけ。白地に黒で何か細かく描かれていて、じっくり観たけど何が描かれているか結局分からず、でも、他の作品もぜひ拝見したいと強く思わせる。
浦和志津香さんの菖蒲の絵は、未完成なんじゃないか、と。
もしそうだとしたら、この先どういうふう色が入るのか、観てみたい。
他にも押元一敏さん、高橋浩規さん、阿部穣さん、渡邊史さんなど、とにかくそれぞれの方々の他の作品ももっと観たい、と感じずにはいられない展示会でした。
11/2まで開催。
時間を取って行く価値があると思いますので、ぜひ。
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