世田谷美術館にて。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html#sp0001

まず最初のカテゴリー、神戸震災の写真に圧倒される。
実物大まで引き伸ばされた巨大な倒壊家屋の写真。

「建築の黙示録」と題された廃虚写真の数々。
建築物はどんなに実用最優先で建てられていても、少なからず美的な要素を備えている。
それを「(美的という意味で)無意識に」壊されているのにもかかわらず、その過程に「美しさ・魅力」を感じる不思議。
モノクロームであることがそれをいっそう強調してる。
なかでも、浸水したベルリンの日本大使館の防空壕の写真2作品。闇の中を照らされて浮かび上がる無機質な壁と、フラットな水面の無表情さ(非情さ)とのコントラストが秀逸。
写真からバリー・ガイの音楽が聴こえてくる気がした。

「九龍城砦」。
このカテゴリーの写真の並びはまるで映画。
順番に観ていって、その流れの中で一喜一憂。

「アンコール」。
アンコールワットのアンコール。
カンボジアの石像の写真。2種類の薄いグリーンの苔がむしたその色彩に見とれる。

写真は結局のところ「記録」でしかないと思ってるけど、写真を撮る人の意志によって「伝えるべき」とされた「記録」には力が宿っているなぁ、と再認識。

ケータイにまでカメラがついて、いとも簡単に写真がとれるようになった昨今。
さしたる意志もなくきわめてお気楽に「記録」することができる世の中を素直に受け入れることができない自分。。。

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で、常設展示、というか、収蔵品展もきっちりチェックしてきました。期待していた難波田史男の作品は1枚だけで残念だったけど、ヴィヴァンの妙にコミカルな油絵や稲垣知雄のかわいい猫の絵など、それはそれで見応えがありました。

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